今週の へうげもの 感想 2016年 7月第1週
あらすじ
迫る大坂夏の陣。
最後の徳川家康と豊臣秀頼の会談を画策する古田織部だが…
へうげもの(22) (モーニング KC)
山田芳裕
講談社
2016-06-23
感想
初期にそのセンスに嫉妬を抱き、後に豊臣秀吉の前で家名と格の低さに泣いた織部。
乱世を生き抜いてきた強かさや数寄さえ踏み躙られ、家名のみを値踏みされた織田有楽斎。
切なく、隔世の感があります。
しかし家臣の村田吉蔵、味が有るなぁ(笑
さすがは数寄者曲者の有楽斎の家臣、一味違いますよ。
そして木下勝俊に家名を捨ててはと誘われた織部。
今はもう、己の好きを世に問わねば生きていけぬ織部ではなく。
ただ数寄にかまけるだけで良いと思えるようになったのですね。
利休の辞世の句は、随風が広めちゃったのかな(笑
それでも、捨てられぬ理由が有る。
口では父から受けた武士の血と話しましたが、ちょっと違うように感じます。
それは今までの、得意の誑かすような嘘ではなくて、家を残したり武を誇るようなことではなくて。
織田信長、そして誰より豊臣秀吉とその築いた美への、忠義なように感じます。
己の目指した好きの道は極め。
あとはただ、友であり主であった、秀吉の世と家と数寄を、命を賭けてでも残そうとする思いだと。
そんな風に感じました。