茶飲み話59 「マリカ」キャラクター余録(15)


一鉄工房のブログにおこしいただき、ありがとうございます。
管理人のOIGUMO(老雲)です。

さて、管理人の予想以上に長引いている「キャラクター余禄」シリーズ
ですが、今回のネタは、三姉妹の末っ子、ルンになります。
ゲームのネタバレを含みますので、ご注意ください。





ルンは、少し幼さを感じさせる顔立ちに、
人懐っこい言葉づかい、天然ボケの数々。
かわいらしさが前面に出てくる
キャラクターでもあります。

関心のある方は、以下の「続きを読む」をクリックされてください。





(続き)
続きを開いてくださり、ありがとうございます。

そんな彼女ですが、実は物語上では、非常に重要な役割を果たしています。




ゲーム開始当初、ヒロイン3人と淫魔三姉妹は敵対関係にありました。
しかし、ヒロイン側ではマリカが、「淫魔とも仲良くできる」と思い込んで
行動していたのに対し、三姉妹側では、唯一ルンが、ヒロインたちの性質を
見抜き、好意的に接してきます。つまり、ヒロイン側ではマリカが、
三姉妹側ではルンが「窓口」になり、相互の架け橋が作られていくわけです。




ルンは、その子どもっぽい言葉づかいからもわかるように、自分の考えを
頭の中で論理的に整理したり、それを他人に言葉で伝えることが苦手です。
でもその分、他人の善悪を直感で見抜く力を持っています。
子どもが持つ、鋭い直感のようなものです。




顔には出しませんが、ルンは強い不安に苦しんでいました。
ララから聞かされた「作戦」が原因です。リオは理性的に考え、姉の指示に
従う道を選びましたが、ルンは理屈では仕方ないと感じる一方で、他に出口は
ないのかと、もがいていました。そんな時、目の前にヒロインたちが現れます。




「あのおねーさん(ヒロイン)たちなら・・・」と、淡い期待を抱きますが、
一番好きなのはララ姉とリオ姉。板ばさみの中で戸惑うことになりました。
でも、ルンは落ち込んだりするのが苦手。悩みを吹っ切って、ヒロインたちと
積極的にコミュニケーションをしたり、その力を試してみることにしたのです。




その結果、ヒロインたちが悪い人ではないという確信を得ますが、
でも、そうすればなおのこと、どうしたらよいのかわかりません。




おそらくルンは、自分でもよく理由がわからぬまま、
ヒロインの手助けを始めます。ミッション7の直前、自分の隠れ場所を
知らせるようなことをしてみたり、ミッション9の直前、カリンの家に
矢文を届けたり、根城に宝箱を置いてみたり。




ルンはきっと、ニコニコしながらこれらの作業をしています。
難しいことはわからない。でも、この自分の行動が、なにか良い結果に
繋がるのではないか、そんな期待が表情に滲み出ています。

その様子を見て、作業を手伝う、ルンの使い魔である
触手の「しょーちゃん」が、ルンに問いかけます。




しょーちゃん:「マスター、イインデスカ? コンナコトヲシテ?」
ルン:「ん? なんで?」
しょーちゃん:「オ姉サマガ、怒ルンジャナイデスカ?」
ルン:「あっ・・・!!」
(顔を青くして)
:「あ、えっと、どうしよう・・・、あっ、そうだ!」
しょーちゃん:「ドウシタンデス?」
ルン:「しょーちゃん、ダメじゃないっ!こんなことしちゃ!」
しょーちゃん:「俺ノセイカヨッ!!」




ああ、理不尽(笑)。
・・・というやり取りは、ゲーム中には登場しませんが、きっとあったに違いない。




その他にもルンは、ヒロインたちとの会話の中で、自分たちの秘密を
ポロリとこぼしたり、いろいろおしゃべりしたり、その行動の端々に、
「ヒロインたちに何かを伝えようとしている」という態度が垣間見えます。
ルンは、あの笑顔の下で、必死に考え、何かをしようと頑張っていたのでした。




・・・以上が、管理人の頭の中にある、ルンというキャラクターのイメージや
設定なのですが、ある程度ゲームが完成に近づいたところで、
ふと、こんな疑問が湧いてきました。




ルンは本当に、無意識でこんな行動をとったのだろうか?




もちろんゲーム中のシナリオは、そのイメージに基づいて文字を綴っていたのですが、
ひょっとして、ルンは「全部理解して立ち回ったんじゃないだろうか?」と
思うようになりました。まあ、結果として彼女の行動がハッピーエンドに
繋がる仕組みなので、そう感じただけかもしれませんが、彼女が無意識でも、
あるいは意識しての行動でも、シナリオの解釈は成り立ちそうです。




だとしたら、恐ろしい娘(笑)。




プレイされた皆様が、どんなふうに感じられたかはわかりませんが、
ルンは、キャラクターを制作した管理人にすら、「つかみどころがないのかも」と
思わせるキャラクターだなあ、というお話でした。




では今日は、この辺りで失礼します。



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