どうする家康 34話 の感想
見逃し配信 - どうする家康 - NHK
【作】古沢良太
【音楽】稲本響
【出演】松本潤、岡田准一、有村架純、野村萬斎、イッセー尾形 ほか
【デザイン】GOO CHOKI PAR
(C)NHK
どうする家康
涙と笑いの「あほたわけ」
"成長のドラマ"として徹底した、楽しい作品ですよ。
追い立てられ足蹴にされ踏みにじられ過ち奪われ奪い続け、積み重なった苦しみと憎しみと悲しみと罪が、幼く甘く弱い家康を、真の"神の君"に育て鍛え上げていく。
心の中で「涙の数だけ強くなる」というキーワードが浮かびました(笑
時代の選択
小牧長久手の戦いから、秀吉の四国・九州平定、関白任官という西国支配。
徹底抗戦論の中での石川数正の出奔、大戦勃発…
寸前での天正の大地震。
そして今回の旭姫、大政所を人質とした懐柔策。
徳川・三河勢から見れば憤懣やるかたない変遷でしたが、当時の徳川が日本一統に成功する名分と戦略と勢力関係が十分だったかと考えると、無理ですよね。
この後の豊臣政権日本一統とその権力・支配術の継承と研鑽を経て、やっと徳川・江戸幕府の堅く長い勢力基盤は生まれたのだと考えます。
戦略と政略、理想と努力、人事と天命を感じる名回でした。
秀吉の天下、戦国の終わりとは
おなごが綺麗なべべ着て白粉塗って、甘ぇもん食べて笑っとる。それが幸せな世。
そんな戦国の終わり、幸せな世界を語るのに、秀吉にとって女性は家族はやっぱり政治の道具なのがなんとも痛々しい。
流石に「家康なら妹も母様も殺しはしない」とは計算してるでしょうが。
ねね様も秀吉の同士らしく非情にもなれるけど、人道や民の風聞を強く計算に入れるタイプ、かな。
笑顔の似合う、旭姫
旭姫の描写が納得でした。
あけっぴろげで優しく朗らかで、おどけ尽くして。
一人の弱く賢い女性が、怖くて強いお兄ちゃんの為に、頑張る。
こんな弱くて頑張る女性を、家康が絆されるに決まってるじゃないですか。
守る家康に惚れこむに決まってるじゃないですか。
お市様を殺したから憎むのに、家康に旭姫を犠牲には出来ないですよねぇ。。
呪いと天下と、愛と願い
果たさねばならなかった。
諦めてはならなかった。
付いてきてほしかった
弱さを認めるわけにはいかなかった。
数正が立ち止めて旭がとかして於愛がほどいて。
呪いに歪んでしまった瀬名と信康の願いを、揺るぎない愛に帰して、そっと大事にしまう家康の姿に、頬が緩み、涙が零れそうでした。
ああ、良かった、良かったよ。
あの花の名前を
他の方のXポストを見ると、OPの咲き散る花々は石川数正の押し花であり、そして築山の草花なのですね。
数正が愛で集め干し、秘めた大事な大事な宝物。
駿府で見守り、人質から助け出し、岡崎で築山で、ずっと見守ってきた家康と瀬名の、言葉に出来ない思いを込めた、日々を残して。
岡崎から遠く離れても
好きではなかったが、敬っていた。
数正と四天王、家臣団一人一人の関係性に胸が暖かくなりました。
ニマニマしちゃう〜。
色々な形で嫌ってライバル視して敬って。
仲間内だけ分かるスラングで盛り上がるのも含めて、
男社会が過ぎるよ徳川家臣団!(笑
鬱憤を、悲しみを、敬慕を、「あほたわけ」に込めて。
歓びも悲しみも
「秀吉に! …跪いても、良いか?」
聞いちゃうのが家康で、泣いて受け入れるのが徳川一家ですねぇ。
笑って泣いて、苦も楽も共にする主従。
どうする家康
新章、豊臣政権に入っての徳川。
見定める秀吉の野望と天下の形。
同胞となる真田家、七本槍、そして石田三成。
いやぁ、理想は似てるのに最高に気が合わなそうな三成でした(笑
前田利家はもう出てましたっけ?
様々で個性的な人物がどんどん登場してきてワクワクです。
次回、『欲望の怪物』
どうする家康。