茶飲み話55 「マリカ」キャラクター余録(11)

一鉄工房のブログにおこしいただき、ありがとうございます。
管理人のOIGUMO(老雲)です。

今日はまず、事務連絡から。
DLsite.com様の夏の半額セールに、当サークルの「魔法剣士アリサ」が
参加しています。期間は9/25までとなっています。

さて、前回はマリカとララの甘い一夜(?)を描いた後日談3について
触れましたが、実はこのお話には、さらに後日談・・・ならぬ「翌朝談」を
準備していました。話が長くなりそうなので、あの場面で終了したんですが。
今日はそんなお話になります。

関心のある方は、以下の「続きを読む」をクリックされてください。



(続き)
続きを開いてくださり、ありがとうございます。

後日談1~3は、ファム&ルン、レン&リオ、マリカ&ララの組み合わせで
展開されています。お気づきかと思いますが、この3つの後日談は、
ヒロインの未来を描く後日談4~6の伏線となっており、この一晩の経験が、
それぞれのヒロインが進む道を決定づけるエピソードです。それと同時に、
ドタバタコメディでオチをつけ、読む人に楽しんでもらうための物語でした。




ちなみに、各後日談のオチは、それぞれが夢の世界の中で展開されています。
ファムとルンの後日談1は、2人が入眠した後、夢が混線しているようですし、
レンとリオの後日談は、レンが自ら望んで夢の世界に連れて行ってもらっています。
そして実は、マリカとララのコメディも、夢の中での出来事、という設定です。




2人のマジメな会話が終わり、マリカが「そろそろ寝よっか」と提案し、
部屋が暗くなった後、2人はベッドで肩を並べて眠りに落ちます。
この後、ララがマリカに話しかけるところからコメディ場面が
スタートします。ゲームに詳しい説明はありませんでしたが、
実はこのタイミングで、ララはマリカに気付かれないよう、
周囲の風景を変えずにこっそり夢の世界を作り上げました。
要するに、バトルに突入したわけです。
ただ、ララはHな攻撃技を繰り出していないので、マリカは気付いていません。




周囲の風景をララの意思で変えられたことが、
この場面が夢(バトル)の世界であるということの
証明です。マリカは気付いていないようですが。






ここで唐突ですが、少し話題を変えて寄り道します。




背景とBGMが切り替わった後、マリカがこんなセリフを
喋りますが、このシーン、違和感を感じられた人も
いらっしゃるかもしれません。ちょっと変わった演出です。






少し堅苦しくこのシーンを観察しますが、本来、BGMとは、シーンの雰囲気を
プレイヤーに伝えるためのもので、登場人物がその音楽を聞いているわけでは
ありません。また「背景」も、プレイヤー視点で「キャラの立ち絵が前、
その場所の視覚的な情報である、後ろにある風景が背景」という
意味であるはずです。




それにも関わらず、マリカが背景やBGMの変更を要求しているということは、
この時マリカは、ゲームの登場人物としてではなく、プレイヤーの視点で
ゲームの場面を捉えていることになります。




こうした演出は珍しいものではありません。例えばゲームの体験版などで、
登場キャラが「このゲームの発売日は●月●日です。よろしくね」のような
発言をするシーンもありますよね。この時、この登場キャラは、ゲームの
世界を飛び出して、プレイヤーと同じ視点でゲームを眺めていることになります。




こうした演出のことを、「楽屋裏ネタ」というそうです・・・、いや、管理人は
昔からそう思っていたのですが、この言葉でネット検索をしても1件も
ヒットしない状態だったので、別の名前があるのかも。ご存知の方は
教えてください(笑)。とりあえず今日の記事の中では、
「楽屋裏ネタ」と呼ばせていただきます。




この楽屋裏ネタ、ゲーム中で多用すると、プレイヤーの視点が混乱してゲームの
面白さが損なわれますが、ピンポイントに使用すると「くすっ」と笑える
シーンをつくることができるので、管理人は結構好きな演出だったりします。




管理人が好きなエロゲブランドに「Asa Project」というメーカーがあって、
そこが販売するゲームに「ひとつ飛ばし恋愛」というものがあります。
その中で登場するワンシーン。主人公の男と、ヒロインの1人が、
ギャグの雰囲気の中、お互いにブチ切れてケンカしています。




男:それ以上喋るな、お前のセリフには声優を使っていて金がかかるんだ!
女:なんだとっ! 叫んでやる! あぎゃうわおえあおいうえおっ!!
男:やめろぉ~! 予算の無駄遣いをするなああっ!!
(※上記の内容は要旨です。実際のセリフ内容と異なります)




前後の文脈が不明なので、面白みは伝わらないかもしれませんが、明らかに
登場人物が、ゲームの世界を飛び出した会話をしていることがわかります。
このエロゲブランドは、こうした楽屋裏ネタを、ちょくちょく出してきます。




余談ですが、当サークルの「魔法剣士アリサ」の後日談にも、
同様の楽屋裏ネタが出てきますが、これは上記ブランドのゲームである
「恋愛0キロメートル」、その1つのエンディングのパクリ・・・、
じゃなかった、このゲームからヒントを頂いております。




・・・寄り道が長くなりました。マリカとララのお話に戻りましょう。




さて、コメディ場面に突入後、ララは言葉を駆使してマリカに関係を迫りますが、
マリカは半ばパニックで、必死に拒み、逃げ出そうとします。説得が不可能と
判断したララは、夢の世界の中で実力行使に出ようとします。
ここまでが、ゲーム中で描かれた内容でした。




ではこの後の展開ですが、夢の世界の中でララはマリカを追いかけ続け、
抱き付きます。マリカは必死に抵抗し、突き飛ばし、逃げ出す展開が続きます。
きっと、某大学も真っ青なタックルとか、某省事務次官も赤面するような
強引な求愛があったものと推定されます(笑)。現実世界の2人は、
ベッドで肩を寄せ合って、静かな寝息をたてているだけですが。




ちなみにこの時、ララはその気になれば、バトルの時と同じように
H技を発動し、強引にHな展開に持ち込むことが可能でした。でもララは、
その手段は使いません。この時、両者の地脈の力関係は逆転していたので
この場面がバトルとマリカに悟られれば、ララに勝ち目はありませんでしたし、
ララはマリカの精を奪いたかったのではなく、
自分の気持ちをマリカに受け止めてもらいたかったからです。




こうして2人は、夢の世界の中で取っ組み合いを延々と続けます。
お互い、相手の気持ちを察する余裕がなく、自分の気持ちを相手に
押し付けようとする、よくある青春群像(?)のワンシーンですね(笑)。
最後は、夢の中でもお互いに疲れ果て、結ばれることなく眠りに落ちるのです。




そして翌朝――




ララが、マリカより少し早く目を覚まします。
横を見ると、マリカが穏やかな顔で眠っています。
その横顔を、ちょっぴり残念そうに、でも幸せそうに見つめるララ。




手を伸ばし、マリカの頬を指でつついてみます。柔らかなほっぺです。
ちょっぴりからかうように、マリカの鼻を指で軽くつまんでみます。
「う、う~んっ・・・」と、マリカは寝ぼけながら、煩わしそうに
その手を振り払おうとします。ララは抵抗せず手を放し、
困り顔のマリカの表情を、愛おしそうに眺めています。




そして、マリカも目を覚まし、ゆっくり瞼を開きます。
視線の先には、ララの顔。ララの「おはよう」のあいさつに、
寝ぼけて「おはよう」と返事を返しながら、
しばらく間、ぼんやりとララの顔を見ていましたが・・・、




急に何かを思い出したように、目を見開くマリカ。
そして慌てて周囲を見渡します。そこはいつもの、整理された宿の一室。
それを確認した後、マリカはララに、恐る恐る問いかけます。
「あ、あの、ララ、昨日、その・・・」

その様子を見たララは、マリカが昨日の騒動が夢か現実かわかっておらず、
また、結末を覚えていないようだと判断します。




ここで、ララのイタズラ心に火がつきます。




ララは片手をマリカの腹部に伸ばし、優しくお腹をさすります。
昨晩の雰囲気が蘇り、一気に赤面するマリカ。緊張で身体が硬直します。
そこにララが、甘い言葉の爆弾を投げかけます。




「マリカ、丈夫な赤ちゃん産んでね♪」




・・・・・・。
・・・・・。
・・・・。




うっぎゃああああああ~!!




大音響の悲鳴とともに、ベッド上でマリカのキック一閃。
盛大な音とともに、ララの身体はベッドから転げ落ちます。
きゅううう~。唐突な衝撃に、さすがのララも床の上で目を回します。
もちろんこれは現実の出来事なので、悲鳴と衝撃音が周囲に響き渡ります。




その騒ぎを聞きつけて、レン、ファム、リオ、ルンが駆けつけます。
そして床に倒れるララと、ベッド上でパニックになってるマリカを見て・・・、




リオ:テメェ、姉さんになにをしたっ!!
レン:えっ、リオ、待って・・・、
ルン:わ~い、楽しそう、ルンも混ぜて!
ファム:ルンちゃん、とりあえず落ち着いて・・・、




・・・みたいな感じで、次々に部屋に踏み込み、喧々諤々の大混乱に。
少し時間をおいて、宿の1階で休んでいたボスとカリンがその場を覗きこみ、
困り顔で首をかしげます。




ボス:いったい、何の騒ぎじゃ・・・?
カリン:さあ・・・?




2人はその後の混乱をしばらく眺め、頬をゆるめて苦笑します。




カリン:何があったのかわかりませんが、とりあえず仲は良さそうですね。
ボス:そうじゃな、いいことじゃ。




で、おしまい。
こんなエピソードを考えていましたが、長くなるので割愛した次第です。
というわけで本日は、後日談3の翌朝談でした。




では、これで失礼します。



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