ぶるがり屋 2022/06/12 22:21

鎌倉殿の13人 23話 の感想

鎌倉殿の13人 23話
「狩りと獲物」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 一つ章が進んだ、そう感じました。
生き延びる、駆け上る時代は終わり、築く、維持する時代に入ったのだと。
仁田殿が命のやり取り、実衣が権力に汚れ、もう聖域やギャグキャラ補正は無いのだと。
……キッツイなぁ!

敵討ちを装った謀反、謀反を装った敵討ち

 日本三大仇討ちの一つ、「曾我兄弟の仇討ち」を土台に繰り広げられるスペクタクル!
最初に出た感想は「今時よくこんないっぱいの猪追えるなぁ」でしたが(笑

 血と復讐の因縁、新時代創世の歪みが敵討ちと謀反という形で燃え上がり、巨大な権力を担う者たちの権力闘争に繋がるとは……

成長した万寿と金剛

 冒頭は「和田殿可愛い」「義村口と意地が悪い」といういつものネタから、成長した源頼家と北条泰時の幼さと向上心を微笑ましく思ったり。
弓が下手なのはまぁ問題ですが、負けん気も向上心も強く、諸将の助言にも若々しい誇りで嫌がる程度なのが、未来へ健全な成長が見えるぐらいですよ。
割を食った泰時が、だからこそ多くの期待を一身に背負って一人苦しむ頼家に惹かれ、支えようと微笑む姿、胸が温かくなりました。

 その後の頼朝討ち取りの報のあとも、格好良いんだよなぁこの若武者主従!
好き!辛い!

比奈の愛

 今回義時は比奈を姫として守るムーブしてるつもりなんだろうけど、勘違いさせるムーブでしかない(笑
こりゃ比奈ちゃん落ちるよ!惚れるよ!

 断られてても、一番は前の妻だと宣言されても。
「私が小四郎殿を見ていればそれで良いのです」
そうか、義時がストーカー愛を愛を否定出来る筈がないよね!(笑
その想いの意味も、強さも重さも。
受け入れられない辛さも、受け入れられた時の喜びも。
 あと汚いとか一族の為なら何でもする辺りは、比企一族にとっては魅力だと思うよ!(笑

汚れた男、北条義時

 頼朝を助け、鎌倉の権力を維持し、北条家を守る。
曽我兄弟も工藤祐経も縁ある親族ですが、上3つの為なら情が混じることは無くて。
斬首される曽我兄弟を背に立ち去る義時を目で追う北条時政の目が、切なくて寂しくて。
本当に、遠くへ来てしまったんだなぁ……。

 大事件の後で、曽我兄弟と工藤祐経を悼んだのは、誰だったのか。

 「わしの為にも、其方の為にも」
頼朝の最大限の優しさであり、また罪も責も一蓮托生の呪いでもあって。
ただ、やっぱりこの後の権力闘争を考えると、唯一の正解だったように思えて、辛い。
 頼朝が戻った時の安堵の吐息は見事でしたが、あれを頼朝が見たということも、天運なように感じます。

 闇に汚れた義時の心を安らげるのは、八重の思い出か、健やかに育つ泰時か、それとも比奈か。

頼朝の天運

 諸々問題になると分かり、何度となく諌められても、悪い女癖が命を救う!
今まで何度も繰り返されたコントのようで、人が死に、天が揺れる。
「お前とおなごを取り合うのはもうごめんじゃっ!」にも、
ボケた背景からひょっこり現れるシーンにも、待ってましたと大笑いしたのに。

 死も想いも呪いも踏みにじり、治世の為に捻じ曲げる。
でも、今までとは違う。
「わしが果たすべきことは、もうこの世に残っておるのか」
天運を知り、その終わりを知った眼差しは、胸が痛いほどに寂しくて。

 頼朝の落日。
生き延びて、弑して、滅ぼして、騙して、裏切って、果たした仇討ちと悲願。
これからはせめて個人の幸せを、と思ってしまうけど。
自分たちの罪を知っている頼朝も義時も、それを許せはしないでしょう。
 人間頼朝の無事にただ喜んだのは、政子一人なのかな。

 範頼だって喜んだ筈だと思うけど、
やっぱ比企夫婦は滅んだ方が良いんじゃないかな(笑

荒れ狂う権力闘争の章

 強大な権力が築かれた、その先は見えないまま。
次回から、おそらく血で地を洗う権力闘争が始まる予感でいっぱいです。
最初の犠牲はもう決まったようですが、
頼家&泰時主従、全成実衣夫婦、仁田殿には幸せで居て欲しい!
…けど無理なんだろうなぁ。
史実が憎い!

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