ぶるがり屋 2022/12/11 21:56

鎌倉殿の13人 47話 の感想

鎌倉殿の13人 47話
「ある朝敵、ある演説」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 最終回前回、ついに、承久の乱。
その前夜。

義時追討の院宣、北条政子の演説。
朝廷の時代から武家の時代となる、この国の大きな転換期。
心惹かれる名シーンでした……

北条義時を討て

 後鳥羽上皇からすれば、積もり積もった鬱憤がついに弾けた瞬間だったのか。
致し方なく政治を任せているのに、将軍位の戦いで内裏を焼かせた。
そして平清盛以降、弱体化した武家政権を倒せる好機。
三種の神器がかけた自分が、天皇の誰も果たせなかった果たせる悲願。

 ただこの物語をずっと見ていると、権謀術数の朝庭と、「じゃあ殺すわ」の坂東では、最終的には収められない気がしますけど(笑

鎌倉のために死ぬ

 もしかしたら、とうの昔に小四郎は燃え尽きていて。
友を殺し、父を放逐し、主君頼朝の子ら・自らの親族を殺めて殺めて、心はぽっかりと穴が空いていて。
家も家族も仕事にも安らぎもなく。
 今回後鳥羽上皇の策に後手後手だったのは、疲れ切っていたからなように思えます。

 でももう、姉と太郎が立ってくれた、任せられる。
自分は降りられる。
そう思って、少し願って、いたのでは。

鎌倉のために生きる

 でも、すっと手を取り合って、時に争ってきた姉・政子は違った。
何度も死のうと思って死に切れず、求められて生きながらえて。
ついに、一番大事なものを守るために、尼将軍となって。

 だから、今回だって立つのですよね。
一番大事な家族を死なせない為に。
その中の一人、可愛い弟、小四郎を守る為に。

 誰かの言葉ではなく、頼朝への恩を最上段に振りかざすのではなく。
義時の不足と苦しみを語り、鎌倉の悲願を願い、ともに坂東の誇りのために戦おう。
大義ではない、自分たちの誇りと一番大事なものの為に戦おう。
失って傷ついて、傷つけて奪って傷だらけになって、ここで終わりだと諦められた時、
夢見て願って、守って築いて、いつかと願ってきたものが、ここにあると見せてくれた。

 姉の顔、息子の背中。
北条政子の報い。
北条義時の報い。

お見事でした。

 小池栄子さん、素晴らしい役者になったなぁ……。

推しが天下の演説言ってくれたら死ぬ

 義時がやっと報われましたが、今回一番幸せだったのは間違いなく大江広元さんですね。
せっかく書いた演説文が捨てられたのも、アレはアレで最高に幸せで。
「押しが私なんかより高みにある〜〜!」

 無私とはいえ、あれだけ邪悪なことやりまくって、推しの晴れ謡を横で支える、
一番幸せポジション〜!
ニクいよ!

次回最終回、「報いの時」

 華々しい、「鎌倉を守って」の死。
義時にとって、願っても無い最高の死。

でもそれよりも、姉は息子は自分を守って戦うと決めた。
多くの御家人たちが、戦うと賛同してくれた。
それが何よりの報いなのだと思います。
頼朝を失って数十年、やっと義時が報われた時。

 だからこそ、最終回の「報い」が恐ろしい……
仏像はどんな姿になるのかな。

 一番怖くて期待しちゃうのはもちろん「主人公・義時がどう報われるか」ですが、気軽な意味で一番気になるのは─
裏切りまくり振り回しまくりの三浦義村がどう報われるのか、ですね(笑
弟殺してもそんなに気にしなさそーだしなぁ。

 小四郎の、一番古い友で最後の友な腐れ縁。
2人の"報い"が、とても怖くて楽しみです。

他、ちょこちょこ。

 最後が気になるのは、トウとのえさんですね。
死ぬと決めた義時の背中を見て涙を流したのは、夫の覚悟と、一族の不運と、それを理解出来なかった、最後まで突き放された、悲しみだったのかな。

 トキューサの愛嬌とふてぶてしさが本当に小憎らしいし、可愛らしい。
可愛いから余計に、ちょっとムカつきます(笑
自分の愛嬌理解してるんじゃないよ!

 初と泰時、もっとずっとイチャイチャして〜!
すっと見てたいです。
ほぼ唯一の、最初から最後まで癒しでいてくれて、ありがとうございました。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索