ぶるがり屋 2022/11/13 23:30

鎌倉殿の13人 43話 の感想

鎌倉殿の13人 43話
「資格と死角」の感想です。


見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK

【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK

鎌倉殿の13人

 よし、今回も人死なかったな!
最大の悲劇のカウントダウンなのは目を瞑りたい…!

公暁、還る

 立派な青年になって……
振り回されて振り回されて、生き延びて、振り回されて。
今回でやっと人となりが描かれましたが、鎌倉殿としては諸々問題あるにせよ、真っ直ぐな青年に育ちましたよ。
比企尼の呪いも、そのままなら埋もれる筈だったのに。
つつじ殿は、本当に本当に、鎌倉の因業から逃れて欲しかったんだなぁ。

 ちょっと我儘で独善で政治知らずですが、そこら辺を教えるのが三浦義村の役目なので、
義村が悪い。
 頼家を心ならず殺して二度とこんな悲劇をしない! と多くの者が心に刻みましたが、義村は別に反省してないんだなぁ(笑

その名は北条政子

 北条政子、長年学んで、覚悟を決めて「歴史上の北条政子」になってきました。
都人にも臣下にも、侮られず畏れられず、共に居たいと思わせられる。
「従三位♡」も頼朝にそっくりで、夫婦で似てる、そして為政者として似てきたの証なのでは。

 「重過ぎます。」
いいなぁ。
大江広元の一世一代の告白も美しいけど、全部は受けられない応えられない、でも嬉しい、想いは受け取る、と。
私的公的にも一線を引きながら友愛で返す。
素敵な答えですよ。
これには広元もはにかみするしか。

 国の根底を変える頼朝に仕え、非常に政権を律する義時に助力し、でも心はずっと政子にあった。
広元はそんな男で、政子はその誠を捧げるに値する女性なのだ。

面白い男、トキューサ

 藤原兼子を政子が落としてる横で、後鳥羽上皇を北条時房が落としてた(笑
もう完璧に「フッ面白い男」の流れなんですよ本当に面白いなコイツ。
上皇から見て、蹴鞠の腕もそんな腕を自分に見せつけるのも、無礼なのももう居ないでしょうからね。

 政子の貴族相手の交渉術も時房の蹴鞠も、本人たちのたゆまぬ努力の結果であり、またそれを支えた頼朝と頼家との日々の先にあったものなのですよね。
遠い遠いあの日の、答えの一つ。
感慨深いです。

 問題はあるものの、朝廷と結び、実朝と政子の「天皇家の将軍を戴く鎌倉殿」案も上手くいく可能性は有ったのではないか。
そう思わせてくれる成果でした。

 でも、そうはならなかった、のですよね……

冷笑の貴公子 源仲章

 憎たらしいッ!
安全を確保してから人を殺し利用し陥れてのし上がり、おまけに一々卑劣という。
今まで小憎たらしいキャラは山程居ましたが、ただただ憎たらしいキャラは新鮮。
ずっと薄っぺらい仮面を被ってたのに、義時を煽った時だけあれ素の顔ですよ。

 心に隙間ある女性をなびかせるのも納得の、優しくて麗しい顔なのですよね〜。
またムカつく!(笑
いつもは小憎らしいのえ殿が夢見る少女でチョロ過ぎて可哀想なのですが、前なびかせてた実衣ちゃんからは離れたようで、ちょっと安心したり(笑

癒しは誰?

 実衣ちゃんだけ全く成長してねー
義村との肘叩き喧嘩なんてもう伊豆の幼い頃のままで(笑
政子との不仲もグチを堂々言ってるだけですし、暗躍しないし、最近の暗い顔と不幸な未来の中では癒しですよ。
いやこの先わりと辛いのは知ってますが、それは全員なので……

 残念ながら、八田殿は前回の事業失敗で引退しちゃったようですが、三善康信殿はまだ頑張ってた!
今回も古来からの知恵を頼りに実朝を支えて、立派でしたよ。
このままずっと癒しであって… あ、無理だ。(次回の悲劇を思い出す
せ、せめて布団の上で死んで欲しい、です。

義時と泰時

 北条家の権力終わるかもしれない、この時にやっと愛息子・泰時に内心を告げられた義時。
伝わって、伝えられて良かった。
義時の多くの感情が詰まった瞳と、やっと心が晴れた泰時の笑顔が眩しいですよ。

 でも、ああ。
「本当になりたかったもの」なんて、答えられないですよ。
何度傷ついて、何度誤って、何度諦めてきたかなんて。
そんな泣き言言える男なら、ここまで来れないんだ。
言えないから、こんなに黒くなってしまったんだ。

 そして、まだなれないまま、罪を重ねていくのだろうから。
もしかしたら、この先の悲劇すら諦めて捨てて、覚悟してるかもしれないのだから。

  ただ、「本当になりたかったもの」は失言だったのですよね。
義時も本当は言いたくて、ずっと言えなかった、ついに言ってしまった。
その弱さが、とても愛らしいと思うのです。

義村が悪い

 み、三浦義村の真意がまだ掴めねーッ!
公暁を旗印に権力掴むつもりなのか、実朝公暁両方まとめて消すつもりなのか。
公暁の前の言動が全部演技なのだけは分かるけど(笑
頼家の死の真実を知らないと分かり、「こりゃ使えるな」とすぐ誘導したでしょ!

 乳人親としてどー考えても最低ですが(笑、無知の少年を権力をつかむための道具と判断したのか、それともこの無知独善な源家の青年は鎌倉の害と断じたのか。
色々まだ掴めませんが、悲劇の最後の引き金を込めたのは三浦義村、なのですね。
他にももっと、良い結果はあった筈なのに。
うん、
義村が悪い。

次回、「審判の日」

 公暁が北条義時の顔を知っているのならば。
誰が殺されるのか、誘導したのは三浦義村なのですよね。
雪の鶴岡八幡宮で、裁かれるのは、誰か。

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