whisp 2019/09/19 23:28

『ササゴ駅構内脱線転覆事故の発生日台本』紹介記事に関するご意見をご紹介申し上げます (進行豹

こんばんわです!
進行豹でございます!

去る2019/09/6の祈念日動画、『ササゴ駅構内脱線転覆事故の発生日(ポーレット)」台本 (進行豹』の紹介記事

https://ci-en.dlsite.com/creator/922/article/96652

中の記述

/////////////////

「脱線転覆」とひとつにして語られることが多いこの熟語ですが。

『脱線』――鉄道車両の車輪がレールから外れること

『転覆』――鉄道車両が横からの大きな力を受けて転倒すること

とは、切り分けて考えるべき現象です。


脱線は防げなくとも、転覆は防ぐ。
それは、発生してしまった事故を、死傷者がでるような大事故へとつなげなてしまわないための、とても重要なポイントです。


転覆を防ぐには

1:「車両の重心を下げる」
2:「車両の重量を重くする」
3:「バネ系を固くする」
4:「車体の側面積を小さくする」
5:「横風に強い形状とする」

などが有効であるそうです。

しかしながら、

重心を下げれば床下は狭くなり(使えるスペースが制限され)。
重量を重くすればレールを痛めやすく、速度をあげづらくなり。
バネ系の硬さは乗り心地を直接的に悪化させる――

など、転覆防止対策と、高速・快適な鉄道輸送とは、相反する部分が多いらしいことも、確かなのではないかと思われます。


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について、プレイヤーさんから下記のご指摘をいただいました。

一部抜粋とするとご指摘が正しく伝わらない危険ございますので、
読みやすいように改行調整だけを行い、その全文をご紹介させていただきます。


/////////////////


Lose様へ

いつもゲームを楽しませていただいております。初めてメールお送りします。HNグミ助と申します。鉄道関係のエンジニアをしております。

2019年9月7日のci-en記事
https://ci-en.dlsite.com/creator/922/article/96652
についてですが、文責はこちらでよろしいでしょうか。

記事中に間違っている箇所があるので、お知らせします。

ci-en記事中の
>3:「バネ系を固くする」
それに続いてる
>バネ系の硬さは乗り心地を直接的に悪化させる――
の件は間違っています。
根拠があります。

根拠1
https://www.nipponsteel.com/tech/report/nssmc/pdf/395-04.pdf
この論文の15ページですが、

>輪重抜けについては,特に曲線出口で円曲線区間のカントを直線に向けて徐々に小さくするカント逓減区間という軌道面のねじれた区間での輪重抜け防止が重視されている。このために,台車内での軌道ねじれに追随するため1次ばねの上下方向を柔らかくしたり,台車枠自体がねじれる機構を持たせたりした例がある。

輪重抜けという脱線・転覆につながる危険な現象があるのですが、ci-en記事中のバネ系を固くしてしまうと、脱線・転覆につながる危険な現象を促進してしまいます。1次バネは鉄道技術上ci-en記事中のバネ系に含まれます。


根拠2
https://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2008/0004004802.pdf
この論文の5ページの
ばね定数は大きい方が(ばねがかたい方が),ストッパ遊間は狭い方が,枕ばねの左右間隔は広い方が,それぞれ転覆に対して有利になるのですが,通常の設計値の範囲内程度で検討すると,転覆限界風速の違いはほとんど無いことが分かりました。
バネ系を固くすることは、ci-en記事中の指摘通りではあるのですが、ライターさんの書いた>バネ系の硬さは乗り心地を直接的に悪化させる までバネ系を固くしなくても、ライターさんやLoseの皆さんが乗っている電車の設計であれば問題ないです。
文中の>高速・快適な鉄道輸送とは、相反する部分 はありません。
古い鉄道技術書なんかだとそう書いてある本もあるそうですが、脱線・転覆事故の対策としては関係ないレベルになっています。論文の編著者にも確認しております。
あと、>常のこここの中心に置き続けているであろう大原則は、心の中心 の誤植でしょうか。
専門的できつい事書いてごめんなさい。
でも、作中でもそうですが道子ちゃんが亡くなっています。現実に亡くなっている方もいらっしゃいます。
ci-en文中の『安全が第一の使命』と『安全と快適性・利便性との最適解を、常にアップデートさせつづけている』通り鉄道関係者は努力を重ねております。そういった一端を感じて頂ければ幸いです。
鉄道の世界は、こころをこここと誤植しただけで、人が亡くなる事もある世界です。
訂正等の方法はLose様にお任せいたします。私のこのメールの文面を引用等していただいても構いません。ライターさんが引用元の論文を読んで理解を深めて下さればこの上ないことです。
これからも、楽しいゲーム、企画を期待しております。

グミ助


/////////////////

と、いうわけで最新の研究によると、
『バネ系を固くすることは脱線・転覆につながる‘輪重抜け”という現象を促進することにつながる。ので、一概に、”バネ系を固くすることは転覆・脱線の防止に有効とはいえない”』
また
『バネ系を固くすることは転覆に対して有利に働くことは確かなのだが、乗り心地を悪化させるまでに固くしなくても、その効果は発揮される。ので、脱線・転覆の対策として、バネ系の固さ現実的には影響を及ぼさないもになっている』
とのことです。


上記、ご紹介記事の補足情報として、さらにご紹介申し上げます。


このような情報のご教示いただき、さらに精度をもったコンテンツとして「まいてつ」のレールを延伸し、また保線していければとこころより願っております。

グミ助様、ならびに、かずかずの有形無形のご教示をくださいましたプレイヤー、関係者、取材協力くださったみなさまに、
あらためてこころより御礼申し上げます。

まことにありがとうございます!


そして願わくば今後とも、よろしくお願いいたします!!


2019/09/19 進行豹 拝

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