へどにずむ 2021/08/18 23:01

【支援者向け】なにかを作りながら考えていること - 読みやすい文章にするための試行錯誤

※2021年8月の限定記事です
※先に前書きをご覧いただければ幸いです。

先月の限定記事は「どうすればえろい文章が書けるのだろうか」でしたが、今月は「どうすれば読みやすい文章になるのだろうか」について書いてみます。

もっとも、はたして私の文章が読みやすいのかどうか、自分では正直分からないところはあります。ただ自分なりに色々と工夫しているつもりではいるのと、感想などで「読みやすい」と言っていただけることが多いので、一応それなりに読みやすい(かも)ということで、進めさせてください。

なお、ひとつひとつの要素はそれほど特別なものではないです。ただ、意外と言語化されることが少ない類の話だと思うので、なにかしら参考になるところがあれば幸いです(おおよそ8,500字です)。

また今回の話は、小説やゲームのイベント原稿の文章(テキスト)についてのものです。たとえばいま書いているこの記事など、コラムやエッセイ的な文章の読みやすさとは別のものですのでご注意ください。

改行の扱い方

私見ですが、トップクラスに影響が大きいと考えている要素が改行です。
改行をどのぐらい入れるかが、読みやすさの上で非常に大きな役割を果たします。

実際に例を示します。
幣サークルのゲーム『破滅のかみさま』より、冒頭のイベントシーンの一節です。

  • 手をこちらに伸ばしてるせいで、
    ドレスの袖口から腕が露わになっていた。
    月明りに照らされて、真っ白な肌が光る。
    本当に、とても綺麗な女の子だった。

  • 手をこちらに伸ばしてるせいで、ドレスの袖
    口から腕が露わになっていた。
    月明りに照らされて、真っ白な肌が光る。
    本当に、とても綺麗な女の子だった。

  • 手をこちらに伸ばしてるせいで、ドレスの袖
    口から腕が露わになっていた。月明りに照ら
    されて、真っ白な肌が光る。本当に、とても
    綺麗な女の子だった。

上から順に仮にA~Cとした場合、実際にゲームでウィンドウ内に表示しているのは一番上のAです。
このAは、句読点や文節などの区切りを基準にこまかく改行する、というスタイルです。
私は小説やゲームなど、どの媒体でも原則としてこれを採用しています。

次にBは、句点(。)でのみ改行、つまり一文ごとに改行するスタイル。
そしてCが、ウィンドウ枠の右端で自動折り返しになるものです。

もちろん感覚に個人差はあるはずですが、基本的にはAが一番読みやすく、Cが一番読みにくいのではないかと思います
※後述しますが例外はあります。

なぜかというと、改行位置と意味の切れ目が一致していない場合は「改行の前後を繋げて、その意味を認識する」という負荷(手順)が脳内で発生するからです。
上のCなら「袖+口から=袖口から」、「照ら+されて=照らされて」という感じです。

脳は賢いので、普段はこれをほとんど意識しないほど高速に行ってくれます。ただし、ゲーム内のウィンドウのように折り返しがすぐに発生する場合、この小さな負荷が無数に生じて積み重なり、全体としてかなり読みにくくなる恐れがあります。
※ただしAを採用しようとする場合、事前に原稿を書いている時点で、一行ごとにウィンドウの横幅(字数)にあわせる必要があります。一方Cなら、4行分の合計文字数に収まるかだけを意識すれば良いです。作業コストの省力化という点ではCに軍配が上がります。

ただし、小説(ここではオンラインで閲覧する小説)になってくると若干事情は変わります。

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