ヒロイン工学研究所 2023/11/22 21:09

【座談会1_6】ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気

仮想ヒロピン座談会とは


「仮想ヒロピン座談会」とは、ヒロピンに関するテーマを掘り下げるために開かれた仮想の座談会で、管理人がAIとやり取りしながら進めた考察をマスター、ブレーン、トリックという架空の三者による座談会形式にまとめたものです。
仮想ヒロピン座談会の目的はヒロピンに関する議論をコンテンツ化することで、それを呼び水として読者から質問や意見を募集し、さらにテーマを掘り下げ、議論を豊富にしていくフォーラム的な場を作ることにあります。議題となっているテーマについて関心や質問がある方は是非コメント欄にご意見をお寄せ下さい。また、「こういうテーマを座談会で扱ってほしい」といった提案も募集しております。

議題:ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気 まとめ

「ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気」について話し合った座談会の各回のポイントをまとめました。

【座談会1_1】ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気
・ヒロピンへの予感そのものが興奮となる
・ヒロピン性の興奮には不安と期待が混在している
・優勢に見える状況の中に違和感が存在し、その違和感が逆転負けを予感させる

【座談会1_2】ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気
・ヒロイン優勢のあるべき光景とは違うあらゆるもの(例:天候の悪化)が作者によって挿入された意図的な不安材料として認識され、ピンチの到来を予感させる
・優勢に見える状況に潜在する転落の可能性について「わかっている奴」と「わかっていない奴」の役割がそのシーンでどのように割り振られているかによって状況を類型化できる
・ヒロインがわかっているかわかっていないかによってヒロピンの味わいが変わる
・ヒロインがわかっている場合にはマゾヒズム的な性格が、ヒロインがわかっていない場合にはサディズム的な性格が、ヒロピン性興奮の特徴になりやすい

【座談会1_3】ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気
・「優勢なのに不穏」という状況のヒロピン的な魅力は「優勢」というポジティブな側面を表面的に強調することによって逆説的に転落を予感させるところにある
・ポジティブ要素によって逆説的に不安感を生む方法としては、「ポジティブ面を過剰にアピールをする」、「ネガティブ面の過小評価やポジティブ面の過大評価など確証バイアス的な判断をする」などがあげられる

【座談会1_4】ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気
・優勢なのに不穏な状況においてヒロインが転落を予感していない場合、「この自信満々なヒロインがこの後一気に転落する」という期待感がサディズム的な興奮を生むので、見せかけの優勢状況のポジティブ側面を描くだけで転落の落差を上乗せすることができる
・どことなく勝利を既成事実のようにとらえてしまっているヒロインを描くことで慢心を表現できる
・慢心する姿は上手く描けば欠点をもつヒロインの可愛さや嗜虐欲を刺激する魅力的なポイントになる

【座談会1_5】ヒロインが優勢なのに漂う不穏な空気
・ヒロインが優勢なのに不穏な空気が漂うシーンにおいては「勝ちそう」と「負けそう」という相互に矛盾する認知が同時存在することにより心理学で言うところの認知的不協和が発生する
・ヒロインに転落の可能性の自覚があるケースにおける内面描写は読者に感情移入させるためのものだが、ヒロインに自覚がないケースにおける内面描写は読者に客観視をさせるためのものである
・ストーリー工学上の不安定性の概念に着目することで「ヒロピンにおけるストーリーの重要性」や「ヒロピン性興奮における不安の重要性」、「ヒロピンとリョナの区別」などの問題が理解しやすくなる
・ヒロピン嗜好のルーツは「正義のヒロインは必ず勝つ」と思い込んでいる子供がそのヒロインのピンチを目撃したときに感じる認知的不協和にある


また、今回のテーマを議論することを通じて新たに以下のようなテーマが提起されました。
・ヒロピン嗜好と児童心理
・ヒロピンと認知バイアス
・ヒロピンにおけるヒロイン側キャラの意義
・ヒロピンシーンにおける視点の問題と演出方法


ご意見・ご質問はコメント欄へ

「仮想ヒロピン座談会」は議論を豊富化しさらに掘り下げていくためにコメント欄にてご意見・ご質問を募集しております。また、「こういうテーマを座談会で扱ってほしい」といったリクエストなどもありましたら是非お寄せ下さい。検討いたします。

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