【技術解説/AIイラスト作成手順】メインビジュアルの仮作成
メインビジュアルの仮作成を行いました。
久しぶりにAIイラストの作り方を解説します。
メインビジュアルの役割は、この一枚でどんな作品であるかを伝えます。
ユーザーの注意を引き、タイトルを読ませて、詳細ページへのリンクをクリックしてもらうという重要な役割です。
どれだけゲームの内容が良くても、ここでクリックされなければ終わりです。
構図を考える
アイデアは既存の作品の組み合わせに過ぎません。
とりあえずのアイデア出しはAIの方が得意です。
従来であれば紙と鉛筆の登場ですが、自分で書かずにAIに出力してもらいましょう。
一般向けの作品ならChatGPTなどに相談することもできますが、今回は成人向けなので使えません。
なので、今回の大まかな構図は自力で考え、細かいパターンをAIに出してもらいます。
思いつく条件をStableDiffusionのプロンプトとして書き込んでいき、途中で細かく指示を変えながら、ひたすら出力していきます。
今回は約500枚生成しました。
最初のプロンプトのまま500枚を出力するのではなく、より良い方向に進むように改良しながら進めます。なので意外と放置はできません。
この場合は、数分間隔で入力し直すことになります。
中途半端に隙間時間が開くので、空いた時間は効率的に使いましょう。
- Q. 24日の夜は何をしていましたか?
- A. 筋トレしながらエロ画像を生成していました!
出力画像を使い、構図を指定する画像を作る
出力した画像をもとに、構図決定します。
しかし500枚程度を出力したところで、理想の構図に完璧に合う画像は出力されません。
プロンプトだけで作るのは諦めて、出力した画像を切り貼りして、自分で作ります。
素材はたくさん出力したので、選び放題です。
細かい部分はAIがなんとかしてくれるので、人間は「こういう構図で描け」と指示さえできれば十分です。
各画像からキャラを切り取り、拡大・縮小・回転などを使って配置。
中央の娘がノーパンであそこが丸見えでしたが、メインビジュアルにモザイクが入るのは不恰好なのでおパンツを履かせておきます。
画像内に5人もいて、女の子の情報だけで過密なので、背景は一旦塗りつぶしてシンプルに整えます。
構図画像に直接指示を描き込んで清書する
さらに書き込んで、欲しい構図に近づけます。
画像生成モデルはどんどん精度が上がっているので、適当に塗っても、何を描きたいのかが伝わりさえすれば、AIがなんとかしてくれます。
一旦AIにかけて清書するとこうなります。
はい、なんとかしてくれました。
なんとかしてくれるための工夫にも色々とあるんですが、専門的すぎるので解説は省きます。
さらに指示を描き込んでいく
清書した画像から、さらに描き込んでAIに指示を出します。ここまで細かくなるとプロンプトだけで指示を出しても絶対に伝わりません。
どう描いて欲しいのかという情報を、ひたすら書き込んでいきます。
私「こういう感じで描いて」
AI「まかせとき!こんなんでええか?」
全員の制服が変わりました。
このように、手書きで指示をすれば容易に伝わります。細かい部分が変化していたりますが、今は気にせずに進めます。
全体の調整をする
何がイラストの主役なのかをはっきりさせるために、5人の女の子の色調を調整します。
状況的には見下ろされているので、中央の娘以外は影を付けて逆光にします。
奥の二人は影を付けた上で薄くし、中央の娘を明るくします。
これをAIに清書してもらって馴染ませます。
これでイラストにメリハリがつきました。
さらに気になる部分を直していきます。
中央の娘の脚が長過ぎたので調整し、手前の娘の腕を写して前後関係をはっきりとさせました。
最後は細部を手書きで調整
これをAIで清書し、最後に気になる部分を手書きで修正してひとまずの完成です。
AIを使うと、どうしても細部が崩れる箇所があります。
わかりやすいのは指ですが、瞳と乳首にも違和感が出やすいです。
目立つ部分でありながら、少し違うだけではっきりとわかる部分ですね。
髪もよく見ると変ですが、このような箇所は乱れていてもそれほど違和感はありません。
改善点はまだまだありますが、今回は初期案としての仮制作なので、ここまでにしておきます。
切り取ってタイトルロゴを入れる
DLSite用の規格に合わせて切り取り、仮のタイトルロゴを入れます。
ロゴは自分で作りました。
日本語のロゴは、まだ画像生成では難しいですが、そのうちできるようになると思います。英語なら今でも結構できるみたいですね。
ちょっと横長で作ってしまったので、5人全員は入りませんでした。
5人目をあきらめる代わりに、中央のメインの娘をぎりぎりまで拡大します。
どうでしょう、この1枚だけでどんな作品か伝わるでしょうか?
以前に書いた、ゲームのコンセプト紹介記事はこちら。
今回の要点
細かい指示は手書きで伝えるべし。
AIは指示に従って動く、優秀な部下のようなものです。
そして私たちはそのAIの上司です。
十分に優秀な部下がうまく動かないのは、指示を出す人間側に問題があります。
AIは道具にすぎません。AIイラストに最も必要な能力は、従来のイラストを描く能力だと思います。
AIイラスト関連の技術は2週間もあれば習得できますが、デッサン力などはそう簡単にはいきません。
ただの生成画像の次へ行くには、今回のように、どう描くのかを明確に指示でき、AIが出力したものにさらに手を加えて、より良いものに仕上げる技術が求められるのではないかと考えています。