石神村の掟

１．「石神村」

この物語は、千空が石神村に来る少し前のお話である。

全世界が石化し、地球から文明がなくなると、
今まで積み上げてきた科学さえもなくなった。

科学の失われた世界で
ごく一部の生き残った人間達が集落を築き
細々と生活をしていた。

その一つが石神村である。

そのころの石神村は、科学もなく、
しきたりや呪術に縛られる集落であった。

２．「祭り」

石神村では、年に１度
子孫繁栄を祝う、祭りが行われる。

石神村は
子孫繁栄が最も尊いものだと伝えられてきた。
貞操観念などより
子孫を残す事を美徳とされていたのだ。

その祭りでは
１５歳以上の男女の性行為が解禁され
近親、配偶者など関係なく
子作りを行う事を求められた。

祭りの間は
知らない男女であろうとも
男に求められた女は、そのまま性行為を行い
子作りを行わなければならない。

そんな祭りの中、
村の少女、「コハク」は、祭りから逃げていた。
昨年の祭りでは、逃げ回ることに成功し
誰とも性行為をすることなくその日を乗り越えることができた。

しかし、１年がたち、再びその日がやってきた。

「今年だって、逃げ切ってみせる」

コハクは身体能力が高く
男勝りの筋力と素早さを持っていた。
並みの男では、彼女を捕らえることは出来ないだろう。

ゴーーーーーーーーン

そして、集落の鐘がなった。
これは祭りの開始する合図だった。

「へへへ・・・この時を待っていたぜ」

集落の男たちは、目を血走らせながら女を犯しに出かけた。

もちろん、配偶者がいるものは
夫婦同士で、性行為を行う事ができる。
しかし、配偶者がいない女たちは、
男たちに要求されれば、その行為を断ることができない。

３．「コハク」

「はあ！はあ！はあ！はあ！！」

コハクは、祭りが始まってからずっと逃げ回っていた。

族長の娘ともなると
男たちからの求愛の数は多かった。
そんな男たちを交わしながら
コハクは森の中を逃げていた。

そんな求愛をする男たちの中に「マントル」がいた。

この男は、
体は小さく、筋力も特段なく
日頃は「マグマ」の下に付き従う
矮小な男だった。

しかし、頭の回転は速くズル賢い。

ずっと、他の男たちをたきつけ
コハクを追い回させ続けた。

初めは余裕で逃げ続けていたコハクだったが
徐々に体力が削られ、動きが鈍くなってきていた。

「くそ・・・今年は数が多すぎる。」

「そ、それに、腹の調子が・・・」

グルルルル・・・

森を飛び回り続けるコハクだったが
突然の便意で腹を抑えていた。

「一度、振り切って、用を足さなければ…」

コハクは、追いかける男たちを巻くと森の中に入っていった。

４．「マントル」

「あい～～薬が効いてきたみたいだな」

マントルは、追うのを止めてしまった男たちを横目に

コハクの入っていった森に、自分も入っていった。

プッ・・・プウ・・・

ブブブブ・・・

森の茂みから、放屁の音が聞こえてきた。

クンクン・・・

マントルは鼻を鳴らし、その匂いがする方へ向かった。

「あい～見つけた…」

ブリュウ！！

ブババババッ

マントルは、コハクから
茶色い物体が出てきているのを確認し、静かに後ろから近づくことを試みた。

ガサガサ！！

しかし、茂みの木々に引っかかると、音をさせてしまった。

「！？」

「誰だ！！！」

コハクはその音に気付き、その方向をみた。

「マ、マントル！！」

「あいいいい～～～みつかっちゃあしょうがない！！」

茂みに座り、大便をしているコハクに
マントルが襲い掛かる。

しかし、間一髪で、マントルの手から逃れ
コハクは再び、森に逃げた。

「この村では１５歳で子作りしないとダメなんだぞ！！」

マントルは、逃げたコハクを追いながら、そういった。

「人の排泄している時に襲うなど卑怯だぞ！！」

「貴様のような、卑怯な男と誰がするか！！！」

ブリュウ！！

排泄の途中だったコハクのアナルからは
大便がこぼれていた。

コハクは、マントルから離れ、森に入っていく。

「クンクン・・・」

「あい～～俺のこの鼻からは逃げられないぞ！！」

森に潜んでいたコハクは、
マントルの臭覚から逃げきれず見つかってしまう。

「クっ！？？」

ビリビリ！！！

コハクはついに、マントルに捕まり
衣服をはがされる。

「くそ！！なんだ！！体がいう事を聞かない！！」

いつものコハクなら、マントルに覆いかぶされようと
すぐにはねのける事ができるが、体がうまく動かなかった。

石神祭りは
子孫繁栄を願った祭りである。
娘たちの料理には、筋力を弱める薬が入っており
無抵抗にさせ、種付けを行わせるのだ。

「あいいいい～ラッキーー！ちゃんと薬が効いてるぜぇ！！」

「くっ！やめろ！！」

「お前のような三下との性行為はごめんだ！！！」