時 自若 2022/11/17 21:16

今生のローダンセ第24話ここに変態がいるわね

知識の共有という名目で、無料もしくは比較的安い授業料で受けれる講習というのがあるのだが、これら本来は魔法使いなどの世界に初めて踏みいったものたちを対象にしていた。
「はーい先生、今日はお願いします」
しかし、そうではない使い方もあった。
必ず記録係というのが同席となり、係がまとめた資料は有料で手にいれることができる。
「それを利用して身罷などの家とかでは、先生をそのために務めて、家用の資料にしているんだよね」
理由は資料を作る時間が惜しいからである。
「元々は面倒、こんなことやりたくないっていう一人が、確認とって、許可取ったんだよ」
これが便利なので、身罷では誰もがこの手を使って、資料を作成している。
「記録係も有料指名できるんで、専門的なや難しいものだったら、慣れている人の方がいいぞ」
ここで失敗した例としては、授業内容だけでは成立してない中身になってしまったものなどがある。
「あのときは…義兄弟姉妹に助けてもらった」
わかりやすくかるまで何回も直すことになったので。
「詰めすぎない、大事!」
を心に決めたものもいるそうだ。
また教えるのが上手なものだと…
「はい、今日は実習込みだよ。A液とB液と色見本が三つあるか確認したら、さっそく始めるよ」
A液を加熱します。
真っ白に変わったら色見本1になるまで弱火。
上手く変わったら、そのまま色見本2と同じになるまで加熱してから、B液を入れる。
「色見本3と同じくなりましたか?じゃあ、沸騰させてください、そしたら完成です、お疲れ様でした」
ちなみにこの教え方しているのは彼女である。
「最初に説明するのも大事なんだけども、ここまで簡単にするのも大事なことだと思うんだよ」
昔の彼女の授業だと、話が長い、そうはいっても真似できないなどと言われたそうだ。
「そっから直していったんですよね」
自分でも出来たというのを大事にしたい。
ちなみにこれは御神酒を使ったポーションの代用品の作り方である。
「授業は担当の先生の自由なので、この講座は道楽授業とも言われているんだけどもね」
しかし、結構何やってもいいになると、授業としては成立しなくてもとんでもない人が先生になる場合がある。
「授業にも参加したかったんだがな」
彼が迎えに来た。
「今回は時間が合わなかった」
残念。
その時ふと今度のスケジュールの貼り出しを見たら、彼は止まった。
「ケンサキ先生…?」
「あら?知っているの?」
「烏賊縄流捕縛術のケンサキ先生という方で…」
「捕縛って、あの」
彼は捕縛術を仕事柄かなり洗練した技術を持ち、昔将来を見込まれて、女の縛りかたなども教えてもらったぐらいなのだが。
「ケンサキ先生は昔から高名な方で、こんなところでお名前をお見受けするとは…」
「参加するの?」
「したいな、どのような話になるのかわからないし、すまん、この日は午前中講座に参加したいからデートは午後からにしよう」
「デートはそこまで重要視しなくてもいいわよ」
「えっ?やだ、映画見る」
そのまま申し込みに行くと。
「道場の方にケンサキ先生おられるから、参加するなら挨拶してきたらいいんじゃないか」
「いいんですか?あっ」
「いいから、私は食堂の方でなんか食べてたりするから、ゆっくりしてきなよ」
「すまん、終わったら一緒に帰ろうな」
挨拶に行くと、せっかく来たことだしとお話しさせていただくことになり、講習も参加したいが急には休めないなどで、参加者も彼のマンツーマンになりそうだという話だった。
「絶対いかなければならない」
「えっ、それでなんでその、手に持っている縄は」
「彼女を待たせていますと言ったら、先生がピンと来たらしくてな、一層仲良くなる体の縛りかたのコツなどを教えてもらいました」
「そ、それを私にやるの?」
「いや、まずは俺からだ」
脱ぎながら言った。
「あら、嫌だわ」
彼女の声が冷酷なものに変わっていく。
「ここに変態さんがいるわね」
「罰してください、罰してください」
「ダーメ」
「うっ」
「もう少し誘いかた上手くなってね」
「はい、お姉さま」
そんな感じで始まったが、夜更けには両者とも快楽に溺れていた。

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