時 自若 2022/11/09 21:22

今生のローダンセ第11話「谷間に挟まりながらも力説をする」

「一緒にお風呂に入ろう!」
両手を広げて男が言う。
クンクン
「というか、前から思うが、本当にそういう仕事をしてきたとは思えないな」
「らしいですね、昔からそうなんですよね」
前後に御祓が必要なことが圧倒的に少ないという。
「俺は逆にいるからな」
「そういえば前はよく洗ってましたね」
「また洗ってくれ」
「そうですね」
髪を触る。
「…洗いますか?」
「えっ?なんかこう汚い?」
「いえ、普通ですが、髪をサラッサラにしたくなるときってありません?」
「お姉さま…」
不要な脂や汚れを取り除き、潤いや艶を足していく。
「プロの技だな」
「プロはもっと上手でしょ、気になったところを試していったらそうなったという感じですかね」
彼女は洗うのが上手いために、本当に近づかなければ自信の体臭がしないぐらい。
「確かに俺たちも臭いは気を付けるからな」
魔性のものは、鼻が利く。
そこに誰か隠れているなと怯えているものを追い詰めてから、その爪や牙の餌食にする。
「逆にそれを利用したりするんだ」
人間がいたとしても、金属の臭いでばれることもあるために、そうではないものを使ったりもするなど、そのための方法はいくらでも知っておいた方がいいものであった。
「俺としては、汗ばんでいるぐらいの方がいいんだがな」
ちょうどこのぐらいのといった具合の。
「なんです?蒸れ蒸れおっぱいが好きなんですか?」
「好きに決まっているだろうに」
むしろ嫌いなやついるのか!
男は谷間に挟まりながらも力説をする。

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