ぶるがり屋 2022/05/09 01:35

鎌倉殿の13人 18話 の感想

鎌倉殿の13人 18話
「壇ノ浦で舞った男」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 ふふ、分かってしまいました。
「この先生きていればどれだけ鎌倉殿に貢献したか」「どんな豊かな人生を送ったか」と見せるのですね。
死すべき運命の人を!
鬼!悪魔!! 三谷幸喜!!!!(大好き!

傷ついた心

 前回気になっていた、源義高を失った後の大姫はどうなったのか。
やっぱり痛々しい…
幼い女の子が可哀想だよ…

 一番近くで慰めるのが八重さんというのも、複雑であり因縁であり。
大叔母で叔母で父の前妻で、同じ頼朝のために大事な者を亡くした女。
政争と家のために、子と許嫁が殺された者たち。

 八重さんは多くを失ったけど、時と家と愛を得て、己のものとして、強くなったんだなぁ…

源平合戦

 平家の京都落ち延びの後の両陣営の変遷はよく分からなかったので、ありがたい。
なるほど、壇ノ浦の敗戦で逃げなかったのも、戦略の結果だったのですね。

 屋島、そして壇ノ浦。
まるで絵巻物のようでした。
美しく恐ろしく、勇ましく愚かで、切ないほどに果てがなくて。
残酷なまでに美しくて。
 苛烈な戦術、戦姿。
見渡す限りの死体、死体、死体の山。
心震わす壮大で荒々しい海戦は苛烈で、
戦いの後は無残と憔悴が残るのみでした。

 義時も宗時お兄ちゃんも、坂東武者たちも、ここまでするつもりもなかったのだろうなぁ。
ここまでの犠牲が必要だと分かるところに、義時は来てしまったのだなぁ。

 海に沈む安徳天皇と女官たち、死体の浜辺で果てを見つめる源義経。
忘れられそうにありません。

平家最後の棟梁

 平宗盛がこんなに綺麗に描かれるの、初めてで最後じゃないかな!(笑
と同時に、この優しくて甘くて抜けてて執着心の薄い宗盛では、後白河法皇と源氏兄弟には勝てないのも納得せざるを得ません。
 腰越状の不始末、宗盛としては誠意もって書いたのだろうけど、頼朝の身分や視点を考えずに書いて、結局呪いになっちゃったように思います。

 心繋がる兄弟、死刑となる親子。
ファミリーコンプレックスの義経にも、『平家物語』クラスタにも刺さる言葉でした。
平重盛ー!(涙
 アニメ『平家物語』の今年・GWの放映を計画した方、GJ!

頼朝の復讐

 大姫の傷の後も、北条政子は源頼朝を愛し支えていたのは嬉しかったです。
残酷で大悪だけど、弱くて傷ついてばかりの頼朝に、人としての安らぎを得て欲しいとも思うのです。
政子は、そんな安らぎの場所になっているのですね。

 父の、一族の復讐を!
抑えきれない復讐心に身を焦がして生きてきた。
優しさも愚かさも全てを犠牲にして、踏み越えて、利用して、権力をつかんで、復讐を果たした頼朝と義経。
到底不可能な復讐を、成し遂げた、成し遂げてしまった。
 復讐が終わった今、たった一人の頼朝と義経として生きて欲しい…
そう願うのに。

梶原景時の選択

 似ている、似ているからこそ、梶原景時は必ず災いになると見たのか。
オーベルシュタインか!
義経が有能なNo.2では収まらず、No.1を食らう可能性があるから排除する理論ですよね。
義経に認められ、心通っても、それでも。

 ただ、今までは最後に天に選ばせたのに、今回は占わなかったのですよね。
それは頼朝に忠誠を誓ったからなのか、義経を憎いほどに羨んだからなのか、それとも点に代わり裁く者と自らを定義したのか。

義経の復讐 その後は

 命や人の心を知らないのではなかった。
戦の法や古来の文化を知らないのではなかった。
知ってなお、己の軍才と吹き上がる復讐心に乗り、戦場を駆け回り、日本の勢力図を書き換えた。

 源九郎判官義経。
復讐を終え、危ういほどに純粋な君の人生、やっと始まった君の、その先は。
仇敵に情けを送り、一度会った民と共に芋を食う。
もう自分は滅ぶと分かって義時に見せたような、そんな気がするのです。

他、ちょこちょこ。

 調整役頑張ったり、りくに満足してないと仄めかされたり、可愛いよ時政パパ!
やはり一番人の心がないのは後白河法王、朝廷の時代のラスボスですね…!

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