ぶるがり屋 2023/09/21 00:16

どうする家康 27話 の感想

どうする家康 27話
「安土城の決闘」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 本能寺、前夜。
英雄でなく、巨人でなく、魔王でなく、
書を読み武を鍛え、人を遠ざけ威を見せつけ、孤高の魔王を演じた、一人の人間。
本当の意味で、やっと本心を吐露できた織田信長、最後の夜。

変の前の徳川家臣団

 織田家臣団が描かれないのは悲しいですが、キャラを減らして物語を集中させてるのですね。
徳川家臣の一人一人の演技・表情よ(笑
手薄な守りや襲撃の成否、お市様来訪、安土饗応、全員少しづつ違って、実に彼ららしいのですよね。
常に老臣の鑑な石川数正と酒井忠次、緊迫の会食で一人バリバリ食らう井伊直政が最高です。
この勇気MAX末っ子武将め!

今回の被害者〜

 陰謀を企み、自ら墓穴を掘ったとはいえ、
可哀想が過ぎる!
信長酷いし家康も酷いし、この物語この2人の間に挟まれるのがあまりにも可哀想(笑
 今作の明智光秀、他の悪印象な歴史上人物たちが美しく描かれる中で、足利義昭と2人だけ性根性格が悪く描かれてるのがヒド過ぎますよ(笑

 尾張生え抜きでもなく地盤も無い中、信長の怖さを武器に蹴落として蹴落として権力を築いてきて。
ついに今回はその磨き抜いた解決能力とプライド、そして思いやりのなさと突き進んできた脆さから思いっきり失敗したのも分かるのですよね。
 家康にとっても、信長暗殺に最後に残った一番除外すべき有能武将だった訳で。

麒麟はこない

 結果、信長と家康の絆と確執の最大の被害者になっちゃった訳で。
そりゃまぁ2人の間に割って入る理由も権利も有るよなぁ、と納得したり(笑

 地盤なく頭脳の切れが認められず。
見事成功して将軍を補佐する立場になっても、将軍が器足りず裏切る形になり。
信長に恐怖しつつも利用して成り上がり。
登りつめても失敗した、空っぽな半生。
切れ者で迂闊で、酷薄で利発で、即断で近視眼で、天下に臨むでなく掴むしかないから天下を握る。
 こんな麒麟も近づかない明智光秀が、どんな結末を迎えるのか、
死を前に明智光秀のドラマが描かれるのか、とても楽しみです

孤高の覇王

 万を殺して、幾度となく裏切られて、愛する妹に娘に遠ざけられて、最愛の弟の心は凍てついて。
死を覚悟して、やっと覚悟と弱音を打ち明けられたのか。
新しく平和な日ノ本のために、全てを捧げて。
独り死ぬと、やっと打ち明けられたのか。

 今回初めて、信長より家康の方が背が高いと見せたように思えます。
こんなに独りだったのだ、こんなに地獄を抱えていたのだ。
こんなにも、人間だったのだ

だからこそ、家康は赦してしまったのか、応えようとしたのか。
しかし、世界は信長と家康だけで回ってはいないのだ。

どうする家康

 力有るものが奪い、狡いものが巻き上げ。
しかし弱さを遠ざけるものが弱さに殺され、人を恃まぬものが人に裏切られる。
最後に残るのは、弱さを愛し、人を信じ、かつ力を蓄え狡く生き続けたもの、なのか。

 徳川家康が、織田信長に挑むと決めた。
織田信長が、徳川家康を受け止めると決めた。

 次回、『本能寺の変』
運命か悲劇か喜劇か、真実は。
どうする、家康。

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