ParticularStation 2021/06/01 15:13

竜姫の夢は復讐屈服 約23,000文字


※Ci-enでは投降してなかったので初投降です※

竜†恋の恋するドラゴン(恋ドラ)が格下の不良ナンパを返り討ち→不良が復讐に恋人を人質をとって輪○→反撃するけど媚薬とちんぽには勝てるわけなかったよ……的に恋人の前で屈服宣言種漬け堕ち。
約23,000文字。有償依頼作品です。この場をお借りして改めてお礼申し上げます。あざす!

以下本文




 いつの世にも、どの地にも、女に餓える男というのは掃いて捨てるほど存在する。
 とある街にある、人通りのない道。そこでも、男が一人の女にちょっかいを出していた。
 人目のつかない場だからか、男のアプローチ……ナンパはなかなか大胆。しかも複数がかりだ。
 全員が今風の不良といった姿であり、体格や風貌はともかく、形だけはアウトロー集団を成立させている。
 そんな彼らが一人の女性をナンパ……人目に触れれば、不道徳と指摘されるだろう。

 しかし、複数の男が手段を選ばないのも、今回は無理もないかもしれない。
 なにせ、女性の方は男なら思わず目を惹く美少女。
 大きな眼と胸、引き締まった腰付き、桃色の髪……全身を彩るパーツ全てが一級品だ。
 そして極め付けが、種族。容姿は美貌を除けば普通の人間だが、彼女はれっきとしたドラゴンなのだ。
 美貌と種族という、これ以上ない価値を併せ持つ女性。
 なんとしてでも関わりを持ち、自らの格を上げたいと思うのは男の本能であろう。

 ただし――

【ま、待ってくれ! しつこくした俺らが悪かった、だから……】
「今更遅いぞ、人間風情よ……ほあたぁっ!」
【げぶぅぅっ!】

 その女性は、滅法に腕が立った。
 考えれば当たり前のことである。彼女の本性はドラゴン。
 イメージできるものと同等の……即ち、人外の身体能力を有しているのだ。
 グラビアモデルさながらの体型から繰り出される打撃の一つ一つが強靭無比であり、
 人間がどれだけ鍛えていようと……ましてや格好だけの不良などが、一撃とて耐えられるはずもない。

【ううっ……何がドラゴンだよ、くそっ!】
「ふふん♪ 貴様ら人間風情どもに、己が狩れるわけがなかろう」

 全員揃ってあっさりと叩きのめされ、捨て台詞を吐く不良たち。
 典型的なヤラレ役が退散するのを見て、竜姫は自慢げに勝ち誇る。

 恐ろしい戦闘力を見せた彼女だが、これでも相当に手加減しているのだ。
 ドラゴンだけあり、本領を発揮すれば重火器すら捻じ伏せることも容易。
 口から吐くブレス攻撃を筆頭に、到底人間では勝ち目がない圧倒的な攻防力を誇る。
 気まぐれで取り返しのつかない怪我を負わなかっただけ、不良たちは彼女に感謝すべきだろう。

「さて……こんなことをしている場合ではないな。
 待っていろ、己の恋人!」

 そんな人智を超えた存在も、やはり一人の乙女であるのも事実。
 今夜は恋人と定めた男と過ごす予定であり、早くも夜の営みを想像。
 薄汚い不良どものことなど忘れ、幸福感に満ちた状態でその場から離れるのだった。

【クソが……マジで人間じゃねえぞあの女!】

 竜姫にコテンパンにされた不良たち。
 なんとか逃げた彼らは、悔しさのあまり報復を考えていた。

【絶対にマワしてやる……!】
【って、どうすんの? あんなん俺らでどうにかできるか?】
【それを考えるんだろ!】
【つってもなぁ……】
【諦めるしかなくね? あんなバケモンと関わるとか、ないわー】

 とはいえ、相手はドラゴン。その実力は身体で思い知っている。
 たとえ凶器を使ったとして……いや、軍事力並みの戦力があったとして、
 ドラゴンには勝てない。
 たかが不良が集まったところで、また返り討ちに遭うだけだ。
 次々と諦めの言葉が上がり、やはり復讐は不可能かと思われた時。

【……そういやさ。ドラゴンにはオトコがいるって聞いたことあるな……】
【あ、あとよ、ドラゴンにも効く酒だかクスリの話もあるよな】
【……………………!】

 たまたま仲間の中に、彼女やドラゴンに関する情報を持つ者がいた。
 効果があるかは分からないが……それは不良たちの恨みを突き動かすには、これ以上ない材料であった……

「……なんだぁ? 己の英雄殿め、えらく遅いではないか」

 帰宅し、恋人を待っていたドラゴン。
 今夜は愛しい時を作るはずが、いつもに比べて随分と帰宅が遅い。
 もしや、彼の身に何かあったのでは。帰宅前に不良に狙われたこともあり、不安になって電話をかけてみる。

(己の恋人に手を出す輩がいれば、容赦はしないぞ……!)
「己だ。遅いじゃないか! 今夜は……え、呼び出されて、遅くなる?
 おい、己との約束はどうなる? どうしてもか?
 そ、そうか……まぁ、仕方ない。人間には人間の都合というものがあるからな」

 幸い、誰かに襲われるといった事態には至っていなかった。
 だが何やら外せない用を任されたらしく、帰るのは明日の朝頃になるかもしれない、とのことだ。
 今夜はがっつり愉しむ気分だっただけに、オアズケを喰らった竜姫は精神的疲労に襲われる。
 今すぐ彼の元に行き、強引に致してやりたい感情に駆られるが、人には人の理、都合がある。
 ぐっと堪えた竜姫は、大人しくベッドに身を潜めることにした。

 ……だが、身体は理性や感情に従ってくれない。
 今夜は本気で愛し合う。ずっとそう考えていたからか、彼女の肉体は頭や気持ちでは抑えられないほど昂ぶっていた。
 無自覚に太股を擦り合わせ、指先を股間と乳頭に這わせて切ない感情を疼かせる。

(ダメだ……いざ愛し合う時のために、今はしっかり休まなければ……っ♥
 でも……ううっ♥ 手が……勝手に…………っっ♥)

 思考とは裏腹に、指の動きは止まらない。
 ドラゴンの激しい気性に比例した性欲は凄まじく、一度火が点けば簡単には鎮められない。
 自制しつつ、それでも緩く淡い自慰行為に耽り……日付が変わってもなお悶々とした時が流れる中、唐突に電話がかかってきた。

「っっっ!! お、己だ!」

 かけてきた相手はやはり恋人。苛んでいたものを吹き飛ばし、即座に電話に出る。
 やっと恋人が帰宅となり、その連絡をしたのだろう。
 何の疑いも無くそう思っていたが……恋人の電話から聞こえるのは、恋人のものではなかった。

【よう、メスドラゴン。俺だよ、オレオレ♪】
「っ! 貴様、あの時の……!」

 電話越しに聞こえる、軽薄な音声。
 決してなじみ深いわけではないが、その声には聞き覚えがあった。
 ナンパしてきた不良の一人。それがなぜか恋人の代わりに電話をかけてきていた。

「どういうことだ! なぜ貴様がその電話を使っている?!」
【えー? この状況で察せない? あぁ、ドラゴンの頭じゃ理解できないか】

 情報的優位に立ったからか、ここぞとばかりに煽ってくる。
 笑い声は複数聞こえ、どうやらお仲間も共にいるらしい。

【ま、ちょっとした俺らなりの謝罪っつーかサプライズだよ。
 二人の夜を盛り上げるために、『拉致られたオトコを助けるヒロイン』を
 演出してやってんだよ】
「何だと……? 己の恋人にそれ以上手を出してみろ、貴様らなど八つ裂きにしてくれる!」
【キレんなよ、単細胞だなドラゴンはよぉ。発情期かぁ?
 まー今は縛ってるだけだが、これからどうなるかはドラゴンさんの態度次第だなぁ】

 不良たちは叩きのめされた腹いせか、
 恋人を拉致したことを伝えるついでにひとしきり煽ると、
 ある場所を指したデータを送って指示を出す。

【……メールで送った場所に来いよ。一人で、今すぐにだ。そしたら恋人は返してやってもいいぜ?
 サツにチクッたりしたら命の保証はねえからな】
「っ!」

 ろくに情報を聞き出すこともできず、一方的に切られてしまう。
 分かったことは二つ。
 愛する男が、格下の不良どもに拉致されたこと。
 そして、指定された場所に行かなければならないこと……これだけだ。

「……いいだろう……! 己を怒らせたことを後悔させてくれる!」

 怒りがそのまま竜の闘気となり、周囲に威圧の風を巻き上げる。
 愛する者を危険に招いた者を屠るため、竜姫は指定の場所へと向かう……

 指定地。そこはナンパされた場所の近くにある、やはり人気のない倉庫であった。

「……約束通り、一人で来たぞ。己の恋人はどこだ!」
【焦んなよ。オトコなら……ほら】

 薄暗い空間から男の声が聞こえると、照明が点いて倉庫内が鮮明となる。
 姿を表した、昨日の不良たちと恋人。ただし、倉庫の中……この場にいるのは不良たちのみである。

「おい、これはどういうことだ!」
【見ての通り、まだ別の場所に監禁中よ】

 恋人の姿は確認できた。とはいえ、それは液晶越しにだ。
 不良たちが持つタブレット端末。そこに拘束された状態で映っており、
 カメラ機能で互いに見えるのか、こちらに気付くと名を呼び、しかし見張りの不良に脅されて静かになる。

【俺らの言うこと聞いてくれねーと、俺らの友達が何すっかなぁ】
「貴様ら……!」
【無事に返して欲しかったら……牝ドラゴンの頭でも理解できるよな?】
【ま、心配すんな。ちょっと仲良くするだけだから。……オトコに見せ付けながらなぁ!】
「…………!!」
(こんな人間風情どもに触れられ……しかも、嬲られるというのか……!?
 くそっ……すまない、己の恋人よ……)

 これ以上なく怒りが湧き、しかし人質を取られて何もできない。
 ブレスでも使えば、文字通り吹けば飛ぶような格下の男たち。
 竜の闘気……いや、殺気に、僅かに怯む様子を見せるも、じりじりと近寄って周囲を取り囲む。

【へへ……このキレイな肌にようやく触れるぜ】
「ふん。強がっていても所詮は人間よ。手が震えているぞ? 目も落ち着かぬ、息も乱れている」
【っ! うっせぇ、強がってんのはお前だろが!】

 圧倒的優位に立ちながら、それでもやはりドラゴンを相手に恐怖が拭いきれない不良たち。
 頬に触れるのも恐る恐るとした手付きであり、あまりのか弱さに滑稽さを感じてしまう。
 だが挑発が彼らの逆鱗に触れたか、癇癪を起して力任せに胸を鷲掴みにした。
 大きく実った豊かな胸は柔らかく、大して筋力の無い男の手も簡単に食い込み、艶めかしく形を変える。

「……!」
【おおっ柔らけーなおい。表情と違ってこっちは随分と従順だぜ……気持ち良いかぁ?】
「……こんな『夢』の欠片もない行為、何も感じぬよ」
【言うねぇ。ま、その内ヒーヒー善がらせてやるから、愉しみにしてろ】
「ふふん……やってみろ、人間風情……」
(誰が大人しく触れられるものかよ……!
 ボロを出し、己の恋人の居場所さえ分かれば、その時が貴様らの最後だ……!)

 手を伸ばす者が一人、また一人と増え、服の上から両の胸を揉み、太股を撫で、
 スカートを捲って下着を眺め、尻の感触を味わう。
 安っぽい蹂躙をしておいて、どこまで自分本位なのか、不良はこの状況で快楽を感じているか尋ねてきた。
 こんな一方的な都合で触れて、女が、ましてやドラゴンが性感を得るとでも思っているのだろうか。
 無論、竜姫はこのような行為で快楽を感じたりなどしない。
 恋人から与えられるもの以外の愛撫など、単純な物理ダメージと同様に威力は限りなくゼロだ。
 乳尻を這う厭らしい手付きに嫌悪しつつ、どうにか恋人がいる場所の手掛かりが見えないか周囲を窺い続ける。

【そろそろ感じてきたか? ん?】
「……ふっ」
【チッ、鼻で笑いやがって。おい、アレ使うぞ】

 ただ、不良たちの策はこれで終わらないようで、バッグの中から何やら取り出す。
 桃色の液体が詰まった小瓶だ。

「? 何だ、それは……」
【あー……ま、気持ち良くなれる魔法のクスリだよ】
「ふふん、媚薬か。言っておくが、己にそんなものは効かんよ」

 案の定、媚薬の類を使おうとしているらしい。
 殴っても触れても効かないとなれば、次は薬品で攻めようというわけだ。
 これなら通用すると思い込んでいるのだろうが、あいにく薬品も化学兵器も効果はない。
 人間相手にどれだけ威力を発揮するか知らないが、たとえ即座に発情狂となる媚薬を飲んだところで
 簡単に無効化してしまえる。よって、淫具も何の脅威にもならない。
 わざわざあんなものを用意した、矮小な人間の必死さに、また小さな嗤いが零れてしまう。
 しかし……

【……て思うじゃん?】
「? おい、何を……んぶっ!」
【ちゃんと飲めよ、吐いたりしやがったらアイツ今すぐ殺すからな!】

 蓋を開けると、小瓶の口を竜姫の唇に押し付けてきた。
 中の液体を強引に飲ませるつもりだ。
 反射的に拒みたくなるが、脅されて仕方なく飲まされる。

「んっ……ぐ……っ! ぷはっ!」
【……よし、きっちり飲み干したな。味はどうだ?】
「ふう……そうだな。貴様らに触れられるよりは、ずっと心地よいよ」

 液体を半分ほど飲まされたところで小瓶から解放される。
 無理矢理に飲まされたものだが、女性が抵抗なく飲めるようにしてあるのか
 味と香りはなかなかのもの。それを逆手に、男に嫌味を言い……

(酒か……? いや……っ!)
「お、おい待て……んんっ?! んぅぅ――っ!」

 直後、今度は不良が液体を口に含み、そのまま唇を重ねてきた。
 口移しで更に液体を飲ませようとしているのだ。
 ついでに舌も絡ませ、ディープキスまで実行。
 恋人でもない男との唐突な接吻に、思わず不自由な唇で悲鳴を上げる。
 不意打ちゆえに心の準備もできておらず、口腔内を侵略する不良の舌を、怒りに任せて噛み切ってやりたくなる。
 ……が、それは出来なかった。
 恋人が人質に取られているから、ではない。
 理由はよく分からないが、何となく自分の舌肉が甘く痺れた感じがして、
 抵抗心まで薄れて力が入らなかったのだ。

「っぐ! 貴様、いきなり何をする!」
【ちょっとキスしただけだろ、怒んなよ。
 つか、お前も舌絡ませてなかったか? 目がうっとりしてんぞ】
「なっ?! たわけたことをぬかすな!」

 否定するが、不良たちは軽薄に笑って液体の秘密を明かす。

【そう強がんなって。これはな、ドラゴンにも効く……
 いや、ドラゴンにこそ特に効果がある、超~~強力な媚薬なんだよ】
「何だと? そんなものがあるわけ……」
【あるんだよコレが。つまり、本当の魔法のクスリってわけ】
【『幻想』の力は効くだろ? ま、そもそも媚薬の力も男の『夢』だしな】
【実際、いきなりキスされても大して嫌がってなかったしな】
【少しずつ効果が出てんじゃねえか~?】
【オトコの前で見せてやろうぜ、男の『夢』に屈服する姿をよ】

 ここぞとばかり、口々になじってくる。
 どうやら不良たちは何からの手段を使い、ドラゴンにも通じる力、人外の力にまで手を出したようだ。
 そうでもしなければ太刀打ちできない、というのが正しいが……
 実際、違和感を自覚する程度に変化が起きている。

「ふん……気味が悪すぎて、噛み千切るのすら躊躇しただけのことよ」

 だが、例えその身に影響を及ぼすとして、彼女はドラゴン。
 そう簡単には肉体も精神も屈しはしない。
 拒めなかった事実を皮肉に変えて一笑に付し、不良たち、そして画面越しの恋人に向けて言い放つ。

「安心しろ、英雄殿。己の身体は薬だの媚薬だので、どうこうできんよ」

 彼女にとって、『英雄』……彼女を倒し、組み伏せ、愛し合うことを認められるのはただ一人。捕らえられた彼だけなのだ。
 不良が束になろうと媚薬を使おうと、彼らを自分の『英雄』になど、させるわけにはいかない。

【言ってくれるなぁ。その強がりがどこまで保つかね……じゃ、イチャイチャ再開っと♪】
 もみっ♥ ぐにぃっ♥
「……っ」

 媚薬を飲まされ、再び愛撫される。
 相変わらず女の扱いを知らない手の動き。
 胸を揉まれ、尻を撫でられようと、何も感じはしない。
 不良たちの気が済むまで、退屈な時間が過ぎるだけ。そう思われたが……

【……お? おいおい牝ドラゴン、乳首が勃ってねえか?】
「?!」
【驚いてねえでホラ見ろ、服の上からでも分かるくらい勃起してんぞ!】
 くりっ♥ びぃんっ♥
「っ! ……気のせいだろう……ドラゴンを舐めるな……!」
(莫迦な、本当に勃っている?! 己は全く感じてなど……!)

 現在、彼女は性感など感じていない。だが、確かに乳首は左右共に硬くなっており、恥ずかしいほどの屹立を見せている。
 効果があるとはいえ、たかが薬を飲まされたくらいで何故こうなるのか。
 内心で驚愕するが……考えれば、これも順当な反応かもしれない。
 恋人との愛しい夜をオアズケされ、更に自らの慰みも消化不良で終わっている。
 頭ではどう思っていようと、肉体は雄を……恋人のものではなかろうと、誰彼かまわず欲しているのか。
 媚薬以上に彼女自身の欲求が反映され、悶々としていた時と同じく、意思に反して身体が反応しているとすれば。
 ようやく待ち侘びた性の刺激に牝として応えてしまうのは、仕方がないことと言えるかもしれない。
 とはいえ、彼女の意思を尊重しない行為など、受け入れることは到底できないが。

【ほらほら、正直に言えよ。気持ち良んだろぉ?】
「ならば、正直に言おう。全く気持ち良くない」
 こりっ♥
「っ……」
【へへ、ジワジワ効いてるぜぇ?】
(好きに言っていろ……媚薬など、己には通じん……!)

 また乳首を捏ねて、不良が得意な顔をする。
 断言した通り、やはり快感は全くない。だが、愛撫の刺激に違和感は生じてきた。
 ただ触られているだけでなく、どこかむず痒いような感覚。
 それが乳首をはじめ、乳輪、胸、尻、内股……牝の部分と触れられる箇所に、少しずつ広がっている。

(いや……これは摩擦で熱くなっているだけだ)

 快楽が生じる前兆のような感覚か、とも思えるが、
 それを摩擦による刺激で生じた僅かな熱、と心の中で断じる。
 下衆を相手に、恋人に見られている状況で、快楽を与えられるなど、決して認めてはならない。
 そんな決意を嘲笑うように、男の手が秘部へと伸びる。

【感じまくってるところで……いよいよオマンコ解禁といくか!】
「…………」

 スカートが捲られ、それまで手を付けてこなかった陰部が晒される。
 下着越しとはいえ、やはり見られるのは抵抗がある。
 嫌がる反応すら見せまいと、竜姫は気丈に沈黙を続けていたが……

【……って、おいおい】
 くちゅっ♥
「っ?!」
【もうヌレヌレじゃねーか! この牝、ガチで感じまくってやがった!】
「な、何を言う! そんなことはない!」
【強がってんじゃねーよ、そらっ!】
 くちゅ♥ ぐちゅっ♥ ぐちゅぅぅ♥
「強がりでは……っく! ふ…………っ!」
(莫迦な……! 何故、これほど濡れているのだ……っ!)

 男が下着越しに陰唇に触れた瞬間、粘っこい響きが奏でられた。
 それは紛れもなく竜姫が垂らした愛液によるもの。
 彼女自身は全く自覚がなかったが、既に愛液は溢れており、
 触れただけで粘音を出すほど下着を湿らせていたのだ。

【いつの間にこんなに濡らしてたんだよ? こりゃクスリの前から感じてやがったな?】
「貴様、口を閉じろ! これは、どうせ貴様らが何か……」
 くりっ♥ ぐちゅぐちゅぐちゅっ♥
「あっ! や、やめろ! んんぅぅっ!」
【俺らが……なんだよ? 下の口は正直だぜ? 手マンしてやるたびに漏らしやがってよぉ!】
 ぐちゅっ♥ ぐちゅっ♥ くりくりっ♥ ぐちゅぅぅっ♥
「よせっ! よさないかっ……っ! あ! そ、そこ……っ♥」
(これは……いかんっ! こんなことで感じたりなど! か、感じ、たり……っ♥)

 慌てて何か言い訳をしようとするが……男が下着の中に手を入れ、
 指を秘裂に突き挿した刺激で中断してしまう。
 ついさっきまで、一切感じなかったはずの快感。
 それが秘唇と陰核、膣肉を刺激された途端、むず痒さや淡い疼きを通り越し、
 一気に明確な媚熱となって突き付けられる。
 快感が喉と舌肉を痺れさせ、言葉が上手く紡げない。
 陰核も既に勃起しきっており、指先で弾かれると、どぷっと愛液の固まりが溢れてくる。

「ふっ♥ う♥ あぁぁ……っ♥」
【もうびっしょびしょじゃねーか。ホントはマワされるの期待してたんだろぉ?】
「口を……♥ 慎め……♥ 貴様ら如きに♥ 何も期待などしていないっ♥」
【その割にはキュンキュン締め付けてるがなぁ? しょうがねぇ、素直にさせてやるよっ!】
 ぐちゅっ♥ ぐりぃっ♥
「ふぁあっ♥ な、何を……ぉっ♥ そこっ♥♥」

 男は更に責めを苛烈にするため、膣肉の中を責める指の動きを変える。
 陰核の付け根を膣肉の中から刺激し、更に別の指を直接陰核に乗せ、
 潰すように挟み込み、更に激しく震動させた。
 敏感な牝勃起を挟み打ちされ、無遠慮にシェイクされる。
 気遣いがないだけに激しい刺激は牝肉を確実に追い詰め、
 愛液の溢れるペースが更に加速する。

(何だこの責めっ♥♥ こ、こんなの♥♥ 知らないぃぃっ♥♥)
「やめっ♥♥ それ♥♥ やめろぉぉっ♥♥」
 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぅぅっ♥♥
「んふぁぁぁぁぁぁっ♥♥」
【また濡れっぷりと締め付けがヤバくなったぞ? イキそうか?
 そらイケよっ牝ドラゴンが! 『人間風情』にイカされろっ!】
 ぐちゅぐちゅっ♥ ぶちゅぅぅっ♥♥
「誰がっ♥♥ イッたりなどぉっ♥♥ そもそもっ♥♥ 全く♥♥ 感じて……っっ♥♥ ひぃぃぃっ♥♥」

 口では強がりつつも、誰が見ても性の悦びに悶えているのは明らかだ。
 陰核責めの手付きに、技量などは一切ない。
 だが媚薬、そしてもともと肉体が疼いていたため、どうしても肉悦を感じてしまう。
 しかも、今受けている責めは彼女にとって全くの未知のもの。
 恋人とはまるで異なる刺激が肉体には新鮮に感じられるのか、
 発情状態ではあっさりと新たな刺激に開発されていく。

 しかも……

「ああっ♥♥ あぁぁぁぁっ♥♥
 やめろ♥♥ もうダメだ♥♥ もうやめろぉぉぉっ♥♥」
(ダメだ♥♥ このままでは…………果てる♥♥
 イク♥♥ イッてしまうぅぅっ♥♥)

 最悪の事態――絶頂までもが近付いていた。
 そのことが、彼女の中に激しい嫌悪と抵抗の念を生じさせる。
 なにせ、恋人との行為では……否、生まれてこの方、まだ一度も絶頂の経験がない。
 性の知識や欲求があっても、まだしっかりと、本当の意味で味わってはいないのだ。
 だからこそ、昨夜は恋人の帰宅を心待ちにし、初の絶頂を自ら認めた英雄に捧げようとしていた。
 それなのに、取るに足らない格下の、一度は蹴散らした外道相手に、
 不本意な絶頂が突き付けられていく。

【イキてぇんだろ? ほらイッちまえよ! ラクになるぜっ!】
 ぐちゅっ♥ ぐりぃっ♥
「いっ、嫌だ♥♥ ダメだっ♥♥ イカないっ♥♥ 感じないぃっ♥♥
 貴様のっ♥♥ 責め♥♥ おおっ♥♥ こんな責めにっ♥♥ イッたりなどぉぉ……っ♥」
【オトコにも見せてやろうぜ~~? 無様にイッちまう瞬間をなぁ!】
「っっ♥♥ ふざ……けるなぁっ♥♥ 貴様ら如きに♥♥ 狩られはしないっ♥♥
 ま……待っていろ……♥♥ おっ♥♥ 己は♥♥ 大丈夫♥♥ だから♥♥ ああっくぅぅぅっ♥♥」

 不良の一人がカメラを近付け、恋人の顔を見せ付ける。
 恋人は彼女を……格下の不良の手で牝と成り果て、絶頂しかけている無様な竜姫を見ているのだろうか。
 だが、それを確認することすらままならない。
 快楽……強烈な肉悦のあまり涙腺が緩み、涙が溢れて視界がボヤけているのだ。
 なにより申し訳ない感情で、このような状態で直視するなどできなかった。
 もはや逃避するしかない域の快楽。また陰核が強かに揉み潰され……

 ぎゅりぃっ♥♥
「お♥♥ あ♥♥」

 いよいよ絶頂が迫る。
 膣肉が痙攣し、下腹部が震えて腰がカクンッ♥ と跳ね上がる。
 こうなっては、どう足掻いても止められない。
 確実に絶頂してしまう。
 最も見せてはならない痴態を晒してしまう。
 彼女が取れる行動はただ一つ。恋人に目を背けるよう懇願する……それだけだ。

 見ているか否かに関わらず……竜姫は、
 愛する者に悲痛の願いを捧げた。

「頼む……♥♥ 見ないで、くれ……♥♥」
 ぐりぐりっ♥♥ ぎちゅぅぅっ♥♥
「ん♥♥ お♥♥ あ♥♥」
(くる♥♥ 来る♥♥ 大きな♥♥ 波が♥♥ あああああああああああ♥♥)
 ぎゅりっ♥♥ ぐちゅぅぅぅっ♥♥
「んおおおおおおおおおおおっ♥♥♥」

 蕩けた牝声で祈った後……竜姫は貴き幻想の化身から、ただの牝畜となった。
 ケダモノに相応しい絶叫と共にガクガクと腰を前後に振り、震える牝肉から愛液を噴き散らす。
 この上なく『牝』を曝け出すその光景は、ポルノでしか有り得ないほど派手で美しく……
 そして、無様な絶頂であった。

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