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茂伸奇谈の記事 (73)

whisp 2019/04/20 19:13

すみちゃんお誕生日お祝いお返しボイス from すみちゃん(CV.佐倉江美さん)! (進行豹

こんばんわです!
進行豹です!!

本日、04/20は「ものべの」メインヒロイン! すみちゃんのお誕生日です!!!



お誕生日お祝いをしてくださいましたみなさま!
まことにありがとうございます!!!

みなさまへの御礼ボイスが! なんとすみちゃん御本人!(CV.佐倉江美さん)から届きましたので、
全力もって! みなさまにご紹介させていただきます!!!!


こちらです!!!


いかがでしょうか!?

すみちゃん!!!
すみちゃんがそこにいます!!! うれしい!!! かわいい!! なつかしい!!!!
何年ぶりの再開でございましょうか!?


そしてすみちゃん! ボイスの最後に気になるひとことを残してくださいましたが、
こちら! なんと!! 「なんらかの予言」である可能性が、非常に高そうでございます!!!

いまのわたくしからご報告できるのはひとまず以上となりますが!

どうぞのんびり! ご期待のほどいただけますと幸いです!!!


そして! あらためまして!
すみちゃん! お誕生日おめでとうございます!!!!!

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whisp 2019/04/19 20:31

ものべの連続ショートボイスドラマ 『夏葉、まいごになっちゃった!?』第二十話台本です!(進行豹

こんばんわです!
進行豹です!!!

ここんとこずーーーーーっと「ふかみちゃんと一年中」にかかりきりなのですが、
とあるきっかけで

「あ。『夏葉、まいごになっちゃった!?』の更新止まってる」

と気づいたので、今日はそちらです!

間ものすごい空いたので簡単に説明しますと、
この「夏葉、まいごになっちゃった!?」は、
『ものべの』の販促告知のために無償公開されておりました、
全31話の連続ショートボイスドラマなのです!

1~19話も全て、無償コンテンツとしてci-en/fantiaでも公開しておりますので、
ご興味お持ちくださった方いらっしゃいましたら、ぜひぜひ過去記事どうぞです!

と、いうことで無料会員登録だけでどなたにもご覧いただける記事として!

第20話! 「お料理名人、その名はすみちゃん!」

台本&音源! おいておきます!!!

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音源と台本

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whisp 2019/03/14 23:03

旧姓)有島ありす お誕生日祝いSS 『お誕生日、ありがとう』

ばんわです!!!

本日2019年3月14日はありすちゃん!!!
「ものべの」ヒロイン、有島ありすちゃんのお誕生日でございます!!!!

ので、ありすちゃんにも!!

おとうさんのたちの一人でありますわたくしから、ありすちゃんが喜んでくれそうなひとときをプレゼントでございます!!!

ありすちゃん! お誕生日おめでとう!!!!!


///////////////////////

2019/03/14 (旧姓)有島ありす お誕生日祝いショートストーリー
『お誕生日、ありがとう』  進行豹




「あ! 透さ~ん!」
「ありす!」
「ごめんなさい、待たせちゃいました?」

結婚して何年たっても変わらない。
ありすのはしゃいだ声を聞くなら、僕の心もはしゃぎ立つ。

「少しも待ってないよ。まだ、待ち合わせの10分前だしね」
「ふふっ、わたしの方が透さんを待ち伏せちゃおうと思ったんですけど」

いたずらっぽい笑顔のままで、ありすは小さく首を傾げる。

「けど、どうしたんですか? 今日は。
新宿で待ち合わせだなんて、珍しい」

「どうしたって――」

まさか忘れているはずがない。
けど、とぼけてるようにもまるで見えない。

「今日は、ありすの誕生日じゃないか」
「確かに、わたしの誕生日ですけど――」

ああ、いけない。順番を完全に間違えた。

当直明けで、今日のありすと会うのはこれが初めてだ。
まず真っ先に、誕生祝いを言うべきだった。

「でも……わたしのお誕生日ってことは、
ホワイトデーでもあるわけだから」

やっぱり、ありすは言ってくる。
だからすばやく、先回りする。

「だから、夏葉とすみとも、一緒にすごすべきだって?」
「あ――」

図星らしい。
ありすはちょっと困ったように、僕をみあげる。

「……それがわかってるなら」

「それがわかってるからこそ、だよ」
「きゃっ!?」

ありすの頭を抱き寄せる。

僕の肩口にすっぽりおさめ、
耳元に、できうる限り甘くて低い声を出す――よう努力する。

「ありすは、いつだってそうだから」

「そう……って」

「自分のことより、ほくとのこと。それから僕のこと。夏葉のこと。
すみと飛車角とにだって、いっつもすごく、目配りしてる」

「それは……だって、みんなで暮らしてるんですから」

「だね。これだけの人数が、2DKに暮らしてる。
いや、いいかげん引っ越さなきゃなとは思ってるんだけど……」

「あはは……」

けれどもすぐには難しい。
尚武さんたちに支援してもらってたお金をコツコツ返し続けているし――

大所帯はやっぱり物入りで、
夏葉はほんの少し前まで、専門学校に通ってもいた。

「僕ら夫婦と、ほくとで一部屋。夏葉すみ飛車角で一部屋。
……僕らと飛車角はともかくとして、夏葉とすみは、結構ストレスもあるはずだ」

ましてやすみは、茂伸の家を放置してきている。

尚武さんと菜穂子さんが見てくれてるとはいえ――
『透の居る場所がわらわの家じゃ』と言ってくれてるとはいえ……やっぱり、気がかりではあるだろう。

「なのに、喧嘩らしい喧嘩は一度も起きてない。
誰が我慢をしてるっていうギスギスもなく――本当に、平和に家族団らんできてる」

「うふふっ、ですよね。うちは、しあわせ家族ですよね」

「うん――」

嬉しげに、ありすは笑う。
いいや実際、心の底からありすは喜んでくれている。

だから、ずうっと甘えてしまった。
恐らくは、僕とありすが結ばれる――それよりずっと、ずっと前から。

「その幸せを支えてくれてるのはさ――ありすだから」

「え?」

「いつだってそうだ。
ありすがいなければ、僕たちはきっと、喧嘩ばっかりになっていた」

「あー」

そこはありすも否定できない。
僕に抱かれるそのままに、ただただ苦笑を浮かべるばかりだ。

ありすとすみと夏葉と僕――きっとあの夏、僕らは危ういバランスだった。
誰かがなにかを間違えたなら、バラバラに砕けてしまってた。

「だけどさ、いっつも。ありすがうまく全体を見ててくれるから。
僕なんかじゃ絶対見えないところまで、見てて、ケアしてくれるから」

「あ……」

……遠い昔に『親バカ』は素敵な言葉とご開祖ちゃんが教えてくれた。
『八方美人』も、同じく素敵な言葉なのだと、僕はありすに教わった。

そうしてくれているのだと、気づけぬほどにさりげなく――
ありすの目と手は、一番凹んでしまってるところに、必ず優しく、手当てするから。

「夏葉もさ、最近大人に――本当の意味で大人になってきたじゃない」

「そうですね。本当に――すごく大人に、綺麗になってる。
幼稚園教諭の免許を取って、自信、かなりついたみたいですよね」

「だね。だから――大人になれたから、
ありすの凄さに、ようやく気づけたみたいでさ」

「え?」

「言ってくれたんだ。夏葉が。
『今年はホワイトデーはいいから。
ほくとちゃんとすみちゃんと飛車角ちゃんは、夏葉がみててあげるから』――って」

「なっちゃんが?」

「うん。
『おねーちゃんのお誕生日を、さいっこーに素敵にしてあげてね!』って」

「あっ――」

「だから、さ」

泣かないでほしい。笑ってほしい。
そう思うから、全身全霊、ウケ狙いなく、キザに振る舞う。

「今日の僕は、ありすだけの僕だ。
ほくとのパパでも、夏葉のおにーちゃんでもない。
沢井ありすの――沢井透だ」

「透さん――」

泣き笑い――くしゃっと歪んだ顔がすぐさま笑顔に輝く。

「透さん!」

ふふっと小さくこぼれた音が、うふふと笑い声になる。

「嬉しいです。すごく。
もう、最高のお誕生日プレゼント、わたし、もらっちゃってます!」

「まさか! 最高の誕生日プレゼントは、これから先のお楽しみさ」

「うふふっ、すっごい自信ですね!
頼もしいですっ、透さんっ!」

「うんっ!」

ああ――ありすが笑ってくれた。
ありすは僕を好きなんだって、笑顔がまっすぐ伝えてくれる。

ドキン、ドキンと胸が高鳴る。
僕もありすが好きなんだって――こどもみたいに思ってしまう。

「まずは。ディナーだ。
たまにはありすには、お肉を食べてほしいからさ。
肉も魚も美味しいお店を予約してあるんだ」

「うふふっ、ありがとうございます。
お肉、ひさしぶりっ! どんなお店か、楽しみです。わたし」

「南雲教授もお気に入りのお店だからね。
まず間違いなく、お肉の方も、一級品の味だと思うよ?」

「わ! それなら絶対確実ですね~」

「うん。っていうか時間だ。向かおうとしよう」

「はい!」

歩き出すなら、ありすはそのまま僕とぴったり腕を組む。
日が沈めばまだ、やはりいくらか肌寒い。

くっつくあってる体と体が、それだけでもう、しあわせだ。
けど――

「ありす」
「はい、透さん」

言葉につまる。

ありすがどれほど、僕をしあわせにしてくれているか――
僕がどれほど、ありすをしあわせにしてあげたいか――

「……ありす」

伝えようとすれば、言葉にならない。
とても伝える言葉に、できない。

積み重ねてきた時間が、想いが、あんまりたくさんありすぎるから。
僕はありすを、幾度も傷つけてしまっているから。

「――ありす」

「はい。透さん」

頭が全部、真っ白になる。
用意していた言葉が全部、ほどけて消える。

感情の大きな波が押し寄せてきて――
あとにはほんとに、ひとかけらしか、残らない。

「……ありす。お誕生、ありがとう」

「え?」

「僕のとなりに、おななじみに産まれてきてくれてありがとう。
僕を好きになってくれて、ありがとう」

「…………」

「僕が遠くに離れたときも、僕が逃げ出してしまったときも――
僕を信じて、待っててくれて、ありがとう」

「そんなの、だって」

「僕と一緒に、夏葉をつれて、ここに来てくれてありがとう。
僕を、ほくとのおとうさんにしてくれてありがとう」

言葉が、足りない。
うわすべりする。だけどそれでも――言葉で、僕は、伝えたい。

体で、愛で、体温で――
伝えきれない何かはきっと――言葉だけでしか伝えられない。

「僕は、ありすが大好きだ」

ご開祖ちゃんを思い出す。
黄色い花の花言葉を――“叶わぬ恋”を、思い出す。

ありすとの……僕のありすへの恋は叶った。
だけれど叶ってからもっと。前よりずっと――僕はありすに、片思いする。

「だから、ありす」

「はい――透さん」

感情の大波が、また引いていく。

残るのは、やっぱりとてもちっぽけな――
ただひとかけの、言の葉だけだ。

「ありす――お誕生日、ありがとう」

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whisp 2019/02/25 19:28

『あやかしマニアックス ~コロポックル パロポロ~』 (進行豹

進行豹です、こんばんわ!

ものべのの正規スピンオフ。

すみアフターのそのあとの――人とあやかしと半妖とがともに暮らし得る土地となりました
「ものべの」を舞台にした、人とあやかしの出会いと――そして癒やしとをメインテーマとしました
バイノーラルボイスコンテンツ『あやかし郷愁譚』。


静岡から引っ越してきた「洗濯狐」のお紺。
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ240262.html


和歌山を後に旅をしてきた「送り雀」のひよ。
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ244024.html


それぞれの人となり――いえ、あやかしとなりをご紹介させていただいております。
「あやかしマニアックス」
https://ci-en.jp/creator/922/article/20726
https://ci-en.jp/creator/922/article/35902

のコーナーで、本日は新しいあやかしをご紹介させていただきます!

北海道から「ものべの」にやってまいります! 
コロポックルのパロポロちゃんです!!!


無料記事では、いわゆる「設定」を。

シルバー会員以上向けの記事では「原典」の紹介や、より踏み込んだご紹介をできればと思いますので、
もしご興味お持ちいただけましたら、ぜひぜひです!!

フォロワー以上限定無料

パロポロの設定

無料

【 シルバー会員 】プラン以上限定 支援額:500円

パロポロの原典とよしなしごと

このバックナンバーを購入すると、このプランの2019/02に投稿された限定特典を閲覧できます。 バックナンバーとは?

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whisp 2019/01/15 22:41

『あやかし郷愁譚 ~送り雀・ひよ~』 おうたとお話のご紹介です! (進行豹

こんばんわです、進行豹です!!!

ものべのの正規スピンオフとなります、バイノーラル安眠ボイスコンテンツ!
あやかし郷愁譚!!

第一弾のあやかしとなりました「洗濯狐 お紺」、
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ240262.html

おかげさまでたくさんのみなさまのこころと体をお洗濯させていただいておりますようで、
大変にうれしく思っております!


そして本日! お紺ちゃんにつづいて、「ものべの」に移住したあやかしを、
いよいよ本格的にご紹介させていただくことが叶います!!!

本日コンテンツの販売予告がなされましたそのあやかしとは! 送り雀のひよちゃんです!!!

https://www.dlsite.com/home/announce/=/product_id/RJ244024.html


和歌山出身で、のんびりすごしておみかん食べて、おうたを歌うのが大好き! な、大変愛くるしいひよちゃんには、なんと! 藤咲ウサさん!!

https://twitter.com/hujisakiusa

が、お声と魂とを吹き込んでくださいました!

藤咲さん、まさにひよちゃん!!
バイノーラルマイクのまわりで、ちゅんちゅんちちちと楽しく遊び回るように、
素晴らしくいきいきとお演じくださり、ご歌唱くださいました!!

その様子の、ほんの一部ではございますが!

自己紹介

ひよの耳かき(右のお耳)

からお聞きいただけますので、ぜひぜひご拝聴いただけましたらうれしいです!!!
おうた(「シャボン玉」)もお聞きいただけちゃいます!!!


なお、このファイルは、上記販売予告ページの
「体験版ダウンロード」からお手元にDLいただくことも可能ですので、ぜひぜひぜひ!!!



で! 
本日は、『台本の一部』と『ひよちゃんがうたってくれるおうたのリスト』も、
以下にどどん! と公開させていただきます!!

台本は長くなるので、まずはおうたのリストから!


<『あやかし郷愁譚 ~送り雀・ひよ~』でひよちゃんが歌ってくれるおうたのリスト>

「すずめのおやど」 (♪ すずめ すずめ おやどはどこだ

「雀の学校」 (♪ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ~

「靴が鳴る」 (♪ おててつないで 野道を行けば

「和歌山のお手玉歌(ひよちゃんバージョン)」 (♪新町通りの おみかん屋

「ねんねんころりよ おころりよ」 (♪ねんねんころりよ おころりよ


+ 販促/自己紹介ボイスの 「シャボン玉」


――なんと! 豪華6曲でございます!
ミニアルバムレベル!!

「ひよちゃん童謡アルバム」として販売されてもおかしくないレベルなので!
ぜひぜひぜひぜひ!! そのお耳でお楽しみいただけましたら幸いです!!!!




でもって! 台本もご紹介まいります!!

<『『あやかし郷愁譚 ~送り雀・ひよ~』 台本の一部 (冒頭部)>


;環境音。竹藪の中。風が竹やぶを揺するなど

;SE 雀の声

:SE 下草を踏み分けて歩く足音、男一人

;16 遠い(編集で遠くから途切れ途切れに聞こえる感じに)

「♪ ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ~ 」

;SE 足音止まる

;1
;エフェクト、遠いがさっきよりは明瞭に
「♪雀のがっこの せんせーはー

;足音再開。
;歌声だんだんフェードアップしていく

「♪むーちをふりふり チイパッパ
生徒の雀はわになってー」

;SE 竹やぶをかき分ける。がさり

「っ!!?」

「………………(呼吸音)…………」

「んと……(呼吸音)……んと、な?
あいやんが誰かはしらんけどな?
ひよな? いま、おうたの途中やのし」

「あいやん、ひよのおうた、邪魔しにきよったん?
……(呼吸音)――あー、えへへ。
違うならよかったのしー」

「ほんならな、うたいなおすさけ、ちとかいまっとってな?
ひよな? おうた途中でやめると、ムズムズするのし」

「♪ チイチイパッパ チイパッパ
   すずめのがっこのせんせーはー
   ムーチをふりふりチイパッパ
   
   生徒のすずめは わになって
   お口をそろえてえ チイパッパ
   
   まだまだいけない チイパッパ
   もいちどいっしょに チイパッパ
  
   チイチイパッパ チイパッパ

   ――うんっ!」
 

;SE 拍手

「えへへー、ありがとお。
おうたはうととるだけでも楽しいけど、
誰かにきいてもらえると、もーっとよーさん、楽しいなぁ」

「……ところでな? あいやん、誰やの? どこからきよったん?
いきなりぬうって現れたから、ひよな? ちとかいびっくりしたのし」

「ほぇ? あー、『あいやん』いうのんは、
なんや――んと、テレビのことばでゆうたら――
あー、『おにいさん』? のことやのし」

「ん? あぁ。
あんな? ひよの言葉は紀州弁、和歌山ことば」

「ゆーても、ひよ、あやかしやさけ。
こーみえても80年はいきとるさけ。
人間の、今の和歌山ことばとは、ちくとちごーてしもとるけどなー」

「な? あいやんは、どこの人間?
こげな竹やぶん中、どこからどげして迷いこんできよったん?」

「ふんふん……(呼吸音)……へぇへぇ……(呼吸音)
ほぁー、あいやん、旅人なんかー。
旅の途中で、ひよの歌声ききつけて、
わざわざ聞きにきよったん」

「あいやん、ものずきやなー。
え? 『聞きつけた』んじゃなくて?
『聞き惚れた』 」

「……(呼吸音)……えへっ、えへへー、
ひよ、なんや褒められてるやんなぁ。
えへー、そっかー。
あいやん、ひよのおうた気に入ったんかー」

「ほんならな、ひよな?
あいやんに、他のおうたも聞かせてやるのし――あ」

「そげならな? えへへー、ひよな? ええこと考えたのし」

;1
「あんな? ひよな? 和歌山のあやかしやさけ、
おみかん大好きで、たーくさんこーてもろたんよ」

「『誰に』て、ものべののカミさんに。
ひよな? おひっこしイヤやってんけど、
『そのまま和歌山にいたら、いずれは消えてしまうっスよ』といかゆーて、ものべののカミさんに脅かされたのし」

「ほんでな? ひよな?
『でもおみかん食べれなくなるのはいややのし』いうたん。
そしたらものべののカミさんな?
おみかんたーんとくれるて、約束してくれよったんよ」

「せやさけひよな? ものべのにおひっこししてきたん。
けど、おみかんな? あんまりよーさんありすぎて、
ひよ一人だと、たべきれんで腐らせてしまいそうやのし」

「な? あいやん。
ひよのおうちに遊びに来て、おこたでぬくまって、
ほんでな? おみかんたべながら、
ひよのおうたをきかれへん?」

「ええの? やったぁ。
ほんならな、いこのし」

;3
「あいやんが迷わんよーに、ひよな、おててつないであげるさけ。
でもな?、ひよな? ちとかい歩くんおそいさけ、
あいやん、あんまり早足で歩いたらいけんよー?」

「『ゆっくりあるく』? えへへ、ほんなら安心やのし。
したら、のーんびり、ひよと行こぉなぁ」

;SE ふたり並んで竹やぶ歩く
「えへへー、ひよなー、おててつないで歩くのって、はじめてやのし。
これ、ええなぁ。
つないどるとこぽかぽかってして、歩くの楽しくなってくるなぁ」

「♪ おててつないで 野道を行けば
   みんな可愛い 小鳥になって 
   歌をうたえば 靴が鳴る
   晴れたみ空に 靴が鳴る」

「えへへ~ あんまりたのしぃて、
おうたが勝手に、のどから出てきてしもたのし」

「え? 『うたうのほんとに好きなんだね』って――
そんなん、あったりまえやのし」

「だってな? ひよな? 送り雀やもん。
ほんでな? 雀はな?
うたって飛んで、ちゅんちゅん遊ぶもんやのし――わっ!?」

「なんね、あいやん。どーしたん?
え? 『竹の切り株につまづいた』……って、
あーあーあー」

「あんな? ひよな? 送り雀で、あやかしやさけ、
こんなナリしとってもな? ふよふよふよふよ飛べるんよ」

「せやさけ、この竹やぶに通り道つくるときな?
なんやもうえらいうたとくなってな?」

「竹の根本じゃなくて、切りやすいとこで、
ぽいぽい竹切って
“通れればもうそれでええ”いう道つくったんよ」

「せやさけ、飛ばんで歩くとな?
足元……えらいぼこぼこやのし」

「あいやん、ごめんなぁ。
横着したら、いけんなぁ」

「ひよ、ひよのおうちに人間が遊びに来てくれるなんて、
思ったこともなかったさけ――え?」

「『このくらいなら全然平気?』
えへへ、あいやん、頼のもしなぁ。
ほんなら、いこな? もーちとかい行けば、ひよのおうちにつくさけな?」

;SE 足音
:SE 足音とまる

「ついたー!」


//////////////////////////

いかがでございましょうか!?


ここからはじまるひよちゃんとののんびりほっこりなひととき!
どうぞご堪能いただけましたら、とてもうれしく存じます!

もちろん! 今回も編集はあらけんさんこと新井健史さん
https://twitter.com/arakeso
にいただいております!

ひよちゃんの声とお歌を素敵に活かしてくださいましたことがもちろん、。
「竹やぶを二人並んで歩く足音」とか、それだけでもわたくしは耳が喜んでしまいましたので、この辺もぜひぜひお楽しみいただけましたらと思います!


また、ひよちゃんの紀州弁につきましては、
みなさまからご情報いただきました参考資料を大いに参考させていただきましての執筆をさせていただきました!
https://twitter.com/sin_kou_hyou/status/1040238241113239552

この場を借りて、あらためまして謹んで、こころより御礼申し上げます。
お力添え、まことにありがとうございます!!



なお、ひよちゃんと送り雀については
「あやかしマニアックス ~送り雀・ひよ~」でもご紹介させていただいております!

https://twitter.com/sin_kou_hyou/status/1077532090940383232

こちらもあわせ! ぜひぜひお楽しみいただけましたら幸いです!


そんなこんなで、「あやかし郷愁譚 ~送り雀・ひよ~」
ぜひぜひぜひぜひ!! よろしくお願いいたします!!!!

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