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へうげものの記事 (142)

ぶるがり屋 2014/10/10 23:49

今週の へうげもの 感想 2014年 10月第2週

あらすじ

 名墨跡の分割問題を機に、伊達政宗の野望を諌める古田織部。
しかし池田輝政の死に、徳川豊臣の緊張は一層ます危険が…


へうげもの(19) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2014-11-21

感想

 おお、これは織部お見事!
自分の名も実もさらりと見せ付けて伊達政宗の短慮な野望を静めましたか。
もっとゴタゴタすると踏んでました。
関ヶ原以降、一番織部が格好良く見えました(笑
やっぱり政宗は織部打倒=殺害を決心したっぽいんですが(笑
まー世渡りの上手い狡猾な狂犬みたいな武将ですから、いつかはこうなったので仕方無い。

 今、CSの時代劇再放送で昔の大河ドラマの『独眼竜政宗』やってるんですが、政宗が凄い深謀遠慮で誠実な人物で吹いてしまいます(笑
あと五郎八姫の沢口靖子が凄い若い!

 池田輝政、へうげものでちょこちょこ出てはいましたが、特に記憶に残らないまま死んでしまいました…。
名将だけど特に高名でもないイメージですが、徳川家康の姻戚になって大阪のすぐ隣、兵庫を治めたんですからやはり一角の人物だったのでしょう。
豊徳の間を取り持った輝政と、機を見て自分の天下を狙った政宗。
同じく姻戚になって勢力を増した二人の武将の対比だったのかな。

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ぶるがり屋 2014/09/15 15:07

今週の へうげもの 感想 2014年 9月第2週

あらすじ

 大久保長安から徳川家康暗殺を依頼された古田織部。
未だ道が見えない豊徳合体か、乱世になりかねない徳川を殺して豊臣の世か。
古田織部は、徳川家康との茶会に臨む。


へうげもの(19) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2014-11-21

感想

 うん、やっぱり非情にも冷徹にもなれないですよね、だから古田織部なんですよ。
ここで暗殺出来るなら、豊臣秀吉の織田信長暗殺を知った時に挫折しないでしょう。
千利休を喜んで殺したでしょう。
でも、こんなに早くスッパリ諦めて毒捨てるとは思わなくてビックリ。
毒殺は長安への義理だけ、みたいですよ(笑
ただ最近の徳川家の諜報能力を考えるに、すぐ毒捨てるのは正解なんですよねー。
徳川幕府が一番参考にしたのは石田三成な気がします(笑
(全国統治システムなんかは割と本当らしいですね)

 そしてそんな毒と突当てられる時でも一笑を取り、家康に豊臣家との和解を促すとは本当に狸になったなぁ。
神聖な利休、世俗な織部な感じがします。
多分、きっとこれが織部の茶なんでしょう。

 秀忠がキレイになってる…!?
おまけに織部を大信用しちゃって反対に大丈夫か…!
お江とのよりを戻すアドバイスをくれる、唯一の相談相手になれたのは良いんですが…
どう言い繕ってもモノ盗んで来いって話になっちゃったしなぁ(笑
いや主題は、恥も外聞もかなぐり捨てて、好きだという気持ちを表せって事なのは分かってますが!
やっぱり一回の事でこんなに信を見せるのは危うい気がします。
よくも悪くも純真なんだなぁ秀忠。
 弓矢の拵えは、織部好みからは全く外れますが、初めてにしては十分じゃないかな。
直截過ぎるくらいなのが秀忠ですし(笑、蟻腰の茶杓さえ許せなかった頃を考えれば、とんでもない開眼レベルでしょう。
綺麗で愚直な、個人的には好きなデザインです。
 そして織部の誘いに歪む、秀忠の笑顔の味の有る事よ!
やっぱり息子からもちょっとはやり込めたいんだなぁ(笑
弓矢よりこの笑顔の方が、秀忠が変わったのを強く感じます。

 しかしこれ程秀忠が織部を信用するとなると、織部の最期の原因は誰が下すのか分からなくなってきました。
家康と淀君の間が上手くいった時はもう秀忠が強行するんだろうなぁと思いましたが、最近は「裏切られたと感じた家康」が一番危ういんですよね。
大久保長安の線から、今回の暗殺作戦が漏れたりするとかかな?


綾鷹コラボ漫画

 もう織部、綾鷹にメロメロじゃないですかー(笑
信長が好きな綾鷹、家康が好きな綾鷹と来ましたが、家康回って有ったっけ?
へうげものの中で秀吉は、家康との仲は特に悪いものじゃないと思ったんですが、まぁ信長と違うものが良い、という嗜好は嫌いかも。

 しかしまーよく続くなぁ。
へうげものファンの私ですが、このコラボ漫画でホントに売上げ作用有るんです?(笑

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ぶるがり屋 2014/09/15 15:07

今週の へうげもの 感想 2014年 8月第4週

あらすじ

 大久保長安の見舞いに赴く古田織部。
そこで長安の野望と、豊徳合体の難しさとともに徳川家康の暗殺を依頼される。


へうげもの(19) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2014-11-21

感想

 あ、生きてた大久保長安(笑
長安の天下取りはかなり無茶だと思うものの、それでも可能性が有るとすれば「長安が生きてこそ」ですよね。
家康に信用されているのも、淀君と結んでいるのも、何より金と手形=証券の強さを理解出来、操れるのはやっぱり長安だけ。
最高に怪しいのに乗っちゃう弁舌も(笑
 この全てが生々しい、生の欲望が長安の原動力なんだろうなぁ。
理想とか夢とか笑いに満ちた世界とか、この漫画の主軸に生きた登場人物たちとは違うキャラだなぁ。

 あちゃー。
織部、脅迫まがいとはいえ暗殺計画乗っちゃっいましたかー。
でも毒を貰っただけで、織部なら毒殺はしないと思います。
ただ、これがバレてしまう可能性は高いんじゃないかな…。

 色々な事が有りながらも進める豊徳合体計画の中、本当は望まぬものの、今は豊臣の戦力増強策。
西方の、特に豊臣恩顧のそう強くない武将たちの懐柔ですね。
織部と上田宗箇の会話はやっぱりほっこりします。
ええコンビや…。
上田は織部好みと武家の猛々しさを兼ね揃えてるので、島津家懐柔には適任かも。

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ぶるがり屋 2014/08/04 02:54

今週の へうげもの 感想 2014年 7月第5週

あらすじ

 豊臣方と徳川方の戦いはもう止められないのか。
戦いを煽る織田頼長や大久保長安。
徳川秀忠とやっと心を通じ、豊徳合体の為、最後の談判に賭ける古田織部。


へうげもの(19) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2014-11-21

感想

 今までずっと、大阪の陣に向けてのドラマが続いていましたが、そのクライマックスですね。
徳川新時代にどうにもならない不満をぶつけようとする織田頼長。
豊臣徳川の争いを利用して、自分の天下、最高の女を手に入れようとする大久保名長安。
乱世を終わらせ、徳川の世に豊臣の楽の美を遺そうとする古田織部。
最後に向けての三者三様でした。

 傾奇者を大阪城に集める織田頼長。
うぎゃあ… 傾奇者への弾圧がもう虐殺に近いレベルですよ。
基本は浪人、禄の無い武士の次男三男の、今の世に不満を持つ武士たち。
頼長は自分の部下になる良い人材と思っているようですが、徳川家康秀忠が一戦起こして処理したい対象そのものでも有るんですよね。
 煙草とか血判状とか、悉く小物臭いというか、当主になる前ぐらいの信長モドキでしかない感じです。

 大久保長安の天下取り計画…ええ?ここで死亡!?
まー実際には松平忠輝&伊達政宗を頭に、財政で実質の天下を取る、という計画でしょうが。
それでも淀君を自分の妻にするのはほぼ不可能なので、まぁこっちも実質の男女の仲、情夫になる計画なのでしょうね。
しかしそんな計画も水の泡。
織部から見れば世の中掻き回して豊臣の世を終わらした最悪の人物ですねぇ。
徹頭徹尾、怪しい人物のまま終わってしまいそうです。

 秀忠からの手紙。
好いた女の為にモノ盗んだり色々曝け出したりしたのが、織部の影響な事をちゃんと自覚してるんですね。
…言葉にしてみるとやっぱ悪い影響な気もして来たぞう(笑
 織部の、家康の真意の確認と、その考えを変える事の決心。
豊徳合体最後の行動、ですね。
これに失敗したら、もう大きな流れを変える事は、織部の手には余るでしょう。
おせんとの、もしかしたら今生の別れ、そうでなくとも織部の死に繋がりかねない大業。
今まで何が有っても織部に笑顔を向け続けた、おせんの苦しい顔が辛いです…。

 今回は頼長・長安・織部でしたが、本当のテーマは織田有楽斎、大久保長安、古田織部の方で、大坂の陣を契機に跡継ぎの運命が大きく変わる故のこの3者、3家だったのかな。

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ぶるがり屋 2014/07/19 12:22

今週の へうげもの 感想 2014年 7月第3週

あらすじ

 豊臣方と徳川方の間が、少しづつ少しづつ軋んで行く中、古田重嗣と織田頼長は徳川反旗の想いを増して行く。
古田織部は小堀遠州の茶室・茶会に招かれ、小堀の思いと決意に笑う。


へうげもの(18) (モーニングKC) (コミック)
山田 芳裕
講談社
2014-04-23

感想

 やっぱり重嗣はお爺ちゃん、古田重定の血を強く引いちゃったんだなぁ。
頼長は才能は父・織田長益なのに、目指したのは伯父・織田信長なのが悲しい。
二人とも若者らしい、ただそれだけなのですが、そんな若い愚かさも歴史は非情に飲み込んで行くんですね。
武士であり、一族の(元)跡継ぎな以上、当然でもあるのですが。

 小堀と織部の別れの茶会。
あーこれもっとじっくりやって欲しかった!
明智光秀とも、千利休とも古田織部とも違う美に到達した小堀遠州の、霞の向こうの『白』
若くして自分の美を見つけた弟子の姿に、ちょっと羨ましくも心の底から嬉しいんだろうなぁ。
 そして、突きつけられる現実、時代、上手く行かない豊徳合体策の現状。
政変の末は、師匠・利休、主・織田信長のように弟子に殺されるかもしれない。
自分が苦しみ泣きどうしようもなく選んだその決断を。
自分の弟子である遠州は、出来るのか。
遠州は、苦しみ考え、精一杯の自分らしい答えを出した。
快笑。

 自分らしい弟子を育て上げられ、自分が殺した師匠と今、同じ立場になろうとしている織部の今。
その中で、なんと澄んだ、心地好い一笑。
素晴らしい茶会でした。
満足! 正確にはもっと見たい!

 上田宗箇との別れや、織部の最期には誰がどのように立ち会うのか、とっても楽しみになってきました。
もう物語の終わりが近い事がしみじみと感じられて、ちょっと寂しいですが。

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