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お漏らしの記事 (33)

おかず味噌 2020/11/05 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十七話「私の視点 ~因果と応報~(6)」

(第二十六話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/384264


「デート」が「再開」される――。

「街」には様々な「人」が行き交う。「奇抜」な「ファッション」に身を包み、「大声」で自らの存在を「誇示」して歩く「若者」。どこか「忙しない」様子で、「足早」に駆けて行く「会社員」。「行先」も「目的」も色々で、だが唯一「共通」しているのは――、彼らは皆「日常」の中に身を置いている、ということだ。
「街の色」は「雑多」に混じり合いながらも、そうして描き出される「風景」は「異端」なものでは決してなく、そこに「非日常」などありはしない。あるいはそれが「日常」とすぐ「隣り合わせ」に存在するものだとしても――。
「街の音」は騒がしく、けれどあくまで「平穏」に流れてゆく「営み」の中で――。
 今まさに「不穏」であるのは、私の「ショーツの中」だけだった。

 私は――、「アソコ」に「ローター」を入れたまま歩いている。
 すでに「余韻」は止み、その「感触」にも少しばかり「慣れつつ」あったがそれでも。一度、再び「意識」し始めたなら――、その「感覚」は確実に私を「蝕む」のであった。

「解放」を待ち侘び、もはや「限界」にまで高められた「尿意」は――、近づく「決壊」の「足音」を報せながらも、逆説的に私がまだ「お漏らし」をしていないという「無実」を示していた。
 とはいえ私の「ショーツ内」はというと――、やはり「無事」では済まされなかった。すでに私は「びしょ濡れ」だった。「愛液」なのか「おしっこ」なのか「判然」としないながらも、その「液体」は確実に「ショーツ」を「湿らせて」いた。
 いや、間違いなく少し「チビって」いるだろう。

――私の「おしっこ」の「匂い」、「嗅がれ」たりしてないかな…?

 本来であれば「トイレ」でこそ、「便器」にこそ「解き放つ」べきものを――、紛れもないその「匂い」を――、「携えて歩く」という「羞恥」。あるいは多少の「拭き残し」があったとしても、今の私ほど「あからさま」なものではないだろう。その「匂い」が「周囲」の人々に「周知」されてはいまいかと、私は気が気でなかった。
 彼らにとって知る由もない「秘密」を抱えたまま、それを「内側」に「秘めた」まま、私は歩き続ける。そして再び、彼によって「スイッチ」が入れられるのだった――。

 彼の「タイミング」はまさしく「絶妙」だった。
「歩道橋」の「階段」を上るとき、「信号待ち」で立ち止まり、再び歩き出した「瞬間」など。私が「油断」した途端に「スイッチ」は入れられる――。

――ブゥゥゥン!!!

「単調」であるはずの「振動」に、けれど私が「慣れる」ことはない。それが「不意に」与えられるものであれば、尚更だった。
「突如」として訪れた「刺激」に、思わず私は「立ち竦んで」しまう。「宣告」はすでにされており、だからこそ少なくとも「身構える」ことくらいは出来たはずなのだが――。
 それでも。私の最も「弱い部分」にもたらせられるその「反応」には、どうしたって「無抵抗」にならざるを得なかった。

「路上」の「真ん中」で留まった私を――、「事情」を知らない人々は「迷惑」そうに、あるいは「邪魔」そうに、「怪訝」そうな顔をして「追い越して」ゆく――。
 かろうじて手で「股間」を押さえることは控えたが――、だから余計に「音」は少しも「抑えられる」ことなく、私の「体」を伝わって「胎動」を耳に届けるのだった。

――「ローター」の「音」、「聴かれ」たりしてないかな…?

 そんな私の「不安」をよそに――、彼はあくまで「数歩前」を歩きつつも度々こちらを「振り返り」、堪える私を遠目に「眺めて」は「満足気」な笑みを浮かべるのだった。
 そして。ついに、「幾度目」かの「振動」の時――。

――あ、だめ…。出ちゃう!!

――ショロロロ…。

「ショーツの中」に「水流」が生み出される。「滝」のように「激しい」ものではなく、「小川」のように「か細い」ものではあったけれど。その「一筋」は確実に「ショーツ」を「濡らし」、「一滴」「一滴」と「クロッチ部分」に「染み込んで」ゆく――。

――バレちゃう…!!

 今はまだ、かろうじて「内側」だけで留まっているけれど。あるいはこのまま「刺激」を与え続けられたのなら――、私はやがて「全て」を解き放ってしまうだろう。
 そうなれば「街の人々」に、私の「お漏らし」を知られてしまう――。

 次第に「アソコ」の「感覚」が無くなってくる――。もはやそれが「快感」なのかさえ分からなかった。必死に「括約筋」を締めようとするが、それすらも巧く「機能」せず、「完全」な「決壊」に至るのは――、あるいは「時間の問題」だった。

 立ち止まり「俯く」私を――、また一人、「自転車」が追い抜いてゆく。「ヤドカリ」のように「大きなバッグ」を抱える者は――、最近街でよく見かける「配達員」だった。
 彼らはどこかの「店」で「食事」を受け取り、それをどこかの「客」の元へと届ける。私はふと、その「バッグ」の「中身」が気になってしまう。彼らの中には「安全運転」とは到底呼べない、「運転」の「荒い」者もいる。(もちろん「全員」がそうではないが)あるいは「中身」が「こぼれたり」しないのだろうか。そもそも、あの「バッグ」はどのような「構造」になっているのだろう、と――。

 そんなこと「考えた」ところで、私にとってはおよそ「無関係」であるし。今の私にはもっと他に「心配」すべきことがあるのだが――、それでも。人間「追い詰められた」時というのは、かえって「余計な事」ばかりを考えてしまうものなのだ。

 訊くところによると――、彼らは皆「雇用」されているのではなく、あくまで一人一人が「個人事業主」という扱いらしい。(その「仕組み」について「給料」ないし「報酬」について、詳しい事までは分からないが)
 まさに「新現代人」とでも呼ぶべき、新たな「働き方」を「体現」する彼らであるが。その「仕事内容」については何ら「最新」のものではなく、「遥か昔」から存在するものである。そして、あるいはその「バッグ」の「起源」は「岡持ち」へと遡る――。
 古い「ドラマ」なんかで見かける、いわゆる「中華屋さん」の「あれ」だ。そして、さらに「もっと昔」――、「岡持ち」が発明される前の「時代」は――。
 いつか「写真」で見たことがある。「蕎麦屋さん」だろうか、「うず高く」積まれた「セイロ」を片手で支えながら、器用に「自転車」に乗る姿。これぞまさに「危険運転」に違いないだろう。

 その「様子」を「写真越し」に眺めて、「私だったら、絶対こぼしてしまう」と思ったことを覚えている。いくら「手元」に「集中」していたとしても、「天辺付近」に至っては「意識」が及ばず、まさしく「アウト・オブ・コントロール」なのだ。
 少しでも「傾こう」ものならば決して「修正」は効かず、ゆっくりと確実に「崩壊」を始めてしまう――。あるいはそれは、今の私の「状況」と「酷似」していた。

「限界」まで高められた「尿意」に――、「極限」に積もり積もった「欲求」に――、「満タン」ほどに溜め込まれた「おしっこ」に――、もはや私の「支配」は及ばず、完全に「コントロール」を脱していた。

 やがて――。「天秤」が「振れ」出す。「釣り合った」ような「一瞬」の「静寂」の後。もうそれ以上「傾け」ば「立て直し」が利かず、「取り返し」が付かなくなるところまで――、あるいは最後の「防衛線」すらもあえなく「突破」してしまう。

 いよいよ、「秒読み」が始まる。「決壊」への「カウントダウン」。だがもはや今の私には「0」の瞬間まで「耐えられるか」すら危うかった。相変わらず「スイッチ」は入れられたままで、「振動」が止むことはなかった。ここまで来れば――、彼は「最後」までそれを「切る」つもりはないのだろう。

 私は「想像」する、その「瞬間」のことを。「お漏らし」の「結末」を「予感」する。

――今の若者は皆「スマホ」くらい持っているだろう。
――だから、私の「お漏らしの様子」を「写真」に収めるかもしれない。
――「SNS」だってやっているだろう。(ちなみに私は「アカウント」を持っていない)
――だから、私の「失禁画像」が「ネット」に「アップ」されてしまうかもしれない。

――私の「羞恥の姿」が瞬く間に「拡散」されてしまう…!!

 限りなく広大な「ネットの海」に、一度「解き放たれて」しまったなら――、それこそまさに「取り返し」が付かなくなる。
「覆水盆に返らず」。と、その「諺」はいかにも「お漏らし」を「比喩」したもののようであるが――、あるいは「行為」によって生み出される「水流」が「不可逆」であるように、「拡散」された「情報」というものもまた「元通り」とはならないのである。
 しかも、「ショーツ」を濡らした「おしっこ」は「洗う」か「穿き替える」かすれば「無くなる」のに対して。それはいつまでも「残り続ける」ことになる――。
 たとえ誰もがその「事実」を忘れ、いくら「忘却の彼方」に「消えた」ように思えたとしても――、あくまで「人知れず」「混沌の海」を「彷徨い続ける」ことになる。
 そして、やがて私自身さえも「忘れた」頃になって――、「突如」としてそれは眼前に「浮上」して来るのだ。消したくとも決して消せない「過去」の「過ち」として――。

 私は自らに問い掛ける。本当に良いのか、と。
 ここで「お漏らし」をしてしまって、それを「他人」に見られてしまって、結果としてその姿を「記録」されることになったとして――、それで本当に「構わない」のか、と。果たして「後悔」はないのか、と。
「外でのお漏らし」。それを「発案」し「計画」し、あろうことか「実行」に移そうとしているのは――、他ならぬ「私自身」だった。「人」として、「大人」として、「女性」として、あるまじきその「行為」を――、「衆人環視」に晒されることによる「羞恥」。あくまで「冷静」に考えれば、「損」しかないその「負の感情」であるが――。 
 だがそれでも。それを「○す」ことでしか得られない「快感」が、僅かでも「背徳」を「上回る」と思えたからこそ、私は「勇気」を持つことが出来たのだ。それなのに――。

 いざ、「実際」にそれを「してしまう」に至って――。どうしたって、「最後の一歩」を踏み出す「決意」というものが持てなかった。
 いや、それを「する」こと自体は何ら難しいものではなかった。ただほんのちょっと「きっかけ」を与えてやるだけでいい。わずかに「括約筋」を「緩める」事、それだけ。後は「自然」に、もはや私の「意思」とは無関係に「溢れ出す」ことだろう。あるいは、このまま「我慢」を続けるよりもずっと「楽」なことなのかもしれない。

 というよりも。すでに私には「迷う」だけの「余裕」すら、「留保」する「猶予」すら残されてはいなかったのだ。このまま「決め兼ねていた」としても――、であれば自ずと「答え」は一つに「決まって」しまう。要は「覚悟」の問題でしかないのである。

「人前」で「お漏らし」――。
「公衆」の「面前」で「失禁」――。
「見られ」「知られて」しまうことへの「羞恥」――。
 果たしてそれは、未見の「興奮」と未知の「快感」をもたらすのだろうか。私は――。

「やっぱり、ダメ~!!!」

「心の声」を、思わず私は口に出していた。同時に「スカート越し」に思いきり「股間」を押さえる――。
「叫んだ」私を、道行く人は「驚いた」ような顔で見てくる。「怪訝な視線」が――、「好奇の視線」が――、私に「集め」られる。
 ここに来て「振動」が止んだ。彼自身も私の「発声」に驚いたらしく、それで思わず「スイッチ」を「切って」しまったらしい。
「余韻」は残っているものの、これならばかろうじて「耐えられる」かもしれない。とはいえ「おしがま」はもはや「必須」であり、少しでも「手を離そう」ものなら立ちどころに「決壊」を迎えてしまう――。

 私は「股間」を必死に「押さえた」まま、その場に立ち止まっている。その「格好」は誰の目にも明らかな「我慢」の「構え」だった。そしてその「様子」から――、私が何に「抗って」いるのかはもはや「自明」であった。

――あの子、ちょっとヤバくない?
――「ダメ」って何が?
――「漏れそう」ってこと?
――何が?「トイレ」でしょ、絶対!

「街の声」が聴こえてくる。誰もが私のその「瞬間」を――、決して「望むべく」もないながらも、あくまで彼らの「日常」にふいに訪れた「ハプニング」として――、わずかな「好奇心」をもって、盛大に待ちわびる――。

――今日、街を歩いてたら急に「漏らした」子いてさ~!!
――何を?って、「おしっこ」だよ。てか「大」だったらヤバ過ぎでしょ!!
――いや、普通に「おしっこ」でも十分「恥ずかしい」けど…。
――えっ、何歳くらい?たぶん「大学生」くらいじゃないかな~。
――「普通の子」だったよ。そこそこ「可愛かった」し(願望)。

 なんて、そんな風に――。ちょっとした「話のネタ」にするだけの、ただそれだけの「理由」で。余すところなく「観察」を試みようと「無遠慮」な「眼差し」を私に向けてくる――。
 あるいはそれこそが本来私の「望んだ」もの――。如何ともしがたい、「粗相」による「羞恥」こそが私の「求めた」ものであり、「想定」の「結末」であったはずなのに。

 だがどうしても「視線」に耐えきれず、私はその場から「逃げ出した」のだった――。

 彼のいる方と逆の「方向」に私は駆け出した。「取り巻き」にぶつかりそうになりながらも、そこは「あちら」が勝手に避けてくれる。彼らとしても、まさか「おしっこ」を「引っ掛けられ」たくはないのだろう。あくまで「傍観者」でいつつも、「当事者」には決してなりたくないという「魂胆」が見え見えだったが、それがこの期に及んではまさに「功を奏する」こととなった――。

 私は「その場」から離れ、何とか「脱する」ことが出来た。彼らの「視線」を「痛い」くらいに「背中」に感じつつも、ようやくそれから「逃れる」ことに成功した。
「走り出した」ことで、「ローター」とはまた違う、今度はより「大振り」な「振動」を私は「下腹部」に受けることになる――。だがそれすらも、「手」を「股」に「挟む」ようにすることで「耐えよう」とする。
 それでも。「刺激」を感じることで、わずかな「隙間」が生まれ、そこから容赦なく「綻び」が始まるのだった――。

――じょろ…。ピチャ!
――じゅわ…。ポチョ!

「ポツポツ」と「雨」の最初の「一滴」のように――、地面が「黒く」染められる。
「空」からではなく、あくまで私の「スカート」の中から「降り注ぐ」それは――、紛れもなく私の「おしっこ」だった。今や「振り返る」だけの「余裕」すらなかったけれど、私の「辿った道」には間違いなくその「痕跡」が刻まれていることだろう。
 とはいえそれは、「知らない者」から見れば単なる「水滴」に過ぎないのかもしれない。あるいはそれが「女の子」の「大事な部分」から「零れ落ちた」ものなどとは、誰も思わないだろう。今はまだ――、やがてそれが確かな「水流」へと変わるまでは――。

 だが徐々にその「頻度」と「水量」は増していく。もはや「ショーツ」にそれを支えるだけの「度量」はなく――。「迸る」と同時に「溢れ出す」液体は「足跡」を刻む。
 あるいはとっくに「バレて」いるのかもしれない。私の「お漏らし」に「気付かれて」いるのかもしれない。だけど私にはそれを「気にする」ことさえ出来なかった。

「街の色」が少しずつ「失われて」いく――。「鮮やか」だった「色彩」も今や「灰色」に染まり、「モノトーン」の「風景」の中を私は進んでいる。
「視界」は極度に「狭まり」、「暗中模索」のように――。「五里霧中」を「無我夢中」で歩き続ける。「孤立無援」も今更ながら「四面楚歌」が聴こえ始める。

 ちょうどいいところに「公園」があった――。
 それこそまさに私にとっての「救済措置」であり、「九死一生」を得ようとせんばかりの「東奔西走」の末の「千載一遇」の「一期一会」だった。
 私は「公衆トイレ」に駆け込み、そこでついに「限界」を迎えた――。

――シュイィィィ~!!!

「おしっこ」が溢れてくる。みるみる内に「ショーツ」を濡らし、染め上げ、「タイル」へと零れ落ちる――。「形」は多少違えど、私にとっては「念願」の「お漏らしタイム」だった。

――気持ちいい~!!!

「股間」が「温かく」なる「感触」。もはや慣れ親しんだ「お漏らし」の「感覚」――。
「ピチャピチャ」と跳ね返る「水音」と、足元にまとわり付く「水滴」すらも心地いい。
「水溜まり」は盛大に広がり、まるで「意識の拡張」とばかりに「羞恥の延長」としての「痕跡」を物語る――。

 最後の「一滴」までも余すところなく、やがて出し終える。辺りに立ち込める「ツン」とした「アンモニア臭」。「想像」よりもやはり遥かに「醜悪」な「刺激臭」は「鼻腔」を穿ち、そのまま「脳天」へと突き抜ける。そこでふと、我に返った――。

――○○さん…。

 私は「心中」で「彼の名」を呼びつつ振り返る。そこには――、「彼」が立っていた。


続く――。

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おかず味噌 2020/10/15 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十四話「私の視点 ~因果と応報~(3)」

(第二十三話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/378969


「『お漏らし』しちゃっていいですか?」

 彼に「許可」を求める。

「ダ~メ!」
「お願いします!!」
「自分の部屋の中で『お漏らし』する気?」
「そうです!『トイレ』に行きたいけど、もう『間に合わない』です!!」
「床、汚れちゃうよ?」
「はい…。『ショーツ』もビショビショになっちゃいます!!」
「『お漏らしパンツ』だね」
「はい!結衣はまた『お漏らしパンツ』をこしらえちゃいます…」
「結衣の『おしっこ』はどんな色?」
「いっぱい我慢してたから。きっと『真っ黄色』です…」
「『匂い』は?」
「すごく『クサい』です!!『アンモニア臭』たっぷりの『激臭おしっこ』です!!」
「結衣の『パンティ』、『おしっこクサく』なっちゃうね!」
「はい…。今日は『白』だから、『ション便染み』が目立っちゃいます…」
「恥ずかしいね?」
「すっごく!!でもすでにもう、ちょっと『黄色い』です…」
「あれっ?『茶色』いんじゃなくて?」

 ここに至っても、彼はあくまで「そっち」を「指摘」する。
 彼の「根気」に折れて、そして私は――。

「『うんち』は漏らしません!!でも、『ウンスジ』は付いちゃってるかも…」

「告白」してしまう。自らの「恥ずべき汚れ」を――。だがそれも「嘘」だった。「今」は付いてなどいない。あくまで「今だけ」は――。

「だと思った!」

――ん?それは「どういう意味」だろうか…?
 彼はまるで「予想」が「的中」した、というような「反応」を示した。それはあたかも「知っていた」というような――。だがそれはおかしい。あくまで、彼は私に「羞恥」を与えるため、「当てずっぽう」を述べていただけではないのか。そこには「確信」に至るべき「核心」など、彼がそれを「知り得る」はずなど――。「まさか」――。

「だって、結衣の『アナル』舐めた時、正直めっちゃ――」

「『付いてた』よ?」

 ついに、「指摘」されてしまう。「何が?」とは今さら問うまい。もはや分かりきったことだ。「あの時」、やはり私は「汚して」いたのだ。

「ちゃんと『拭いた』のかって思うくらい、『うんち』が付いてた」

 私が「言わず」とも、彼からそれが「報せられる」。私が「忌避」し、「懸念」したものが、紛れもなく「そこにあった」のだと――。

「ねぇ、あの時実は…『大きい方』も漏らしてた?」

 私の「返答」を待つことなく、次々と彼は私を追い込んでいく――。

「『パンティ』にも『ウンスジ』付いてたし…」
「『お尻の穴』の『周り』も『ヌルヌル』したよ?」

 やっぱりそうだったのか。でも、だとしたら彼はどうして――。「舐める」のを止めなかったのだろう。そんなに「汚かった」なら――、「クサかった」なら――、たとえそうじゃなくとも、私は止めて欲しかったのに。

「『おなら』だってしたしね?」

 それについては「周知」の事実だ。その「羞恥」は「既知」のものとして――、すでに私の中に刻まれている。

「結衣は『お尻の穴』も『緩い』のかな?」

 そうなのかもしれない。「普通の子」はきっと、こんなにも「ショーツ」を「汚した」りしないのだろう。

「そんな事ないです!!」

 そう「返す」のがやっとだった。というより、他に返すべき言葉を私は持たなかった。

「ねぇ、明日は『おしっこ』じゃない方を『漏らす』ってのは?」

 彼の言わんとしていること――、私にもそれが分かった。だけど「そっち」は、それだけはどうしても――。

「それはイヤです!!」

 何の「工夫」も凝らさず、ただただ私は「拒絶」する。
「駄目」なのだ、どうしても――。そちらについては、私の「羞恥」の「許容」を越えている。というよりもはや「羞恥」ですらない。いや紛れもない「羞恥」には違いないのだろうが、そこに「興奮」の介在する余地はない。ただ「絶望」があるのみだ。
 いやそれは「小」の時も――、「最初」はそうではなかったか。「初めて」の「瞬間」その「直後」、私の眼前には「暗い色」をした「それ」があるだけだった。それが「今」となっては――。
 それでも。やっぱり「うんち」は駄目だ。今度こそ本当に、私は「終わって」しまう。「処女」を終える前に――、それ以前に「女子」として終わってしまう。
「真面目」とか「不真面目」とかの問題ではない。「変態」もここに極まれり、である。
 だが彼は――、あるいは「そっち」さえも私に「求めて」いるのだろうか。だとしたら私は――。

「どうしても?」

「駄目押し」とばかりに彼が「もう一度」だけ訊いてくる。私に明日、「おしっこ」ではなく「うんち」を「漏らせ」と――。

「『どうしても』です!!」

 やっぱり「無理」だった。これについては彼に「諦めて」もらう他ない。彼は「残念」に思うかもしれない。だが私は彼の「期待」に応えることより、ここでは自らの「尊厳」を優先することを選ぶのだった――。

「そっか、残念…」

 まさしく彼は、私の思った通りの「反応」をする。わずかな「申し訳なさ」を感じつつも、それでも私の「答え」が覆ることはなかった。

「じゃあ、いいよ」

――えっ…?

 一体何に対する「許可」なのだろうか。あるいは「いいよ」というのは「もう結構」という意味なのだろうか。彼に「見放されて」しまったのだろうか。たかだか一度「拒否」したというだけで、もう「これっきり」なのだろうか。それではあまりに――。
 だが、彼の「意図」は違った。
 
「『おしっこ』。『そっち』は漏れそうなんでしょ?」

――そうだった…。

 思わぬ「寄り道」のせいか、私自身「忘却」していた。そちらの「羞恥」については、まだ「有効」であったことを――。

「はい…。もう出ます!」

 私は「宣言」する。「解放」を「宣告」する。
 そういえば、少しばかり「尿意」を「催して」きた気もする。今ならば、「出る」かもしれない。「わずか」とはいえ「漏らして」しまうかもしれない。

「俺ももう『出そう』だから…」

 彼が言っているのは恐らく、「白濁」の「液体」のことなのだろう。私がそうであったように、彼も自らを「慰めて」いたのだ。私の「偽装お漏らし」によって――。

「私も、もう『イッちゃいそう』です…」

 それは「本当」だった。というより、さっきから何度も「イキ」掛けていた。「背中」を這い上がる「ゾクゾク」とした「気配」と、「脳」にもたらせられる「ふわふわ」とした「予感」を抱いていた。あとは――ほんの少し、「きっかけ」を与えてやるだけだ。
 その「感覚」は、あるいは「お漏らし」する時にも「似て」いた。私の中で、目の前に「薄い膜」のようなものがあって、それが「鼻先」にまで迫っている。「通り抜ける」ことそれ自体は容易い。ほんのちょっと、足を「踏み出す」だけだ。
 そして私は。ついにそれを「越える」べく、「追い越す」べく、指を「加速」する。「ズボズボ」と幾度となく指を「出し入れ」し、そこから「快感」だけを取り出す。次々と「溢れ出す」、私の「愛液」。今や「お漏らし」とそう大差ない。あるいは「水分」には「おしっこ」だって含まれているのかもしれない。

「いいいよ。いしょにいこう!」

 再び「承認」が与えられる。文章が「乱れて」いるのは、彼の指が「ブレ」ているからだろう。自らの与える「振動」によって――。彼自身の「衝動」によって――。

「結衣の『お漏らし』、みてください!!」

「震える」指で私も返す。すでに「変換候補」にある「単語」は「ブレ」ようがない。

「みてててあげるから。いぱい出して!」

 相変わらずの「乱れっぷり」。彼も「限界」が近いのだろう。何だかちょっとばかり「可愛く」思えてくる。

「結衣の『ウンスジ』ショーツに、『おしっこ』もいっぱい付けちゃいます…」

「最期」の「大サービス」だ。さらに彼の「射精」を後押しする。「不本意」ながらも、それで彼が「気持ちよく」出してくれるのなら――。

「結衣の『うんち』にいぱいかけてあげるよ!」

 彼の「変換候補」にも、その「単語」はあるらしい。

「こんなにカワイイ結衣が、まさかあんなに『ウンスジ』つくてたなんて」

――それほどまでに「付いて」いたのか。

 確か「あの日」は「黒」のショーツを穿いていたはずだ。にも関わらず、そんなにも「はっきり」と分かるくらいに、私は「茶色」い「スジ」を描いていたのか。

「結衣の『うんち』、すごくくさかたよ!」

――そりゃ「クサい」だろう。「うんち」なのだから…。

「でも、めちゃこうふんした!」

――それは良かった。

「結衣の『うんち』で、いっぱい出してください!!」

――私は、あくまでも「そっち」は出さないけど…。

「ダメだ、もう出る!!」
「私も出ちゃいます!!」

 来る「衝撃」に備えて、「脚」に力を込める。「つま先」が「ピン」と「上」を向く。そして――。

――ビク、ビクン…!!!

 私の体は大きく「脈打った」。それと同時に、「膣」が激しく「痙攣」する。それから間もなく――。

――チョロロ…。

 何かが「溢れ出す」のを感じた。ショーツの中に「わずか」だが「水流」が迸る。そう間違いない、この「感じ」は――。
「おしがま」でもするみたいに、「突っ込んだまま」の「掌」に「おしっこ」が当たる。その「灼熱」の「液体」は、少しも「受け止められる」ことなく、掌から「零れ落ち」、やがて「穿いたまま」の「ショーツ」へと滲んでいく――。
「ショーツ」の中が「温かい感触」に包まれる。「あの夜」ほどではないにせよ――、だが確実にショーツを「濡らす感触」。もはや「慣れ親しんだ」「懐かしい感覚」だった。

――私、また「お漏らし」しちゃった…。

 少なからず「後悔」はあるつつも――、もはやそこに「罪悪感」はなかった。ただ、「快感」があるのみだった。

「少量」の「おしっこ」はすぐに「出終えた」らしい。それでも「余韻」の残った私の「部分」は相変わらず「麻痺」したままだった。
 やがて「麻痺」は「全身」へと――、主に「下半身」全体へと「波及」する。
「腰」に全く「力」が入らない。試しに「立とう」としても「無駄」だった。あるいは「腰が抜ける」というのは、こんな感じなのだろうか。

 私は「無力」だった。「精神的」な意味においてではなく、あくまで「肉体的」に。体に「力を込める」ことが出来なかったのだ。だが、それでも――。
 ある「一か所」だけはなぜか、私の「意思」に反して――、まるで私を「あざ笑う」かのように自然と力が込められるのだった。
 その「一か所」とは「括約筋」であった――。

――プスゥ~。

「間抜け」な音が文字通り「漏れる」。まるで「呼吸」をするみたいに、「天然ガス」が漏れ出す――。

――プゥ~!
――プッ!!
――プピ…。

「可愛らしい音」に笑いそうになり、さらに力が抜ける――。

――ブチィィ!!!

「可愛げのない音」。「はっきり」と、「気体」ではない何かが「出た」感触があった。「まさか」――。

 恐る恐る「尻」を浮かしてみる。思わぬ「衝撃」によって、私は「自由」を取り戻していた――。

――ヌチャ…。

「嫌な感触」がもたらせられる。「お尻」と「ショーツ」が「ひっつく」ような――。
 慌てて「ショーツ」をめくり「裏側」を――「お尻の部分」を確認する。

――「べっとり」と、「うんち」が付着していた。

 とはいえそれは「固形物」では決してない。あくまで「液状」のものに過ぎなかった。
 それでも私は――。

――「うんち」を「チビって」しまったのだ!!

 もはや「ウンスジ」などではない。「拭き残し」などではなく、それは今まさに私の「肛門」から「漏れ出た」ものだ。ごく「少量」であるとはいえ、私は―。

――「うんち」を「漏らして」しまったのだ!!

「白い」ショーツに描かれた「茶色」。より「はっきり」とした「便跡」。
 ショーツを「揺すった」ことで、やがて「ニオイ」が漂い始める。明らかな「不快感」をもたらす、私の「うんち」の「匂い」――。

――ついに、「やってしまった」!!

「おしっこ」のみならず、私は「うんち」を漏らしてしまったのだ。

「確かめる」ように、恐る恐る私は「指」を「肛門」に近づける。そして――、そっと「触れる」。確かな「異物感」。「ヌルッ」とした感触。再び「戻した」時には――、「指」に「うんち」が付いていた。
 その指を「鼻」に近づけることを――、私は「躊躇い」つつも、決して「抗う」ことは出来なかった。鼻を鳴らして、「匂い」を嗅ぐ。

――クサい!!!

 私の指はとんでもなく「クサかった」。だが「当然」だ。そこに「コーティング」されているのは、「うんち」なのだから――。

「燻製」のような、濃い「芳香」がまずは鼻腔を満たす。「本能的」に顔を背けたくなるような――、鼻をつまみたくなるような、圧倒的な「不快感」。だがそこには何かしら、私を「惹き付ける」ような「魅力」が含まれている。
 あるいは「香水」がそうであるように。確か、「製造過程」において、あえて「悪臭」を「調合」するのだという話を聞いたことがある。それにも似ていた――。
 私は「勇気」を出して、「決意」を込めて、今一度自分の「指」を嗅ぐ。そこに付いた自分の「うんち」の「匂い」を「確かめる」――。

 やはり「クサい」!!紛れもない「悪臭」。――だが、その「奥」に、「微か」だが「別の匂い」を嗅ぎ取る。「排泄物」となるべく「老廃物」に至るまでの「歴史」――、その「名残」を「わずか」ばかり「覚えて」いる。
 それは例えば、かつて「夕食」として「食卓」に並んだ「食材」たち――。「消化」の「過程」において、けれど「かき消される」ことなく「残った」彼らの「成れの果て」。
 あるいは、いよいよ「排泄」の段階において、共に「排出」された「腸液」――。少し「酸っぱい」ような香りのする、私自身の「体液」。

 それらが「幾重」にも混ざり合った――、「クサい」けれど、どこか「落ち着く」ような、「名残惜しさ」さえ思わせるような、不思議な「匂い」。
「おしっこ」とは比べ物にならないほどの「情報」が――、そこには「詰まって」いる。
「嗅ぐ」度に少しずつ「形を変える」それは――、あるいは「万華鏡」みたいだった。
 私は自らの「出したモノ」に、その「芳香」にしばらくの間「夢中」になり、「脳」を「痺れ」させていた――。

 床に投げ出された「スマホ」には、彼からの「射精報告」が届いているのだろうか。ならば私もきちんと「報告」しなければ――。
 そう思いつつも、私は今それどころではなく。今はただ自分のしてしまった「行為」、「うんちお漏らし」の「余韻」に浸っていた。
 それはごく「少量」であったが、それでも限りなく私を「穢し」、あるいは「蝕んで」いた――。

 ふと、自ら「汚して」しまった「ショーツ」を想う。かつて「純白」だったそれには、もはや「おしっこ」や「愛液」の「染み」ばかりではなく、「ウンスジ」よりも明らかな「ウン染み」が刻み付けられている。
 本来であれば明日、彼の前で「染め上げられる」ことになるはずだった「お気に入り」は、惜しくも「志半ば」で潰えることとなった。「予定調和」の「黄色」ばかりでなく、もはや「予期」せぬ「茶色」にさえ「その身」を染めながら――。

 まさか、これをそのまま明日「穿いていく」わけにはいかないだろう。それどころか「今夜」を乗り切ることさえ叶わないだろう。
 早く「穿き替え」なければ――。あるいは「床」を汚してしまうかもしれない。
 そして――。

「あの晩」の私がそうであったように、「彼」が――、「純君」が私の部屋を訪ねてくる「可能性」だって否めない。もし、「この姿」を見られでもしたら――、一体どう言い訳すればいいのか。次は「私の番」かもしれない、「秘密」を暴かれるのは。私にとって、それは「二度目」となる――。ふと「弟」の顔がよぎったことで、彼を思い出す。

――純君。お姉ちゃん、ついに「うんち」を「お漏らし」しちゃったよ…。

「姉」の情けない「告白」はけれど、誰にも聞かれることなく。それはあくまで「独白」に過ぎなかった。けれどその「事実」は、決して消えることなく私の中に残り続け――。
 新たな「示唆」を与えるのに十分なものだった。

――私はいつか「彼の前」で、「うんち」さえも漏らしてしまうのだろうか…?

 不意に浮かんだ「疑問」は「問い掛け」となる。だがそれを「聞く者」も今は居なかった。

 私は尚も、「股間」を弄り続ける。「うんち」の付いた「指」で、それに構うことなく自らを「慰め」続ける。私の「愛液」と「うんち」とが混じり合う。「ヌチャヌチャ」とした音は、果たしてその「どちら」からもたらせられるものなのだろうか。

 未だ彼への「返信」をすることもなく、私は開きかけた「扉」の前でそのまましばらく「佇んで」いた――。


続く――。

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おかず味噌 2020/09/29 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十一話「彼の視点 ~追憶と願望~(3)」

(第二十話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/371744


 まるで「ブラックホール」のように――。結衣の「そこ」は強力な「重力」を持っていた。「理性」と「自制」をもってしても決して抗えない、まるで「磁性」を帯びているかのように。強烈な「引力」をもって、僕を「引き寄せ」「惹き付ける」のだった――。

 もういいだろう。さすがに「限界」だ。「焦らし」もここに極まれり、である。
 そして、僕は「挿入」した。結衣の「アナル」に。本来ではない「非正規の穴」に。

――ヌポッ!!!

 少しの「抵抗」を感じつつも、僕のペニスは「するり」と穴に飲み込まれた。といっても、まだ「三分の一」ほどである。
 さすがに結衣も気づいたらしい。というより、気づかないはずがないだろう。
 いつもと違う「感触」に、まだ見ぬ「感覚」に、彼女は「驚き」「戸惑って」いるらしかった。

 つまりは、女子の大好きな「サプライズ」である――。

 しばらくそのまま、その状態で「留まる」ことにする。すぐに「動かす」のは、さすがに無理があるだろう。というより、僕のペニスは彼女のアナルに「固定」されたまま、微動だにしなかった。彼女自身も、やはり「痛み」からか「困惑」からか、「硬直」したままだった。

 やがて、ゆっくりと「運動」を開始する――。

 まずは「引き抜く」。「挿入」と逆の動きである。
 結衣の「尻穴」から、少しずつ僕のペニスが現れる。それはまさに「排泄」のように。彼女の「うんち」ではなく僕のペニスが今や、その「代わり」をしていた。けれど彼女の「気張り」に違いはなかった。

「そっちじゃないです!」

 一度抜かれたことで、ようやく少しばかり「平静」を取り戻したのだろうか。あるいは今さら「冷静」になったとでも言うのだろうか。結衣は僕に「間違い」を指摘する。
 まるで「やり方」を知らない「童貞」に「レクチャー」するみたいに。「優しく」ではなく、むしろ「厳しめ」に。もはや少しの「余裕」もなく、「切羽詰まった」ように――。

 だが僕は再び、あくまで「違う穴」へと挿入する。一度拡がったそこは、より「奥深く」僕を迎え入れる――。そしてまたゆっくりと引き抜く。
「三度目」にして、ついに僕のペニス「全体」が結衣の「中」に「すっぽり」と飲み込まれた。それでも尚、彼女は――。

「こっちです!こっちに挿入れてください!」

 僕に「正解」を指し示す。自ら「何も入っていない穴」を弄り、指で拡げて見せる。
 けれど「今さら」だ。もはや僕は止まらない。あくまで僕にとっては「そちら」こそが「正解」である。たとえ「間違って」いたとしても――。

「そっちじゃないんです!オマンコ!オマンコに入れてください」

 ついに。結衣は「指示代名詞」ではなく「固有名詞」で、指示する。より「具体的」な、普段決して言わないであろう「卑猥な言葉」を用いて、自らの「具」を連呼する。
 だが、それでも。僕の「追撃」が止むことはない。あくまで「ピストン」を続ける。

 入れる時は「激しく」――。「突かれる」ことによって、「打ち付けられた」結衣の体が「揺さぶられる」のを、彼女の「腰」を掴んで支える。
 抜く時は「穏やか」に――。あくまで「ゆっくり」と。あるいは「疑似的排泄感」を与えるかの如く、「排便」と同じ「スピード」を意識する。

 入れる時、結衣は――、

「はうんっ!!!」

 と「謎の声」を上げる。きっと苦しいのだろう。それは彼女にとって、「未知の感覚」に違いない。そして「出す」時、彼女は――、

「んんっ…!!!」

 と、どこか「安堵」したような声を出す。むしろそちらの時にこそ、より「快感」が伴うのかもしれない。それは彼女にとって、「既知の感覚」なのだろう。まさしく、日々の「排泄」によく似た、「錯覚」を思わせるものなのだろう。

 僕はふと、結衣の顔を見てみたくなった。きっとその「表情」は「あの時」と同じ――、まさしく彼女が「うんちをしている時」の顔に違いなかった。
「苦難」の果てにある「達成」。「苦痛」に歪めつつも、どこか「スッキリ」とした――、結衣の「ひり出す」時の顔。あくまで「疑似的」であろうと、構わない。そこから出るモノが「茶色い塊」ではなく――「黒光り」するものではないにせよ――「肌色」の「肉棒」だったとしても。

 だが、生憎それは叶いそうになかった。「後ろから突く」体勢のままでは「正面から」の結衣を「観察」することは出来なかった。それに――。彼女は「枕」に顔を埋め、突っ伏していた。「苦しさ」と「気持ちよさ」、もはや「一緒くた」となった「衝動」を堪えるためか。それとも「顔を見られたくない」という、単なる「羞恥」のためだろうか。

 僕自身の「衝動」も、もはや「限界」だった。結衣の「肛門」の「締め付ける力」と、何より「行為」の「実感」によって。「臨界」まで高められた僕の「ペニス」は、もう「暴発寸前」だった。まるで「溶ける」ような――、「蕩ける」ような――、「メルトダウン」に至るまで「秒読み」だった。

「もう出そう!」

 僕は「宣言」した。いわば「降伏」の「白旗」であり、「幸福」の「告白」である。
 ここにきて――、「トドメ」とばかりに僕の腰は「加速」する。結衣の全身が「揺さぶられる」のも厭わずに、彼女の「尻」へと激しく「打ち付ける」。もはや少しの「遠慮」もなく、「リズム」の「キープ」すらも忘れ、ただ「本能」の赴くままに「出し入れ」を繰り返す――。

 僕の「宣告」を聞いたゆえだろうか、結衣はようやく枕から顔を上げる。そして――、「振動」させられながらも、「呼吸」をわずかに整え、やがて「声」を発する。

「そのまま『中』に出してください!大丈夫だから」

 ついに、結衣自身もその「行為」を――「アナル」による「セックス」を受け止めることにしたらしい。というより、そうする他なかったのだろう。
 決して「普通」とは呼べない「プレイ」。紛れもない「変態的行為」。「性器」ではなく「非正規の穴」によって行われる「性交」は、彼女にとって「未知」のものでありつつも、そこには慣れ親しんだ「既知」の感覚が伴う。あとはそれを「受け入れる」かどうかなのだ。
 そして。どうせ「逃れられない運命」にあるのなら――。間もなく「終えられる宿命」であるのならば――。いっそ、「望み」「求め」た方が良いに決まっている。

「私も!私もイっちゃいそうです!」

 結衣もまた「宣言」する。僕に「合わせる」ように。「快感」を「共有」するように。
 果たして「本当」なのだろうか。あるいは、そう言った方が僕が「喜ぶ」と思って、「演技」をしているのかもしれない。

「私、『お尻の穴』でイっちゃいます!」

 繰り返し、結衣は「宣言」する。やはり「本当」らしい。「排泄器官」で「イク」ことを――、「排泄感」による「快感」を――、「実況」する。

「初めてなのに。初めてのエッチを『アナル』でしちゃってます!」

 結衣は「よく分からない」ことを言う。「初めて?」、それは一体どういう「意味」だろうか。だが、一旦立ち止まって「考える」にはもう僕に「余裕」はなく、「猶予」は残されていなかった。

――結衣の「肛門」を突いている!!
――結衣の「アナル」を犯している!!
――結衣の「うんち穴」でヤッている!!

――結衣の付けた「ウンスジ」!!
――結衣の汚した「うんち穴」!!
――結衣のひり出す「うんち」!!

「見たい」と思った。「嗅ぎたい」と思った。「舐めたい」と思った。
「キレイ」だった。「クサ」かった。「ヌルヌル」とした。

 普段の彼女からは「想像」がつかない――、あるいは「想定」が及ばない――、結衣の「『うんち』する姿」。「小」ではなく「大」を。「おしっこ」ではなく「うんち」を「『ひり出す』姿」。出来ることなら、「便器」にではなく「パンティ」の中に「糞」を
「『漏らす』姿」。次なる「お漏らし」こそは――、それを「見てみたい」と思った。

 そして、僕は「射精」した。

――ドクン、ドクン…。

「ペニス」の「脈動」を、その「律動」を全身で体感する。
 僕は「精液」を、「スペルマ」を、熱い「欲望の塊」を。その「全て」を、結衣の「腸内」に「ぶちまけた」のである。

 射精の瞬間。結衣は「あ…」と声にならない「吐息」を上げた。果たして「感覚」はあるのだろうか。「ブツ」よりも遥かに少量の「粘液」に――。あるいは「浣腸液」にでも似た「感触」を味わっているのかもしれない。
 結衣の「腸内」に、僕の「出したモノ」が注ぎ込まれてゆくのが分かった。「初発」は「衝動」と「勢い」のままに。それから彼女の「肛門」が締め付けることにより――、「しっぽり」と「搾り取って」ゆく。「貪る」ように、「吸い取る」ように。あるいは、最後の「一滴」すらも決して「残すまい」とするように――。

「発射」を終えて、ペニスをゆっくりと引き抜く。

――ヌチュ…!!

 と。最初に「入れた」時とはまた異なる「趣」のある音を立てて、結衣の「アナル」に「別れ」を告げる――。

 後に残ったのは――、「ぽっかり」と開いた結衣の「尻穴」だった。「時間差」で僕の「精子」が溢れ出し、零れ落ちてくる。結衣は肛門を「締めよう」としているのだろう。「括約筋」に力を込めようとしているのが見て取れる。だが、そこは「痙攣」を繰り返すばかりで、少しも閉じようとはしなかった。

 結衣が再び「お漏らし」をしてしまっているのに気づいたのは、その時だった。すっかり「ベッド」の上には「水溜まり」が広がり、「悲惨」な「世界地図」が描かれていた。

 だがそれを見ても、僕は何も思わなかった。
 すでに「射精」を終えて、あるいは「人類愛」について考えていたせいもあるだろう。(「聖者」になったつもりは全くないのだが…)
 だが決して、「それだけ」が理由ではなかった。

 僕にとってそれは――結衣の「小・お漏らし」は、もはや「当たり前」のものに成り下がっていたのだ。そこに「感動」も「感慨」もありはしない。「執着」は失われ、すっかり「飽いて」いたのだ。
 それよりもっと。僕の「興味」は今や別のところにあった。相変わらずの「暗がり」の中、僕は引き抜いた自分の「ペニス」を確かめる。そこに「付着物」があるのを期待して――。

 だが、僕の「モノ」に結衣の「モノ」は付いていなかった。何も「お土産」にすることなく、「未練」を思わせることなく、ただ「元通り」になっているだけだった。
 あれほどまでに「肛門付近」に、あるいは「パンティ」にまで付着していた「モノ」は果たして――。

――「うんち」はどこへ消えた?

 それは誰にも――、僕にも、彼女にも、分からなかった。


「駅」に着くと、結衣はもうそこにいた。
「待ち合わせ時間」の「十五分前」。やはり彼女は「真面目」な性格らしい。唯一、これから「させられること」を除いては――。

 今日の結衣の「服装」は――、「白」の「ブラウス」に「ベージュ」のふんわりとした足首丈の「プリーツスカート」だった。彼女らしい「清楚」でやや「控えめ」な格好だ。
 遠目にそれを眺めて僕が抱いた「感想」はけれど――、「可愛い」とか「よく似合っている」などといった「ありきたり」なものではなかった。
 ただ純粋に――「良かった」と思っただけだ。

 今日も結衣は「お漏らし」をするのだろう。「おしっこ」によって「下着」を濡らしてしまうのだろう。
 昨晩の彼女との「やり取り」の中で、今日の「新たな目的」についてはすでに決まっていた。すなわち――、「タイトル」にするならば「外でのお漏らし」である。
 それはもはや「既定事項」なのだ。何たって、彼女の方から「提案」してきたことなのだから。僕の方からも「別の提案」をしてみたが、「そちら」については「却下」されてしまった。だが「それはそれ」。きっと「いつか」――、いやこれはまだ言うまい。

 結衣が「パンティ」の「替え」を持ってきているのかまでは分からないが。さすがに「着替え」までは持っていないだろう。つまり、「衣服」にまでその「被害」が及んでしまったなら――、彼女は「そのまま」で街を歩くことになる。
 あるいは「ノーパン」になるとしても構わないかもしれない。だが「ズボン」に至ってはそうはいかない。そして、「スカート」であれば少なくとも、ちょっと「気を付ければ」被害を免れることが出来るかもしれない。
 そうした「諸々の事情」を踏まえて、僕は結衣の「判断」を「正しい」と認めたのである。あるいは彼女自身もそれを「分かった」上で、その「選択」をしたのかもしれない。
(ちなみに今日、「黒タイツ」は穿いていなかった。「夏」が近づき、ここ最近「暑く」なってきたからだろう。僕としてはやや「残念」だったが、それもやはり「正しい選択」だといえるかもしれない)

「小走り」で結衣の元へと駆け寄る――。彼女は僕に気づき、「笑顔」を浮かべた。それは「愛しさ」ゆえのものだろうか、それとも単に「期待」を滲ませたものなのだろうか。

「ごめん、待った?」
「いえ、今来たところです」

「ありがち」な挨拶を交わして、僕たちは並んで歩き出す――。

 あくまで「差し障りのない」会話をする中で。けれど僕の脳内は「想像」でいっぱいだった。

――結衣は今日はどんな「下着」を付けているのだろうか?
――本日はどんなのを「お漏らしパンティ」に選んだのだろうか?

「暗雲」立ち込める――、結衣に「指名」され、「使命」を帯びた「下着」の「末路」に。その「宿命」に「同情」する。あるいはすでに「汚れて」しまっているのかもしれない。

――結衣は今日も「パンティ」に「ウンスジ」を付けているのだろうか?

「拭き残し」によって。予期せぬ「緩み」によって。「うんち」を刻み付けているのかもしれない。
 まるでそうした「穢れ」から――、あくまで「そちら」の「排泄」についてはあたかも「無縁」であるという、「素知らぬ顔」をしておきながら。実は「ちゃっかり」と「やることはやった」上で「すべきこと」を怠っている――。「処理」の「甘さ」を「露呈」しつつも、あくまで「当人」はそれに「気づかず」、あるいは「知った」上で「バレる」ことはないと高を括っているのかもしれない――。

 だが僕は「知っている」のだ。結衣の隠された「秘密」に「気づいて」しまったのだ。そして「昨夜」、ついに彼女自身もそれを「認めた」のだ。
 もはやその「事実」は、「二人」の間で「既知」のものとなりつつあった――。

 駅の「階段」で。僕はあえて「数歩」下がり、結衣を先に行かせる。僕の前には、「スカート越し」の彼女の「尻」がぶら下げられる。
 その「内側」に、僕は「想像」を膨らませる。「割れ目」に、さらにその奥の「穴」に思いを馳せる。すでに一度「見知り」「嗅ぎ知った」、「知覚」を取り戻す――。

――きっと、そこは「素敵な香り」がするに違いない。

 若干の「湿り気」を帯びた結衣の「肛門」。その周囲の「ウンカス」。紛れもない「うんち臭」――。

 出来ることなら今すぐにでも「衣服」もろとも「下着」を剥ぎ取り、「揉み」「嗅ぎ」「舐め」「拡げたい」という衝動に襲われる。

 さらに僕の「妄想」は広げられる――。

 ついには、結衣の尻のその「中身」にまで。もはや留まるところを知らないように。
 やがて「幻想」すらももたらせられる――。
 結衣の「着衣脱糞」。「トイレ」ではなく僕の「目の前」で。「穿いた」まま、彼女が「漏らす」姿を「夢想」する――。

 それこそ、僕が「提案」しながらも、あえなく彼女に「却下」されたものだった――。


――ブチィィ…!!!

 盛大な「破裂音」の後。みるみる内に、結衣の「パンティ」が盛り上がり、「尻」が膨らんでゆく。それを「持ち上げる」のは、結衣の「うんち」だ。
「おしっこ」のように、「重力任せ」ですぐに「流れ落ちる」のではなく。「茶色い塊」はしばらくそこに留まったままだ。
 そこで僕は結衣のスカートを「捲り上げる」。いや、「漏らす前」の段階でそうしていた方がいいのか。そうすれば「瞬間」を目に焼き付けることができる。
 パンティの色が「白」であったなら尚更いい、と思う。そうすれば、結衣の「うんちの色」まで知ることができる。あるいは「健康状態」に至るまで。
「健康便」か、もしくは「下痢便」だろうか。「コロコロうんち」か「極太うんち」だろうか。どちらにせよ、当然にそれは結衣の「尻」を、「下着」を「汚す」こととなる。

 無様に尻を膨らませ、やがて「激臭」を放つことになる。「拭き残し」など比にならないほどの、「直接的」な「芳香」である。
 垂れた「ウン汁」は結衣の細くて綺麗な「脚」にも描かれることになるだろう。「太い線」にやや「細い線」。それらは巧みに折り重なって、ある種の「芸術的」な「作品」を思わせるだろう。
 わずかに尻に「食い込む」ことで――それこそが「ウンスジ」の原因なのかもしれない――結衣の「形」を浮かび上がらせていた「パンティ」は。けれど今や「割れ目」の場所を教えることもなく、逆に「モッコリ」とすることで「脱糞の証」を示している。

 僕はそこに――そこ「目がけて」、自らの勃起した「ペニス」を押し当てる。

――ヌチャ…。

 と。得も言われぬ「弾力性」。結衣の「うんち」の「感触」が「パンティ越し」に伝わってくる。今度こそ、僕のペニスには「うんち」が付くことになるだろうが、それすらも厭わない。

 そして――。まるで「白濁のソース」をかけるみたいに、あえなく僕は「射精」する。
 もはやそれは「自慰行為」に他ならない。だがあるいは「性行為」と呼ぶことだって出来るかもしれない。

 すなわち、「うんち」との「セックス」だ――。
 結衣の「うんち」と僕の「ザーメン」との豪華な「コラボレーション」。彼女と僕との「愛の結晶」。「先鋭的」な「共同作業」による、「前衛的」な「合同作品」である。


「ホーム」で電車を待つ間――。今日の「デート」の「過程」について考えながら――。
もはや「予定調和」となった「お漏らし」ではなく。

 僕は密かに、もう一方の「お漏らし」に思いを馳せていた――。


続く――。

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おかず味噌 2020/09/21 16:00

ちょっと悪いこと… 第十九話「彼の視点 ~追憶と願望~(1)」

(第十八話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/344433


 休日の午後。駅前で「結衣」と待ち合わせる――。

「フリーター」である僕にとって「休日」とは必ずしも「土日」を表わすものではなく、「サービス業」においてはむしろ「週末」こそがまさに「稼ぎ時」であり、逆にいわゆる「サラリーマン」などにとっての「平日」が「休日」となることが多い。

 だが、今日は「土曜日」だ。

 一週間の内、最も「忙しい」日である「週末」に、どうして本来「融通が利く」はずのこの僕が「休み」なのかといえば――、それは普通に「休み希望」を出したからである。毎月末に掲出される「シフト希望表」に、今月唯一「×」を付けたのが「今日」だった。
「平日」は「授業」があるためまとまった時間が取れず、だからこそ「週末はロングで入れてほしい」と希望している「学生バイト」の「彼女」もまた、同じく「今日」は「×」を書いていた。
 何もそれは「偶然の一致」などではない。僕たちはお互い示し合わせて、わざわざ「休み」を取ったのだ。「空白」だったカレンダーに、僕と彼女は「予定」を書き加えたのである――。

 と。ここまで聞いていると、僕と彼女がさも「付き合っている」と「誤解」を持たれるかもしれない。だが結論からいえば、僕たちは決して「恋人同士」などではない。
 ここで言う「彼女」とは、あくまで「三人称」としてのそれであり、そこには「俗語」としての「特別な意味」は含まれていないのである。
 この「関係性」について「結衣」がどう思っているのかは分からない。だが僕としては少なくとも、どちらかが「告白」しもう一方がそれを「了承」したわけでもなく、互いの「気持ち」について「確認」し合ったわけでもなく、だとすればそこはやはり「友人」として取り扱うべきだろうと思っている。

 だが、もちろん「ただの友人」ではない。「男女」の「友情」について、果たしてそれが「成立」するかはさておき。そこにおいてしばしば「言及」される、「恋愛感情」や「肉体関係」の有無について。僕たちは、すでに「一線」を越えてしまっているのだ。
 本来の「友人関係」においてはあり得ない、「肉体関係」を許した「男女関係」。「好意」については問わず、あくまで「行為」を「目的」とした「共生関係」。
 いわゆる「セフレ」というやつだ。
 最初はほんの「出来心」だった。「下心」と言い換えても良いだろう。「たまたま」バイトを「上がる時間」が一緒になり、僕たちは「帰り道」を共にすることになった――。


「家に来ない?」

 そう誘ったのは僕の方だった。「誘う」のは大体決まって「男性側」なのだ。そういうものだろう。「もうちょっと話したい」と僕は言った。幸い、「話題」はそれなりに盛り上がっていた。だが別にこれといって「話したい」ことがあったわけではなかった。「理由」は何だって良かったのだ。

 普段「バイト」で会う時、結衣が僕に「好意」を抱いている風には見えなかった。会えばそれなりに話をするが、かといって彼女が「積極的」に僕と話したがっているかといえば、そんなことは決してなかった。だが少なくとも「嫌われている」感じはしなかった。あくまで「バイトの先輩」として、ささやかな「興味」と「無関心」の間にいるのだと、僕は「推察」していた。
 僕としてもそれは「同様」で、彼女と「付き合いたい」などと考えたことは一度もなかった。あくまで彼女は「バイトの後輩」であり、それ以上でも以下でもなかった。
 だがそこは「男の性分」である。何も「感情」としての「結びつき」については望まないまでも、やはり「体の結びつき」についてはやぶさかではない。
 彼女は決して「美人」と呼ばれる部類ではなかったけれど。「身なり」は綺麗で小ざっぱりとしていて、細くて「スタイル」が良く、さらにそこに「女子大生」という「属性」が付与されることによって、何かしら男性の「劣情」を駆り立てるものが備わっていた。決して「派手」ではなく、むしろどちらかといえば「地味」な方で。だがそれがかえって、彼女の隠された「魅力」のようなものを「探求」させる「興味」を僕に抱かせた。

 結衣は「逡巡」しているらしかった。僕の「誘い」を受けるべきか否か、それについて考えているようだった。だが結局、彼女はそれに応じた。僕の家に来ることを「了承」したのだった。

 そこで結衣は「粗相」をした――。

 彼女の「ズボン」から迸る「水滴」を――、彼女の「股間」と「床」とを繋ぐ「水流」を――。僕は今でも「ありあり」と思い浮かべることができる。
 小学校「低学年」以来の「お漏らし」。人生においてそうそう見ることのない「女性」の「失敗」。「女子大生」の「失禁姿」。それは僕の「網膜」に強烈に焼き付けられ、胸に刻みつけられたのだった。

 普段の彼女はどちらかといえば「クール」な方で。「仕事」についても覚えが良く、何でも卒なくこなしている「イメージ」だった。その彼女が今「あるまじき失態」を晒しているのだ。
 結衣は「俯いて」いた。「苦痛」を堪えるように唇を噛み締め、ただ「時」が過ぎ去るのを待っているようだった。いつもの「明るい」彼女とは正反対の「暗い」表情は、「羞恥」と「後悔」が入り混じっているような、そんな「複雑」な「心境」を表わしていた。

 僕の「性癖」が「発露」したのは、まさにその「瞬間」だった――。

 僕は思わず「射精」してしまっていた。思いがけず、トランクスの中に「精液」が「飛び出して」いた。僕はいまだかつて、それほどまでに激しい「興奮」を覚えたことはなかった。僕の手は一度も自分の「股間」に触れることなく――。「触れずに射精」した経験も、それが「初めて」のことだった。

 それでもやはり、僕は少なからず「混乱」していたのだろう。想定外の「射精」によって「賢者タイム」が訪れていたせいもあるかもしれない。
 結衣が「後始末」をする間、僕はただじっと部屋で待っていただけだった。帰り際、「手土産」とばかりに「お漏らしパンティ」を入れるための「ビニール袋」を渡し、結局その日は「何もせず」僕は結衣を帰してしまったのだ。
 束の間の「非日常」から「日常」へと立ち戻り。「一人」取り残された夜の中で、結衣の「おしっこ」の「残り香」だけが微かに浴室に立ち込めていた――。

「二度目」の機会は、すぐに訪れた。

 その日は「たまたま」休みが合ったのだ。「バイト以外」で、「外」で結衣と会うのはそれが「初めて」のことだった。誘ったのはやはり「僕の方」だった。
 あの「一件」以来、「バイト先」でお互い顔を合わせるのが当然のように「気まずかった」。彼女は僕を「軽蔑」したかもしれない。トイレに行かせなかった僕を、あるいは「恨んで」いるのかもしれない。
 だがよくよく考えてみると――。「原因」はどうであれ、あくまで「失態」を犯したのは彼女なのだ。だとすると、むしろ「軽蔑された」と思っているのは彼女の方なのかもしれない。

 僕は思い切って、結衣に話しかけてみた。「あの夜」のことはあえて口に出さず、何も「気にしていない」風を装って、彼女に「接触」を試みたのだった。
 結衣の「反応」は「普通」だった。彼女自身、その「事件」を「忘れた」というように、「今まで通り」の彼女だった。
 ちょうど「休日の過ごし方」が「話題」に上ったとき、僕は何気ない調子で結衣を「デート」に誘ってみた。

「デート」。果たしてその言葉が適切であるかは分からない。やはり僕たちの「関係性」から鑑みるに、あるいは「恋愛」を想起させるその「英単語」を用いるべきではないのだろう。だが昨今は「女子同士」であろうと――、たとえそれが「友人関係」であろうと――、平気でその「言葉」が使われたりもする。だから、お互い「プライベート」のその「予定」は、もはや「デート」と呼んで差し支えないだろう。

 だがそれでも。やはりそれは単なる「デート」ではなかった。少なくとも僕にそのつもりはなかった。ただ「会い」「語らい」「遊ぶ」のではなく、僕には明確な「目的」があったのだ。(あるいは「目的」自体は違えど、世間一般の「デート」においてもそれは同じなのかもしれない)
 僕の「目的」とは――、結衣にもう一度「お漏らし」をさせることだった。
 そして――。

 結衣は再び、「二度目」の「お漏らし」をしたのだ。

 その日の彼女は「黒タイツ」を穿いていた。事前に僕が「指定」した「格好」だ。
 かねてより、結衣のその「スタイル」を、恐らく「美脚」に違いないその「脚線」を。より「効果的」に、より「魅力的」に、あるいはより「エロく」見せる「服装」について考えを巡らせていた。「制服姿」の彼女を見るたびに、密かに「妄想」していたのだ。
 脳内での「議論」の結果、出された「最適解」が「それ」だった。それはいわば――、あえて「隠す」という「手法」である。
 前日、結衣との「メッセージ」のやり取りの中で僕はそれを「発表」した。彼女は例の如く、「え~」とか「なんでですか?」とか「どうしようかな~」など、多様な「困惑」と「疑問」の台詞を送ってきていたが、やはり「まんざら」でもないらしく。翌日、僕に言われた通り、結衣は「黒タイツ」を穿いてきた。

 やや「目の荒い」――確か「デニール」がどうとか言うのだったか?――「黒タイツ」に包まれた結衣の脚。程よく「引き締まり」、けれどあくまで「女性らしさ」は失わず、それは僕の想像した通り「いやらしかった」。
 会った瞬間、一目見た途端、出来ることなら今すぐに脚を「揉みしだき」、タイツを「引きちぎりたい」という衝動に襲われた。それでも僕がそうしなかったのは――もちろん「大衆の目があったから」という前提もあるが――結衣にそれを「穿いたまま」でいてもらいたかったからだ。

 別に僕は結衣の「おしっこ」それ自体に興味があるわけではなかった。仮に彼女が「着衣」でなく「尿意」を解放したならば――それはただの「放尿」に過ぎない。それでは駄目なのだ。(それはそれで、全く何も感じないかといえばそんなことはないのだが…)
 僕の興味の対象は――、あくまで「お漏らし」なのだ。自らの「意思」ではなく、「故意」によるものではないその「行為」に、僕は「好意」を抱き「恋」焦がれていたのだった。「理性」で律しても尚、「欲求」に抗えない姿。全てを「さらけ出し」、あるいは本能を「むき出し」にしてしまったが故の「終着」。その「羞恥」にこそ僕は「執着」し、最大限の興奮を覚えるのだった。

 結衣の脚が「おしっこ」で濡れて光っている。「幾筋」もの「線」が「放射状」に描かれている。白い「カンバス」にではなく黒いタイツに、「道」を指し示す「コンパス」の如く――。散々「着衣」を濡らして尚「吸収」し切れなかった「液体」が、足元に「水溜まり」を形成する。「あの夜」と同じ、紛れもない結衣の「お漏らし」によるものだ。

「結衣、めっちゃ可愛いよ」
 そう言って僕は彼女を抱き締めた。自らが「汚れる」ことも厭わずに、むしろそれさえも興奮の「材料」に変換するように――。
「ズボン越し」に結衣の腰に当たる僕の「ペニス」は、痛いくらいに激しく「勃起」していた。けれど今日はまだ何とか「射精」には至らずに済んだ。固くなった「モノ」を結衣の尻に押し当て擦り付けながら、「腰の浮く」ような「衝動」をかろうじて堪えていた。

 僕は結衣をベッドに押し倒した。「ついに」というか、まさに「これから」という感じである。廊下から部屋に移動する間、彼女はわずかの「抵抗」を見せつつも、最終的には僕に「されるがまま」だった。彼女は何も言わず、ただ僕に「従う」だけだった。
 押し倒す直前、結衣は若干の「拒絶」を示した。だがそれはあくまで「おしっこまみれ」の体で、ベッドを「汚してしまう」ことを忌避するだけのものだった。僕はシーツを洗濯することを覚悟の上で、構わず「選択」を続けた。

 僕は結衣に「キス」をした。彼女の「唇」は微かに震えていた。その「ぎこちなさ」から、あるいは「初めて?」という予感がよぎったが、まさかそんなはずはないだろう。これまで彼女と会話した中で、あくまで「間接的」にではあるが、「経験済み」であることがそれとなく「示唆」されていた。きっと「何度か」経験はあるのだろう。

 結衣の体を「まさぐり」ながら――、「夢にまで見た」とは言い過ぎであるが、少なくとも「日々高まらせていた」欲求を「解放」した。だが、「前戯」とさえ呼べない「児戯」を繰り返すだけのそれでは、欲望が「満たされる」ことは決してない。まるで「砂漠」に「水」が染み込んでいくように、いつまで経っても「渇き」が潤されることはなかった――。

 僕は結衣の脚を広げた。そこで再び彼女は少しの「抵抗」を見せた。それでもやがて「観念」したらしく、「閉じる力」を緩めるのだった。
 結衣のショーパンの「股」の部分には、はっきりと「小便染み」が出来ていた。やや色の褪せた「デニム生地」は、そこだけ色が「濃く」なっていた。
「発生源」が「解放」されたことで、より強い「臭い」に室内が満たされた。ツンと鼻を突くような「アンモニア臭」。反射的に、本能的に思わず鼻を摘み、顔をしかめたくなるような強烈な「芳香」――。
 だが僕がそれに「臆する」ことはなかった。むしろ「積極的」に鼻を鳴らし、大きく「呼吸」をして、結衣の「おしっこ臭」が多分に含まれた「空気」を吸い込んだ。

「おしっこクサいね」

 僕は分かりきった、当たり前の「感想」を言った。彼女の顔がみるみる内に「羞恥の色」に染まっていくのが分かった。

 僕は「ショーパン越し」に結衣の「股間」を舐めてみた。膝を抱え、「間」に顔を「うずめた」。舌を出し「ぺろり」と「縫い目」の部分をなぞった。その「味」は――、「しょっぱい」ような「苦い」ような、けれどどこか「甘い」ような不思議なものだった。
 それは結衣の「おしっこの味」だろうか、それとも蓄積された「汗の味」なのだろうか、あるいは「ジーンズ」本来の味なのかもしれない。
 僕の「暴挙」ともいえる予想外の行動に、彼女は驚いているみたいだった。「まさか舐めるなんて…」と思っているのだろう。だが「意外」というならば――、それは僕自身だって同じだった。
 まさか自分がここまで「お漏らし」というものに、もはや「理性」すらも失くして「のめり込んで」しまうなんて思ってもみなかった。ただそれを「させ」、「見る」だけでは飽き足らず、「嗅ぎ」「舐める」ところまでいくだなんて――。

 僕はきっと「変態」なのだろう。女性の「体」のみならずその「付属物」である「分泌物」に――むしろ「本体」よりも激しい興味を引かれるのだ。
 僕は「虜囚」だった。「非日常」という「牢」に囚われ、もはや「正常」という名の「法(LAW)」を犯した、「異常」へと成り下がっていた。
 結衣は僕のそんな「性癖」に気づいてしまっただろうか。もしそうだとしたら、彼女は「ドン引き」したかもしれない。もはやこの先の「展開」は望めないだろう。
 あくまで「羞恥を与えるため」の「意地悪」であるならまだしも――。(それもそれで「ギリギリ」というか、かなり「グレイ」に近い部分であるが)それどころか、まさかその「行為」自体を「プレイの一環」と捉えるなんて、とても「まとも」ではない。

「今夜きり」。僕は結衣との「逢瀬」をそう覚悟した。もう「会ってくれない」かもしれない。「職場」で顔を合わせても「避けられる」かもしれない。あるいは――彼女に限ってそんなことはしないと信じたいところだが――僕の「変態性」について「バイト仲間」に言いふらすかもしれない。
 そうなってしまえば、僕はもうバイトを「辞めなくては」いけなくなるだろう。年下の「学生」に手を出し、ましてやその「変態的行為」によって「拒絶」されてしまうなど。どこをどう切り取ったって「羞恥」に違いない。そこにおいては彼女の「失態」も、あくまで僕に「無理やり」そう「仕向けられた」ものとして「正当化」されることとなる。
 僕は結衣に「羞恥」を与え、人としての「尊厳」を奪ったつもりが――、むしろ僕の方が「追い詰められる」という「絶望」の淵へと立たされていた。だがそれも「自業自得」だ。あくまで「悪い」のは僕であり、「イケない」ことをしたこれは「代償」なのだ。

 けれど。次の結衣の「言葉」によって、僕は「救われる」ことになる。「異常」なのは決して「僕だけ」ではないのだと――。

「もしかして、○○さん『も』お漏らしが好きなんですか?」

 結衣は訊いてきた。それは「問いかけ」という形を取ったものだったが、そこに含まれていた「同類」を示す「副助詞」はむしろ、彼女自身の「主張」を表わしていた。
 彼女は何もその「一文字」を「強調」したわけではなかった。むしろ「流れる」ように「意図せず」、ごく「自然」に口から出た言葉みたいだった。だが、だからこそ「言外」にそれは語られていた――。
「~も」ということは、つまり「そういう事」である。

「えっ?結衣も好きなの?」

 僕は思わず、そう訊き返していた。同じ「副助詞」を用いて――、もはやそれは自らの「性癖」を「認めて」しまったことと「同義」だった。

 そこから――、僕たちの「暴露大会」は始まった。
 結衣は「告白」した。この前の「一件」以来、彼女自身もまた「お漏らし」という行為に「囚われている」ことを。意味もなく「我慢」を重ね、時には「ピンチ」に陥ったこともあることを。(ある時は――、「限界」が迫ったまま「帰宅」し、もしその日「弟」がたまたま家に居てくれなければ「決壊」を迎えていたという)
 そして、実は「今日」も「我慢」していたらしい。確かに「デート」の最中、僕が「禁止」するまでもなく、結衣は一度も「トイレに行きたい」とは言い出さなかった。つい先刻、「僕の家に来てから」を除いては――。
 その時、すでに結衣は「覚悟」を決めていたのだろう。再び「お漏らし」をすることを。僕の目の前で、あの日の「再現」をすることを――。

 僕も「告白」した。結衣の「お漏らし」を見て、「発芽」したことを。さすがにその場で「射精」してしまったことは黙っておいたが、それでも何度かその「光景」を思い浮かべて自らを「慰めた」ことを。「最初」は「そんなつもりはなかった」ことを言い訳しながらも、もはや今日は「そのつもり」だったことを。彼女に「お漏らし」を「させる」つもりだったことを。

「変態ですね」

 僕の「自白」を聞いて、結衣は「軽蔑」を口にした。だが半分「笑い」まじりの「冗談」じみたその言い方は、決して「断罪」を表わすものではなかった。それに、あるいはその言葉は「彼女自身」に向けられたものであるのかもしれなかった。
 そうして、僕たちは互いの「罪」を「白状」し合った。

 僕はいよいよ「ショーパン」に手を掛けた――。

 さきほどの「告白」は「性的同意」を示すものではなかったけれど。それでも僕の始めた「続き」を彼女が「拒否」することはなく、むしろ腰を浮かして「脱がせる」のに「協力」した。
「湿った」ままで「脱がしづらい」ショーパンをなんとか脚から引き抜くと――、「黒タイツ」に包まれた結衣の脚がより「露わ」になり、今まで「見えてなかった部分」さえも「明らか」になった。
 本日の結衣の「パンティ」は「黒」だった。それを見て、僕は少し「がっかり」した。「まるで分かっていない」と思った。この「色」では――、せっかくの「黒タイツ」と「被って」しまう。「コントラスト」はなく、「同色の布」の中にただ「埋没」してしまうだけなのだ。

「黒タイツ越し」に透ける「パンティ」――、その「色」は「白」と相場は決まっている。あるいは「ファッション性」についていえば、「正解」といえないのかもしれない。まるで「下腹部」及び「臀部」だけが「浮き出た」ような、ある種の「滑稽さ」を思わせるその「格好」は「ダサい」以外の何物でもない。
 だが、あくまでそれは「見せる」ことを前提とするからであり、むしろ「見せない」「見られない」ことが当たり前の「その部分」において、「外見にこだわる」というのは少々「的を外している」感が否めないのである。
 そして、「隠れている」からこそ――、そう「思い込んでいる」からこそ――「気を抜き」、あるいは「手抜き」とさえ呼べないほどの「油断」が意味を持つのである。

 いや。そもそもそこに「意味」も「理由」もないのかもしれない。打ち立てた「論理」はその全てが「詭弁」であり、「偏向」じみたものに過ぎないのであろう。あくまで僕の「個人的」な「好み」であり、「異論」については様々に認める「構え」である。
 だが、兎にも角にも。僕が結衣のその「パンティ」を見て、少なからず「残念」に思ったことは確かだった。とはいえ、それですぐに「萎えて」しまうほど、僕は「傲慢」な人間ではなかったし。それに逆に考えてみれば――、彼女が今「穿いている」下着に「別の意味」を見出すことも可能であった。

 結衣は今日「お漏らし」を「させられる」ことを「想定」していたらしい。「暴露大会」においても、さすがにそこまで語られることはなかったが、無意味な「我慢」をしていたということはつまり、きっとそういう事なのだろう。
「着衣」での「お漏らし」において、「パンティ」を濡らし「汚して」しまうこともはや必然である。だとすれば、彼女はそれを「分かった」上で、あくまでこの「黒い下着」を――、「お漏らしパンティ」に選んだということなのだろう。
 それは「黄ばみ」を懸念してのものか。あるいは単に、後に「処分する」ことを知りつつ「いらない下着」を「犠牲」にし、「生贄」に捧げたのだろうか。
 どちらにせよ「不憫」でならない。その「下着」は今日穿かれたその瞬間から、「汚される」ことが決まっていたのだ。

 下着というものはそもそも、ある程度は「汚れる」ことが「確定」された「運命」にある。むしろ自らがそれを「被る」ことで「衣服」を「守る」その「役目」にこそ、「存在意義」があるのだ。
 誰だって「下着」は汚れてしまうものだ。だからこそ毎日「穿き替える」のである。
 普段の結衣にしたってそれは「例外」ではなく、「お漏らし」には至らないまでもそれなりに、多少の「シミ」は免れないだろう。「チビり」による「小便染み」、「発情」による「愛液濡れ」、そして――。

「拭き残し」による「ウンスジ」だって付けているかもしれない。

「まじめ」で「勤勉」な彼女の性格から「まさか」とは思うが、「みじめ」な「糞便」をパンティに「付着」させたまま、日々を送っているのかもしれない。そして、それは「今」だって――。

 なぜだろう?その「想像」に及んだとき、僕の中でまた何か、新しい「別の扉」が「開かれる」ような「予感」があった。とはいえ、まだそれは「コツコツ」とドアを叩く――、「ノック」をするだけのものに過ぎなかったが。そこには僕のまだ知らない「入口」が確かに待ち構えているのだった――。

 その後の「行為」は、いわば「手順通り」に進められたが。僕にとってはその「全て」が、あるいは壮大な「焦らし」であるように思えてならなかった。
 あえて「陰部」に「直行」するのではなく、まずは「おしっこまみれ黒タイツ」の「脚」を「舐め始めた」ことはもちろんのこと。「お漏らしパンティ」越しに、結衣の「秘部」に顔を埋めたことも――。
「もう、入れて欲しいかもです…」
 と。舌での「愛撫」によって堪えきれなくなり、やがて彼女の方からやや「遠慮気味」に「挿入」を「懇願」してきたときも。僕の「興味」と「ペニス」はむしろ、彼女の「別の穴」へと向いていた。

 ついに、結衣の「下着」を脱がしに掛かる――。
 そこにおいて、僕は結衣に「協力」を求めたのだった。


続く――。

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おかず味噌 2020/08/30 20:42

クソクエ 女僧侶編「着衣脱糞 ~救済へと至る道~」

(前話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/358447
(女戦士編はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/311247


「今日はここまでにしましょう!!」

「勇者」の声で「歩み」を止める。「日暮れ」にはまだ少し早いが、すでに空は「茜色」に染まり始めている。
 今日の「冒険」は「ここまで」のようだ。「頃合い」だろう。「野宿」をするのにだって、それなりの「準備」がいる。完全に「昏く」なってしまってからでは遅いのだ――。

「野営」においてもやはり、それぞれの「役割」というものは自ずと決まっている。
 ヒルダは辺りの「森」から「薪」を調達し、アルテナは「糧」となるべく「料理」に取り掛かる。「指示」を出されるわけでもなく、「話し合う」までもなく、まるでよく「訓練」された「兵士」のように、各自黙々と与えられた「仕事」をこなす。
 彼は――、周囲の「見回り」をしている。傍から見れば、あるいは単に「サボっている」だけのように思われるかもしれないが。実にそれは重要な「任務」である。
 ここは「安全」な町の中ではなく、いつ「敵」に襲われてもおかしくはない「フィールド」のど真ん中。いくら「警戒」しようとも、し過ぎるということは決してない。まさに「危険」と隣り合わせの「現場」なのだ。

 アルテナは「食材」の下拵えをしている。今宵の「献立」は「肉と野菜のスープ」。簡素な「メニュー」であるが「栄養」の面からすれば申し分ない。「味」については――、まさしく彼女の「腕の見せ所」である。
 昼間にヒルダが運よく狩った「野兎」と、道中アルテナが根気よく採集した「野草」が、その「材料」となる。「杖」を「短刀」に持ち替えて、早速料理に取り掛かった彼女であったが、そこですぐに「障壁」に行き当たることになる――。
「肉」と「野菜」は十分に揃っていたが、それだけでは「料理」にならない。そして、「肉」はその「血」を洗い落とすのに、「野菜」についても「土」を洗い流すのに、さらには「食後」に「皿」を洗うにしたって、どうしたって「それ」は必要となってくる。まさに「生命」の源であり、「生活」においても「必要不可欠」というべきそれは――、

「水」だった。

 まずはそれを「調達」してからでなければ。とても料理に取り掛かれそうにない。
――近くに「川」でもあれば良いのですが…。
 アルテナは考える。一旦「短刀」を置き「食材」をそのままにして、「水」を探すべくその場から離れようとする。
――何か「汲むもの」を…。
 アルテナは近くを見回す。「鍋」があればそれで十分だったが、やはり「必需品」であるはずの「調理器具」はなぜか見当たらない。
――あら?さっきまであったはずでしたのに…。
 アルテナが怪訝に思っていると――、

――ドカッ!!

 目の前に「水の入った鍋」が置かれた。彼女の「祈り」が天に届いたのだろうか。突然現れたそれにやや困惑気味になりながら、置かれた鍋のその「向こう」をゆっくりと見上げる――。
 そこには。「か細い腕」と「華奢な体」、「あどけない表情」の愛しい人がいた。
「勇者様…?」
 アルテナは鼓動が早くなるのを感じながらも、なるべく冷静を装って彼の「名」を呼んだ。
「探索していたら『川』を見つけたんです!料理するのに必要ですよね?」
 彼は言った。まるで「子供」が気を利かせて「親」の手伝いをして、「褒められる」のを「期待」しているみたいに。その表情は「得意げ」だった。
「あ、ありがとうございます!とても助かりますわ」
 アルテナは謝意を述べた。これで無事料理に取り掛かることができる、とそれ以上に。自分の「思っていたこと」が彼に、口に出さずとも「伝わった」ことが嬉しかった。
 まるで「以心伝心」。「魔法」なんて使わずとも、二人の「距離」を繋ぐそれは「テレパシー」のようだった。(離れてたって「以心電信」)
 アルテナはふと。またしても、「将来」についての大いなる「展望」を「夢想」していた――。


 彼女は「家」で夕食の支度をいながら「夫」の帰りを待っている。やがてドアをノックする音が聴こえると、すかさず手を止めて。まさしく「犬」のように「しっぽ」を振って、小走りで玄関へと向かう。
「おかえりなさいませ、あなた」
「労う」ように言い、単なる「二人称」である、その「呼び名」に意味を込める。
「ただいま!」
 彼は応える。変わることない「無邪気」な表情で、そこにいくらかの「逞しさ」を携えて。自らの「帰るべき場所」に還ったのだと、「安堵」して見せる。
「相棒」である「剣」を、「パートナー」である自分が預かる。今日一日彼の命を守ってくれた「相棒」に感謝しつつも、けれど今や彼の「命に次に大切なモノ」は「自分」なのだと、その「感慨」と「優越」に浸る。そしてやや冗談まじりに訊ねる。
「すぐに『ご飯』にしますか?『お風呂』にしますか?それとも――」

――ワ・タ・シ?

 言うだけで赤面しそうになる、お決まりの「台詞」である。あまりに「ありがち」で、けれど現実には言わないであろうと「夢の言葉」に、けれどアルテナは「充足」と「幸福」を感じるのだった――。


「アルテナさん?どうしたんですか?」
 彼の言葉で我に返る。「妄想」はそこで打ち止めであった。にも関わらず、アルテナの眼前には、夢と同じ「現実」があった。
「え、えぇ…。大丈夫です。少しばかり疲れているだけで…」
 アルテナは未だ「夢と現」の間を彷徨いながらも、「動揺」を抑えてなんとか答える。旅の「消耗」はそれなりにあったが、彼女の「動悸」はそれが「動機」ではなかった。
「そうですか…。今日はなるべく早く休みましょう!」
 彼はあくまでアルテナを気遣い、そう言った。どこまでも「優しい」彼。
「あ、それと――」
 彼はそこで、アルテナにある「提案」をする。
「流れがそんなに「速く」なくて、「入れそうな」場所があったんです!」
 それがさも「大発見」であるかのように、彼は言う。彼の言わんとしていることがアルテナには分かった。
「『水浴び』でもしてきたらどうですか?」
 彼は言った。それはアルテナにとって「願ってもみない」ものでありながら、けれど彼女は「迷い」を感じた――。

 確かに今日一日の「冒険」といくつかの「戦闘」を経て、アルテナは相当程度の「汗」をかいていた。体中は「ベタついて」いるし、ローブの下はひどく「蒸れている」。
「身だしなみ」にはそれなりの気を配っているつもりだし、自分ではあまり感じていないけれどやはり、「臭い」だって少なからず発生しているだろう。
 特に「下穿き」については――。「汗」とは違うもので「濡れ」、「発酵」し掛けたより強い「刺激臭」を放っているに違いなかった。
 彼の「提案」を聞くまではさほど気にならなかったが。一度その「可能性」を示唆されたとなると――、今すぐにも汗にまみれた体を洗い流し、汚れた「下穿き」を履き替えたいという衝動を抑えられなかった。

 とはいえ。自分「だけ」が良いのだろうか?アルテナは思う。
――「集団生活」において、「個」を優先するべきではない。
「神の教え」を説くまでもなく、それは人として当たり前の「ルール」だ。
 今の自分には「パーティ」の「一員」として与えられた「仕事」がある。それを「放り出して」まで、自らの「娯楽」に走るなど――。
 アルテナは「鍋」を見た。まだ「火」の入っていない静かな「水面」を見つめがら、「葛藤」が「煮詰まる」様子を眺めた。そんな彼女を見て「勇者」は――。

「あとは僕がやっておくので。これでも『ソロ』の時はよく自分で作ってたんですよ」

 彼は「腕まくり」して見せる。「任せておいて!」と、自信満々に言ってのける。アルテナはしばし逡巡したが結局、せっかくの「厚意」に甘えることにした。
「では申し訳ありませんが…、よろしくお願いします」
 アルテナは「提案」に乗り、その場を彼に任せることにした。自らの「責務」を放り出すことに少しの抵抗を感じたが、それでもやはり乙女としての「矜持」を優先することにしたのだった。

 彼におおよその「方角」を聞いて、アルテナは「水浴び」に向かう。森の木々をかき分け少し進んだ先に、目的の場所はあった。
 見るからに清浄そうな「川」が流れていた。川幅が広く、けれど「折れ曲がる」ことでそこで一旦「流れ」が停滞しているため、「勢い」はそれほど強くはない。そして何より、周囲の木々が「目隠し」の役目を果たしてくれているため、容易に「人目」につかなそうであった。
 つくづく彼は、「女心」というものを理解してくれている。彼の深い「思いやり」に感激し、またしても「惚れ直しそう」にながらも、けれどアルテナはやや「不安」にもなった。もし、同じだけの「思いやり」が別の「女性」に向けられたなら――、きっとその「相手」も彼に自分と同じ「想い」を抱いてしまうかもしれない、という危惧だった。 
 だがそんなことを今考えても仕方がない。アルテナは今は「自分だけ」に向けられたものである「厚意」を素直に受け取ることにした。

 アルテナは早速、「木陰」で衣服を脱ぎ始めた。「杖」を置き、「前掛け」を外し、「法衣」を下ろす。くしくも「あの時」と同じ手順は、彼女の「体」に「錯覚」と「混乱」をもたらす。
――少々、「催して」きましたわ…。
「下腹部」と「股間」に感じる、じんわりとした「違和感」。そういえば今日、町を出てからはまだ「一度」もしていない。これまで気づかずにいたけれど、彼女の「膀胱」には確実に「おしっこ」が蓄積され、今やはっきりと「尿意」を自覚していた。
――先に済ませてから…。
 アルテナは「水浴び」をする前の「準備」について考えた。今一度、周囲を見回してみる。辺りは「静寂」に包まれていて「水音」以外せず、どこにも「人影」は見当たらなかった。そうした「状況」が、彼女に甘い「誘惑」をもたらす。
――「ついで」に、しちゃいましょうか…。
 確かな「決意」を新たにして、アルテナは残った「下穿き」を脱ぎ去り、そのまま「川の中」へと入っていく――。

 川の水は冷たく、一瞬心臓が止まりそうであったが、彼女の「火照った体」にはちょうど良かった。「足先」から順番に、「下半身」「上半身」と慣らしていき、馴染んできたところで一気に「頭」まで水に潜る。

――――――。

 周囲の「音」が消え、完全な「静寂」に飲み込まれる。しばし「外界」から閉ざされたことで、アルテナの「心」は「空っぽ」になる。
――バシャ!!
 呼吸の限界を感じて、アルテナは水中から顔を上げる。「周囲の光景は『一変』していた」なんてことはなく、そこには数秒前と同じ「静寂」があった。
「心地良さ」のまま少しばかり泳ぐ彼女の姿は、傍から見るとまるで水の「女神」かはたまた「精霊」のようであったが。けれど、その姿を「目撃」し「目に焼き付ける」者はいない。少なくとも彼女の「知る限り」では――。(一瞬、草影に何か「動くもの」があったが、アルテナがそれに「気づく」ことはなかった)

 しばらく泳いでいると、やはり「冷たさ」のせいもあって、いよいよ「予感」が「確信」めいたものになる。かろうじて足の立つ場所まで移動し、そこでアルテナは「直立」する。
 何をしようとしているのか、彼女だけがそれを知っている。水中にある彼女の「股間」に「指令」が出される。それが「届いた」瞬間、彼女はわずかに「身震い」した。そして――。

――シュイ~!!!

 アルテナの「股間」の周囲に、新たな「水流」が加えられる。わずかに違う「色」の「液体」はやや「温かく」、確かな「匂い」を持っている。けれどそれもすぐに周囲の「水」と同化し、立ち消え流され分からなくなる。

 アルテナは「水中」で「排尿」をしていた――。
 
 あるいは「人としての『禁忌』を犯している」という実感がある。不用意に「自然」を「汚す」というその行為に、アルテナは少しばかりの「罪悪感」を抱くのだった。だがそれもあくまで「建前」であり、決して人に知られてはならないがけれど決して人に知られることはないというその「安堵」と、何より行為自体のその「解放感」と「快感」の前では、いかなる「理性」すらも文字通り「押し流されて」しまうのだった。

――あぁワタクシ、このような静謐な場所で「お小水」を…。

 内心でアルテナは「自戒」する。「しゃがみ込んで」ではなく「立ったまま」でする行為に、「地面」や「便器」に打ち付けられることのない「放尿」に、まるで「お漏らし」のような感覚を抱く。だがアルテナのそれは、決して「下穿き」を濡らすこともなく、その場に留まることもない。「行為」と同時に、「汚れた」部分が「清浄」に洗い流されていく。むしろ「正規」の手順を踏んだ、「排尿行為」と呼べるのかもしれない。

 やがて「水流」が打ち止められる。アルテナは再び「身震い」をして、自らの「体温の一部」が川の中に溶けていったことを自覚した。「出したもの」はすでに遠くへと流れ去り、「出した部分」を拭う必要さえなかったが。それでもやはり「習慣」からか、あるいは「念のため」、今一度よく洗っておくことにした。
 アルテナの「指」が股間に触れる。残存する「臭い」を取り去るべく「割れ目」にあてがわれた指が「何か」に触れ「濡れる」。
「川の水」によるものではない。「おしっこ」とも違う。やや「粘り気」を帯びたその「液体」はまさしく、大いなる「生命の神秘」によるものだった。

 アルテナの「ヴァギナ」は「愛液」を溢れさせていた――。

 冷たい水中にありながらも、けれどその部分は確かな「熱」を持っていた。まるで「海底火山」のように、「温水」ならぬ「女水」を噴出していた。いや「粘度」でいえば、「マグマ」と呼んだ方が的確かもしれない。その「流体」は、それだけは――、「水中」においても「流される」ことはなく、「冷たさ」の中にあっても決して「冷やされる」ことはなかった。むしろアルテナの指がそこを「まさぐる」度、それは続々と溢れ出てきて、「ヌルヌル」とした感触をいつまでも保ち続けていた。
「愛液」が「潤滑油」となって。ますますアルテナの指は「加速」する。最初は付近に触れるだけで甘んじていたが、彼女の「探求心」はやがて「水中洞穴」の深部へと向かうことになる。
 そこは他者にとって「未知」の空間でありながらも、彼女にとっては「既知」の場所。どんな「構造」をしているのか、どこに「快楽」というべき「財宝」が眠っているのかを熟知している。「ダンジョン」と呼ぶにはあまりに「探索」の進んだ「マップ」に、けれど彼女は未だに「冒険者」としての「興味」を失うことはない。
 何度も「行き来」し、「出し入れ」し、「壁」を擦り、時に「強く」時に「優しく」、あくまで「ソロ」での「冒険」を続ける。
 それだけでは物足りずに、もう一歩の手は「洞穴」からやや離れた場所にある「双丘」へと伸びる。その「頂き」に建てられた「尖塔」を、まるで「巨人」が弄ぶが如く「コリコリ」とこねくり回す――。

 やがて「ダンジョン」に、ある「変化」が訪れた。全体が小刻みに「振動」する。アルテナは「予感」を悟った。
 本来ならば――、それが本当の意味での「探索」だとしたら。紛れもなく危険の「兆候」であり、まさしく「危険信号」に他ならない。いかなる深部にいようとも、目指すべきは「出口」であり。何をおいても真っ先に「脱出」を考えるべきである。
 だがアルテナはそうしなかった。彼女の「指」はあくまで「中」に留まったまま、来るべき「衝撃」に備えるべく――むしろここにきてより「激しく」、「探求」を続けるのだった。
「振動」はついに、アルテナの体「全体」に波及する。アルテナは「つま先」に力を込める。そうでもしないと、とても立っていられそうになかった。そうしていても尚、足を滑らせてしまいそうだった。
――ああ、ワタクシ「逝って」しまいます…!!
 まさに「昇天」すべく、アルテナの「心」と「体」は身構えた。思わず目を閉じたアルテナの「瞼の裏」にあったのは――、まさしく「天国」と呼べる光景だった。

――ビクン…!ビクン!!

 アルテナの体が大きく揺さぶられる。突き抜けた「快感」に耐えるべく、アルテナは今一度足に力を入れて、「足の裏」で川底の「石」を掴んだ。

 徐々に「波」が引いていく。少しばかりの「感傷」を残しながらも、まるで「海」のそのように。何事もなかったかの如く、穏やかに去ってゆく――。
 アルテナは静かに目を開いた。そこにはやはり、さっきまでと同じ景色が広がっていた。だが心なしか全ての「音」が、「色」が、「明瞭」に感じられた。
 穏やかな「川の流れ」が、彼女の「火照った体」を冷まし、その「汚れた魂」さえも洗い清めてゆく――。

 出来ることならいつまでもそうしていたかった。だけどそういうわけにはいかない。いい加減「上がらないと」、あまり体を冷やし過ぎてしまっては「風邪」をひいてしまうかもしれない。それに、いつまでも戻らないとなると、彼に余計な「心配」を掛けてしまうだろう。アルテナは名残惜しさを感じながらも、そろそろ「引き上げる」ことにした。

 川から上がって、持ってきていた「布」で体を拭く。吸水性はあまり良くはなく、体はやや「湿った」ままであったが、あとは「自然乾燥」に委ねることにした。
「全裸」を終えるべく、足元の「衣類」を探る。そこで彼女は「あること」に気づいた。

――あら?おかしいですね…?

 アルテナのそばには彼女が「脱いだ」衣服がある。もちろん「脱ぎ散らかす」こともなく、きちんと「折り畳まれて」いる。
「前掛け」に「法衣」に、それから――。「あるもの」が「消失」していた。
 一番「最後」に脱ぎ、一番「最初」に着るべきものが――。

 それは「下穿き」だった。

「衣服」の間に挟んでおいたはずのそれが無くなっている。
――確かに、ここに置いておいたはずなのですが…。
 怪訝に思いながら、一度全ての衣類を広げてみたがやはりない。彼女の「装備」のうち、最も人目に触れることなく、最も「隠したい」その布だけが消えていた。
 やや「困惑」を感じながらも、けれど彼女はさほど「途方に暮れる」ことはなかった。
 アルテナはもう一枚の「下穿き」を取り出した。体を拭いた布に挟んでいたものだ。無くなってしまった方と同じ「純白」のそれ。(アルテナは主に「白」の「下穿き」ばかりを好んでいた)
 まだ「穿いていない」方のそれ。「汚れ」も「染み」もなく、まさに「純白」である「下穿き」に穿き替える。元よりそうするつもりだった。いくら体を「きれい」にしたとはいえ――、きれいにしたからこそ、「同じ下穿き」を穿くことは躊躇われた。
 当然だろう。「汗」と「おしっこ」にまみれたものをわざわざ穿き直したくはなかった。出来ることならついでに「汚れた下穿き」を洗ってしまいたかったが、無くなってしまったものは仕方がない。
 おそらく「小動物」か何かの仕業だろう。アルテナは考える。ずいぶんと「いやらしい」獣がいたものだ。だがそれにしては、あまりに「手口」が「鮮やか」だった。他の衣服は荒らされることはなく、「下穿き」だけを見事に抜き取られている。まるで最初からそれだけが「目的」であったかのように――。
 けれどそれはむしろアルテナにとって、好都合だった。もし「それ以外」もやられていたとしたら――。彼女は「全裸」でパーティの元へと戻らなければならなかった。そういう意味では何とか「最悪の事態」だけは免れ、まさに「不幸中の幸い」であった。

 服を着終えたアルテナは、元来た道を引き返す。

――それにしても…。
 アルテナは盗まれた「下穿き」について考えを巡らせる。
 いくら「理解」を持たぬ「獣」の「所業」とはいえ、「汚れた下着」――「おしっこ」まみれの「下穿き」を見られてしまったことを思い浮かべると、少々気恥ずかしかった。
 

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