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2019年 03月の記事 (47)

whisp 2019/03/09 21:56

ふかみちゃんと一年中!! ミニボイスドラマ台本「第一回お互いの呼び方会議」のご紹介です!(進行豹

こんばんわです! 進行豹です!!!

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「ふかみちゃんと一年中!!」


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こつこつこつこつ毎日書き進んでおります!
で、本日は『あなたが主役のミニボイスドラマ』の台本群から

「第一回お互いの呼び方会議」をご紹介申し上げます!

こちら、頂いたリクエストは以下です!

///
ふかみちゃんとお互いの呼び方を考える。くん、ちゃん、などを試してみたり、ご主人様やあなた、お父さんとかも試して恥ずかしがったり。‬
‪最後はお互い呼び捨てでおねがいします。‬
///

流れとオチが決まってるので

1: どういうふうにリクエストいただいた呼び方をお話の中に自然に組み込むか
2: その上で、どうオチにまとめるか

の二点に気をつけて執筆させていただきました!


書き上がりましたものがこちらです!!!!

////////////////////


『ふかみちゃんと一年中!! XXXためのミニボイスドラマ 「第一回お互いの呼び方会議」』
2019/03/06 進行豹

;セリフは全てふかみ

「ええと……こほん」

「そ、それでは――
『第一回、お互いの呼び方会議』を、はじめます、です。
はうっ」

「ええと、この会議では、(名字)さんと、わたし、早瀬ふかみが――
そ、その……ええと――こ、恋人同士に――なって」

「お付き合いをはじめて、一年になって――
も、もうキスだってしてる、のに……」

「なのに、おたがい、いつまでも、
『早瀬さん』『(名字)さん』じゃ、そっけないから、さみしいから――」

「だから、もっとこう。恋人同士っぽい――ううん、いまのわたしたちの関係に、距離感に、ぴったりの呼び方を、ふたりで一緒に探していこうっていう会議です」

「そういう会議……なんですけど――
ええと……わたし、学園とかで、名字呼びしないの、
凪ちゃんくらいしか、いないし……」

「だから、(名字)さんが――あなたが、呼んでほしい名前決めてくれたら、それが一番うれしい――って、え?」

「あ。うん。凪ちゃんのことも、もちろん――
出会って一番最初のころは、
『蓑笠さん』って、呼んでたです」

「だけど……うふふっ、凪ちゃんってば。
わたしが、『蓑笠さん』って声かけるたびに――
『凪でよかとよー』って」

「それどころかそのうち、
『蓑笠って、博太の山笠みたいでゴツかけんね。凪がよか!』とかも言い出すようになって」

「最終的には
『だーかーらー、凪ってよべばーい』って!
『蓑笠さん』っていう私のほっぺ、むにーってひっぱったりするから、それで――ひゃっ!?」

;ほっぺひっぱられで
「あう~ むに~っていましても~
呼び方きまってないうちは、変えるのだって、できないからぁ」

;離される
「……もう、ほっぺのびちゃう。
(*可能ならばほほをムニムニマッサージする音)」

「本当にいたずらっこなんだから~。
そんなだと、『悪い子ちゃん』って呼んじゃいますよ~」

「え? 『そういうのも悪くないかも』って――
あー。えと。(名字)さ――あなたが――
例えばわたしのこと、『おねーちゃん』とか呼んでくれる、みたいな?」

「もちろん、年齢的には逆だけど――
いたずらっ子で悪い子ちゃんなところみてると――
えへへっ、なんだか、かわいいみたいな、
守ってあげたいみたいな感じもしちゃって」

「『おねえちゃん』どころか……いっそ、『ママ』みたいな気持ちにもなっちゃうっていうか――」

「だけど。うん――順当にいったら、『お兄さん』とか
『にいさん』とか『おにいちゃん』とか、そのあたりですかね?」

「うふふ。わたし、兄妹ほしかったから――
呼び方だけでも、おにいちゃんできたみたいで、
なんだか、結構うれしいかもです。
ね? 『おにいちゃん』――あははっ」

「けどけど、兄妹だと恋人同士になれないし……
け、結婚――とかも、できないですもんね。うん」

「だから、おにいちゃんは無しで――
そ、その……結婚ってこと――
もしも、将来的に考えるなら……
その、一緒に、考えて……もらえるなら」

「気が早すぎかも知れませんけど――
えと、将来の予行演習も兼ねて……
あ……あ――『あなた』……とかも――
あり、かもですよね? はうぅ~」

「え? あ! そ、そうですよね。
結婚して、赤ちゃん……もしも授かったら――」

「わたしたち、お父さんと、お母さんになるかもなんですから――予行演習っていうなら……ぱ、ぱ、『パパ』とか――『おとうさん』とかも――はうっ!!!」

「だ、ダメです。無理無理。いまは、まだ無理――
やっぱり、わたしには早すぎでしたぁ~」

「こ、これだたったらまだ、『旦那様』とか『ご主人様』とか、そういう古風な感じの方が、全然――え?」

「あ……そうですね。ご主人様は、ちょっと……かなりズレちゃってるかもですね。
メイドさんとか、なんか、そっち方面ですよね」

「最近、そういう小説よんだばっかりだったらか――
えへへ、無意識に、ちょっと試してみたくなっちゃってたのかもです……あっ」

「いえっ!? なんにも思いついてなんて……その――
はうう~っ」」

「……さっきいった小説……ちょっと――
え、えすえむっぽい世界観っていうか、描写がおおくて
――」

「だから――ええと――お、怒っちゃやですよ?
そんなこと、全然おもってないですからね?
けど……その……あなたが、呼んでみてほしい、なら」

「こ……こ……こっ! 『この豚っ!!』」

「あああああ! 無理、全然無理ですぅ。
わたし、やっぱり、どっちかっていったらMです!
女王様とか、まるで無理っ!!」

「はぅぅ~やっぱりそういうのは、専門家じゃなきゃ無理なんですね~!」

「だから……ええと――専門家じゃなくても平気なの――
普通の恋人同士っぽいの……
その……下の、名前で……呼び合う、みたいな」

「わ、わたしのことを――『ふかみちゃん』とか『ふかみ』とか――『ふーちゃん』とか、『ふかふか』とか、そういうふうに呼んでくれたり――」

「わたしの方も、(名字)さんを、下の名前で――
『XXXさん』とか『XXXくん』……とか」

「結局それが……えへへっ。
いまのわたしたちの関係に――
いまのわたしたちの距離に、温度に――
一番ぴったりきそうかな、って」

「あ――うん。そうですね。
それじゃあ、お互い、呼び合って――
一番しっくりくるのに決める――そういう形で」

「じゃ。じゃあ。さん付けから――
わたし、いきますね?
――――『XXXさん』――っ///っ」

「こ、これ――結構照れちゃう……
照れちゃいますけど……
えへへ、とってもしあわせ、ですね」

「それじゃあ、次はくんづけで――
えへへっ! どうかなぁ、XXXくん?」

「次は、凪ちゃんとおんなじ感じで~――
『今日もいちにち、がんばろうね、XXXちゃん!』」

「あとは……あだな? 
『Xっくん』とか『Xーくん』! とか。
『XXぴ』とか、『XXち』とか?」

「うふふっ、
『わたしの彼ピのXXぴだよ~』とか、
なんだかギャルっぽい感じかも!」

「それから、『XXにぃ』とか『XXくん』とか『XXXX』とか?
『XXちゃん』……だと――あはは! ですね、
おくすり売ってくれそうになっちゃう」

「いまのとこ、わたしは結構――
『XXXくん』か『XXぴ』が気にいったかんじですけど――XXぴはどぉお?」

「うん……『悪くないけど』――うん。
うん……あ、うん。――だよね。ですよね。
やっぱり、それが――それも絶対、ためさないと」

「恥ずかしくって、照れちゃいそうで……
ちょっと、わざと避けてましたけど――うん」

「(すううっ)――『XXX』」

「あ……」

「はい。ですね。これが一番しっくり来ます。
なんの飾りもくっついてこない、名前だけ。
一番素朴な、一番基本のお名前が――
いまのわたしとあなたとに、一番近い、気がします」

「だから――ね? XXX」

「XXXも、どうか、呼んでください。
わたしの名前を、『ふかみ』って。
飾らず、素朴に――まっすぐに――」

「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」

「……うふふ――ありがとうございま――あっ!」

「(こほんっ」

「――ありがとう。XXX」

;おしまい


////////////////////

いかがでしょうか!?

これこのように、引き続き各種台本ご紹介して!
ふかみちゃんの、そして「ふかみちゃんと一年中」の魅力ご紹介できればと思います!


よろしくお願いいたします!!!

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whisp 2019/03/08 22:43

【ラフ】まいてつPS_豪華版メインビジュアルA


本日はまいてつ pure stationの豪華版メインビジュアルのラフとなります。
実際に発売されたものと大分ことなりますが、もちろん没になったものです。
主に8620をもっと目立たせたほうが良いという理由で、見送りになりました。

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whisp 2019/03/08 00:00

20190308_ハチロクお誕生日記念SS「炭鉱ランデブウ」(進行豹

ハチロクお誕生日おめでとう!!!!

と、いうことで、ハチロクのおとうさんの一人であるわたくしからも、
ハチロクにプレゼントでございます!!!!

今年のハチロクのお誕生日を寿ぐショートストーリー
「炭鉱ランデブウ」

どうぞみなさまにもお読みいただき、
ハチロクのお誕生日をお祝いしてあげていただけましたらうれしいです!!!

/////////////////

2019/03/08 ハチロクお誕生日記念SS
「炭鉱ランデブウ」 進行豹


///

「間もなく、術仙。術仙に到着いたします。
ホームと列車の間にスペースがございますので、
お降りの方は、お足元にお気をつけください」

「うふふっ、かしこまりました」

回送列車への添乗だ。
車内放送の必要などない。

けれどもあえての放送に、
ハチロクは、とびきりの笑顔で小さく応える。

「双鉄さま? 
足元、気をつけなければいけないそうでございます」

「そうか。ならば、きちんと対策をとるとしよう」

「対策、でございますか?」

「うむ――それっ!」

「まぁっ!」

ハチロクをお姫様抱っこする。

「これなら、足元には問題なかろう?」

「は、はい。ありがとうございます。双鉄さま」

「なに、僕自身のためでもある。
大事なお前に怪我でもされては、大変悲しい」

「……双鉄さま」

(がくんっ!)

「おっとっ!!」
「きゃっ!!?」

ポーレットらしくもなく、ブレーキがキツい。
いや、これは、ひょっとして――

「うふふふぅ。とってもとっても仲良しさんでいいですねぇ」
「あっ」

僕にぎゅうっとしがみついていたハチロクが、ぱっと離れる。

頬をわずかに朱を足して――
そうありながら、嬉しげにはにかむ顔が、なんともいえず愛らしい。

「……素晴らしいブレーキ扱いだったと、運転士さんに伝えておいてくれ」

「はぁい。うふふぅ。ちゃあんと伝えておきますねぇ」
「足元! ほんとに気をつけてくださいね」

「うむっ!」

――よく晴れている。
まだ3月のはじめというのに、陽気に近いものさえ感じる。

「これは、歩くと汗をかくかもしれんな」

「うふふぅ、おあついですもんねぇ」

「なっ!」

れいなの思わぬからかいに振り返るなら、ドア閉だ。
その向こうから、れいなの大きな大きな声。

「帰り、営業列車で拾う方がよければ、共感でしらせてくださいねぇ」

「わかりました。れいな。ご安全に。良い乗務を」

「はぁい。ハチロクさんと双鉄さんも、素敵なお誕生日をでぇす」

(ふぉん!)

どこかのどかな響きのタイフォン。
ことことと、キハ07sは、レールの向こうに消えていく。

「さて、僕らも行くとするか」

「はい……ですけれど――」

きょろきょろと、お姫様抱っこをされたまま、
ハチロクはあたりを見回し、僕を見上げる。

「いったいどこへ、わたくし、連れていっていただけるのでしょうか?」



「まぁ! まぁ! まぁまぁまぁまぁ!!!!」

ヘッドライトだけが頼りの廃坑道で、
けれど眩しく、笑顔が輝く。

「わたくし――わたくし、産まれてこの方、100年近く!
数多の石炭を噛み砕き飲み干してまいりましたが」

下ろしてください、とその目で仕草で訴えてくる。

望みに応じて下ろしてやればハチロクは、
とんとんとん、とブーツのかかとで地面を叩く。

「……廃炭鉱のものとはいえど、
坑道の中に入れていただいたのは、はじめての経験でございます」

大きく大きく吸気する。
あたりをきょろきょろ、何度も見回す。

「ずいぶんと楽しそうだ。
初めてなのに懐かしい場所、といった感じか?」

「それも、確かにございます。帰ってきたと――
わたくしの回路のどこかが、チリチリと、
心地よく音を立てております」

うれしげだ。
僕まで嬉しくなってくる。

「けれど、それだけではなく。
ええと……なんと申しましたでしょうか。あの童話」

「童話?」

「はい。こども二人が捨てられてしまい、パンくずを撒いて帰り道を」

「ああ。『ハンスルとグレトル』か――うむっ!?」

「そう、あの童話の、幼いグレトルと、わたくし同じ気持ちかもしれません」

「あははっ! なんと、そうなのか!!」

ハチロクは存外くいしんぼうだと知ってはいたが、
その感想は、まるで想像もしていなかった。

「お菓子の家を見つけた気持ちか!」

「うふふっ、左様でございます。
この坑道の、前も左右も天井も床も、掘り進んだなら、
そこには石炭があるのでしょう?」

「だろうな」

「でしたらここは、まさしくわたくしにはお菓子の家です!
こわぁい魔女に捕まらないよう、
こっそりと、つまみぐいでも試みたいような気持ちです」

「ふふっ」

愛らしい。
あどけない。

れいなやポーレットの前では――いや、日々姫や真闇姉さえにも見せぬ、
僕だけがひとりじめできる表情だ。

「廃坑道なのが残念です。
もし願うなら、いつか九代(くしろ)にあるという、今も現役の炭鉱にいき」

「掘りたての石炭を食べてみたい、か?」

「はい。うふふっ。わたくし、欲張りすぎですね?」

「いいや」

だから、もっと笑わせたくなる。
どこまでだって喜ばせたくなる。

僕はハチロクを大好きなのだと――
その単純な事実が僕を、どこまでだって嬉しくさせる。

「れいなが調査してくれた内部構造は教わっているし、
所有者である市の許可も取得している」

手を伸ばす。
ハチロクがその手をごく当然と受け取ってくれる。

恋人つなぎに手をつなぐ。
ただそれだけのことでこれほどまでに、胸がときめく。

「おいで、ハチロク。
僕からの誕生日プレゼントは、この先だ」

「――はい! 双鉄さま」

ヘッドライトの明かりをたよりに、ただ歩く。
かつかつ、こつこつ。

かつてのトロッコのレールの上を、
小さな足が嬉しげに、丁寧に丁寧になぞって歩く。

「……設備や機材が、今もそのまま残っているのですね」

「うむ。いつかの採炭復活を夢見て、
そのまま残していったのだろう」

「どのような形であっても――
その夢が、叶ってくれるといいのですけれど」

きゅっと。繋ぐ手に力を込める。
簡単に約束できることではもちろんないが――

いつの日かきっと叶えてやると、
そんな思いを指先にこめ。

「うふふっ」

きゅっと。ハチロクの手も応えてくれる。
信じていますと――声ならぬ声が伝わってくる。

「あ」
「おお!」

れいなに教わっていたとおり。
坑道内の様子が一気に変化する。

トンネル全てを覆い尽くしてガードしていた、
コンクリートがその姿を消す。

「まぁ! まぁまぁまぁ!!!
この黒は――気品に満ちた、この真っ黒な輝きは!」

「石炭層――というものらしい。
かつてはここを最前線に、まさしく採掘をしていたわけだ」

「この大きなドリルでございますね?
ああ、このこが動いてくれたら」

「故障させてもこまるゆえ、通電させることはできんが。
その代わり」

「まぁ――ああ! 双鉄さまっ」

バックパックに収まるサイズの、
とても小さなツルハシだ。

けれどハチロクは、まるで宝剣でも受け取るように、
手を震わせて、ツルハシをきゅっと握りしめる。

「許可は得てある。存分にやれ」

「はい! 双鉄さまっ!!!

(ぶんっ! がつっっ!!!!)

「おお」

なんという思い切りの良さだろう。

あるいは投炭経験が、
ハチロクの手を、背中を支えているのかもしれん。

(がっ! ガツッ! こぉん! ガツっ!!)

とても初めてとは思えぬツルハシさばきが、
ハチロクの意図を明確にする。

(ガッ! ガッ! ガッ! ぼろっ!!!!)

「やりました!」
「うむ、見事だ!!!」

突き出していたおおきな石炭の塊を、
その周りからえぐり取るようして、ハチロクは見事切り出した。

「採炭物の所有の許可ももちろん得ている。
それは、ハチロクの石炭だ」

「ああ……産地直送。新鮮。とれとれ。
どの言葉も、わたくしのこの身には、機能停止のその瞬間まで
縁の無いものと思い込んでしまっておりましたが」

袖で、拭く。
石炭よごれが付きづらい――そうであるとは確かに聞いたが。

(きゅっきゅっ、ごしごし)

「はぁぁっ――ふううっ――」

息をふきかけ、丹念に。
石炭塊に、ハチロクは美しい制服のその袖で、
幾度も幾度も磨きをかける。

「ああ――この鈍い輝き。
なんて美味しそうなのでしょう」

「いくといい。がぶりと、好きなだけ食するがいい」

「はい――それでは、遠慮なくいただきます!」

(ぼりんっ!!!!)

盛大な――いっそ痛快と呼びたくなる音。

(ばりっ! ぼりっ! ばきっ! ごきっ!!!!)

「ふふふっ」

なんと幸せな音だろう。
ハチロクは、この瞬間を、五感全てで味わっている。楽しんでいる。

それが、僕にも伝わってくる。
なんと嬉しい瞬間だろう。

(ばきっ――ぼりっ――ごりっ――ごりっ――ごくんっ)

「ふうぅ……」

ハチロクの両手に余っていた。
バスケットボールほどもあった石炭塊が、もう全て、ハチロクの胃(?)の中に収まっている。

ハチロクの体の中ではごうごうと、
罐の火が燃えているのだろうかと、ふしぎに思う。

「大変、おいしうございました」

「だろうな。実に旨そうだった。
叶うなら、僕も食してみたいほど」

「うふふっ、でしたら双鉄さま。
あら? お顔に石炭くずを飛ばしてしまいましたね」

「うむ? んむっ!?」

キスだ。

しゃがんだ瞬間、不意打ちの――
ハチロクが、僕に仕掛けてきたキス。

「ん……ちゅっ――ん……ふっ……」

ハチロクの鼻からの排気がとても熱い。
舌もまた熱くぬらつき、僕の唇をノックして――

「ぁ……んっ――(ちゅくっ――ちゅるううっ)」

「!!!!?」

「――ぁ――ん――ぷあっ」

僕の驚きが伝わったのか、ハチロクがキスをほどいてしまう。

「お口に、あいませんでしたか? 石炭の味」

「ひどく苦くて、粉っぽくある。
だが、なハチロク」

「あっ!」

今度は僕から、不意打ちのキス。

「ん……は……んっ――ほーへふ――はまっ――」

丹念に丹念に、舌を、歯の裏を、口腔内を、
僕の舌全部で蹂躙していく。

「……ぷあっ――。ふふっ。
ひどく苦くて、粉っぽく――
けれども同時に、どうしようもなく甘いな、これは」

「双鉄さまっ!!」

ハチロクがどんっ! と抱きついてくる。
小さな体を受け止めて、ぎゅっと、ぎゅうっと抱きしめ返す。

「ハチロク」

愛している、といいかけて。
それより先につたえるべきを、思い出す。

「ハチロク――お誕生日、おめでとう」


;おしまい

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whisp 2019/03/06 20:34

whisp新作(幻想の森・和耳荘シリーズ)のご案内です。

【ハイレゾ×KU100バイノーラル】幻想の森・和耳荘~オオカミ姉妹があなたのお耳をトロトロにします♪

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
高品質マイク「NEUMANN KU100」の導入により、さらに音質が向上致しました!

各種効果音も新規収録し、よりASMR感が高まりました!

耳かき音の収録を3dio Free Spaceに変更しました!

ご要望にお応えして、基本ボリュームも2時間にアップ!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

風の音、温泉の音、そして……オオカミ姉妹の囁きしか聞こえない、幻想的な時間。
そんな世界の中で、疲れた心を休めてみてはいかがでしょうか?

耳かき、耳舐め、温泉H……癒やしとエッチがいっぱい詰まった高音質バイノーラルボイスドラマを、
お耳の和み成分を求めるあなたへとお届けします。

【ヒロイン・キャスト】
織女 楸(しょくじょ ひさぎ)
CV.そらまめ。

織女 一葉(しょくじょ ひとは)
CV.民安ともえ

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いつもたくさんの皆様よりwhispへのご支援ご声援を頂き、
誠にありがとうございます。
良い作品を皆様にお届けできますよう頑張ってまいりますので、
よろしければ、お気に入り登録を宜しくお願い致します。

※作品予告ページはこちら
https://www.dlsite.com/maniax/announce/=/product_id/RJ247871.html

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whisp 2019/03/06 20:29

ふかみちゃんと一年中!! ミニボイスドラマ 「旅行の約束」台本です!(進行豹

こんばんわです! 進行豹です!!!

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「ふかみちゃんと一年中!!」


http://vigorball.com/project/s/project_id/31

本日はひさびさに!!
「あなたが主役のミニボイスドラマ」の台本をご紹介させていただきます!

本日ご紹介いたしますミニボイスドラマのリクエストは!

///
<呼び方>
xxxx先輩

<シチュ>
やっと目的地に着いて、晩御飯のあと
旅館の部屋で明日からの旅行を楽しみにしてる二人

鯛湾出身の美術部先輩の作品には先輩の故郷の風景がよく出るのでいつか一緒に行きたい 
///


でございます!


ふかみちゃんは美術部ではないので、その辺どう処理するか――と。
流れが概ね決まる感じの陸なので、どうやってラストシーンにつなげていくか。

あたりが工夫しどころとなるリクエストかなと思います。

で、わたくしが書き上げましたシナリオが、こちらとなります!


//////

『ふかみちゃんと一年中!! XX先輩のためのミニボイスドラマ 「旅行の約束」』
2019/03/05 進行豹

;セリフは全てふかみ

「……おいしかったですね~。
やっぱり海沿いの町は、海鮮のお味が全然ちがいますね!
わたし、ブリがこんなに美味しいって思ったの、はじめてです」

「お風呂も、すっごくよかったですしね~
到着してすぐ荷物おろして温泉に入れちゃうの、
最高だったぁ」

「男風呂って、どうでした?
女風呂は広くて、見晴らしもよかったですよ。
海が見えるの、それだけでわたし、テンションあがっちゃって」

「それに……お部屋も。このお部屋もすごく綺麗だし。
本当にいいお宿ですね、ここ。
来てよかったぁ……っていうか、えへへ」

「XX先輩。わたしを連れてきてくれて。
本当にありがとうございます! です」

「それに、先輩――素敵な景色も見つけてくれて。
とっても絵になる、綺麗な入江……
お散歩、っていうレベルじゃなく、
がんばって歩き回った甲斐、ありましたねぇ」

「あそこで――えへへ。
明日、わたし――モデルさんになっちゃうんですね~」

「楽しみです。すごく。XX先輩に描いてもらうの。
あっ――っていうか、先輩、大丈夫です?
肩とか手とか、もちろん足も。
つかれちゃってたりしていませんか?」

「一泊二日の旅行でも、絵の道具ももってくると――
やっぱり、かなりかさばっちゃうんだなぁって……
わたし、先輩の荷物みて、もう最初から気になってて」」

「あの――わたし、もしよかったら、
マッサージとかしますけど」

「え!? 全然です、悪くないです!
遠慮なんてしまいでください!」

「先輩の手は、絵かきさんの手なんだし……
足だって、他のどこだって――大事な先輩の体なんだし。
ちょっとでも無理するの、わたし、良くないって思うから」

「だから、ね? よかったらぜぇんぶ。
わたしに預けてみてください」

「わたし、うふふっ。
こう見えても、凪ちゃんのトレーナーさんもしてたから。
結構、マッサージうまいんですよ~」

「はい。うふふっ、まかされました!
それじゃぁ力、抜いてくださいねー?」


「ん……ん……
(呼吸音)(呼吸音)――どう、ですか?
気持ちいいですか?」

「先輩……結構凝ってますね……ん、っと――
ん……(呼吸音)(呼吸音)……ダメ、ですよ?
あんまり頑張りすぎちゃうのも」

「……もし、キツいようだったら……
手がだるいとか、そういうのあるようなら」

「約束――
わたしをモデルに描いてくれるっていう約束も
また、次の機会とかでも――え?」

「『マッサージのおかげで楽になった』。
『だから、絶対に描く』って――」

「あ……よかったぁ。うれしいです。
わたし、わたしも――先輩に描いてもらえるの――
モデルにしてもらえるの、すごく……
凄く楽しみにしてましたから」

「XX先輩の描く風景の中に……
わたしも入ってみたいって、ずっと、ずうっと思ってましたから」

「だから! 今日の一緒の旅行、わたし、ものすごく楽しみで!
それも……初めての――
お泊りの旅行じゃないですか」

「え? 『初めてじゃない』――って……
あ! あ、そうか。そうですよね!
そうだった。あの合同合宿だって、ですね。確かに」

「XX先輩とわたし――
まだ付き合い始めてもいなかったし、ふたりっきりでもなかったですけど。
だけど、うん。確かにあのとき、一緒にお泊りしてますね」

「……先輩の所属してた美術部と。
わたしがお世話になってた、文芸部」

「わたしは、クマ川くだりのお仕事だとか、他にもいろいろあったから、正式な部員じゃなかったけど――
それでも、原稿だけは、会誌に乗せてもらえてて」

「それが……きっかけでしたよね。
先輩が、読んでくれて。気に入ってくれて。
『挿絵を書きたい』って――
文芸部に問い合わせてくれて」

「夢みたいでした。信じられませんでした。
わたしのお話をそんなに気に入ってくれる人がいるなんて。
わたしのお話に、絵をつけたいて、思ってくれる人がいるなんて」

「それでXX先輩の絵をみせてもらって――
描かれてる景色も、夢みたいだって思いました。
とっても綺麗な、夕陽の景色」

「ですです。先輩のふるさとの鯛湾(たいわん)の――
海沿いにあるっていう湿地帯の、
鏡張りみたいな、綺麗な水面に照り返される夕陽」

「空想の景色だとすっかり思いこちゃったから、
あれが本当にある景色って、教えてもらってびっくりして。
……先輩の絵、それからたくさん、たくさん見せてもらって」

「わたしあのあと、結局忙しくなっちゃって、
会誌に原稿乗せられるような原稿、書けなくて――
挿絵……結局……まだお願いできてないままですけど」

「それから、少しずつ仲良くなって。
一緒におでかけするようになって――
両思いに……恋人同士に……わたしたち、なれて」

「……合宿のお泊りと。今日のお泊りとは、
おんなじお泊りでも、違いますよね。
だって――わたしたちが……恋人同士になってからははじめての――ふたりっきりの、おとまりだから

「って! ふあっ! あ……なんか、ちょっと、わたし――変に意識しちゃいました、です!
顔、暑い! やだ――わたし、真っ赤になっちゃってますよね!?」

「え?
『皋美湿地(ガオーメィスーディ)の夕陽みたい』
って、やだ! あの絵の夕陽ほどは、
いくらなんでも真っ赤じゃありませんよぉ」

「うふふっ、地名もちゃあんと覚えてますよ?
先輩が描いた景色のモデルになったところは、結構」

「やっぱり、すごく憧れですから。
先輩が描いた景色のとおんなじ風景の中に、
立ってみたいって、わたしずうっと思ってますから」

「だから――明日。
先輩にわたしを描いてもらえるの――
いよいよだなぁって、思ってます。
ついに、夢がかなっちゃうんだなぁって」

;呟き
「もちろん……いよいよなのは……叶っちゃう夢は……
それだけじゃない、です。けど――ひえっ!?」

「あ、なんでもない。なんでもないです。
あ、えと――夢。他の夢っていうのは……ええと――あ」

「あります。ちゃんと。もうひとつの夢。
わたしが、きっと叶えたい夢」

「いつか、XX先輩のふるさとに。
鯛湾に、わたしもいってみたいなぁ、って」

「え? ……あ――あ! ……はい、です」

「はい。そのときは、もちろんXX先輩と一緒に。
ふたり、一緒に――」

「できることなら……ううん。
絶対、きっと――新婚旅行で……
わたし、鯛湾に、連れて行ってほしいって――
一緒にいきたいって! 思います、です」

「そのときには、きっと――わたし、書きます。
新しいおはなし。
XX先輩と、わたしと――ふたりの、お話を」

「だから、ね? 先輩。そのときこそは」

「そこから始まる物語に。
ふたりの未来に――
あの夕陽よりも鮮やかな挿絵――
どうか、描いてくださいね?」

;おしまい

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いかがでしょうか!?

スイートアニバーサリーボイスと並行し、
ミニボイスドラマもちょこちょこ書いてまいりますので、
ご興味もってくださる方にはご期待のほどいただけますと幸いです!

よろしくお願いいたします!

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