ぶるがり屋 2023/01/22 15:26

どうする家康 2話 の感想

どうする家康 2話
「兎と狼」の感想です。


見逃し配信 - どうする家康 - NHK

【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK

どうする家康

 これは辛い……!
若き小君主の苦難、その連続。
 『おんな城主直虎』でも描かれた通り、強大な勢力に挟まれた小領主の苦難は知っていましたが、徳川家康の人生は、本当に苦難と存亡を賭けた選択の連続ですね……
一つ間違えたら、自分も死ぬし一族郎党滅部かもしれない。
確かに『どうする家康!?』ですよ。
これが毎週かーそりゃ腹も弱くなるなぁ(笑

父・松平広忠、母・於大の方

 パパママ登場!
広忠パパは苦労性の真面目な領主、於大の方は戦国の世の強い女ですねぇ。
目を見開いた顔の圧が強い(笑

 寅の年寅の日寅の刻に生まれた武神の化身、
今回はナレからのオチが遠かったなぁ(笑

 広忠パパとは誘拐されてから、於大の方は2、3歳の頃に離縁と考えると、家康は両親とほぼあってないのですよね。
哀しいですし、そりゃ今川義元を父に、氏真を家族と思うよなぁ。

信長と竹千代

 さて今作のメインコンテンツ(笑
どんな関係かと思って注視しましたが、これはもう
出会いから鮮烈が過ぎる(笑
側使い皆殺し→拉致監禁→躾(いじめ)→殺害未遂→躾(かわいがり)
これほとんど織田信長のせいですからね。
信長からすると寵愛も寵愛ですが、家康からすると疫病神にも程がある(笑

 可愛い可愛い白兎で、いじめ抜けば虎となって牙を剥く。
最後まで見ると、信長は大高城封鎖で家康の品定めをして、「追い詰められてるけど、まだ豹変してないな」と見切りをつけて去ったのでしょう。
 そしてラストの岡崎平定を聞期「あ、俺が一番好きな状態になったな」と感じて悦んだ、と。
うん、疫病神だ(笑

織田信長、戦国の魔王?

 今作でも恐ろしい暴虐キャラですが、うつけやら魔王というより、暴走族族長にしか見えません(笑
父・織田信秀の凄みと筋と暴力性も合わせて、ヤクザ組長と息子にしか見えないよ!(笑
いやホント藤岡弘、と岡田准一親子は面白いし絵が強いよ!

若様と宿老

 ふん、とそっぽを向く若様元安も可愛いし、ふん〜!で返す爺様も可愛いですよ。
主従なのも過去を引き継いでいるだけの、まだ浅い絆。
でも同じ苦しみを味わい、苦しみも喜びも一緒に過ごして、今、絆が育まれている時なのですよね。

 道が違う時、配下の言葉に反して楽な道を選んだ時。
うわぁ爺様がー!!
鳥居忠吉の人生をよく知らないので、ここで死ぬか死なないか、ドキドキです(笑
矢衾は死と悲劇の象徴だなぁ。

 この深い失敗、だからこそこれで元康の生き方が決まったように思えます。
臆病者で岡崎に愛着がなくても、自分のせいで犠牲を出してしまった。
責任感が強く優しい元康だからこそ思い悩み苦しんできた訳で、もう岡崎の皆を見捨てられないでしょう。
 平八郎との魂の言葉と穢土の本当の意味が、その辛く険しい道への背中を押したのだと、思います。

 仲違いしても、ついつい楽な道を選んで失敗しても、まだ本物の主従でないからこそ、人と人として理解して歩み寄っていく様が、愛おしいですよ。

本多家の誇り、忠勝の夢

 ぐおおお平八郎も可愛い〜!!
一族の死に様を誇りにして、理想の主従と自分の死に方夢見て。
夢叶えられなくてaツンツンしちゃう本多平八郎忠勝。
もう最高に可愛いですよ。
哀しい生き方で夢ではあるのですが、この時代この身分では、夢見て当然の死に様なのがまた美しい。
 その夢が叶わないとのも、また美しい(笑

厭離穢土欣求浄土

 仕事ひとつ、家族の元に戻るのも命がけで、頼るものさえおぼろげで。
自分の選択で多くの命が消えていく。
せめてとすがった言葉は、
厭離穢土欣求浄土

 その意味は地獄のような現世を捨てて浄土で幸せになれ、ではなく。
地獄のような現世を、浄土のように幸せに成せ、の意味だと。

 この地獄のような現世で生きるには、恐怖を捨てて挑むしかない。
瞳に光が戻った元康への、最高の道しるべだったでしょう。

 穢土、転じて江戸につながるのかな。
皆を幸せにする百年太平の世の都。

 そして世を捻て見る賢しい青年の名は、
弱い心を持ちながら地獄に立ち向かう家康の背中に惚れた者の名は、
後の徳川四天王、榊原泰政。
くぅーっ格好良い!

どうする家康!?

 織田信長など蹴散らしてくれようぞー!!
邪魔な親族を打ちはらい、本拠・岡崎に岩船する元康。
嘘も真も士気に変え、でも襖の向こうで一人、またどうすると悩む。

 あーもーこんな可愛い家康初めて!
基本は軟弱で乙女で、徹底的に追い詰められると豹変するのですね。
家康個人の幸せは甘い平穏。だけど、時代と郎党の為には、毎度虎・武神にならなければいけないのか。
あと信長を前に生き延びるには(笑

違いと重ね

 今回、対比と重複が丁寧に描かれたように感じました。
元康は配下と親族のようで、意見を聞かされまくって統率もおぼろげ、絆もまだ弱く。
信長はカリスマと恐怖で支配し、一挙一投足が命令になる。
 普段は頼りないが、最後の最後で英雄となる。
頭の風貌があり、常に統率する。
父も母も知らず。
父と同じ生き方を進む。
 地盤が弱く振り回されるばかりの子兎・松平元康と、大国を脅かすほどの武力で振り回す大狼・織田信長。

 それでも見栄張って威を底上げして郎党をまとめる広忠・於大の方と、己の弱さも恐怖も押し込めて虚勢で新たに郎等をまとめ上げる元康の、両親を知らずとも受け継いだ魂が、儚げな踏ん張りが、愛しいのです。

次回、「本多平八郎忠勝討死!」

 そんな……
絶対何かの間違いじゃないですか!(笑
おじさん死亡の誤報ぐらいしか思いつかないなぁ。

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