おかず味噌 2020/03/10 18:36

ちょっとイケないこと… 第六話「性器と非正規」

(第五話はこちらから)
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 電灯から垂れ下がった紐に手を伸ばしたものの、中腰のままではギリギリ届かず。彼は仕方なく立ち上がってから、カチカチと電気を消した。

 部屋の中が暗くなった(常夜灯は点いたままなので完全な暗闇ではない)ことで、肌を晒す恥辱が軽減される。薄明りはさらに、敬虔な未経験である私の体に火を灯し情欲を丸裸にするのだった。

 彼はシャツを脱ぎ、ベルトを外す。ズボンを脱ぎ、下着姿(トランクス派)になる。これまで頑なに服を脱がずにいた彼もまた、ようやくここで「パンツ一丁」になる。それによって、彼のある部分のある変化が見て取れるようになる。

 彼は、勃起していた。

 トランクス越しでもはっきりと分かる。股間の一部だけがくっきりと持ち上がり、陰茎の陰影が強調されている。下着の中で窮屈そうにしながらも主張を露わにして、彼の男性としての象徴を表わしている。

――男の人のって、こんなに大きいんだ…。

 それが私の率直な感想だった。女体には存在しない物体は、少しばかりの恐怖心とある種の好奇心のようなものを私に植え付けた。

 彼が電気を消した時のように、私もまた彼のそこに手を伸ばす。立ち上がらずとも座ったままで手が届く。あくまでも布越しに、彼のペニスに触れる。


「うっ…!」

 私の掴み方が強すぎたせいか、あるいは握られることで微かな快感を覚えたのか、彼はわずかに腰を引く。私はとっさに手を離した。

「ごめんなさい、つい…」

 言い訳のような、己の欲情を告白するような言葉を吐く。

「いや、ごめん。ちょっとびっくりしただけだから…」

 彼もまた弁解する。ただ驚いただけなのだ、と。これまでずっと受け身だった私がいきなり大胆な攻めに出たのだから無理もない。私は自戒する。

――あまり女子の方から積極的だと、男性に引かれる。

 主に伝聞情報のみによって構成された私の教科書に改めてアンダーラインを引く。だけど今ばかりは「書を捨てて、町に出たい」という気分だった。

 私は再び、彼の股間に手を伸ばした。今度はゆっくりと両手でペニスを包み込む。硬いような柔らかいような、他にない奇妙な感触をしたそれは。一枚の布を隔てても伝わってくるくらいに確かな熱を帯びていて、微かに脈打っているかのような感覚(それもあるいは伝聞情報による錯覚なのかもしれない)があった。

 掴んだり、囲んだり、揉んだり、握ったりしながら、私は己の知的好奇心を弄ぶ。布越しの感触をしばらく堪能したのち。ようやく慣れてきた私は、彼のトランクスをいよいよ脱がしに掛かる。


「ポロン!」と間抜けな動きで棒が上下に揺さぶられる。振動が収まるのを待って、彼のペニスを凝視する。

 想像していた以上にグロテスクな物体が眼前に晒される。醜悪な造形をしながらもどこか凶悪さを秘めたようなその物体は、私に少しの戸惑いを感じさせた。

――これが、「おちんちん」なんだ…!!

 女性器とは明らかに違う。比較にならないくらい、かなり大きく異なっている。(そもそも私は自分のアソコを、まじまじと観察したことなどないのだけれど…)

 恐怖心と好奇心とが葛藤する。その感覚はまさしくスリルとも呼べるものだった。ゆえに勝敗はすでに決していた。今度は布越しではなく直接、彼のペニスを握る。

 肌と肌が触れ合う感触。いやそれ以上の感慨がもたらされる。自分の秘部に触れ、触れられた時と同じような快感が私の脳を駆け巡る。

 そこから先はまさしく教科書通りに、男性が喜ぶであろう行為をそのまま演じる。彼のペニスを優しく包み込み、最初は小刻みに、次第に激しく前後に動かす。

 こういう時、片手か両手なのかは教科書に書いてなかったので。刀を握るみたいに私は両手で触れることにした。そのほうが一生懸命さと健気さが伝わるだろうという僅かな打算もあった。一、二分それを続けた後(時間も教科書に載ってなかった)、次なる局面へと打って出る。


 彼の股間に顔面を近づける。異形の物体が眼前に迫ってくる。だけどもはや恐怖は感じなかった。高まる興奮により緩和され、完全に麻痺していた。意思の赴くまま、私はそれを「パクッ!」と口に咥えた。

 口内が満たされる感触。食べ物ではないモノによって、口の中を支配される感覚。彼は微かに快感の声を上げたものの、私にそれを聞く余裕はなかった。

 苦いと聞いたことがある(それも伝聞情報によるものだ)それは意外にも無味で、匂いもほぼ無臭であった。ペニスを口に含んだまま、私は上下運動を開始する。

――チュポ、チュポ…。

 未だかつて経験したことのないその動きに、自分でも確実にぎこちなさを感じる。彼が気持ちいいと思ってくれているのか、下手と内心で笑われているんじゃないかと不安になる。

「気持ちいい、ですか…?」

 口を離してから彼に訊ねる。下から見上げることで、必然的に上目遣いになる。

「めっちゃ気持ちいいよ」

 彼は言ってくれた。それにより私は自らの行為を肯定されたような気分になって、ますます献身的に彼に「ご奉仕」するのだった。


――じゅぼ、じゅぼ…。

 私の唾液と彼の分泌液が混じり合い、いやらしい音を立てる。それと共にようやく苦みのような味を覚え始める。

「もう、大丈夫だよ」

 彼は呟いた。「大丈夫」というのは、果たしてどういう意味だろう?
 挿入する準備が整った、という意思表示なのだろうか。もう射精してしまいそう、という危機表明なのだろうか。あるいは私のクチに満足がいかず、半ば呆れたゆえの固辞なのかもしれない。

 真意不明のまま彼はペニスを口から抜き取り、そのまま私をベッドに押し倒す。

「結衣」

 彼は私の名前を呼んで、私の体を抱き締める。痛いくらいに強く、逞しさを感じる紛れもない男性の力だった。今夜何度目かの自己肯定感に私は満たされる。このままずっと朝まで彼の腕に抱かれていたいような、そんな気持ちになる。

 彼は私に「キス」をする。最初はフレンチに、その後ディープに舌を絡めてくる。舌戦を繰り広げるが如く彼の舌尖を追いかけ、私は実践でもってそれに応える。

 私はふと、彼が自分のペニスを咥えた口とキスするのは嫌じゃないのかと思った。だけどそれを言うなら、彼だってさっきまで私のアナルに「口づけ」していたのだ。もはやお互い様だろう。

 彼の手が私の胸に伸びる。服越しに「おっぱい」を激しく揉まれる。半分は快感ともう半分は演技で私は息を荒げ、微かな喘ぎ声を上げる。

 私の反応によって彼はさらに興奮を覚えたらしく、まどろっこしさを含んだ動作で私の服を脱がしに掛かる。ここでついに私の胸を隠すものはブラジャーのみとなる。残された防御はもはや数少ない。なんとかそれを死守しなければ…。


 だが彼は無慈悲にも、そんな私の最後の防衛線さえも突破しようと試みる。思えば当然の展開であり。それを拒むこと自体、他の女子には理解し難いことなのだろう。

 私はすでに下半身を露わにしているのだ。今さら善戦なんてあったものではなく、どこが前線なのかも分かったものじゃない。

 必死になりブラジャーを押さえ付ける。下着を剥ぎ取られることを全力で抑える。彼は当然のように戸惑いの表情を浮かべる。この期に及んで今さらどうしたのかと、怪訝そうな顔をする。そんな彼の疑問に答えるように私は言った。

「私、胸が『ヘン』なので…」

 羞恥を堪えながらも精一杯の勇気を振り絞ったつもりだった。だけど、それだけで彼に伝わるはずもなかった。

「小さい、ってこと?」

 彼は訊いてくる。まさに男性の発想。「胸が小さい=恥ずかしい」と思っている。私は今夜初めて、彼に幻滅した。雑誌か何かで見知ったのであろう情報に踊らされ、それを信じ込んでいる彼が哀れにさえ思えた。

 私の悩みはそんなステレオタイプのものじゃない。あるいはそれが原因で初体験が遠ざかってしまうくらい深刻なものなのだ。(それに私の胸はそんなに小さくない)


 胸に秘めたる事情を、私自ら告白することも考えた。だけど、そうはしなかった。「百聞は一見に如かず」。口で言うより実際に見てもらった方が話は早いだろうし、ここまで来たら露見は時間の問題にも思えたからだ。

 背中に手を回して、ブラジャーのホックを外す。後は胸に乗っかっただけのそれを勇気に後押しされながら、自棄に引っ張られながらも取り去る。

 ついに自分の胸を、おっぱいを、乳首を、生まれて初めて男性の前に晒す。

 恥辱にまみれた『陥没乳首』を――。

 私の秘密を知って、彼は驚いた様子だった。あるいはそれも単なる私の勘繰りで、実は驚いてなどいなかったのかもしれない。それとも薄暗い室内で一瞥しただけでは私の瑕疵に気づけなかっただけだろうか。彼はキョトンとし、ほぼ無反応だった。

 暫しの沈黙が、私の焦燥を掻き立てる。己の抱えた事情を正直に白状することで、いっそ楽になりたいという衝動に駆られる。

「私、『陥没乳首』なんです!」

 ついに私は言ってしまう。何度かネットで解消法を調べたことはあったものの、「OKグーグル『陥没乳首』を検索して」などと言えるはずもなく、言いたくもなく。自分の口からそのワードが飛び出したことに、私自身が驚きを隠せないでいた。


 これでまた、初体験が遠ざかってしまうかもしれない。『放屁』の時と同じ恐怖に私は怯えながらも、だがそれに対する彼の反応はまさかのものだった。

――チュパ、チュパ…。

 彼はおもむろに私の乳首を舐め始めたのだ。醜く惨めな『陥没乳首』に吸い付き、あろうことかそれを吸い出し始めたのだ。

 本来なじられるべきである私の瑕疵を、彼の意思により舌で舐め回されることで。再び想定外の羞恥を感じつつも、負の感情が瞬く間に絶対値へと変換されてゆく。

 引っ込み思案な私の部分が突起に変化する。それは勃起の様子にも酷似していた。私の乳首が隆起している。外気に晒され、彼の舌技に犯されることで奮起している。

「全然、『ヘン』なんかじゃないよ」

 彼は言ってくれる。秘密の恥部を普通の一部へと昇華させつつ、隠し続けた問題を何でもないことだと認めてくれる。

 私はアソコが熱くなるのを感じた。愛液が溢れて、そこが拡がるのが感じられた。

――彼になら、抱かれてもいい。

 あくまで処女喪失の手段として。自らを納得させていた感情が今や確信に変わり、やがて目的へとすり替えられていった。


「もう、挿入れてください…」

 はっきりと己の口で懇願する。アンダーラインを引くことで強調された文言など、もはや関係なかった。私は自分の中の教科書を捨て去る。知識ではなく経験として「はじめの一歩」を踏み出すことが叶う。

 再び、彼は私を四つん這いにさせた。最初は向かい合う体勢でして欲しかったが、彼がそちらの体位を望むのなら仕方がない。どちらにせよ挿入自体に変わりはなく、姦通であることに違いはないのだ。

 彼は私の腰に手を添え、挿入の位置を整える。彼のペニスがお尻の肉をかき分け、割れ目をまさぐり、やがて「穴」の場所を探り当てる。そして…。

――!!!???

 突如激しい痛みに襲われる。初めての行為は苦痛を伴う、分かっていたことだが。その痛みは私の想定とは異なり、私がかつて経験したことのある種類のものだった。

 幼い頃に高熱を出して座薬を入れられた感触。だが座薬とは比べ物にならないほど太いそれ。それが出て行く感覚を私は知っている。


『排泄行為』

 生物として当たり前の生理的欲求でありながら、老廃物排出作用。生命維持のため必要だからこそ快楽を感じるその行為は、だがとても他人に見せられる姿ではない。

 そして。本来不可逆であるべきそれが、可逆として存在しているという不可思議。まるで時間の巻き戻しのように、排泄した『うんち』を再び腸内へと戻される感覚。確かな異物感を覚えつつも、それが不確かな快感を呼び起こす違和感。

 私は「アナル」に挿入されていた。

 その行為が、多くの女子が経験することのない性体験であることは明らかだった。一度は捨て去ったはずの教科書を私は拾い上げる。ほとんど空白のままのページ。

――そもそも、すんなりと入るものなの…?

 お尻でするのは準備がいる、と聞いたことがある。きちんとほぐしてからでないと痛みでとても入らないし、ペニスに余計な付着物を付けてしまう可能性だってある。

 にも関わらず。彼は何の準備も遠慮もなく、私のアナルに突入を試みたのだった。スキンと俗称されるコンドームさえ用いずに、生の状態で腸内に挿入したのだった。

――そんなに私のお尻の穴って、ユルいのかな…?

 彼の侵入をあっさりと許してしまったことにより、私は己の肛門に疑問を覚える。同時に、これまで過ごしてきた「ヒトリノ夜」が今まさに「白日」の下に晒される。


 差し迫る焦燥を静め、性的衝動を鎮めるため、私は幾度となく自慰行為に耽った。時には性器のみならず、非正規の穴さえも己の指で侵すことで。知らず知らずの内にショーツに『ウンスジ』が刻まれりして初めて、犯した罪を知るのだった。

――もしかしたら、さっき彼に舐められていた時…。

 私はお尻の穴に『うんち』を付けていたかもしれない。いや、そんなはずはない。何しろ、今日はまだ一度も『大』の方をしていないのだから。だけど、わからない。私のアナルが彼のペニスを楽々と飲み込んでしまうくらいに緩々だったとしたなら、不可逆のそれが勝手に漏れ出していた可能性だってある。

 彼が舐め続けていたことで、逆説的にそんな心配はないのだろうと安心していた。だけど今となってはそれもわからない。彼に『うんちまみれ』のアナルを舐めさせ、彼の舌に『ウンカス』を舐め取らせていたのかもしれないのだ。

 堪らない羞恥に私は襲われる。けれど、まさか彼に訊ねるわけにもいかなかった。「私のお尻、『うんち』付いてませんでしたか?」なんて訊けるはずもなかった。

 無言の疑問に答えることなく、彼はやがて前後運動を開始する。最初は慎重に、徐々に加速されていく律動とそれに伴う振動。

 ペニスを抜かれる時は排泄感が、入れられる時は奇妙な遡行感がもたらせられる。既知と未知。押し寄せる波状攻撃に溺れてしまいそうになりながらも乗り越えつつ、私はかろうじて彼に抗議する。


「そっち、じゃないです…!!」

 講義に依らない私の中の教科書によると。「童貞さんは初めての性行為に及ぶ際、ペニスを挿入する穴の選択をしばしば誤る」らしい。

 だけど彼はまさか「童貞さん」ではないだろうし、後背位で間違えるはずもない。その選択が彼の私的な興味によるものならば、私の指摘は無意味なのだった。

 それに。挿入前ならまだしも、すでに私は腸内の奥深くまで侵入された後なのだ。それが正しいのだと言われれば、受け入れる他ないだろう。

――違う、違う!そうじゃ、そうじゃない!!

 お尻の穴でセックスなんて間違っている。そこは性行為に使う穴なんかじゃない。私は処女なのだ。ヴァギナの姦通を済ませる前に、アナルの貫通を終えるだなんて、どう考えても普通ではない。いかにビッチといえど、そんな経験はないはずだ。

 だとしたら、私は彼女たちに対して優位性を得ることができるのだろうか?
「初体験は『お尻』で済ませました!」と堂々と胸を張って、他の者にはない経験を自慢することができるのだろうか。いやそんなの望んでない。私はあくまで一般的な同年代の女子たちに追い付きたいだけなのだ。追い越すことなんて求めていない。


「こっちです!こっちに、挿入れてください…!!」

 私は彼を誘導する。指でヴァギナを拡げて「こちらですよ!」と先導する。

 私のアソコは熱く湿り、ダラダラと涎を垂らしている。とっくに準備万端なのだ。彼を受け入れる用意はできている。今か今かと待ち侘び、待ち惚けを喰らっている。これじゃ私のそこがあまりにも可哀想だ。

――パン、パン、パン…!!!

 けれど彼のピストンは止まらない。激しい突きによって、体全体を揺さぶられる。こうなったらもういっそ、最後の手段とばかりに私は叫ぶ。

「そっちじゃないんです!『オマンコ』に入れてください…!!」

 口から出た下品な言葉も、背に腹は代えられない。このままだと、本当にもう…。


「もう、出そう…!」

 彼は宣告する。セックスのクライマックス、これも何度か自習でやったところだ。だけどやっぱり範囲外、こんなの習っていない。ここで女子なら自分の身を守るため「外に出して!」と言うべきところだが、こちらの穴なら妊娠の心配はないだろう。

「中に出してください!大丈夫だから」

 何が「大丈夫」というのか。さも避妊の準備は出来ているかのように私は言う。

「私も、イっちゃいそうです!」

 私は宣言した。自分の口でそう言ったことで、私の体は増々誤解を強めたらしい。射精を受け止める準備が整ったのだと、疑似的な受精が喜びとなって押し寄せる。

「お尻の穴で、イっちゃいます!」

 私は宣誓した。誰に向けたものかも分からない実況をして、己の羞恥を周知する。そして…。


――ドピュ!ドクン、ドクン…。

 彼は私のお尻の穴に射精した。腸内に彼の精液が迸る。『浣腸液』のような、だがそれより熱い液体が私の中に注ぎ込まれる。同時に私も発射した。

――ジョロ、ジョボボ~!!!

 それは射精なんかじゃない。潮吹きとも違う。私は絶頂により『失禁』していた。さっきあれほど出したのに、私の『放尿』は尚も勢いをもって水流を迸らせた。

——私、また『おもらし』しちゃってる!!今度は、○○さんのベッドの上で…。

 私の『おしっこ』はシーツに染み込み、巨大な水溜まりを形成した。


――ヌポッ…!!

 そこでようやく私の願いが聞き届けられたように、彼はペニスを引き抜く。

――ブピッ!プスゥ~。

 ぽっかりと空いた穴から『おなら』が漏れ出す。あまりに間抜けで間延びした音。

 私はそのままベッドにうつ伏せで倒れ込む。脚を開いたまま、お尻を突き出して、『小便』の上にダイブする。全身がピクピクと痙攣して、事後の余韻を感じている。傍から見ると「カエル」みたいだろう。

「スカンク女子」、「カエル女子」。次々と姿を変える、だがその実態は?
 未だ処女を捨てきれず、大人になれなかった「ヒヨコ女子」の成れの果てだ。

――ドロ…。

 肛門から精液が逆流する。むしろ、そちらこそが順流なのかもしれない。

――おひりのあにゃ、きもひいい…!!

 非正規の穴による性行為に。未知なる快楽の坩堝に飲み込まれそうになりつつも、またしても「お預け」にされた哀れな肉壺を私はいつまでも弄り続けていた。


――続く――

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