ぶるがり屋 2022/01/16 21:39

平家物語 1話の感想

平家物語 1話
「平家にあらざれば人にあらず」の感想です。


【Amazon.co.jp限定】平家物語 Blu-ray box(「監督・山田尚子、音楽・牛尾憲輔スペシャルインタビュー」視聴コード付)

監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクター原案:高野文子
音楽:牛尾憲輔!
発売日:2022/4/6
販売元:ポニーキャニオン

平家物語

 前評判から期待していましたが、予想以外の方向にとっても良かった…
空が、水が、空気が見える、風や温度を感じる、
美しい。
人間もその風景の一部かのように感じて。
 重盛がびわに出会う、琵琶の音と篝火の中を歩む姿に見惚れました。

 白と赤。
なぜか平氏が白、源氏が赤のイメージでしたが、事実は反対でした。
冒頭の椿は日本で沙羅双樹とも呼ばれた夏椿の白なのですね。
その美しい白い花が、落ち、赤く染まる。
平氏の運命と時の流れを指し示す、赤と白。

 平家の恐ろしい世、罪なく殺された父。
びわにとって重盛は憎むべき父の仇、平家の嫡男だけど、父すら忌まわれた未来視の魔眼の、苦しみを知り、美しいと認めてくれたただ一人の人でもあって。
重盛の願いには答えられないけど、共に暮らして交わって、平家の若武者たちと喧嘩もして。

 重盛は優しく儚く美しく。
重盛以下や徳子はまた暖かくて。
いやー 平重盛、好きになっちゃいましたよ。
好きになった特徴は演出部分ばかりですが、こんな儚さを感じる人物ではあるのですよね。
 今まで見た作品では、平清盛は若い頃はがむしゃらに権力を目指し、この時代ではもう落ち着いて、驕り高ぶる親族を厭うというキャラが多かったものでして。
この「面白かろう」と悪行を扇動する愉悦おじいちゃんキャラは新鮮です(笑

 朗々と、時の流れと忍ぶ想いが聞こえる響く唄は。
「平家物語」を詠う白髪の女性は、平家の滅亡を看取った、びわなのかな。
白髪になった理由、女性の装束、美しい女性らしい風貌を考えると、重盛一家を家族と、維盛を愛しい人と想い、失われる未来が見えるようです。
 題材から分かっていたことですが… 辛い。

 びわの未来視は「その滅びが視える」ものなのかな、と考えたり。
そうなると、琵琶は少しだけ未来を変えられるのかな。
守れるのかな。
大好きな家族を、一人だけ。

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