シロフミ 2020/08/06 22:42

チョコレート・ブラウン

 ノクターンノベルス掲載分より。
 以前「獣○だいすき2」スレに投下したものです。
 ヒロインの幼さを強調した描写、獣○描写、妊娠描写などがあります。人間の男性は出てきません。


「んくっ……」
 赤と白のカプセルをみっつ、こくりと水と共に飲み込んで。
 それが胃の奥でじわぁ、と溶解してゆくのを感じながら、友梨は空になったコップをサイドボードに下ろす。唇に残る湿り気を指でぬぐい、とく、とく、と下腹に疼く感覚がいよいよ高まってきたのを感じながら、そっとカプセルの余りを忍ばせた紙袋を鞄に戻す。
 これで、準備は整ったのだ。
「……ブラウン。おいで……?」
 貯金をはたいて借り切った高級ホテルの一室。ペットを招いたところで苦情も来ない専用の特別室は、防音も完璧に仕上がっているはずだ。
 友梨は椅子に浅く腰掛けなおし、静かに深呼吸をして息を整えると、隣の部屋で待ちきれないというようにぐるぐる回っていたパートナーを招いた。
「わぉんっ!!」
 すでに股間に赤黒い肉槍をはみ出させ、興奮していたブラウンは、お許しが出るや否や、飛び掛らんばかりの勢いでまっすぐに友梨に走り寄ってきた。
 大きな身体を仔犬のように跳ねさせて、ビターチョコレート色の尻尾を千切れそうなくらいに激しく振りたてて、鼻息も荒く友梨に顔を擦り付けてくる。
「んぅ……♪」
 ぬるぬると大きな舌で顔じゅうを舐め回され、友梨はくすぐったさに身体をよじる。ブラウンの荒い吐息はまるで焼けるように熱く、その熱量が伝播したように、友梨の胸も高鳴るのだった。
「わぉんっ!!」
 一声吠え、ブラウンはぐいと友梨の身体の上に乗り上げた。器用に後ろ脚で立ち上がり、すっかり手馴れた様子で前脚を友梨の肩にかけて、股間に猛る生殖器をぐりぐりと友梨の下腹部に押し付けてくる。
 友梨との長い生活で、どんな体勢ならパートナーと交われるのかをキチンと理解し、自分を受け容れてくれる友梨の身体がどんな具合になっているのかをすっかり熟知しているのだった。
「んぅ、ブラウン、もう我慢、できないんだ……わたしとおんなじだね」
 荒い息を上げながら早々と腰を揺すりはじめる愛犬を、友梨はそっと腕の中に招きいれた。制服のブラウス越しに硬く張り詰めたペニスを押し付けられ、熱い感触に友梨の下腹がきゅん、と疼く。
 気の早いブラウンは、下半身を擦り付ける腰使いで、巧みに友梨のスカートを捲り上げてゆく。
「ぁんっ……」
 露になった白い下着の上からぬめるペニスの粘膜を押し付けられると、下着の奥からもぢゅくぅ、と淫蜜が滲み出した。薄い布地一枚を隔てて、猛るペニスととろとろに解れた女性器が触れ合い、ぬめる粘液を混じり合わせる。
「あはっ……もぅ、ブラウンってばぁ……っ♪」
 友梨はたまらずぐいぐいと腰を押し付けてくるブラウンの首に腕を回し、ぎゅうっと胸元に引き寄せた。愛しい相手の身体を抱き締める興奮に高鳴る胸を感じながら、半分ほど捲れたスカートをおヘソの上まで大きく引き上げて、身体を前に突き出す。
「ブラウン……っ♪」
 甘くねだる声とともに、友梨は腰掛ける位置を椅子の縁ギリギリまで前に出し、善方へ突き出された股間を覆う下着の股布をずらした。
 ベッドの上へ、という思考も無いではなかったが、友梨の身体はこのまま、一刻も早くここでブラウンと繋がることを欲している。
 股間を覆う邪魔な布地が取り払われると、脚の奥の内側までもが無防備に晒し出され、少女の秘裂は瑞々しい果物のようにぱくりと口を開ける。
 まだ年端も行かない少女の身体の中心で、しかしその秘密の花園は熟しきった果実のように蜜を滲ませ、美しい花弁をほころばせていた。
 期待と興奮によって、触れずともくちくちと練りこまれて音を立てる柔孔の肉襞は、既に十分すぎるほどに蕩け、愛しいパートナーの半身を待ちわびている。
「ね、ブラウンも、わかるよね?」
 掠れた声で求めながら、友梨は焼けるように熱く脈動するブラウンのペニスを掴み、猛る獣性を開いた脚の奥へと導いてゆく。
「今日は、だいじょうぶだから……おクスリ、ちゃんと飲んだから……ね?」
「ぁおんっ!!」
 パートナーのサポートによって、ブラウンもすぐに蕩け滴る友梨の入り口を探り当てた。火傷しそうに熱い尖った先端が、ぐりぐりと友梨のほころびを突付き、浅く入り口をちゅくちゅくとかき回すと、待ちきれないようにすぐに胎内へと沈み込んでゆく。
「ふああっ、ブラウンっ……」
 体重をかけてブラウンが腰を擦り付ける動きにあわせ、友梨は腰の位置を微調整して応じた。尖った肉槍は白い腹部に埋まるように、ず、ず、と前後を繰り返し、ぬめる肉孔にめりこんでゆく。
「ぁ、あっ、入ってる、ブラウンのおちんちん、来てるよぉ……っ」
 野太い肉の塊が、少女の脚を大きく割り開いて、白い身体を深く刺し貫く。圧倒的な存在感で身体の奥底へとはまり込んでくる灼熱の塊をヘソ裏に強く感じながら、友梨はブラウンの首に回した腕に力を込めた。
「うぅゥ…ぅぁおんっ!!」
 長く太い肉杭を残らず友梨の中に埋め込むと、ブラウンは腹を密着させるように友梨を椅子の上へと押し付け、力強く腰を振り始めた。
 茶色い身体を支える後ろ脚がたくましく床を踏み鳴らし、友梨の身体を大きく下から突き上げる。
 ずんっ、ずんっと打ち上げられる肉杭が甘い音を立て続けに響かせながぱちゅんぱちゅんと少女の股間へ打ち付けられ、獣性に溢れた激しい動きに椅子が軋み、浮いた四脚が床を滑る。
 こね回され突き上げられるブラウンの腰使いに前後左右に不安定に揺される椅子の上で、友梨は我を忘れて愛犬との交わりに夢中になっていった。
「ぁ、あっあっ、あっ、ブラウン、そんなにおちんちんおっきくしちゃだめぇ……お、奥、つっつかないでぇ……っ♪」
 すでに子宮の口を叩く肉槍の先端からは、びゅるびゅると激しい射精液が迸り始めている。胎奥に浴びせかけられるねっとりとした感触とその熱量を感じ、友梨の唇はだらしなく緩み、朱に染まった頬の上で鼻先がふわふわと震える。
 一突きごとに子宮の入り口をノックする、複雑な形状をしたブラウンのペニスが、友梨を宙高くまで押し上げ、そのたびに貪欲に快楽を求める少女の生殖器はきゅん、きゅんと身体の芯まで反応する。
「だめ、ぇ、ブラウン、っ、そんなにしたら、気持ちよすぎて、ぁ、あかちゃん、できちゃうぅ……っ!! し、子宮がよろこんじゃってぇ、に、妊娠しちゃうよぉっ……♪」
 激しく柔孔を突き上げる愛犬に応えようと、『おクスリ』の効果を得て熱っぽく熟した友梨の身体の奥で、卵巣までもがぷちり、と成熟した卵子をつぎつぎ吐きだしていた。
 人間の雄とは比べ物にならない規模と威力で始まった射精は、どれほど激しく濃厚な熱汁を子宮口へ吹き付けてなおまったく衰えることなく、あっという間に少女の狭い膣奥を満たし、孔奥へと流れ込んでくる。
 愛犬の遺伝子がそこに迫っているのを感じ取り、友梨はさらに声をあげてブラウンにしがみついた。
「ぁ、あっ、来てる、きてるぅ、どくどくってされてるよぉ……、ブラウンのに、いっぱいに、おなかのなかいっぱいにされてるぅ……!! んぅ、あ、あっ、ぅ、あ!!」
 組み敷いているパートナーが今まさに受精可能な状態であることを悟り、ブラウンの荒い息はさらに激しいものとなっていた。律動のタイミングを早めながら、さらに腰を前に押し付けて、友梨の子宮を直接刺激しようとする。
 叶うことなら、友梨の成熟卵子のひしめく卵巣に直接精液をぶっ掛けてしまおうとせんばかりだ。
 軋む椅子が跳ね上がるように床を擦り、壁際にまで押し付けられた。少女の肢体をその上に押し付けて、ブラウンはずんずんと容赦なく友梨の胎内をえぐる。熱をもった神秘のゆりかごと、尖った肉槍の先端が熱烈にキスを交わし、桃色の閃光が友梨の頭を埋め尽くしてゆく。
「っは、あぁ、あ、ブラウンの、ブラウンのおちんちん、いっぱい、いっぱい、おくのとこ、ごつごつって、してるぅ……んむ、ちゅ、んぅ……っ♪」
「わふ、わぉ、わぉお!!」
「っ、ぷあ、ブラウン、ブラウンんんっ♪ ……おなか、びゅくびゅくってぇ、あぁっ、し、しきゅう、いっぱいにぃ……ブラウンのあついので、いっぱいになってるよぉ……♪」
 牙の隙間から伸ばされる舌を唇に挟み、絡め合いながら、友梨は自分からも腰を跳ねあげるようにして動いていた。
 興奮と共にブラウンの生殖器の根元は、その太さからも規格外なほどに充血し膨らみ始めており、深く腰を打ちつけ合うと、その感触がぐりぐりと雌芯を刺激するのだ。
 友梨もまた、ブラウンがいちばん『そこ』で感じることを知っており、敏感極まりない部分のぬめる粘膜同士の接触は、番うふたりの頭を白く染め上げてゆく。
「っぁあ、ぁああ、ブラウンっ、んむぅ、っれるぅ、っは、ひ、きもちいいとこ、いっぱい擦れて……すごいよぉ、すっごくきもちぃい……っ!!」
 友梨はたまらず、開いていた脚をブラウンの腰に絡めた。自然、力を込めてぐりぐりと両者の腰は押し付けあわされる格好になる。
 激しい律動で身体が離れそうになるのを嫌がっての無意識の行為だったが、それでもなお猛るブラウンは腰振りを止めることはなく、生殖器は交合したまま激しく密着しぐりぐりとねじり合わされた。
「っ、あ、あ、あっあ♪ ぁああッ♪ ぁあぁあーっ♪」
 語尾に甘いハートマークを乱舞させるとろけた声で、友梨は自身の拳大にまで拡張された、ペニス根元の精瘤をゆっくりと胎内に飲み込んでゆく。本来の少女の身体にはありえない機能すら、これもすべて、愛しい相手の全てを身体に受け入れたいという献身のなせる業だった。
 鍵と鍵穴がぴったりはまりこむように、友梨とブラウンの身体が結合する。
 いよいよ交尾の本番が始まった。ブラウンと友梨、一人と一匹は、種族を超え遺伝子の壁を打ち壊し、互いに愛しいパートナーを求め合う。
 なおもそのままぐりぐりと身体を震わせ、身体の奥で何重にも交わりあった生殖器が悦楽を謳い上げてゆく。
 何度も激しい射精でどろどろと凝った白濁液を注ぎ込み、友梨の身体を染め上げて行くブラウンに、友梨は何度も何度も声を上げ、四肢を突っ張らせて絶頂へと至る。
「あぁ、あぁあぁああぁ、ぁああぁあ……ッ♪♪」
 そうして長い長い交わりの果て、友梨の歓喜の悲鳴が十を数えた頃だろうか、やがてブラウンは静かに動きをとめた。
「ぁ、っ、っは、はぁ、はぁーっ、はぁっ……ふぅっ……」
 訪れたわずかな休息の中、まるで身体の中の一番敏感な部分を、そのまま愛犬の肉杭にずどんとくりぬかれてしまったような感覚に、友梨はうっとりと眼を細める。直接ふたりの神経が結びつきあい、ブラウンの全てが手に取るように感じられる。
 全身に浮かぶ球のような汗が、鎖骨から桜色に先端を尖らせた胸のささやかな谷間を伝い、腰へと流れ落ちてゆく。
 大きく開いたブラウンの口からも、真っ赤な舌が突き出されたまま、湯気のように焼けそうな呼吸が繰り返されていた。
「はぁ……っ♪」
 わずかな身じろぎでも、ぞくぞくっ、と深い満足感が身体の芯を深く痺れさせる。弾ける電流のような過激で強烈な快感はいったんおさまり、その余韻が波のうねりのように寄せては返しながら胎内を満たしていた。
 途方も無いほどに溢れる幸せが、少女の胸を高鳴らせてゆく。
 こうしている間も、ちりちりと触れあう身体の一番奥では、がっちりと子宮入り口にはまり込んだブラウンのペニスが、今も間断なく射精を続けているのだ。
「ブラウン、いっぱい出てるよぉ……わたしのおなかのなか、ブラウンのおちんちんのカタチにされちゃってる……っ♪」
 間違いなく、今の自分達は世界でいちばん相性のいい、最高のパートナーだと断言できるだろう。友梨はまだ息の荒いブラウンに頬ずりし、頭をぎゅうっと撫でた。
「わぅ……わぉんっ!!」
 しかし、ブラウンはそのまま力の入らなくなった友梨の腕を振り払うと、肩に掛けていた前脚を跳ねさせて椅子の上から降り、ぐるんと身体を反転させて友梨に背を向ける。
(あ……っ)
 これが犬としての正しい交尾の方法なのだと頭ではわかっていても、これまで肌を寄せあっていた愛しい相手の身体が、自分から離れることに、友梨は大きな欠乏を抱えるような錯覚を覚えてしまう。
「わぅっ」
「あ、ぁ、やだっ待ってよぉ!! 、ま、まだ……んゥっ……!?」
 振り立てられるビターチョコレートの尻尾はまるで猫じゃらしのよう。友梨はたまらずブラウンの腰を掴み、椅子の上、開いた脚の間に押し付けるように引き寄せた。
 まるで――雄雌が逆転したかのように、ブラウンの身体に友梨がのしかかっているような格好だ。
「ぁ、あっあ、あっ、あッ!?」
 しかし場を支配しているのは上に乗った友梨ではない。身体こそ離したものの、いまだ彼女の胎内奥深くにまで、雄の生殖器はがっちりと嵌まり込んでいるのだ。
 ブラウンが正反対に身体を向けてもなお、力強くみなぎる雄の滾りは全く衰えることなく、友梨はブラウンに全身を深く貫かれていた。
 ブラウンがわずかに動くたび、ペニスの先端は直接友梨の子宮口を突き上げる。同時に足踏みを繰り返すブラウンは、一時射精液によって十分にほぐれた友梨の胎内へ遠慮なく本当の射精を開始した。
 パートナーが体勢を変えたことでねじられた生殖器は、少女の孔をよじるように180度回転し、絡みつく柔襞をすり潰すようにらせんを描く。ごりっ、ごりっ、と充血し膨らんだ軟骨が膣内で暴れ回り、友梨は瞬く間に絶頂へ突き上げられた。
 その間にもひっきりなしに射精を続けるブラウンによって、小さな胎内は子宮どころかその奥までも、身体が内側から精液漬けにされていく。ぬめる肉襞が獣の射精に侵食され、歓喜をあげてうち震える。
「っぁぁああぅ、あは、ひぅっ……ぁああああ!!?」
 ブラウンがむずがるように制止の手を振り切って前に進もうとするたび、友梨の拳にも匹敵する、圧倒的で巨大な精瘤が、入り口に引っかかりごりごりと捻られる。
 クリトリスを裏側から押し潰され、膀胱や腸の蠕動すら圧迫する――人間との性交渉では味わうことができない、禁断の快楽。獣との交尾がもたらす甘美な快感に、少女の理性は弾け飛んだ。
 その間にも、友梨の胎奥には激しく白濁液が注がれ続けている。捲れあがった制服の下では、白い肌を覗かせる腹部がぷくりと盛り上がり、子宮や卵管まで侵食する旺盛な生命の源を飲み込んでいた。
「あは、ぁあぅ、あああぁうっ、あ、いっぱい、いっぱい出てる……ぅ、ブラウンのせーえき、いっぱい、いっぱいぃ……!! も、もう受精してるのにぃ、そ、そんなにいっぱい犯されたら、赤ちゃんいるとこなくなっちゃうよぅ……!!」
 堪えきれない欲情は唾液になって半開きの唇からこぼれ、じわ、と目元から涙になって溢れだす。感情や知性を置き去りに、本能だけで交わる雌の表情。あどけない少女からは想像もできないほどの淫靡な姿であった。
 もっと、もっとと禁断の快楽を貪る少女は、無意識にブラウンの身体を繋ぎ止めようとその腰を掴み、脚の間に引き寄せようとする。
 動物と繋がり、犯され、その射精を歓喜と共に受け止める――
 いけないことだと理解しているからこそ、それを破る瞬間の快感は凄まじいことになるのを、友梨は知っていた。
「ぁ、あぁ、だめ、待って、ブラウンんん、そ、そんな何回も、っ♪ だめぇ、っ♪ま、また、また受精しちゃう、また赤ちゃんできちゃうぅうっ!!」
「あぉぉおおんん!!」
「っうく、ひぅぁぁぁあぁああ!?」
 むずがるブラウンが尻尾を振って暴れるたび、少女の胎内を剛直がえぐる。それを押さえつけようとする友梨の腕の下で、なおもぱんぱんに膨らんだ精袋はどくどくと収縮し粘つく白濁液をポンプのように注ぎ込んでくる。
 着床したはずの受精卵をも飲み込まんとする獣欲に、友梨はなんども背筋を仰け反らせた。
 獣の交尾の方法で少女の胎内に溢れんばかりの白濁液を満たし、ブラウンは完全に友梨を己のものにしようとしていた。
 出口を密閉された狭い膣内を満たし、子宮内膜まで流れ込む奔放な生命の素が、どくどくと脈打ちながら神秘の揺り篭を蹂躙してゆく。粘性の塊に膣内を直接舐めしゃぶられているかのようだ。
「あは、っ、あっ、ブラウン、だいすき、ぶらうん大好きぃ!! ずっと、ずうっとこのまま……ぁ、赤ちゃん、ブラウンのあかちゃん、たくさん、たくさん妊娠したいぃ……ぜんぶ、もっと、もっといっぱい、ちょうだぃいっ……♪」
 子宮口を貫いて受精に即決する射精の感覚を全身で味わいながら、友梨はなんども絶頂に上りつめる。獣の愛し方に応えて排卵を続ける卵子が、ありったけの方法でブラウンを迎え、受け止めようとする。
 最愛の相手の子を孕む、雌の悦び、母の歓び。同時に幾重にも重なる途方もない恍惚が少女を飲み込んでゆくのだった。





 それから――どれほど経っただろうか。

 少女の子宮はすっかり熟したように腫れ上がり、二十四時間休むことなく熱を持っていた。
 とく、とく、と絶えることなくかすかな脈動を続ける下腹部、その奥の生命の揺り篭のなかに、確かにはっきりと、友梨は生命の鼓動を感じ取ることができた。
「あは……動いたっ♪」
 いつものカプセルを飲み込んだ後味を喉の奥に感じながら、友梨はいとおしそうに膨らみ始めた下腹部を撫でる。
 小さな、まだ膨らみも定かではない少女の胎内で、ぬめる粘液と卵胞に包まれて眠る、茶色い毛皮の子犬の姿を思い描く。
「ふふ、ブラウンも、もうすぐお父さんだよ?」
 ふかふかのベッドのシーツの上、隣ですうすうと眠るチョコレートブラウンの体躯をそっと抱き締め、少女は慈母の表情で目を細めた。
 もうすぐママになる、という自覚は、まだまだあどけない少女の仕草には似合わない、どこかインモラルな色香と雰囲気を漂わせてもいた。
「元気に、産まれてきてね……」
 まだまだ、指の先ほどにも満たないうちから夜毎元気に動く赤ちゃんの胎動を感じ取り、友梨は静かに目を閉じた。
 愛しいパートナーとともに暮らすこの至福の日々に、やがて新しい生命が加わる日を夢見て。


 (了)
 

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