whisp 2020/07/01 22:19

2020年宝生稀咲誕生祝い書き下ろしSS『右田家のピザ』 (進行豹

2020年宝生稀咲誕生祝い書き下ろしSS『右田家のピザ』 (進行豹


///

*2020年稀咲誕バースデー記念書き下ろしSSは、"ASMRバイノーラルボイスドラマ台本"形式で執筆することにしました。
ぜひぜひ脳内再生してお楽しみいただけますと幸いです!!!

///


;SE 玄関チャイム
;SE ドア開き

;9/前遠
「いらっしゃい──って、双鉄。随分凄い荷物だね。ふふっ、これ、もしかして全部ボクへのバースデープレゼントだったりするのかな」

「(呼吸音)(呼吸音)──!!? え? ほんとにそうなの? それほどかさばるプレゼントだとか──あ、じゃないや。とにかくあがって?」

;SE ドア閉

;F.I. 環境音。高級な室内(天井ファン、アクアリウム)

;足音(廊下→カーペット)
;SE ソファ座る(二人並んで)

;3/右
「いらっしゃい。そして、ボクのバースデーパーティーへようこそ! って、いっても──ふふっ」

;3/右(接近囁き) “ああ”で→;3/右
「今年は双鉄──キミとふたりの、ふたりっきりのバースデーパーティだけれども。
ああ!」

「わかった気がする。もしかしてケーキなのかな? その大荷物。
ボクの方でも取り寄せをしてあるんだけど……でも、ヴィスパパンのアントルメ グラッセ──アイスケーキだから、よっぽど気があわない限りは被るとかはないよね……(呼吸音)
あ、違うんだ──ケーキじゃない」

;SE ガサゴソ→取り出してテーブルに置くをセリフ合わせで

「それじゃあ一体……(呼吸音)(呼吸音)──ん? なにその袋──強力粉? っと──(呼吸音)──また小麦粉──薄力粉──
それに……(呼吸音)──赤い……これは? ん……(呼吸音)──『ドライイースト』……」

「ドライイーストって、アレだよね。パンを焼くときとかにつかう……(呼吸音)(呼吸音)──え? あ、うん。
オリーブオイルとピザソースは常備してるよ、もちろん。ピザトーストくらいはボクでも焼くし……って、まだ荷物あるんだ」

「(呼吸音)(呼吸音)──チーズ、わ、これ、モッツアレラ──しかも水牛のモッツアレラじゃないか。それに──パプリカ──
ドライトマト──それに、おナスも……って、あ──わかったかも。もしかして、キミ──」

「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──ああ! やっぱり!!!!
うん、楽しそう! やってみたい!!!
コンベクションオーブン、ボクはトースト焼くだけだけど、確か、機能的にはピザも焼けるヤツだったはずだし。
ちょっとまってて!」

;SE 足音小走り ;3/右→;11/右遠→;10/右前遠

;11/右遠 うつむいて
「えっと──(呼吸音)(呼吸音)──あ、あった! やっぱり!
ピザストーン! いや、まさかボクがこれを使う時がくるだなんて!!! それに──」

;SE はずんだ足音 ;10/右前遠→;9/前遠→;16/左前遠
;SE 冷蔵庫あける

;16/左前遠
「赤ワインに、おつまみ用に買ってたサラミに、ボローニャソーセージに、牛タンの真空パック──
ん……牛タンとチーズって合うかな? 合うよね、っと、缶詰もいろいろあったっけ──(呼吸音)(呼吸音)──
ああ、うん。アンチョビに、焼き鳥缶のタレと塩──そうだそうだ、いただきもののキャビアもあるよね。
うん。よし! じゃあ、決まり!!」

「双鉄! 来て来て! キッチン、結構いろいろある! ピザの具になりそうなもの!
……バジルだけないのが残念だけど──(呼吸音)(呼吸音)──え!? 持ってきてるの!
うっわ、天才! 今日の双鉄、すっごい気がきく……って」

;双鉄が近づいてくるのを待つ呼吸 ;16/左前遠→;8/左前→;7/左
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」

「もしかして、日々姫か誰かの入れ知恵なのかな。
そうだとしても、もちろん嬉しい──
(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──ああ」


「(幸せいっぱいの微笑)……そう、なんだ。
双鉄がボクに、手作りピザをプレゼントしたいって思ってくれて……
それで、真闇さんの特訓を」


「って、待って双鉄。真闇さんってピザ──ああいや、つくるか、あの人なら。
ピザでもケーキでもパンでも、なんでも」

「特訓をつけた以上真闇さんは双鉄に絶対失敗させたくない。
それで準備が完璧なんだね。納得した。
それに──あー、ちょっとだけ。だけど、ね?」

;7/左 (接近囁き)
「安心もした。だってボク──ふふっ、日々姫から聞かされてるからさ」

;7/左
「『兄さんあれほど完璧なのに。お料理だけは──なんでかしらないけどレシピまもらないんですよ!
すごく微妙な工夫しちゃって、レシピ通りなら絶対おいしいはずなもの、
台無し……まではいかないんですけど、びみょ~に残念な感じのものにしあげちゃうんです』って」

「けど。真闇さんの特訓だったら、教わったとおりに絶対つくってくれるはずだし。
それなら絶対おいしいだろうし! とっても楽しみ! どんなピザが焼き上がるのか……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──わ!」

「すごいね。ボクの希望にあわせるために、両方特訓してくれてたんだ。
ありがと、双鉄。
なら、もっちもっちのパンピザにしてもらえるかな?
クリスピーも悪くないけど、パンピザの方がごちそう感が出るじゃない」

「(呼吸音)──ふふっ、うん。
それじゃあお手並み拝見だ。まずは──(呼吸音)(呼吸音)──ああ、調理器具まで……
それりゃあ あの大荷物になるよね。ほんと、ありがと。おつかれさま」

「で? ──(呼吸音)(呼吸音)──あ、お湯を沸かすくらいはボクでもできるよ。
ちょっとまってて──」

;1/前 (マイクに背中)
;SE 蛇口ひねって水出す→銅ポットにいれる→水とめ→コンロにかけて着火
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──っと──ん? (呼吸音)(呼吸音)──
ああ、沸騰させなくていいんだね。わかった。じゃ、ぬるま湯になったら火、とめる」

;1/前(マイク向き)
「その間に……(呼吸音)(呼吸音)──わ、それ──粉ふるいってヤツだよね。
強力粉と薄力粉を──(呼吸音)(呼吸音)──なるほど」

;SE 粉ふるい
「粉ふるいの中でまぜあわせちゃって、それをボウルにふるっていくのか。
それなら確かに、むらなくまじりそうだよね──とと」

;SE コンロ止め
「双鉄。ぬるま湯できたけど──(呼吸音)(呼吸音)──うん。
わかった。そのくらいならボクがやってみる。タイミングだけ教えてくれれば」

;SE 粉いれ
「それまでは見てる……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──
ふるい終わったボウルの小麦粉に、端っこに塩……
ふーん、ドライイーストは、塩とは反対側の端っこにいれるんだ……で──」

;SE まぜあわせ
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──いい手付きだね。楽しそう。
ざっくりって感じに軽く混ぜて──
わ!? 今? あ、うん、わかった。ボクの手番だね」

「まず、大きなスプーンに一杯のサラダ油を……(呼吸音)(呼吸音)──と、って──。
これ、そのままいれちゃっていいんだね? 位置指定とかは──(呼吸音)──ないならいいや、
真ん中にいれる。──えいっ」

;SE お湯をマグに、慎重に
「で……ぬるま湯を、マグカップに半分──(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──なるほど。
マグカップは300CC入るから、半分だと150CCになるわけか」

;SE 湯をボウルに注ぐ

;1/前 “わ!?”で →;7/左
「これも、真ん中に──だばぁ──(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──出来たけど──って、わ!? わ!」


;SE 手でボウルの中捏ね
;7/左
「うわ、手で捏ねちゃって、くっついたりとか ──(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──
ふんふん、はじめのうちだけはくっつくけど? ──(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──わ!
ほんとだ、なんかどんどん固まってきた」

「すごい……結構手付きいいね──(呼吸音)(呼吸音)
特訓──これ──(呼吸音)(呼吸音)
相当時間、かけてるよね──(呼吸音)(呼吸音)
うれしい、すごく──ボクのため、ここまで──(呼吸音)──って、ひゃっ!?」

;SE 生地をまな板にうちつける バシン!
「生地、まな板に投げつけて──ひゃう!?」

;生地叩きつけ(繰り返し)
「そんなに──ばんばん──たたきつけて──(呼吸音)(呼吸音)──
ああ──(呼吸音)(呼吸音)──そうして、のばして──(呼吸音)(呼吸音)」

;生地まとめ
「伸びたところをまるめなおして──っ!」

;SE 生地叩きつけ
「またたたきつけて──(呼吸音)(呼吸音)──
それって、いったいどういう効果が……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」

「なるほど、グルテン──叩いて伸ばしていくうちに、グルテンがどんどんつながりあって──
それでピザ生地に粘りとコシが生まれる……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──えっ!?」

「ボク!? ボクがやるの? それ──
けど……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──ああ、いや」

「……やってみたい。失敗しても平気っていうなら──
ボクも、自分でピザ、つくってみたい」

「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──あ、ほんとだ。生地、もっちりしてるけどベタつきとかない。
これを──うん。憎たらしいヤツの顔面に叩きつけるつもりで──わかった」

;SE バチン!!!
「『っ!!!!!!!!!!!!!』」

「うっわ! これ、結構きもちいいね!
え? ……ああいやいや、特に誰のこともイメージだなんてしてないよ?
財務局の金融検査官の顔なんて、ボクがイメージするわけもないじゃないか」

;SE バチン繰り返し(継続)
「ふふっ、けど! (呼吸音)(呼吸音)
これ、楽しい──(呼吸音)(呼吸音)し、
爽快! だよね──(呼吸音)(呼吸音)
かなり、実際──(呼吸音)(呼吸音)」

「ストレス、解消──(呼吸音)(呼吸音)
手作りピザ、セミナー、だとか──(呼吸音)(呼吸音)
ワンチャン、ふふふ──(呼吸音)(呼吸音)
ビジネス、チャンスに──(呼吸音)(呼吸音)」

;SE stop
;7/左 ”あ”で→;7/左(密着)
「っと……ああ、うん。このくらい叩いたら、まとめてまるめなおしてあげる。
ええと、いったいどういう感じに……(呼吸音)──あ」

;7/左(密着)
「ありがと……ふふふっ。これ、いいね。
手、重ねあってピザ生地こねこねするのとか、さ──」

;7/左(密着囁き) ”ふふっ!”で →;7/左
「恋人同士のバースデーだよね。あったかですごく幸せで。
ほんのちょっぴりだけはエッチで──ふふっ!」

「で? 次は……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──
ああ、なんだ、もう生地の準備はいいのか。残念」

「この生地は──ふんふん、発酵させるんだ。
あ、ってか、そうか。発酵だとかそういうの、焼酎づくりの工程にもあるもんね。なるほど」

「あんがい真闇さんのピザづくりのスタートって、その辺の研究にあったのかもって、いまちょっと。
もしもそうなら──(呼吸音)(呼吸音)──うーん、ボクももうちょっと視野を広げて、
金融の現場意外から金融に関する学びを見つけるとかもありなのかもしれないね──って」

「ごめん、つい自分の考えにふけっちゃって。
発酵待ちの間に──なるほど! 具材を洗ったり切ったりして、並べ方も考えておけばいいのか」

「その辺は日々姫の得意そうな──(呼吸音)(呼吸音)──ああ、やっぱり。
そうなんだね、右田家では分業でピザをつくるんだ。
生地作りは真闇さん、トッピングは日々姫って」

;7/左 “あ”で ;7/左→;1/前 (双鉄が正面にまわりこんで、顎クイ)
「いいなぁ、すごく美味しそうで綺麗そう、右田家のピザ。
ボクも一回食べてみたい……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)──あ」

「…………だね。このピザだって、『右田家のピザ』になるんだ。
もうすぐ──あと三ヶ月もしないうちに……(呼吸音)」

「ん……(静かで長めのキス音)…………ふ、ぁ──」

「……もう、ダメじゃないか双鉄。こんなに甘いデザート、ピザの前に食べさせるだなんて」


;1/前 “っていうかさ”で→;7/左
「っていうかさ、双鉄。ピザ、これから週一……か、それが無理でも、二週間に一回くらいは、一緒にやかない?
双鉄とボクの、『ニュー右田家ピザ』。真闇さんと日々姫にふるまって、ボク、びっくりさせてみたいんだ」

;7/左 (短い呼吸)で →;7/左 (密着)
「(呼吸音)(呼吸音)──オッケー? あはは! それじゃあ約束!
『ゆーびきーりげーんまん、うーそついたら (短い呼吸)』」

;7/左 密着。囁き
「嘘をつくなら、騙されてあげる。
ボクがキミを嫌ってしまう──その間なら、何度でも」

;7/左
「ふふっ! 約束をまもってくれるなら嬉しいよ。
って、いけない! ぼやぼやしてたら、具材の準備をする前に発酵が終わっちゃうね。っと──」


;SE 冷蔵庫から具材をどさどさ、まな板の上に乗せる
「ね、双鉄。せっかくだから乗せたいもの、ひとつずつ順番に選んでいかない?
あんまりごちゃついてもおいしくないから……そうだな、三品目ずつ、合計6種の具材になるまで、順番に交代交代で」

「オッケー? それじゃ、どっちが先に選ぶか決めよう。
いくよー、じゃんけん!
『最初はグー! じゃんけんぽん!!』」


;おしまい

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索