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へうげものの記事 (142)

ぶるがり屋 2015/10/23 21:44

今週の へうげもの 感想 2015年 10月第3週

あらすじ

 大阪の陣開戦後、命を賭して講和策を進める古田織部
同じように織田有楽斎、大野治長も動くが…


へうげもの(20) (モーニング KC) [コミック]

山田 芳裕
講談社
2015-06-23

感想

 大阪の陣も深まってきましたが、これぞ古狸古田織部!
という活躍でした。
数寄に人情話に金策に宥め賺しに、自分が不利な秘密もちょっと囁いて。
相手が親友の息子なのがちょっとヒドい話ですが(笑
この時代の大名武将はこんな海千山千の怪物たちと渡り合わないといけないかと思うと、可哀想ですよ(笑

 伊賀の水指に心惹かれたのは大野兄弟以外に、豊臣秀頼もですか。
大蔵卿局や大野弟は嗜好が古いからのようですが、淀君は嗜好が違うだけなんじゃないかな。
そしてやっぱり大砲ぐらいじゃビビらないですね、この淀君様。
 数寄の良さが通じないのではなく、利休と豊臣秀吉以降、数寄が水準の向上、多様化したからこそ、織部の策が通じないのではないかなぁ。
先人と織部の功績が大きいからこそ、織部の粋の塊がもう通じないと。

 頼長の戦車が能力以上に通用してる(笑
これが徳川家康的に土木作業で突破されるのか、それとも織部の違う数寄で突破されるのか、それとも違う手段なのか。
これで大阪の陣のテーマが分かるような気がします。

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ぶるがり屋 2015/10/10 13:14

今週の へうげもの 感想 2015年 10月第1週

あらすじ

 ついに始まった大阪城攻防戦。
豊臣秀吉が築いた鉄壁の城に、熱意溢れる大阪方の諸将たちに、攻めあぐねる徳川方の諸将たち。
講和を目指す古田織部の伊賀焼きが大野兄弟に届くが…


へうげもの(20) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2015-06-23

感想

 ついに大阪の陣、本格的に始まってしまいましたか…
真田幸村以外は小粒と言うか、前線に居るのは戦国時代を生き抜いた猛将名将はもう引退か死んでいるのですねぇ。
権謀術数が得意な古田織部と織田有楽斎が生き残り暗躍、いまだ戦場で指揮を取る徳川家康が天下を取ったのが分かります。
 若い武将からすれば、今回の前田利常なぞ、戦国時代を生き抜いた父、そして兄が立て続けで死に、家督継いですぐこの大戦な筈。
しかも大大名だからこそ次に滅ぼされかねないのですからね…
そりゃー大変だぁ。

 まさか戦車完成するとは(笑
そして考えてみれば動力人力だよなぁ(笑
段差を超えられないとはいえ、防衛戦、しかも門なら十分最高の兵器でしょう。
 ただやっぱり頼長は他人から貰ったもので浮ついてるだけで、それに比べて戦国時代を生き抜いた淀君のなんと堂々とした姿か。
この淀君なら、大砲に怖じ気づかないんじゃないかな。

 武士を減らし対抗勢力の力を削ぎたい徳川家康にとって、この消耗戦は願ったり叶ったり。
でもそこには大量の死者は映らず、本来の平和な時代という夢には遠い情景。
いまだその大願を胸にし、次の時代を担う秀忠とは、もう見ている世界が違うんだなぁ…

 前回完成した織部の究極の器、伊賀の水指の良さがちゃんと大野兄弟に通じてる!
織部の薫陶凄いな!
この良さ、面白さを初見で理解出来るってかなりのレベルですよ。
あの時代に理解するの、私では無理なんじゃないかなー(笑
 ただ、その織部の名器も薫陶も、有楽斎の調略も、何だか豊臣家滅亡に繋がっていくようで、重くて痛いなぁ…

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ぶるがり屋 2015/09/26 21:27

今週の へうげもの 感想 2015年 9月第4週

あらすじ

 一命を取り留めた古田織部は、今までの粋を究めた伊賀焼きを迎える。
豊徳合体を諦めても、諦めず講和に走る織部。
周辺の戦いが終局を迎え、大坂の陣が近付く…!


へうげもの(20) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2015-06-23

感想

 大阪、豊臣家の終焉、徳川家康の儚い末路、そして死を受け入れた古田織部。
ああ、終わりに近付いているなぁ…
自ら最高の美と述べた、割れた水差しへの反応も、以前程の破壊力を感じません。
消える前の花火か、時代の徒花か。
織部自身は言葉の通り本当に嬉しいのでしょうけど、諦観に近い、野望や衝動はもう終わってしまっているのかな。
今思えば、徳川家康の真意を悟った時に、もう自分が殺される事までは覚悟してしまったのかな、と。

 大阪方もまとまっていませんが、徳川方も家康が力でまとめているだけ。
家康の今回の読みでは豊臣秀頼に主君としての重みが出てきたようですが…
今までの言動を見ると流されてるだけに感じるんですよねー。

 古伊賀水指銘 破袋。
利休の「渡り六分、景四分」をもう遥かに飛び越えて、ほぼ景十部だこれ!(笑
私も素晴らしいと思いますが、見るもの全てが理解出来るかはちょっと怖いですよ。
古田重嗣が日付変更と気を回しましたが、大文字焼きも含めて、何だかどんどん後の不幸に繋がりそうでドキドキします。

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ぶるがり屋 2015/09/14 01:55

先週の へうげもの 感想 2015年 9月第2週

あらすじ

 柳生宗矩配下の凶弾が古田織部を狙う!
近衛信尹の為の大文字焼きもついに準備終了。
大坂の陣も近付く中、徳川家康、古田織部の思惑がまた混迷していく…!


へうげもの(20) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2015-06-23

感想

 夕日がたしかに美しく描かれていましたが…
禿げ頭が輝いて助かるとか分かるかー!(笑
もちろんその後を笑いで納めたり、追撃を諦めさせた宗矩への影響など、懐の深さこそが織部の大きさ強さなのですけど。

 前回、悩みながらも織部暗殺を命じた宗矩の心中が気になっていましたが、まだ宗矩自身も、底の所では決め切れなかったのですか。
ただ、己の悩みや惑いよりも、主君家康への忠誠心を優先しただけで。
一度はそれでも暗殺を命じたけれど、2度目は出来なかったのですね…
初回に忠臣を殺してしまったからであろう、今回の失敗した配下を逃がしてしまったのは、過ちに繋がりそうな気もします。
 それでも家康に、自分の武の敗北を伝えられない所が格好悪かったり人間臭かったり(笑
これからは織部に師事は出来ないものの、数寄も修めるのでしょうね。

 大文字焼きがついに実行。
近衛信尹の死には間に合いましたが、体力回復は叶わず。
織部も感謝の想いでやった事でしょうが、無為な結果になってしまいました。
「犬」文字は何か故事や意味が有るのかなぁ(笑
それよりも、これを織部処罰の理由にされそうな…

 宗矩の失敗、またはその胸の内に気付いてか、織部の暗殺から処罰断罪に変更する家康。
息子秀忠が背く事さえ計算し、もう和解への心変わりしなさそうだなぁ…

 そして自分の暗殺さえもう平然とし、受け入れる泰然の織部。
今まで戦国を息抜き、汚い事をしてきたのですからこれも当然なのかもしれません。
でもきっと家康に諫言した時から、殺されると覚悟したいたのですね。
 今まで、ずっと生き汚かった織部の姿。
小物そのものから大人になり、今や名も身も立派になって。
格好良いけど、やっぱり悲しいなぁ…

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ぶるがり屋 2015/08/11 03:06

先週の へうげもの 感想 2015年 8月第1週

あらすじ

 大阪の陣の前哨戦が始まる。
進む戦況、荒れる武将たち、近衛信尹に残された時間も少なく。
入り乱れる徳川家康、古田織部の思惑。
前回敗北した柳生宗矩だったが、再び暗殺の手を…!


へうげもの(20) (モーニング KC) [コミック]
山田 芳裕
講談社
2015-06-23

感想

 もう織部や家康世代の将は、殆ど居ないのですね…。
若く荒れる将、武士たちを減らす目的が容易くなったような、でも自分自身の残りの時も少ない家康の姿。
時の流れは残酷だ。

 あ、織部暗殺命令はもう生きてるのですね。
家康の本意は大阪の陣の本格化後で、前回の宗矩の行動は先走りかと誤解してました。
たしかに今の混乱期の方が簡単で証拠も出ないですよねー。
織部ももう感じては居るのでしょうけど、対策まではしてない、という所でしょうか。
諦めてたり自分の強さを自惚れている、という事は無いでしょうけど、まだ最後の所で家康を信じたいのか、武将の一人として、これ位は平時から覚悟しているのか。

 近衛信尹を回復させるのが目的の大文字焼きでしたが、今のこの大乱前の状況に、何かしら影響するのでしょうか。
木材を多く消費したり、狼煙のような秘密情報の漏洩にと色々勘ぐられそうですが。
 平行して進んでいる新しい焼き物がどのようなものかも気になる所ですが、それよりも上田宗箇の欲望の深さが変わってなくて微笑ましいというか(笑
全く成長してないよ!(笑

 豊臣方を攻めるのは、経験豊富な武将ほどゆかりが有る訳で、やっぱり心苦しいですよね…
ただ大野治長や淀君には、恩も義理も、徳川家康に勝つ才も無い訳で。

 再び暗殺を実行する柳生宗矩。
自分の武技に固執したからこそ前回の暗殺方法を取ったのに、今回は遠距離からの銃撃による暗殺。
織部の言葉を浮かべながら、苦しむように悩みながら、それでも命令を下したのはどんな理由なのかな。
理解出来ない織部が怖くて、抹消を望んだのか。
織部を知りたい学びたいと思いながらも、主君徳川家康の命令を優先したのか。
 その答えが知りたいです。

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