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大決壊!の記事 (274)

レモネードオアシス 2024/04/18 13:43

ビターチョコレート5

いつも温かいご支援ありがとうございます。
おかげさまでマニアックな小説を書き続けることができています。

木曜日です。
きのうはやけ酒をして二日酔いで潰れていました。
しばらくはお酒は控えたいと思います。

さて、今日は木曜日ということで、同人誌の既刊を更新したいと思います。
少しでも楽しんでくれている人がいたら嬉しいです。


目次

ビターチョコレート

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「すー……、すー……」

 ぎゅるるるっ、
  ぎゅるるるる~……。

 大腸とは、食べたものの水分を吸収する器官だ
 そこに2週間ものあいだ詰まっていた排泄物は、カチカチに固まっているはずだが……。
 しかしアルテマはどんなに頑固な便塊でさえもドロドロの下痢に溶かすほどの下剤である。
 そのことを深い眠りの底にあるひなぎくが、そのことを知るはずもない。
 それでもお腹の異変を感じたのか、

「んっ、んん~……」

 どこか色っぽい吐息を漏らすと、ひなぎくは寝返りを打つ。
 そのときにお行儀悪くタオルケットも蹴っ飛ばしてしまう。
 Tシャツを着ているとはいえ、ジワジワとお腹が冷えていくが……、眠っているひなぎくが知るよしもない。
 そして、そのときは唐突に訪れた。

 ぷりゅっ!

 はじまりは、小さな……、しかし水っぽい炸裂音だった。
 ひなぎくのプリッとしたお尻の割れ目から、液状のモノの漏洩が始まったのだ。

 ぷりゅっ、ぷりゅりゅ!

 ショーツのなかで水っぽい音が弾けると、じゅわり……、お尻の割れ目の真ん中に、茶色い染みが浮き上がってきたではないか。
 だがそれはまだ序章に過ぎない。

「うっ、ううう……っ」

 ぷりゅりゅっ!
  ビチッ、ビチチッ!

 桃尻の狭間から漏れ出してきている下痢は、やがてショーツをうっすらと盛り上げていく。
 それでもひなぎくの失便は終わらない。

「んっ、はぁン……んんっ、ん!」

 ビチチッ! ブピュッ!
 ブチュチュッ! ブポッ、ブポッ!

 可愛らしいデザインのしましまショーツが盛り上がり、ぷつぷつと茶色い水分が滲みだしてくる。
 醜悪な腐敗臭が、盛り上がったショーツから漂ってきて――、
 だが、ひなぎくはそのことに気づかない。
 むしろお腹に力を入れていく。

「う、うううっ、んっ!」

 ブリュッ! ビチビチビチ!
  ビチチチチチチチチ!

 ここにきてひなぎくは、自らお腹に力を入れて息み出す。
 きっと夢の中ではトイレに間に合っているのだろうが……、しかし現実で下痢が放たれているのはショーツのなかだ。
 お尻をぴったりと包み込んでくれるショーツは、当然のように容量が少ない。

「ウッッ、うん……っ、んっ」

 ビチチッ! ビチッ!
 にゅるるるるるるるるる!

 ショーツのなかでは収まりきらなくなった下痢は、ついに足口から溢れ出してきてしまう。
 下剤に溶かされた、水に近い流動体となった、2週間ものの汚泥。

 ショーツから溢れ出してきた汚泥は、ショーツへと落ちていくと、うずたかく積み重なっていった。

「はぁっ、はぁぁ……っ」

 ニュルルルルルルル!
  ブリブリブリッ! ブボボッ!

 便失禁という痴態を晒していることも知らず、ひなぎくは更にお腹に力を籠める。
 本能的に、身体に詰まっている毒素を吐き出そうとしているのだ。
 人間の、もっとも原始的な欲求の一つである『排泄欲』を満たそうと、本能のままに息んでしまう。
 それがたとえショーツを穿いたままだとしても。

「んんっ、う~……じゅる……じゅるる……」

 こんなときだというのに、ひなぎくはあろうことかヨダレを垂らし始めたではないか。
 それは気持ちいいと感じてしまったときに晒してしまう、ひなぎくのコンプレックス。
 失便しているというのに、ひなぎくは『気持ちいい』と感じてしまっているのだ。
 どんなに恥ずかしいことでも、2週間ぶりに排泄欲を満たした女体は快楽に包まれている。

「…………ぁぁ……、じゅるる……ン、ンンッ」

 ミチミチミチミチミチ!
  ブボボボボボボボボボボ!

 空気が混じった下痢を噴出し続け……、ひなぎくの失便は一晩を通じて続くことになる。

        ☆


ビターチョコレート6につづく!

ここまで読んでくれてありがとうございました!
少しでも楽しんでくれている人がいたら嬉しいです。

この小説は同人誌「ビターチョコレート」に掲載されているものです。
フルバージョンのイラストを見たい! という人は下のリンクから買ってくれると創作活動の励みになり、マニアックな小説を書き続けることができるようになります。

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レモネードオアシス 2024/04/16 13:04

TS俺は失敗禁止ッ!3

いつも温かいご支援ありがとうございます。
おかげさまでマニアックな小説を書き続けることができています。

火曜日です。
先日の土曜日には新刊の大決壊!~ふくらむぱんつ~の配信が始まりましたけど、やはりというか、取引停止中のクレジットカード会社がある影響で売り上げはかなり厳しいことになっています。

現時点で、個人サークルで赤字6桁円というのは、ちょっと想像してなかったので笑うしかないですね(苦笑)
少しでも売り上げが上向くように、祈祷を捧げたいところです。

さて、凹んでもいられないので、今日は火曜日と言うことでCi-enオリジナルの小説を更新したいと思います。
少しでも楽しんでくれている人がいたら嬉しいです!

※この小説は将来的に同人誌として発表する予定のある作品です。
 記事をご購入の際は、その点をご留意頂けましたら幸いです。


目次

TS俺は失敗禁止ッ!

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「こ、これで……どうだ?」
「お、おう……。これは本当に女の子してるわね……」
「やっぱりしてるよな」

 男物の制服のYシャツとTシャツを脱いで、露わになったのは豊満に膨らんでいるおっぱい。
 陶器のように色白で、頂のところだけちょこんとキイチゴが乗っかっているムースケーキのようだ。

「ちょっと触るわよ……?」
「あ、ああ」

 恐る恐る伸ばされる真琴の手。
 その指先が乳房に触れると、なんとも変な感覚が込み上げてくる。おっぱいなんて触られたことは初めてなのだから仕方がない。

「うわ、柔らかい……。乳首は……?」
「あっ、あんっ」

 キイチゴのような乳首に触れられた瞬間だった。
 チリリッ、静電気のようなものが乳首から発せられると、全身を駆け抜けていったのだ。

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レモネードオアシス 2024/04/10 14:21

ビターチョコレート4

いつも温かいご支援ありがとうございます。
おかげさまでマニアックな小説を書き続けることができています。

水曜日です。
DLsiteでMasterCardとVisaが使えなくなってからというもの収入が激減しています。
インボイス制度に続いての大打撃。
ちょっと無理ゲーです。

さて、今日は水曜日ということで、同人誌の既刊を更新したいと思います。
少しでも楽しんでくれている人がいたら嬉しいです。


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ビターチョコレート

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♥2章目 慣れない便秘薬で……寝糞

(おなか、また苦しくなってきちゃってる……)

 下校中にうんちを漏らしてしまった日から2週間ほどが経った。
 信じられないことに、あの日から一度もひなぎくはうんちを出すことができていない。
 日を追うごとにお腹が張ってきて、常に膨満感に悩まされ続けている。
 Tシャツに3分丈のスパッツという部屋着で過ごしているひなぎくのお腹は硬く張っていた。

(どうしよう……。苦しくて、集中できない)

 自室の机に向かって宿題を片付けようと思って問題集を開いてみたものの、時間だけが経つばかりだ。
 スマホで時間をたしかめてみると、夜の21時の1分前を指していた。

「ああ、もうそんな時間」

 ふぅ、と一つ大きなため息をつくと、コンコンッ、部屋のドアが控えめにノックされる。

「どうぞ」

 と応えると、ドアを開けて入ってきたのは冷たい感じのする銀髪の小柄なメイドだった。
 名前を、シェフィールドという。
 そのままだと長いから、ひなぎくは『シェフィ』と呼ぶことにしていた。
 響きが可愛いと、シェフィ自身もお気に入りらしい。
 ただ、シェフィは表情の変化に乏しいから、あまり嬉しそうに見えないのだけど。
 シェフィは、ひなぎくが幼少のころから給仕してくれている、専属メイドだ。
 20才は超えているはずだけど、童顔だからそれを感じさせない。

「お嬢様、ハーブティーを淹れてきました」
「ありがとう。今夜はどんなお茶を入れてくれたのかな」
「はい。今夜はリラックスして頂けるようにとカモミールティーを淹れて参りました。ハチミツを入れると更に美味しくなるかと思います」

 ティーセットをそつなく並べていき、シェフィは部屋を出ていこうとする。
 ひなぎくは、そんな小さな背中へと声をかけていた。

「シェフィ、ちょっと相談があるんだけど……」
「なんでしょうか。悩み事でしたら、遠慮なく仰って下さい。ご希望に沿えるかは分かりませんが」
「うん。ありがとう。それで、相談っていうのは……」

 ごにょごにょとシェフィの耳元で呟く。

「そういうことでしたら。少々お待ち頂けますか」
「うん。待ってる」

 シェフィア部屋を出ていくと、しばらくして戻ってきた。
 銀のトレイに、小瓶を載せて。

「お嬢様。こちらのお薬などはいかがでしょうか。私も困ったときにはよくお世話になっています」
「これは……?」

 シェフィに差し出されたのは、小さなガラスの小瓶。
 そのなかには、小さな錠剤がたくさん入っていた。
 しかしその色をなんと形容すればいいのだろうか?
 その錠剤は、見るも鮮やかな極彩色を放っているのだ。
 それ自体が発光しているようにも見える。

「このお薬の名前はアルテマ。一粒飲めば効果てきめんの、究極の下剤です」
「きゅ、究極の下剤……」
「もしも飲む場合は、寝る前に飲んで下さい。あと、これをあてて寝て下さい」

 シェフィがエプロンドレスの大きなポケットから取り出したのは、カサカサとした紙の塊。

「これは……?」
「紙おむつです。あまりにも強力すぎるため、寝る前に飲むと就寝中に粗相してしまうのです。私もアルテマを飲むときはいつもおむつをあてて寝ています」
「そ、そんなに凄いんだ。でも、昼間に飲むわけにはいかないの?」
「日中に飲むと、学校におむつをあてていくことになり、更には我慢できなかった場合は人前で粗相することになります」
「夜に飲むことにするよ。うん」
「それがよろしいかと思います。お冷やをお持ちしますので、くれぐれも寝る直前に飲んで下さいね」

「うん。ありがと」

        ☆

「さて、飲むか……!」

 ひなぎくが気合を入れたのは、もうすぐ日付が変わろうかという夜更け。
 お風呂に入って歯を磨いて、あとはもう寝るだけだ。
 だけど今夜は寝る前に、あともう1つやることがある。

「この下剤……、そんなに効くの?」

 シェフィはおむつをあてないと危険みたいなことは言ってたけど、さすがにおむつというのは……、恥ずかしい。

「最近のおむつってショーツみたいに薄いんだ。でも、この年にもなっておむつは、ねぇ……」

 シェフィの気遣いは嬉しいけど、おむつはまたの機会にさせてもらうことにする。
 寝てるあいだにお腹が痛くなったら、目が覚めると思うし。
 今夜のところは下剤を飲んで、ショーツを穿いて寝よう。

「えーっと、1回1粒。水、またはぬるま湯で飲むこと」

 どうやらこのへんは普通の薬と変わらないようだ。
 ……ちょっと色がカラフルで発光しているようにも見えるけど。

「虹色に光ってるけど、飲んでも大丈夫、なんだよね……?」

 シェフィもよく飲んでると言っていたから、身体に悪い、ということはなさそうだけど。
 ひなぎくはガラスの小瓶の蓋を開けると、虹色の一粒を手に取って口のなかに放り込む。
 それから水を口に含んで……ごっくん。

「よし、これで明日の朝には2週間ぶりのお通じがある……はず! ……よね?」

 ちょっと自信がないけど、2週間も音信不通のお腹から、なにかしらの応答はあるに違いない。

「さて、寝るか……!」

 ひなぎくは3分丈のスパッツを脱ぐと、Tシャツとショーツだけという姿になる。
 ブラは充てていない。寝るときはいつもノーブラで寝ることにしていた。
 ショーツはちょっと子供っぽいと言われるかもしれないけど、白とピンクのしましまショーツを愛用していた。
 厚手だからお腹を冷やさないし。

「明日は……、出ると、いいなぁ……」

 大きなベッドに仰向けになって、枕元にあるリモコンで部屋の明かりを落とす。
 数分後には、真っ暗になった部屋にひなぎくの寝息だけが聞こえてきた。

        ☆

 異変。
 それは静まりかえった丑三つ時に、ジワジワと始まっていた。

 ぎゅるる、

 低い唸り声を上げるのは、ひなぎくのお腹だった。
 究極の下剤『アルテマ』によって、長き眠りについていた大腸が目覚めようとしていたのだ。


ビターチョコレート5につづく!

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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この小説は同人誌「ビターチョコレート」に掲載されているものです。
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レモネードオアシス 2024/04/09 12:35

TS俺は失敗禁止ッ!2

いつも温かいご支援ありがとうございます。
おかげさまでマニアックな小説を書き続けることができています。

火曜日です。
今日の千葉県は季節の変わり目と行った感じで、生温かい風とともに大雨が降っています。
こういう日は雨戸を閉め切った暗い部屋で小説を書くと集中できます。

さて、今日は火曜日ということで、Ci-enオリジナルの小説を更新したいと思います。

※この小説は将来的に同人誌として発表する予定のある作品です。
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TS俺は失敗禁止ッ!

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「な、なんなんだよこれは!」

 転がるように布団から出て、なんとか洗面台の鏡の前にまでやってくる。
 そこに映っていたのは、非の打ち所のない碧眼の美少女だった。
 それも一糸まとわぬ全裸の。
 寝るときは裸で寝ることにしているから、これは必然のことなのだが……、いや、全然必然じゃないけど。

「こ、これが俺、なのか?」

 ぷにっとしたほっぺたを引っ張ってみると……うん、痛い。
 どうやらこれは現実のようだ。
 そうなると……膨らんでいる乳房も、消滅してしまったちんちんも現実のことなのだろう。

「変わりすぎだろ……」

 やや吊り気味の碧眼はこちらを自信なさげに見つめてきていて、大きく膨らんだ乳房は両手では覆い隠せないほど。
 ウエストはくびれていて、それでいてお尻は大きく膨らんでいて、キュッと後ろに引けているところがなんだかセクシーに見えてきてしまう。

「俺か……!? これが俺なのか!?」

 鏡に映っている超絶美少女が、俺!?
 誰かに確かめてもらいたいところだけど、両親は仕事で家を空けているので、この家に住んでいるのは昴だけだ。
 こうなったら、相談できそうな人物は――、

「そうだ、真琴! 真琴なら!」

 昴はパニックになりそうなところをなんとか堪えて、男物の制服に着替えると玄関から外へと飛び出していた。
 目指すのは隣の家。
 そこには幼なじみである女の子……真琴が住んでいる。
 幼稚園のころからの幼なじみである真琴に見てもらえばなんとかなる……!
 慌てふためいている昴は、家を飛び出すと真琴の家のインターフォンを連打すると、

「はい。響ですが」

 眠たげな声でインターフォンに出たのは、幼なじみである真琴の声。
 起きたばかりなのか、早朝の来訪者に警戒しているのか、かなり機嫌が悪そうだ。
 このインターフォンにはカメラがついていないから無理もないことかもしれないけど。

「真琴か!? 俺だ、昴だ! ちょっと大変なことになって……!」

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レモネードオアシス 2024/04/08 14:57

ビターチョコレート3

いつも温かいご支援ありがとうございます。
おかげさまでマニアックな小説を書き続けることができています。

月曜日が始まりました。
今日は飼い始めた猫様の避妊手術なので、午前中に動物病院に行ってきました。
午後に手術が行われ、夕方にお迎えに行ってきます。

さて、月曜日ということで、同人誌の既刊を更新したいと思います。
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ビターチョコレート

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 家まであと10分。
 不幸中の幸いか、人通りが少ない閑静な住宅街だから、誰かと会う可能性は低いが……だけど、安心はできない。
 白タイツは茶色く染め上げられているし、お尻からはヘドロよりも醜悪な香りを漂わせているのだ。

「どうか、誰にも会いませんように」

 いつの間にか落としていたカバンを拾い上げて、ピンと背筋を伸ばして歩きはじめる。

 ねちゃ、ねちゃ、ねちゃ……。

 一歩進むごとに軟便がショーツのなかでネットリと攪拌され、おまたに食い込んでくる。
 それでも歩を止めるわけにはいかない。
 お尻を包んでいるスカートは、うんちによって一回りほど大きく膨らんでいる。

(お願い……、ばれないで)

 人とすれ違うときは、カバンを両手で前に持って白タイツを隠して歩く。
 すれ違ったら、後ろ手に持ってお尻を隠す。
 だけど茶色い香りまでは隠せるはずもない。
 ひなぎくが風上にいるときに、匂いを感じ取ったのだろう。
 小学生の男の子たちが顔をしかめると、

『お前、おならしただろ』
『いや、言い出しっぺのお前だろ』

 だなんて冷やかしあっている。
 まさかひなぎくのお尻から漂ってきているとは夢にも思っていないに違いなかった。

(ごめんなさい、臭いよね……)

 心のなかで謝りながら、ひなぎくは何とか家に辿り着く。
 ひなぎくの家は、周りの家と比べるとちょっと大きめの洋館だ。
 鉄格子でできた扉の上には槍が生えていて、扉の向こうには青々とした噴水を湛えた庭が広がっている。
 噴水を中心としたロータリーを迎えるように、白壁の洋館が夕日を受けていた。

「な、なんとか辿り着けた……ふぅ……」

 大きな鉄扉の横にあるインターフォンを押して、気が抜けてしまったとでもいうのだろうか?

 ビチチチチ!

 ショーツの中に熱いものを漏らしてしまう。
 これから広い庭を横切らないと、屋敷には辿り着けないというのに。
 インターフォンを押して数秒後、メイドがひなぎくの顔を確認したのだろう。

『お帰りなさいませ、お嬢様』

 スピーカー越しに聞こえるのは、冷たい感じのする女性の声。
 その一言とともに、ゆっくりと鉄扉が自動で開かれていく。
 あとは庭を横切るだけ。
 もう人とすれ違うこともない。

「ふう……」

 深くため息をつくと、

 にゅるるるるるるるる!

 ショーツの中が重たくなるけど、ひなぎくは心のどこかでホッとしてしまっている。
 ――もう、ここまでくれば人と会うことはない――。
 頭の片隅で、そんなことを考えていた。

「もう……、ちょっとだけ、楽になりたい……」

 ブリュリュリュリュリュ!
  しゅいいいいいいいいい……。

 我慢していたものをショーツのなかに吐き出し、お腹が楽になって……、ひなぎくは、ゆっくりと広々とした庭を歩きはじめた。

        ☆

 ひなぎくの部屋は、2階にある洋間だ。
 広さは20畳ほどあって、窓からは噴水のある庭園を見下ろすことができる。
 一人で使うには広い部屋だけど、ひなぎくは雑然としたものがあまり好きではないから、必要最低限の机やベッドと華奢なティーテーブルと本棚があるくらい。
 だけど本棚は大きなものが3つほど並んでいる。

「やっと辿り着いた……ふぅ」

 まずはカバンを置いて、それからトイレに行って、それから汚してしまった下着を洗濯しなければ。
 メイドたちにバレずにすべてをこなすことができるだろうか?
 そんなことを考えていると。

「……あ」

 ひなぎくが使っているダブルサイズのベッドの上に、綺麗に畳まれた下着が置かれているではないか。
 どうやら専属のメイドにはすべてお見通しらしい。
 ひなぎくは替えの下着を手に取ると、トイレへと急ぐのだった。


ビターチョコレート4につづく!

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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この小説は同人誌「ビターチョコレート」に掲載されているものです。
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