時 自若 2022/11/14 08:00

今生のローダンセ 第19話 そんなんで満足しているんじゃねえよ、もっと呪い頑張れよ

「身代わりって言うけども、そんなに簡単じゃないよ」
隠居が相談された後の感想がそれである。
「キレる場合もある、これは実際に起きたことだけども」
「呪いを回避した嬉しいじゃないんですか?」
「そういうのはあんまり起きないね、今の話も特殊な例だとは思うけども、本当に様々なのさ」
生物的、本人由来の素材の身代りを作ったところ、そこに呪いは向かい、バリンという裂ける音と共に消えてしまったところ。
「そんなんで満足しているんじゃねえよ、もっと呪い頑張れよ」
と呪われていた女は叫びました。
「その呪いはかけた方が生きているとは言えない状態だったからね、長年苦しんでいたから、うちに来てあっさりと解決したら、なんかまあ、積年のそれこそ恨みだよね」
「そういった場合はどのような対処を」
「本人が修行するか、誰かに解いてもらうかなんだけども」
どういう違いが?
修行した場合は、大変だけども早く解けるよ。
誰かの場合は力量によって、お金かかるし。
「修行を選んでたけれどもね」
被害者というカテゴリーならば修行を請け負うところもある。
「一度なると、他のも拾いやすい、関わりやすいから、人と関わりが深い、見守ってくれている上位存在なんかは、そういうのを教えたり昔からするんだよね」
狐が多めだが、その術を知っているのならば、ケットシーやサメでも教えてくれるらしい。
「結構サメはオススメ、種族関係なく、仲良くなると縄張りのサメがみんなで動いてくれるから」
(そういえば隠居は、子供の頃誘拐されて)
その時に仲良くなっていたサメ達が話を聞いて、一斉に捜査を開始。
「むしろサメ止めるの大変だった」
そういうことがあり、すぐにサメを仕切る必要があるという話になり、部隊が結成されたと。
隠居、河川ザメの歴史にかなり食い込んでいるんじゃないだろうか。
生まれは東だが、家の儀式のために西によく行っていた。
その際にサメと仲良くなり、新種の海老をもらい、発見者になる。
海老には『カワイサリエビ』とついた。
そう、名前からわかる通り、今も浄水センターに長らく働いている、河川ザメのイサリ・Bがくれた海老のようだが。
「なんでCじゃないんだろ」
「紛らわしいわ」
っていわれるが。
「漁火から名前は来てて、河川ザメというのは個体差はあるが、夜でも見えるからね、それに元々は名前がないところを水族館にいって、公募で募集してもそう来なくて、今は異動になった元浄水センターの所長が、イサリって名前は出したんだよ」
名前がイサリBと定着するまでは結構なぞで。
「何しろお亡くなりになってて、高齢の方だっから、でもその方が戦時中の河川ザメ活用事業に関わっていた人でね、生まれてから人間とすぐ生活していた河川ザメ以外に日本語でコミュニケーション取らせる、この達人だったんだよね、はぁ~上手く行かないものだね、もっと早くに私が当時当主継いでたら、河川ザメをうちに呼べてたんだがな、寂しいな」
隠居は女遊びばかりしているイメージはあるが、本来は川遊びや飼育が好きな少年であった、当主になれそうになってからそれを実の母を中心にして、取り上げたから、代わりに女遊びになった。
女遊びに関しては当主になると、必用とされていたので、止めない、むしろ紹介されるといった具合。
「あんないいサメはそういないしね」
見る人が見たらわかるもんやと、イサリは言っていたが、サメ愛好家からは評判は高い。
今は隠居もしたことで、やっとサメを向かい入れれるかと思ったら、今回もそれが難しく。
代わりに無理難題の相談を受けて、頭を悩ませることで退屈を潰していた。

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