ぶるがり屋 2022/05/01 23:48

鎌倉殿の13人 17話 の感想

鎌倉殿の13人 17話
「助命と宿命」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 前回前々回と、人の心を折りにくる物語…辛い!
人情味溢れる初期が有ったから見続けられるけど、初期が楽しかったからこそ辛いよ!引き込まれるよ!

残酷絵巻

 もしかしたら助かったかもしれない。
そう思わせる命が、一つ二つ、三つ。
遺志も善意も誠意も届かず、見慣れたはずの首桶のシーンに胸が痛くなりました。
 しかもここで悲劇なぞ終わらせず、頼朝は謀略と支配引き締めに使うのだものなぁ…

鎌倉殿の義弟、北条義時

 義高を消せ。
ああ、源頼朝は、「自分を許せ」ではなく、「自分と同じ地獄に生きろ」と望むのか。
それはきっと愛で情けだけど…

 父を喪う前の頼朝も、蔵で帳簿を整えるのが好きな、兄を慕い振り回される地味な弟であったのか。
誰にも本心を開かせぬ男になってくれと願うのか。

 義高を殺さなかった代わりに、故なき誅殺を重ねる北条義時。
いや、妻子を守るために、頼朝支配のために、必要だと分かるから、殺した。

 守るために心を殺した、その子に許しを請い、妻・八重には顔も向けられず。
「お前たちのために汚れた」と言ってしまいそうなのか、汚れた自分や、泣き顔を見られたくないいのか。

 でも八重さんは。
小四郎の弱さも正しさも甘さも、格好悪さも自分たちへの重過ぎる愛も知って居るから。
一緒に苦しんで欲しいと思うよ。
全て一緒に苦しみたいのだと思うよ。

誰ももう、無傷でも無実でもなく

 我らが主人公、北条義時はすでに裏切り者で、誰よりも義に厚買った三浦義澄さえも情より恐怖を選び。
また、情と家族を大事にしようとした北条政子は、その言葉の重みを思い知らされ。

 権力を守ること、保ち続けること。
そしてその権力を支えることの重さ、恐ろしさに胸も腹もきゅーっと痛くなります。
変わってしまったのだと。
とっくの昔に、戻り道は無いのだと。

 頼朝も、時政も、腹をくくった。
義時も、政子も、腹をくくらずには、もう生きられない。
小田舎でちょろちょろ走り回る、くしゃ髪で土に汚れた青年は、もう居ない。

悲劇は終わらず

 これだけ辛くても地獄のようでも、まだ17話。
前々回の上総広常誅殺で「地獄の門が開いた…」とか思っていましたが、地獄の入り口でした。
まだまだ先も奥も深過ぎて見えません。
 ああ、大姫、安徳天皇…

次回、壇ノ浦、そして。

 本編だけでお通夜気分でしたが、予告も予告で…
数多の戦、数多の死体を踏み越えて。
恐ろしい軍神九郎義経の、落日が切なく、重い。

 ふと思えば、比企の姫「郷御前が京に行く」のも悲劇の前触れですか。
あんな小憎い比企能員の憎たらしいおべっかまで。

他、ちょこちょこ。

 一ノ谷と鵯越、今回の源義高から一条忠頼の殺害まで、史実とその諸説を上手く物語に盛り込むなぁ、と感嘆することしきりです。
歴史ファンの心を掴むのが上手いぜ!

 曽我兄弟はちょっとコメディになってない?
あのままだと工藤祐経をすぐ殺せちゃうよーな(笑

 安達盛長も比企能員も悲劇と残酷劇の住人となり。
喜劇キャラはもう、和田義盛と全成くんだけだよ!
頑張ってー!!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索