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フルーツバスケットの記事 (63)

ぶるがり屋 2021/06/17 04:00

フルーツバスケット 3期8話の感想

フルーツバスケット The Final 8話(計58話)
「そんなん…幻滅だ…」 の感想です。


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フルーツバスケット

 ぐうう、辛い、辛いよ…
結末を知っていても辛い。
夾の過ちの連続から、同しようもなく溢れ出す、やるせない憎しみの言葉。
ここが一番辛い気がします。

 確かに夾は他人に悪を着せて非難してばかり、逃げてばかり。
同時に、そうしなくてどうやって心の平静を得られたのか、と考えると…
 ちょっとわがままでぶっきらぼうな、普通の男の子が。
母を失って、父になじられて、誰にも蔑まれて、蔑まれて。
初めて優しくされた女性に、初めて自分が何かあげられると思ったら裏切られて。
また死なせてしまって。
 無理ですよねぇ、無理ですよ。

 アニメで見て初めて感じましたが、今日子さんは夾の初恋だったのじゃないかな。
母と、恋する女性と思った人だから、猫だと嫌われるのが、どうしても怖かったのではないかと、そう感じたのです。
 目の前でそんな大事な人が死んでいく、その様が生々しくて、写していないのに眼に映る
ようで。
夾の傷が今も開き、流れる血が見えるようで。

 そう、こんなに傷つく夾は優しいんだ。
こんなにも呪い嫌っても、悪と決めた由希に対してさえ、正々堂々挑んでも、呪わず自分の同じ不幸を願わず。
結局は自分ばかり傷つけて。

 誰も触れられない、救えない澱に落ちていく夾に、争い挑む透くん。
争うことも、自分を通すことも嫌いで苦手な透くんの、絞り出すような否定と、愛の言葉。
ああ、ああ。
そうだ透くん、夾を幸せににしてやってー!!!!

 からの「幻滅だ」ですよ!
いやもー辛い、辛いよぉ。



(以下ネタバレ注意!)



 衝撃だった「夾が今日子さんの死を忘れていた」改変でしたが、無難に落ち着きました。
印象強いクリフハンガー、1話単位での分かり易さという点で有用な改変な気もしますが、原作を読んできたファンとしては、悪くもならなかったけど無用な改変だったと思います。

 んもう辛くて辛くてキッツい今回でしたが、引きが近くあきとに「二度と会えなくなることもこの世では起こり得る」モノローグなのですよね。
この上にこんな引き、先の展開知らなかったら数日引きずる精神ダメージですよ。
いやぁ、原作読んどいて良かった(笑

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ぶるがり屋 2021/06/14 00:48

フルーツバスケット 3期7話の感想

フルーツバスケット The Final 7話(計57話)
「そうだよ、空っぽだ」の感想です。


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フルーツバスケット

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……
辛いわっ!
願い、愛、絆。
歪んで捻じ曲げられて腐って、受け継がれていく呪い。
楝さんは割と、草摩の呪いに飲み込まれる前から危ない性格で母として未熟でしたけど、ネグレクトに近い状態になったのはこの作品内でも沢山居て、それは透くんも同じで。

 『フルーツバスケット』では何度見ても泣いてしまうほど辛いシーンが幾つか有りますが、今回の「箱に何も無いなんて分かるでしょ!」です。
子供の「愛されたい」という望みを利用し、縛り付け、操る。
自らの派閥の為というほぼ私欲なのに、それを正しいと思い込んで、正当化する。
あきとパパの寂しさも願いも、楝の愛も、あきと本人の心まで否定して、頭がクラクラするほどの、薄っぺらくて黒い悪意。

 原作時には気づきませんでしたが今回で、夾を監禁する時限制限は、あきとが楝さんに草摩の絆を見せる証の一部であり。
また夫/父を失って崩壊する家族を繋ぎ止めた透くん家族と、お互いに突き放したあきと家族の対比だったのだと分かりました。
 神と獣たちの絆ではない草摩の呪い、一族のために個々人を犠牲にする呪いが昏く澱み。
あきとパパを絶望させ、楝さんとあきとの家族を引き離し、あきと・獣憑き・その家族の人としての幸せを犠牲にし続けて。

 今まで他人を傷つけてきたあきとが残酷な家に囚われた被害者だった。
そう見せて同時に、過去に父を裏切り楝さんを狂わせた加害者で有り、今また差し伸べられた紅野を刃で刺し。
次々に再生産される悲劇がもう…
辛いよ!

 次々解けていく呪い、今回は燈路。
個人的に「"神だから、十二支だから"強い感情を持っている」から遠い者から解けている、そう考えています。
紅野は草摩関係なく博愛だったから、紅葉も博愛に近くまた十二支以外も大好きだから、燈路は十二支だからではなく純粋に杞紗が大好きだから、というように。
 時を超えた想いが消えるのは悲しいけれど、それでも、やっと優しい母や可愛い妹と抱きしめ合えたこと。
それだけでも良かったと、そう思います。

 母と今日子さんの呪いに苦しむ夾。
原作より呪われ方が派手になっただけでなく、"透くんも"自分に近づいたら傷つけてしまう、その恐怖に苦しんでいると描かれたのは大きいですね。
原作だと傷つけてしまう対象が透くんだというのはボカしてあった気がします。
 そして次回は「…幻滅だ…」回。
うう、先を知っていても、また辛いなぁ。



(以下ネタバレ注意!)



 子供の頃の紫呉たち世代の会話、ファンだとワクワクしちゃいますね!
紅野が子供らしくそれ以上に純粋で人の悪感情から遠く、反対に紫呉が黒過ぎて(笑

 そしてやっぱり目的の為に"箱"を教えて盗ませようとする紫呉、あきとに嫉妬させ女性らしいあきとの代わりと楝さんを騙して抱く紫呉…
殴られるどころか刺されて当然の報いだよ!!!!
 今回も下手すると、自分が煽ったせいであきとが刺されてたかもしれないんですよ紫呉!

 他の改変・アニオリはまー尺のせいだとか後の展開を見てからと思ってますが、翔・小牧のエピソードは削って欲しくなかったなぁ。
今回のあきと周りも含め、「誰もが被害者で加害者になり得る」「それを止めるのは優しさと他者への理解」だと端的に見せる一編だと考えているので。
 これは…解釈違いというのかな?

 ただ、この憎くて憎くてたまらない女中頭を許して罰さない結末には、必要なエピソードだと思うのですけどねー。
残念無念!

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ぶるがり屋 2021/05/11 03:57

フルーツバスケット 3期6話の感想

フルーツバスケット The Final 6話(計56話)
「なんて、愚かなんだろう」 の感想です。


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フルーツバスケット

 おーあーあー!
好きなシーンとアニオリ演出(展開)で心が千々に乱れるよう!
アニオリ演出の方は下のネタバレの方で!

 透くんと依鈴の好き好きツンデレ友情はいいですな〜。
師匠じゃ無くてもニマニマしちゃいます。
潑春だけだと依存し過ぎちゃいますし、紫呉に虐められても自分より透のことを心配したり、義妹の楽羅との距離も近付いたりと、依鈴はもう大丈夫だと示してくれたと思います。

 呪いの解呪方法、楝さんのやり口、そして呪いの崩壊を告げる紫呉。
依鈴にも透くんにも…
本当にお前酷い奴だな紫呉…
これでも途中で止めたり、気持ちを確かめながらだったり、嘲りも自分たちに向けてだったり、紫呉にしてはすんごく優しいのが、
もうお前ホント……!!

 今回は傷付いてばかりの透くんでしたが、辛くて隠してきた傷を自覚して、やっと自分の欲を優しさだけでない透くん自身の願いをさらけ出せるようになって。
辛くて痛い、でも幸せに向かう大きな一歩なのですよね。
 だから、一番大好きな、誰より大事な夾くんとの布越しの抱擁も、傷そのものでもある両親の写真を見せることも、痛みを超えた幸せに満ちていて。
「愚かで愛おしい」が優しくて、愛に満ちていて。

 それが! ああ!ああ!もう!
「許さないから」
あーっ!!!!


 不満も不安もありますが、素晴らしいシーン、素晴らしい演技がいっぱいでした。
特に夕暮れ、光と陰、影法師。
友情と応援と嫉妬で心乱れて障子に隠れる楽羅、自分が情けなくてシーツで自分を隠す透。
影越しの姿が印象的でした。



(以下ネタバレ注意!)



 あ、あれ、「許さないから」は夾の心にずっと刻み込まれてなかったっけ…?
と気になって、アニメ終わってから原作数巻をバーッと見直し。
やっぱりアニオリ演出(展開)じゃないかー!
 読んでて私も「それにしては夾、透くんとラブラブになり過ぎじゃない?」とは感じましたが、1クールに収めるのを含めても雑な改変に思います。
 夾くんをこれでもかこれでもかと虐めるのはもう原作通りなので置いといて、最初の墓参りの回とブレますし、夾の母の死と絡みに絡んで夾の他罰意識の根源だと思うのですよね。
ううん、嫌だなぁ。

 …やっぱり夾くんの「幸せになっちゃいけない」呪いは重過ぎますね…
「許さないから」の真意は永遠に夾くんに伝わらないままですし。
それでも愛し合うから結ばれる透くんと夾、というのは大きな意味がありますが、ここからの改変が、夾に今日子ママの真意が伝わるというのなら、多少無茶でも許してしまいそうです(笑

 ついでに気付きましたが、綾女の「他校の女性生徒会役員のエピソード」も好きだったのですが、こっちは明らかに丸ごとカットですねー。
まぁここが一番先にカットするべき場所なのは納得するしかないですけど…!

 あと依鈴があれほどまでに翻弄され傷付いた原因がほぼ紫呉で、あまりに酷くて吹きました(笑
それを軽い感じでいけしゃあしゃあと告げるだけでなく、透くんまで追い詰めて……
お前ってやつはホント…!!!!

 ほのぼの仲良しシーンがかなりカットされてるのもちょっと辛いですね。
これからずっと辛い、辛過ぎる……!
こうなると、公ちゃんの出番もう無くなっちゃうのでは(笑

 今回でふと。
早くに父を亡くし、母は夫が何より大事で、大事過ぎて、子を愛せなくなるのは、今日子ママも楝さんも同じだったのですね。
透くんとあきとも対比関係だったのは初めて気付けました。
 違ったのは透くんが愚かでも頑張ったからではなく、草摩の呪いが、当主を家を尊ぶ幾重にも絡みついた本家の人々の心が淀んでいたからなのだと思います。
だから最後は、透くんと手を繋いだあきとが呪いを解いていくのだと。

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ぶるがり屋 2021/05/04 04:01

フルーツバスケット 3期5話の感想

フルーツバスケット The Final 5話(計55話)
「だって…わかるでしょう?」 の感想です。


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フルーツバスケット

 草摩の呪いのせいで愛する人に自分の気持ちさえ話せない。
傍若無人唯我独尊な綾女でさえ愛されないと恐怖して、はとりは未来を見られず、由希も一歩を踏み出せず。
十二支を縛り、不幸にしてきた
草摩の呪いが崩れ始めた時に。

 あきとや他の十二支とはなんだか違う意味で、紫呉も"幸せ"から遠い人間なのですね……
全てが虚ろで無価値な世界で、綾女とはとりとの友情と、あきとへの愛だけが彼の本物なのでしょう。
十二支との絆も感じ、透くんの優しさも他人の恋心も理解できるのに、自分自身の歪みも欠落も理解できてしまうのに、あきとへの愛だけが熱く胸を締めて。

 ああ、ああ。
決して人を傷つけない、誰より優しい王子様。
君よ、幸せになってくれ。
もしかしたら初めての、母からの「行ってらっしゃい」の向こうで。
紅葉。

 本質的には草摩の呪いの問題はまだ解決していないものの、潑春と依鈴はもうあとは幸せになるだけ。
燈路と杞紗の方ももう幸せな未来しか見えなくて、不器用な幼馴染LOVEにニマニマするしか有りません(笑
 丸くなってもまだまだ口は悪いけど、本意が分かってれば問題ないレベルですね。

 真知の恥ずかしダッシュと、画面外から漏れ出る透くんと杞紗のLOVELOBE空間に吹きました(笑
早いよ!花が溢れてるよ!
恋する乙女は可愛いし、大事に想い合う疑似家族は尊い。
 呪いの解放と紅葉の新しい門出に、久しぶりに気持ち良い視聴互換でした。



(以下ネタバレ注意!)



 美音さんの「ほぇ?」が可愛い。
綾女との関係性は大好きなのですが、学生時代の他校の女性生徒会役員の話もやって欲しいなー。
カットされても仕方ない寄り道エピソードですが、あの話が大好きなのです。

 優しい、傷つけられても他人ばかり気にする王子様な紅葉が、やっと自分の幸せを真直ぐに求められる様になった!
それだけでも嬉しくてたまらないですよ。
透はもちろん大好きだけど、夾も大好きで、何より透くんの幸せが一番なのですよね。
だから自分の恋心も蹴飛ばして、夾の背中を押して。
 ああもう! 本当に幸せになって紅葉ー!!!!

 紅葉が呪いから解き放たれても幸せになれたり失ったものを取り戻せない様に、夾も草摩の呪いが解けただけではダメなのですよね…
母を、透くんのお母さんを死なせてしまった。
重い呪いを2つも背負い過ぎですよ……!

 草摩の呪いが解けたのは、まず時間経過で神性も絆も呪いも劣化したこと。
次に「呪いの絆の価値を感じず、より強い感情を抱いた」ことな気がします。
 紅野は博愛が過ぎて草摩だけが重いと感じず、紅葉は愛が強過ぎて草摩の呪いの絆よりも強い愛に満ちて。
 紫呉はとり綾女、由希と潑春はあきとに愛憎と十二支の仲間への絆が深くて呪いが解き難く、次に解けるのは燈路かなー、と思っています。

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ぶるがり屋 2021/04/27 02:50

フルーツバスケット 3期4話の感想

フルーツバスケット The Final 4話(計54話)
「……ただい…ま」 の感想です。


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フルーツバスケット

 燈路と杞紗、潑春と依鈴の恋物語の結末。
みんな優しくて、一所懸命に頑張ってて。
20巻・50話近く、こんな子達がずっと苦しみ続けて辛かった…

 生きるのが苦手で不器用な子たちいっぱいですが、中でも依鈴は大事な人のために自分ばかり傷つけて無茶ばかりして、騙され利用され続け。
本当に死にそうでしたからね…。

 大好きだから守りたくて、言えなくて、大好きが止まらなくて。
そんな4人が救われて、幸せになると信じられて。
本当に良かったです。
 燈路は自分の苦しみだけでなく、周りの心も見られるようになり、心も体も大きく成長して。
杞紗は優しいまま、誰も傷つかないよう逃げるのではなく、他人の痛みも共有できるように。
潑春と依鈴は長く辛い旅の果て、痛みも苦しみも分かち合えるようになって。
ああ、みんな成長したなぁ。
そのままどんどん幸せになーれ!

 最後に見続けていたランドセルの女の子たちは、急なラブシーンでドキドキしてたのだろーか(笑
潑春に羞恥心無いし、好きな女性を守るなら誇ってるぐらいかも。

 4人の他にも、紅野も、お父さんがお世話になって居る女中さんも頑張った!
今あきとの側で「あきとという人間に幸せになって欲しい」と考えているのは紅野だけで孤軍奮闘ですし、普通の善人な女中さんが死にゆく少女を前に何も出来なかったのは辛かったろうなぁ…。

 全ては草摩の神様のために。
「十二支も猫憑きと同じ」とは、何重にも重くおぞましい、人の悪を煮詰めたような言葉か。
中心人物すら闇に飲まれ、人の命も心も軽視され。
草摩の呪いが深過ぎる……

 それでも、紅野が後押しして、潑春は神様≒あきとを見捨てて依鈴を救って。
紫呉が計画し、透くんがかき回し、依鈴がヒビを入れ、
ついに呪いが綻び始めた。
その時だったと思います。
 もともと呪いだけが絆だった燈路と杞紗よりも、まだあきとが優しくて当人同士の絆があった潑春が背いたことが、大きな転機なのだと思います。



(以下ネタバレ注意!)



 原作の時は気づきませんでしたが、あきとからすればあの箱を盗むような相手、殺しても当然なくらいなのですよね。
殺しかけたあきとも、依鈴を利用した楝も、こんな親子関係を作ってしまったあきとパパも、愛と不安ゆえに仕方なかったと思えて…
 女中頭のような個人の心も命も軽視する、そんな呪いこそが罪なのだと思います。
ただ一番大事なものがとうの昔に失われ真意を確かめる術の無い、楝が救われることは無いのだろうなぁ……

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