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へうげものの記事 (142)

ぶるがり屋 2016/02/08 14:44

先週の へうげもの 感想 2016年 1月第4週

あらすじ

 大坂冬の陣終結。
未だ混乱冷めやらぬ京都と、次の時代を思う上田宗箇と古田織部。
平和の時代へ、堅苦しい時代へ、二人は何を選ぶのか。


へうげもの(21) (モーニング KC) コミック

山田 芳裕
講談社
2015-12-22

感想

 どっちも不完全燃焼な分、火種は残りますよね…
特に豊臣方の雑兵たちは今の世に不満をもって、その憤懣解消を豊臣に、または合戦にかけてきた訳で。
停戦で大げさに動けない分、こういう陰湿で庶民が痛む手段に凝るのは当然なのだよなぁ…

 俵屋宗達さん、強い!
激情家なのは前から分かっていましたが、朝鮮で戦を目の当たりにした本阿弥光悦も驚くほどとは。
光悦さん、金森重近の無体な強さも見てましたっけ。
見ててこれならかなり強いと思いますが、これがこれからの展開にどう絡むのか全く分かりません(笑

 浅野家の再招集。
徳川家との婚姻とのことで、確かに徳川家康が認めるほどのレベルの高さと方向性、両方叶うような数寄者そうそう居ませんよね…
特にこれからの武家らしく力強い嗜好の庭なんてかなり難易度高いですよ。
上田宗箇もやっぱり扶持は必要な訳で、固辞はできないですよね。
ある意味意地を通しても許された訳で、良かった良かった。

 そしてまた古田織部と上田宗箇の座談会。
ああ、やっぱりこの二人がニマニマしながら駄弁る様、一番ですよ。
織部と細川忠興、織田有楽斎との下らない、意地悪な語らいも見たいものですが…
叶うと良いなぁ。

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ぶるがり屋 2016/01/19 21:13

今週の へうげもの 感想 2016年 1月第2週

あらすじ

 大坂冬の陣終結、結ばれる和議。
次の戦いで勝つためか、戦いを起こさない為か。
合戦ではない、静かな戦いはもう始まっている…


へうげもの(21) (モーニング KC) コミック

山田 芳裕
講談社
2015-12-22

感想

 信義を裏切る内堀埋め。
厳しく対応する徳川秀忠に驚きましたが、その真意にさらに驚かされました。
父の行為に憤りながらも自分の立場、権力を鑑みて最善を尽くしたのですね。

 そしてちょっとひょうげた、それでいて骨太は秀忠らしい盆。
ただ正義や権威を押し通すのではなく、皆との和を目指し、茶席での身分の上下を排する視点。
また、これが若き古田織部の起こしたハートマークと似ているのがなんとも感慨深いです。
秀忠、本当に成長したなぁ。
ただ織部に感化されたのではなく、為政者として、武人として、秀忠個人として成長したなぁ。

 今回の内堀埋めにもう古田織部が全く動じていないのは、一つはこの次代を担う秀忠の成長への感動と満足。
そしてもう一つは、徳川家康をもう見限ったから、なのだろうなぁ。

 古田重嗣もまた一人動く。
もう十分な年齢なので織部と話をせず動くのは当たり前なのですが…
史実を知っている分、バカなことしそうで心配になりますよ。
勝手に動かされる織田頼長の子分たちと合わせて、災いになりそうな。

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ぶるがり屋 2015/12/31 02:43

今週の へうげもの 感想 2015年 12月第4週

あらすじ

 大坂冬の陣、終結。
和議も締結され、しばらくは平和が、豊臣も存続も確定と思われたが…


へうげもの(21) (モーニング KC) コミック

山田 芳裕
講談社
2015-12-22

感想

 阿茶の方を調べてみましたが、面白い立ち位置の人物ですね。
ただ今作でも印象的に登場した色黒の女傑、夫殺されたと陳情したら即徳川家康の側室になった茶阿の局も居たりして覚えにくいな!(笑
 ある程度戦で傷付け、今回は常高院=初ルートも使い、多方面から硬軟の「軟」での攻撃ですね。
昔の家康では出来なかった、信長秀吉から学んだやり方。
ただ、仮にも主君に対して、結んだ信義を破る今回のやり方は、今までの天下の主より悪質に感じます。
敵だけでなく多くの味方、配下の武将まで欺いた今回の内堀埋め。
これがどれだけの衝撃なのかな。
 特に古田重嗣の家康への完全な幻滅、独走が始まりそうです。

 久々の細川忠興登場!
変わってないなぁ(笑
そしてついに忠興流の焼き物、上野焼きに到達したのですね。
この混迷した流れに不安ですが、それでも熱く尊敬する人物の枠内を超えられなかった忠興の、忠興流の到達は感慨深いです。

 未だ数奇が乖離し、また今回も不甲斐ない形で和議になりましたが、豊臣秀頼と配下の絆は深くなりましたね。
徳川への不満からではなく、秀吉への忠義の続きでもなく、秀頼と各武将の繋がりがやっと芽生えてきたように感じます。
だからこそ、今回の家康の騙すようなやり方は重いんじゃないかなぁ。

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ぶるがり屋 2015/12/08 01:41

今週の へうげもの 感想 2015年 12月第1週

あらすじ

 豊臣徳川双方から進む和議工作。
最後の一手として、天守閣に打ち込まれる砲弾に淀君は…


へうげもの(21) (モーニング KC) コミック

山田 芳裕
講談社
2015-12-22

感想

 大阪冬の陣クライマックス。
ありゃりゃ、あの後の織田頼長と真田幸村は見られずですか。
ちょっと残念。

 今回は冬の陣を終わらせたと云う「淀君が大砲に怖がった」エピソードですね。
当作の淀君は気丈で負けず嫌いなのでそのままは無いだろうと思っていましたが、面白い着地点でした。
気丈でも負けず嫌いでも、落城の怖さを一番知っているのも淀君ですものね。
だからこそいつも以上に心振るわせたからこそ、その気張りを息子に見抜かれた。
淀君秀頼母子の、家族らしい和議への理由でした。

 豊臣秀頼は、やっぱり武士、武士の頭領らしくないですね。
自らの理由無く、周りの為、周りの望みに合わせて戦い、和議を選ぶ。
平時の為政者なら有能だったかもしれませんが、戦乱の締めくくりの時代、覇者を相手には役不足だなぁ。

 今回の織部、実に織部らしい(笑
織部が誘導しなくても史実の通りになりそうでしたが、権威人脈利用して、プライドくすぐるは因縁仄めかし宥めすかし、一つづつ選択肢潰してる(笑
最後の嘘泣きは、これ以上の追撃を止める目的だったのかな?
もう下品で悪辣で人転がしだなぁ!
いやーとっても楽しかったです。
織部分補給しました!(笑

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ぶるがり屋 2015/11/22 22:59

今週の へうげもの 感想 2015年 11月第3週

あらすじ

 大阪城への隧道が届き、また一歩深まる戦況。
敵味方が惨たらしく死ぬ戦争を知る織田頼長。
己が目的と理想の為に、上田宗箇、古田織部、徳川家康は動く…。


へうげもの(21) (モーニング KC) コミック

山田 芳裕
講談社
2015-12-22

感想

 大阪の陣、冬の陣もそろそろ佳境でしょうか。
大阪方の綻びが強く見えたように感じます。
諸将に仲間意識も連帯感も無く、戦争への意識もバラバラ。
ヤクザ者同士の抗争の意識で仲間の死に苦しむ頼長と、信濃の長い闘争、徳川家との熾烈な合戦を繰り返してきた真田家との隔絶は大きいですよね…
そして講和派と徹底抗戦派との隔絶は更に拡がるばかりで、束ねる者は無し。

 徳川方もバラバラなのですが、徳川家康の指示が徹底しているのが大きな差なのでしょう。
そんな中でも講和を目指して動き回る古田織部と、講和も功名もならず、時代の表舞台から下りる上田宗箇。
宗箇も浅野幸長も、戦乱の時代の最後にギリギリの無理、保身をしなければいけない苦境。
難しいですよね…

 今回は功を成した真田幸村の顔が出なかった分、何とも暗い気持ちになる回でした。
織部の晴れ晴れしい活躍を期待!

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