時 自若 2022/12/05 08:53

今生のローダンセ 第32話 その絞め技、お仕置き、好き!

「うちの流派で、あるじゃないですか、気になる子に基礎を少しばかり教えて、それを大事に育ててくれたら、結婚するべきだって」
「あったな」
「それってどのぐらいの割合でやってくれたりするもんなんですか?」
「これはずっと昔の教えだから、さすがに現代では…」
「もしも今、それをやってくれたら?」
「迷わず結婚してもいいと思う」


「というわけなんだよ、だから教えを守って素振りとかしているということはだ…」
「私は誰にも言いませんから」
「そういうことではなく、問題です、ヒント、結婚してほしい」
「なんで昔からぐいぐい来るんですか?」
「惚れているからしょうがないだろう」
「そんなんで結婚相手決めない方がいいですよ、気の迷いかもしれませんし」
「ずっと迷ったままでいいんじゃないかな?」
「こらこら」
「逆にさ、君はさ、結婚ってどう考えているんですか?」
「ないなって」
「ない?」
「しなくてもいいやって」
「そんなことないでしょ」
「いや~人間関係による生活苦とか味わっちゃうと、何故に苦行をせねばならないのか、どうせ苦行をするのならば、魔法の一つ覚えた方がいいんじゃない?」
浄化方面は最近の流行、感染症対策もあるらしい。
「どうしたら責任をとってもらえるの!」
「取りませんよ」
「ああああああ」
その時の冷たい感じ、よい。
「プロフェッショナルな意識をもって、毎日搾り取って!」
「何をだよ、何を!」
「そりゃあもう俺のミルクを」
ギリギリギリ
「あああああ、その絞め技、お仕置き、好き!」
「あなたこのぐらいならはずせるでしょ」
「はずせますけども!でもそっちだって、もっとキツくもできるでしょうに、あれだ、そんな甘噛みみたいなところがたまんないんだわ」
「もうしないわ」
「えっ、それは困る、毎日君がいると楽しいから」
「私は…」
「楽しくなんかない?」
「いや、それはないよ、それは、なんか壊れちゃったら、心まで砕けそうなぐらいは、何もなくて順調だよ」
「本当にお前に苦労させた奴、みんな滅ぼしてやりたい」
「あいつらは不幸になることを願っているし、そもそもそこまで気にかけてない」
「それもどうかとは思うし、なんであれ、切っちゃいけないの?」
「斬れるものなら、お金貯めて何とかしてるよ」

あなたのそれ、お金で換算できないわ。

「言われたのか?」
「まあ、一般側にいる魔法使いだから、面倒くさいからの断り文句だったんだとは思うけどもね」
「すまない」
「なんで謝るのさ」
「一般人を守ることも大事にされるからな」
「でも今は、だいたい困ったものは封じ込めたわけだし」
「あの手で封じ込められるものなんだな」
「そうみたいだね、ただそのために定期的に用意しなきゃならないものがあるから…ぐらいか、それでもかなり運がいい方なんだろうね」
「お前としてはどう見る?」
「どうね…難しいものだね」
「何をもって難しいとする」
「あの契約が曖昧すぎるから、そのうち義実家に私が亡くなった後も頼まなきゃならないだろうし」
「そこは今、考えることなのか?」
「相手は人ではないからな、仲介はしてもらってはいるけども、その内容が転じるまでは…」
「忙しいな」
「そうだね」
「一度どのようにすればいいのか、考えた方がいいのではないか、と思う」
「まあね、今すぐにとはいかないけども」
「自分の将来と幸せを犠牲にだけはしないでくれ」
「わかった。…?」
返事をしてから、なんでこの人はこういう話をしているんだとなる。
「心配なんだよ」
「ああそういうこと」
「言葉だけの人間だと思わないでくれ、そこまど俺は頼りなくはないよ」

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