光る君へ 18話 の感想
見逃し配信 光る君へ NHKプラス
【キャスト】吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、吉田羊、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
【作】大石静(脚本家)
(C)NHK
光る君へ
彷徨いもがいた君へ
殺し、傷つき穢れ、その愚かさ幼さに心揺さぶられ、弱さに傷つき傷つけ、愚かさで操られ傷つけ、愛に飢え、彷徨い続けた男の、やっと生き方を選んだ男の──
政治 政略 母と妻昏く
藤原道隆の死後、関白を継ぐのは。
藤原伊周と詮子様が争うのは明示されてましたし、道隆の強権・独裁政治を断ずる貴族たちの軋轢も知っていましたが、ここで一番苦悩するのが一条天皇だとは。
時の流れは早く、為政者としても著しい成長をしてるのだなぁ。
ただ伊周も詮子様も貴族たちも、公が一番大事なのは当然とした上で、一条天皇と定子の、人としての心にもうちょっと優しく寄り添って欲しいですよ。
ただ2人、寄り添い合う相手だけなのに。
それでも政略と正しい政治を選び取る一条天皇が素晴らしいですが、やっぱり可哀想です。
罪とともに歩んだ君よ
藤原道兼。
愛に飢え人を傷つけ、汚れものとして生き、父と妻に捨てられ、一度は己すら捨て。
道長の愛を知り、正しく人のために生きようと、政治を進めようと。
兄として、人として、やっと望む生き方を見つけて、その第一歩で。
得られず、悔いて、己の罪に苦しみながら死ぬのか……
私は、道兼に惹かれていました。
弱さと愚かさと狂おしい愛に振り回され、罪を犯し罪に苛まれるる姿が。
罪を認め、正しく生きようともがいた、あはれで美しい姿が。
これ程までに大好きだったんだ。
痛いほど悔いて、なのに救いを求めた自分が許せなくて泣く姿が愛おしくて。
彼を抱きしめた道長の姿が尊くて。
ありがとう道長、兼家の最後を愛で包んで、孤独にしないでくれて。
さようなら、藤原道兼。
甥と叔母の争い
望むまま得られないと知ると睨みつけ、叔父の死に託けるような宴会がどうにも小物な伊周。
藤原実資が嫌うのも納得です。
政略に人の好悪を一番の武器にする詮子様もまーどうかと思うのですが(笑
「天皇」の権力と正統性を第一にしてますし自分の権力そのものは望んでないので、やっぱりましなのですけどね。
説得の最後にやっぱり正論より母子の情を出すあたり、手段を選ばない兼家パパに一番似ているような、権力より情優先なので似てないような。
ただ結局、藤原兼家の血筋だけで最高権力が移動しているので、
根本的にダメじゃないかと思うのですが(笑
そして最後のナレ、疫病で他の最上級貴族たちもほとんど死んでしまったとは。
怖っ!
この状況で若く地盤の弱い伊周には任せられないですよ。
為時ファミリー
為時パパ優し過ぎる……
好き!
為時パパと道長の優しさに、まひろも救われたのじゃないかな。
弟くん、さわさんに勝手にフられてた(笑
さわさんも視界を広げ、強くなったなぁ。
軽口から悲しい結果になった弟くん、可愛いぜ!
あ〜 やっぱり為時ファミリー好きだわ〜。
「肥前の国司就任」
これ、さわさんの家を推察出来るのでは?
藤原道長、関白ならず
平安時代・平安文学クラスタの方々のポストを見るに、関白はもちろん一番の権力者ですが、議案策定ができないのですね。
なるほど、名より実、実務型と描かれてきた藤原道長らしい選択です。
道兼兄をあそこまで応援しといて権力から逃げるのはどーかと思いますが(笑
権力欲そのものは無いし、父兄たちの苦労は見てきてるし、権力争いは死ぬほど嫌いでしょうし。
だからこそ推挙されちゃったのがまた面倒臭い(笑
日ノ本の全てを変えられる力を手に入れて、何をすべきか、しなくてはならないか。
生まれた理由の再確認と、自戒が必要だったのでしょう。
再会、言葉なき別れ
愛が消えたのではない。
想いが失せたのではない。
あの日の約束が今も胸で燃えているから
貴方も燃えていると分かったから。
今は。
「昔の己に会いに来たのね……
でも、今語る言葉は何もない。」
去るまひろ、残る道長の心中を、私には測りきれません。
それでも伝わってくる想いと年月の降り積もる、熱く痛切な……
ああ、大河ラブロマンスだ。
枕にこそは侍らめ
定子様がお辛かった……
詮子様も一条天皇に天皇本人の格と母の情で訴えてるだけですし、兼家・道長はわざわざ年若い定子様の文句なんて言わないですし。
定子様を傷つけてるのって、定子様が頑張ってきた家族そのものの道隆と伊周なのですよね。
しかも御子を産めと、頑張りも工夫も、おそらくは無意味なことで、責め立て傷つける。
権勢とともに美しさを失っていく中関白家と、苦しむ定子様。
うつろう中で、清少納言は何を選ぶのかな。
道兼アフター
自分でもここまでとは思いませんでしたが、道兼が死んで、出番が無くなって、心にぽっかりと穴が空いたようです。
これから何を楽しみに見れば良いんだ……
癒しだった源雅信は、まぁ死んだのにちょっと癒しだけど、小麻呂はさすがに死んでるだろうし……
乙丸、幸せになってぇ……!