鎌倉殿の13人 21話 の感想
見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK
【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK
鎌倉殿の13人
なぜ「愛しい」と思うのだろうか。
愛しさに包まれているものを、また何故「愛しい」と思うのだろうか。
愛しいものを失った時、人は、何故。
今回は、終わってしばらく呆けたように、思いがまとまりませんでした。
ああ、私は八重さんに心底惚れてきた小四郎と、絆されて愛し抜いた八重さんが好きだったのだなぁ。
いつかこの愛が義時の呪いとなるような予感はずっとしていたけど、どんなに予想していても辛いのだと、自分を俯瞰してやっと文章を書き始められた気がします。
絶頂、綻び
奥州を平らげ、あとは源頼朝を頂点とする忠義の治世を築くのみ。
朝廷や地方武士の心を知らぬ平家に支配されるのではなく、坂東武者ら力持ち地に生きる者たち自らの世は、兄・宗時の願った時代はもうすぐ。
なのに源氏の兄弟は半分近く欠け、北条家にも不和・不穏がそこかしこに。
北条家の不穏の半分はりくさんのせいなのでまぁ仕方ないし明るいゴタゴタなのですが(笑、源氏不足と大姫の不調は、復讐と天下を取る為に犠牲を厭わなかったからですからね……
それは、源頼朝と北条義時の、罪。
天罰は、千鶴丸の殺害から始まった呪いは、まだ終わっていない。
阿弥陀如来、母、八重
初回では刺々しく気位が高く、人を傷つけるばかりだった八重さんが、千鶴丸を喪って、愛を失って、父と兄を喪って、家も土地も失って。
小四郎の怖くて煩わしい、一途で真っ正直な、願いのような愛を受け取って。
家族を家庭を作って、子を為して。
喪って傷だらけの子供らを助けたいと願って、動いて。
皆のことを常に考え心を砕いてくれる義時と、そんな八重さんだから、多くの人が集まって、全力で助けようとした、無事であってくれと願ったのですよね。
あれから何年も経って、苦しみも喜びもいくつもあって、一番大事なのは義時と金剛なのは間違いなくて。
それでも、八重さんは、こんなにも、こんなにも、こんなにも。
千鶴丸を助けたかったんだなぁ……
阿弥陀如来の前の義時は、まだ知らない
義時の愛が八重さんを救ったように、傷だらけの義時にとって、八重さんがどれだけのものであったか。
八重さんは、義時にとって救いで、愛で、憧れで、帰る場所で、
おそらくは生きて、悪を行う理由でもあって。
また金剛にとって、誰より大切で大事な母であって。
八重さんを失ったこともとても辛く悲しいけれど、次回、次回以降の2人の反応が悲しくて怖い。
考えたくもないくらい、辛いですよ。
八重さんの居ない世界で、義時は。
この欠落は、罰となるのだろうか、呪いとなるのだろうか。
始まるのは、新時代か、生きる地獄か
ふと思うと、今回頼朝は大事な愛する者たちに向け、明るく0距離で接してるのですよね。
もしかしたら、最愛の弟義経を喪って、同じように弟と愛する小四郎に甘えているのかもしれません。
復讐を願って、平家を呪って、千鶴丸の死に傷ついて、多くの犠牲を背負って新しい時代を築くと決めて。
多くの者の死と願いを背負い、頼朝と同じ道を歩んできた義時。
きっと同じように、心傷つきながら地獄を生き抜くのか。
平家を滅ぼす、千鶴丸を殺した者に報いを、大事な人に幸せになって欲しい、兄の無念を晴らす、正しい世を作る、子らに幸せな世を遺したい。
呪いも願いも祝福も、簡単には叶わないし、何年経っても完全に失くなりはしないのだなぁ…
頼朝と八重と義時と、千鶴丸の死から始まった、新時代を作る物語。
幼馴染の縁
今までも損得勘定をちょっと外しても義時びいきだった三浦義村ですが、今回でもう、義時のために命をかけるぐらいになっちゃいますね。
大好きな2人の関係ですが、痛みも混じったものとなってしまって……
いかん、これはこれで好きな絆だ(笑
ただ、小四郎平六八重ののどかな幼馴染コントをもっと見たかったですよ。
金剛、初、鶴丸の今後も気になります。
八重さんの犠牲が重過ぎますが、だからこそ親たちと同じように、大人になっても切っても切れない重くて強い絆で繋がっていて欲しいです。
他、ちょこちょこ。
北条家増えた!(笑
比企家ムカつくー!(笑
緒方賢一さんのい〜い声が耳に残るなぁ。
千鶴丸から鶴丸で、『おんな城主直虎』オマージュくるとは思わないよ!