時 自若 2022/11/15 07:43

今生のローダンセ 第20話 それがご褒美?もちろんご褒美です。

予測のシステムというのは、魔法式もあれば、機械言語式というのもある。
大事なのはこれから何が起こりそうで、それを防げるかだ。
このままでは高確率で、異世界に常駐している高官の家族が狙われるとなったので、大幅なてこ入れが行われることになった。
(二回計算しても、高官の息子さんが亡くなるって計算が出るってどういうことだよ)
それではこの後遺恨を残す結果になる。
三回目の計算が始まる前に、襲撃が起きた。
対応できる人間を近くからかき集め、戦闘が始まってる。
「ああ、これは部外者入れないな」
「サッ」
「あっ、河川ザメだ、こんなところに一匹?」
「サッ」
「ごめんなさい言葉わからなくて」
そういいながらも、実家に連絡して。
「なんか河川ザメが一匹いたんだけども、どうすればいい?」
ここは異世界なのでいるのはおかしいのである。
「なんだい?河川ザメかい、私が話してみよう」
向こう側で隠居の声が聞こえた。
「河川ザメくん、こんにちは」
「サッ」
「ふんふん、君はサッシーっていうのか、サッシーくんは迷子?」
「サッ」
「友達と遊んで、帰ろうとしたら事件が始まってどうしようかって」
「サッ!」
そこで何か反応して、慌てる素振りを見せた。
「義娘ちゃん、悪いけどもサッシーくんを頼めるかな」
「えっ?いいですが」
「今ね、そっちで高官の襲撃事件が起きてて、サッシーくんが慌ててるのはね、どうもその高官さんの息子かな、サッシーくんが名前読んでいるの息子さんと同じ名前だから」
河川ザメは圧縮言語とも言われる形態なので、内容を理解するのは人間では難しいが、愛好家の愛はそれを越えるのである。
「待って、サッシー!」
サッシーと一緒に彼女は襲撃中のゲートモール、世界同士を繋ぐ場所にあるショッピングセンターに入っていった。
襲撃者はまだ高官を見つけられてないらしい、しかしサッシーは河川ザメの特性なのかほぼまっすぐ、友人のもとに向かっていってくれる。
「静かにたどり着いたら、その分みんな助かるよ」
そういうとサッシーは素直に従って、波紋を立てない泳ぎ方でもするように、スムーズに陸上を移動する。
途中館内のVTRに。
「ここは俺達が乗っ取らせてもらう、これは自由に対する戦いだ」
と犯人たちの姿と宣言があった。
(うわ、いい年してそんなことをいってるよ、サッシーくん、もう近くにいるのかい?)
(サッ)
「ちょっと待って」
義父に連絡。
「なんだい?」
「河川ザメって契約できましたよね」
「できるよ、ベーコンとか美味しいもの与えると魔王も殴るよ」
「サッシーさんと一時的に契約しようかと思ってて」
「わかった、限定のバターと希少価値の高いじゃがいもを用意しよう」
「サッシーさん、私たちからの契約です、お友達を全力で守ってください」
「サッ!」
任せろ、サメは光る、同意の光であった。その後は、一気に話は進む。
河川ザメは高官の息子さんと合流、実はこのとき彼は一人であった、高官夫妻は離れたところにいるらしい。
その高官の夫妻に合流してもらい、そのまま元の世界へ逃がす。
「向こうはどうも感情的な様子ですから、たっぷりバカにしてあげましょう」
彼女は姿を変えて、襲撃者を煽ることとなる、プロならば煽られないが、どうも襲撃者はプロではなかったらしい。
何故か煽った彼女を追いかけ、その間に高官の一家は逃げ切れた。


「お帰り、でも危険なことはしてほしくなかった」
帰宅後、彼は説明は聞かされていたが、顔を見るまで安心できず、玄関でずっとウロウロ待っていたらしい。
「銃を向けられるとやっぱり怖いものだね」
「そんなことしないで、家で俺の乳首を弄ってればいいんだよ」

ペロッ
忠犬にはご褒美をあげなくてはいけない。
「オゥ」
「ワンちゃんは、そんな声出さないわよ」
これがご褒美?もちろんご褒美です。

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