投稿記事

2017年 12月の記事 (10)

尾上屋台 2017/12/31 05:24

「ガールズ&パンツァー 劇場版」

・アニメ公式


今公開中の「最終章」じゃなくて、それに先駆けてTVで放送してた「劇場版」の方です。
最終章に向けてのプロモの一環として各局で放送してた方のヤツですね。

んで、見た感想としては「ガルパンはいいぞ」の意味が、この作品でようやくわかったって感じで。
いやー面白かったです。
録画してたものなので、もう二回通して見ちゃいました。
うわー、これ劇場で見たかったわあって感じですよ。
さぞかし迫力あったんだろうなって思います。
あ、今でも単発で上映してる劇場があるみたいですけど、それ抜きにしても異例のロングランとなった理由は、よくわかりますわ。
今まで見てきた劇場版アニメでも屈指ですもん。
これは面白かった。

意外と見せ方や細かいとこに微妙な粗みたいなもんがあるのはTVシリーズと同じなんですけど、根本的な部分で面白いんですよね。
僕がよくアニメの感想なんかでいうとこの「ここ押さえてほしい」みたいのは確実に押さえてる。
日常やら戦闘前のシーンをもっと丁寧に描くこともできると思うんですけど、この作品でそれやりすぎると、テンポ悪くなりますしねえ。
むしろ最低限のとこだけはきっちり押さえて、むしろ戦闘シーンでキャラ性を掘り下げていくみたいのは、描き方としてひとつの正解だと思いますし、またこのシリーズはそれがすこぶる上手い。

ここを見せたい、みたいのが、ものすごく明確なんですよ。
それを迫力ある戦闘シーンの間に見せてくってのは、アクションが見せ場の作品として、ある意味正統派な作品なのかもしれませんね。
何より戦闘シーンが面白くて、そこに観客が集中してるとすれば、そこにテーマ持ってくるってのは、こう書くと簡単なんですけど、実際は容易なことではないはずで、それをあっさりこなすこの作品ってのは、やっぱすごいんだなとあらためて。

その戦闘シーンも、ここにこういうカット入れたり、このキャラにスポット当ててもいいんじゃないの、みたいのを初見では感じたんですけど、その「ほんのちょっと足りない」部分があるおかげでもう一回見たくなるというか、そこまで計算ずくだとすると、ますますすごい作品だなと。
実際劇場に何度も足を運んだ人も多いそうですし、僕なんかも見た後、一日と置かずもう一回見ちゃってますしねえ。
で、そのほんのちょっと足りなかった部分を補完するつもりで二回目見ると、今度は初見では気づかなかった数々の演出に気がつくんですよ。

これ、昔の名作なんかにも、共通する部分ですよね。
思わずリピートする作品って、実はほんのちょっと何かが足りない。
で見直して見ると、初見では気づかなかった多くの出来事に気づく。
僕なんかも、あんま説明しすぎる作品はどうかということを、度々言うじゃないですか。
特に文章作品で説明しすぎると、行間なくなっちゃいますから。
そういう行間みたいのを映像作品で描いてるの見ると、うわーすごいなあって思っちゃうんですよね。
僕がすこぶる良いって言ってきた作品って、大体そういう行間を描けてて、この作品もまた、間違いなくその中に入る名作でした。

劇場版ならではのリッチ感やオールスター感も半端じゃないですしね。
あえて言えばTVシリーズ見てないと面白さが半減しそうな感じもありますが、話としてはTVシリーズの後日譚なので、そこは当然かなと。
この作品見る為に、TVシリーズを薦めたいほどの出来映えでした。

やっぱ基本的に面白い作品って、たとえばこのガルパンだと、戦車のこととかよく知らなくても面白いんですよ。
逆にこれ見て、戦車とかに興味持つくらいで。
で、そういうの知ったらさらに楽しめるんでしょうけど、そこ抜きにしても、やっぱり面白いってのは、作品として力があるってことなんですよね。

んで、自分的ヒロインは、やっぱカチューシャですね(笑)。
TVシリーズだけで充分カチューシャだったのですが、この劇場版はさらにカチューシャなのでした。
いやー、今やってる最終章、近所の映画館でやってないんですよねえ。
これ近所でやってたら絶対劇場に足を運びたい所存なんですけど。
んー、DVDとかで出るのを待つか、近所でやるのを待つか、いずれにせよ、この続きはいずれ絶対に見ることになるでしょうね。
ガルパン、いいですわ。
大変遅まきながら、自分もファンになりました。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

尾上屋台 2017/12/31 04:49

「Fate/Apocrypha」2クール目

・アニメ公式


前期、というか1クール目見た時と、そんなに感想が変わったわけではないです。

が、前期よりかは楽しめた感じです。
なんかこう、後半になってからジャック・ザ・リッパー持ってくる構成の悪さみたいのはあったものの、それでも前期よりかは面白いものになっている、というか、アニメならではの見せ方ができていたんじゃないかと。

というのも、特にこのクールの後半、戦闘シーンがあんまがちゃがちゃしてないというか、一対一の緊迫感があったんじゃないかと。
人数少なくなってきて、各キャラにスポット当たりやすくなったというか。

それ考えても、7vs7(それぞれのマスター含めると14vs14)の聖杯戦争ってのは、やっぱ大風呂敷広げ過ぎだろうと(汗)。
戦記モノや歴史モノなんかでは、いくら人数増やしてくれても一向に構わないというか、多ければ多いほど厚み増していい感じなんですけどね。
三国志や水滸伝なんか、逆にあれだけ登場人物が多いからこそってのがあるわけですし。
でもこう、サバイバル感のあるFateでは、やっぱなんか違うんじゃないかと。
基本、聖杯の願いが成就されるのは一組って都合上、どっちかの陣営が勝って良かったねってものじゃなく、自然と死んでくコンビってのは進行すればするほどに減ってくわけで。
あれ、この聖杯戦争って、途中からああいう展開になってったわけだけど、どっちかの陣営が勝利した場合、どうなってたんだろう?

で、シロウが途中で強引に陣営の振り分けをやり直す形になって、シロウの野望(?)を阻止する為にルーラーたちが・・・ってなったのがこの2クール目なんですけど、シロウ側のサーバントそれぞれの目標はざっくりあったような気がするんです。
でもルーラー側からすると、まだこの時点でよくわかってなかったシロウの野望を阻止する為に、みたいのって、なんかこう、目的意識が希薄だったような気もするんですわ。
いや、なんかシロウが一方的に悪役みたいになってましたけど、そうなのか?って自分的には思ってたりしたんで。
いやいや、みんな雰囲気に流され過ぎだろう、みたいな(笑)。
結果、シロウの願望は叶えちゃいかんタイプのものだったんでオッケーにせよ、人類の救済叫ぶ人間を、ああも悪役扱いするのもどうなのかと(汗)。
それまでの言動で、そんなこと嘘に決まってる!みたいにする根拠も曖昧だったような・・・。

多分、この作品がちょっと自分的にアレだなーと思ったのは、こういった、作品全体のテーマみたいのが、かなり希薄だったからじゃないかなと。
なんかこう、雰囲気として物語はつつがなく(でもないか)進行してくんですけど、一応主人公側のルーラー、ジーク君のやってることに、違和感があったんでしょうね。
なんで命を懸けて戦うのかってのが、すごい曖昧な感じがして。

いや、常に全キャラがそうである必要はないんですよ。
曖昧なまま流されてくキャラがいてもいいし、相手が誰であろうが、戦うこと自体が好きで相手を殺すってキャラがいてもいい。
そういうキャラは、そういう部分前面に押し出して描いてくれればいいんですけど。
けどこう、他の仲間を率いる人間が、そういう希薄なモチベーションで仲間に戦ってくれってのも、なんかおかしいだろって。

この希薄さ、曖昧さってのは、ジャンヌ・ダルクがジーク君に妙に肩入れした挙げ句、惚れるってとこにも出てるかなと。
極端に言うとこれも、なんで惚れたのかを、理屈で説明する必要があるわけでもないんですよ。
ぶっちゃけ、一目惚れだとか、なんかルックスがいいからとか、大仰なものじゃなくてもいい。
でもこう、それならそれで、こういう理由がありましたみたいの、もうちょいあっても良かったかなと。
んー、これは原作読んでないんで、そっちでなんかしら明示してあったのかもですが、ほぼ同様の態度をアストルフォが取ったりするの見てても、なんでジーク君こんなに人気なの?って感じがどうしても拭いきれなくて。

なんかこう、各人の行動の理屈やモチベーションが曖昧なまま、なんとなく雰囲気で流れて行くって展開に、どうしようもない違和感を感じる作品だったかなあと。

みたいなことをまたも長々と書いてしまったのですが、今期は終盤の戦闘シーンの連発は、なかなかの圧巻だったと思います。
もうラスト五話くらいは毎回最終回なんじゃないかってテンションで見せてもらって、アニメ作品としてここを見せたかったんだろうなというのは感じました。
この辺の出来が良かっただけに、それまでをもう少し丁寧に描いて欲しかったなあと、余計にもったいない気がして。
いやでも、ラスト近辺の戦闘シーンは、やっぱ良かったですよ。

んで、自分的ヒロインは・・・前回アストルフォと書いた夢は、無惨に打ち砕かれました(笑)。
えー、女の子でいいじゃん!(泣)
ジャンヌ・ダルクも基本的にヒロイン然としていいんですけど、んー、モードレッドかなあ。
アストルフォ事件があって以降そういう楽しみは崩壊してしまったので、なんかやられたって感じです(笑)。

で、これ前回も書いたことですが、最初のFateはやってるけどFGOはやってない自分と、FGOやってる人では、そもそも見方も随分変わるのかなって思ってます。
FGOやってる人からすると、やっぱある程度キャラの出揃ってる、オールスター感はあると思うんですよ。
一方僕みたいにほとんどのキャラに対して初見だったりすると、どうしてもキャラの活躍とかより話の構成とかに目が行っちゃうんで、見てるとこが違っちゃうと思うんですよね。
来年もまたFate関連のアニメあるんで見る予定ですけど、できればこう、FGOとか知らない人にも優しい作品であってくれればなって思います。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

尾上屋台 2017/12/27 02:11

「ガールズ&パンツァー」

・アニメ公式


BSで再放送やってたんで、今期アニメとして見てみようかと思いました。
まあこれだけ目にする機会が多かったりすると、一応どんなもんかなと気にはなっていたんですな。

結果、まあ普通に面白かったんですけど(笑)、これね、戦車とか好きな人は絶対的に面白いんだろうなって。

僕はいわゆる「ミリタリー」って呼ばれるものは、ホント昔のものしかわからないんですよ。
でも普通ミリタリーとかミリオタとかって、第二次大戦くらいの知識を指して言うわけじゃないですか。
僕はもう、銃弾が後装式になったり、連射できるようになり始めると、ダメというか、興味薄れてくるんですよ(笑)。
なのでナポレオン辺りからまったくわからんちんなんですよね。
ルネサンス辺りまでの知識はオタクって言われるくらいにはあると思うんですけど、近現代は全然知らなくて。
戦車の名前にしても、ティーガーとかシャーマンとかは聞いたことあっても、どんな戦車かってのはまったく存じ上げませんレベルで。

で、戦車のことについては後述しますけど、おそらくこれ、作品全体のネタ感ってのは、ものすごく詰め込んであったと思うんですよね。
というのも、「バキ」のシリーズにしたって、元になる格闘家知ってると知らないとじゃ、楽しめる度合いって全然違うわけじゃないですか。
あれにしても、例のトーナメント、出場選手全員にモデルになる格闘家がいて、それを知ってると、これはもうめちゃくちゃ面白いわけですよ。
特に80〜90年代の、総合格闘技がない時代に「誰が最強なのか」を論じたことある人間だったら、バキのあのトーナメントってのは、それだけでご飯何杯でもいけるわけで。

で、このガルパンも、そういったミリオタにとって面白いと思える要素ってのは、ものすごくふんだんに盛り込まれていたんじゃなかろうかと。
というのも僕自身、併行してヒストリーチャンネルで戦車特集やってたのを見てたおかげで、決勝戦にマウスとか出てきちゃうと、「おお、これがあのマウスか! でかい!」とか思っちゃったくらいですから(笑)。

あと、多分予備知識全くなくても、戦車戦の迫力や面白さってのは、かなり楽しめるんじゃないかと。
なんかこう、戦車ってよく知らない状態で見始めたものですから、その動きの意外な速さに驚かされて。
え、戦車ってこんなに速く動くもんなんだって。
でも時速60kmとか出してたわけですよね。
となると、実際にやり合ってる映像ってのは、こんな感じなんだと。
んで、戦車のことよく知らない状態で見ても、この戦闘シーンってのは間違いなく面白いんですよね。
それも、話を追うごとにいい戦闘シーンになる。

それと、ミリタリーの知識なくても、一応近現代史については多少知ってたおかげで、旧ソ連をイメージした高校のキャプテンの名前が「カチューシャ」だったりすることに、クスっときちゃうんですよね(笑)。
あげく、高校の名前が「プラウダ」高校だったりすると、尚更。
「プラウダ高校」って響きだけで、もう最高だわって思っちゃったりしますもんねえ(笑)。

ちなみに自分的ヒロインは、このカチューシャです。
またも金元寿子補正かかってるような気もしますが、なんかこう、「カチューシャ」歌いながら隊列組んで戦場に向かうとことか、たまらんですわ。
てかなんでまた、プラウダ高校だけこんなにお国柄を出しまくってるんだか(笑)。

話の構成的には極めてシンプルで、展開やキャラの立て方には無茶苦茶さも感じる、やや粗めの作品だとは思うんですけど、そういうの気にならないくらいの魅力ってのは、間違いなくある作品だなと思いました。
僕はどっちかっていうと、よく練られていたり丁寧な作りの作品が好きなんですけど、結局幹になるとこがよく出来てれば、多少粗さを感じるものでも、作品として充分面白くなるんだなあと、あらためて。
というか、おそらく作者の意図しない部分でのつっこみどころの多さってのも、ひいては作品の魅力に繋がったりするんですよね。

よく聞く「ガルパンはいいぞ」の良さのどこまでわかったのかに自信はないですが、それでも充分楽しめた、良い作品でした。
カチューシャはいいぞ。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

尾上屋台 2017/12/27 01:34

「血界戦線 & BEYOND」

・アニメ公式


血界戦線の二期目ですね。

僕は再三命の重たさが感じられる作品が好きだと言ってきたのですが、まーこの作品の命の軽さったら(笑)。
ノリだったり異常なまでのテンポの良さだったりと、そういう点で前期なんかはそれなりに評価してたのですが、初めはちょっと抵抗あるというか、どちらかというと苦手な作品だったんですよね。

でも途中で、ないしは一話で切るみたいのが好きじゃないんで続けて見てたんですけど、そうすると段々とこのノリがクセになっていくというか。
ちょっとだけ見て「あーこれダメ」ってやっちゃうのは、こういった、どちらかというと好きになれそうにない作品に、妙にハマっていく面白さを放棄してることになるんですよね。

大体どんな作品でもアニメ化された以上は事前に一定の支持層がいたり、オリジナルでも「ここが見せたい」って部分があるからアニメ化されるわけで、まあいいところが必ずあるはずなんですよ。
単に一視聴者というか消費する側としてみれば、いつどこに来るかわからないその部分まで待ったり見つけたりする必要はないんでしょうけど、一応僕もこうした業界(?)の片隅のその末端の先っちょの先っちょに身を置いてる以上、それは見極めねばなるまいなあと思ってるわけで。

んでこの作品に戻ると、ノリとかテンポみたいなものがこの作品の特徴だと思うんですけど、最初微妙にあった抵抗感が、逆にハマっちゃう要因になってるんですよ。
その時の話がコミカルだろうがシリアスだろうが、一貫してテンポの良さってもんは崩さない作品じゃないですか。
話によって随分テーマが違う作品だと思うんですけど、こういった部分はずっと貫いてて。
んなアホなって超展開が多いってのも、これまた一貫してますよねえ。

気がつくと毎週楽しみにしてましたし、二期目決まって、やっぱ楽しみでしたもん。

あんま細かいとこ気にしないで見れる気軽さは人気の要因のひとつだと思いますけど、結構話自体は緻密に作られてたりするんですよね。
多重的に進行してく話も多いですし。
逆に言えば、それなりの重さでもって表現することもできたと思うんですけど、あくまでテンポ重視で。

なんつったらいいんでしょう、どれも、実は意外とちゃんとした話だなと。
その幹の部分がしっかりしてるんで、後はそれをどう味付けするかなんでしょうね。
そのテーマに沿った味付けがひとつの正解なんでしょうけど、徹底的に無国籍風の味付けをしてある、実は食べてみるとおいしい料理みたいな感じでしょうか。
原作はアメコミっぽいテイストらしいんですが、なんかこう、カリフォルニア巻きみたいな感じなんですよ、多分(笑)。
あ、これはこれで美味しいかも、みたいな。

んなわけで今期も楽しめましたので、三期目、みたいな話もいずれあるのでしょうか?
もちろん、その時を楽しみに待っている次第であります!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

尾上屋台 2017/12/26 23:12

「クジラの子らは砂上に歌う」

・アニメ公式


世界観と雰囲気、物語の運び方が上手くマッチしている作品ですね。
閉じた空間から始まるんで、どこかで大きな広がりを見せるんだろうなあという点では予想通りではあるんですけど、展開のさせ方ってのは「マジで!?」って思っちゃうくらい血なまぐさくて、おーって思わされましたね。

命の重さってのを最初にきちんと描いてるおかげで、中盤以降、人が次々と死んじゃう過程ってのは、充分重さのある描き方だと思います。
で、そこまではある意味珍しいものではないんですけど、六話のタイトルにもあった「明日、人を殺してしまうかもしれない」みたいに、奪う命の重さ(ないしは命を奪うことの重さ)を描くってのは、割合漫画、アニメでは珍しいかもしれないですね。
現代モノだったらともかく、ファンタジー入ると途端に命が軽くなっちゃうって作品も多いですから。
まあそれはそれで、展開として面白ければアリだと思うんですけど、僕の作品見たことある人はわかる通り、僕は命が重たい作品が好きですからねえ(笑)。
その意味で、この作品はかなり好みの作品でした。

あと、島の記録係である主人公の、その記録文がモノローグとして入るんですけど、これが単にビジュアルでは描ききれない心情をテキストにすることの多いモノローグとは、違うんですよ。
二話目の終わりからがらっと様相が変わるんですけど(またそのように宣言されるんですけど)、それでもなお記録であろうとするテキストに、どうしようもなく感情が入ってくるんですよね。
またその入れ方も絶妙で、ばーっと流血があるような場面で、感情を押し殺したようなモノローグが入ることで、明確に行間を挟み込んでくるというか。
テキストそのものに行間はあるわけですけど、実際にビジュアルで見せる部分とモノローグとの間にも行間があって、この見せ方は漫画/アニメならではだし、今まで誰もやってこなかったんじゃないかって。
あくまで説明じゃないんですよね。
目の前で起きてることと、そもそも行間のあるモノローグとの間にさらに行間を設けることで、多重的に感情を描いてるというか。
ああ、こういうやり方もあるんだなあって。

舞台設定にせよ、描かれる背景にせよ、切ない感じがひしひしと伝わってくる作品でした。
にもかかわらず、結構ダイナミックに物語が展開してくんですよね。
CMとか見てた時から期待感はあったんですけど、期待以上の作品でした。

自分的ヒロインは、サミですかね。
金元寿子補正がかなりかかってる感じですけど(笑)。
この子の死ってものを、ただの通りすがりみたいに描かないとこも、この作品の好きなとこでした。

で、これこそ二期目が楽しみというか、これからってとこで終わっちゃったじゃないですか。
常々言ってる通り、やっぱ続き物の話は、最低2クールやってほしいとこですよ。
2クールやることで、評価が高まる作品も少なくないと思うので。
博打みたいに何が当たるかって感じでばしばしアニメ化するよりかは、と思っちゃうんですけど、昨今のアニメ業界の状況だと難しいんですかねえ。
ただこれに関しては、次の襲撃に泥クジラが耐え切れそうもないだけに、どう展開してくかが実に楽しみだったんですけど。
こう、区切りとしてよろしくない(笑)。
短いクールでわーっとヒットするような作品ではなく、時間をかけて噛み締めるような作品だったと思うんで、いやはや、実にもったいないというか。
ま、まあこれもまた、後は原作読んでねってことなんでしょうけど・・・。

んー、まあここで愚痴ってとこでしょうがないんですけど、あるなら続編、ぜひともよろしくお願いしたい感じです!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索