whisp 2020/05/21 22:17

【収録台本】まいてつ:日々姫読み聞かせ『長靴をはいたネコ』(進行豹

2020/05/25 追記

下記の記事を書いたときには
「まとめがいされる方の各作品」も割引キャンペーン中だったので、
「2手目」の総額が定価販売のときと変化しております。

定価販売時の2手目、17作品総額は18370円。
8割引きすると3674円となるとのことです!

よろしくお願いいたします!!



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こんばんわです! 進行豹でございます!!!

あやかし郷愁譚の購入特典で
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『まいてつ読み聞かせボイスドラマ』 全7話

が、18作品コンプリート特典としてついてくることになりました!!!

内訳は以下の通りです!

・日々姫 「長靴をはいたネコ」
・ポーレット 「犬が言葉をなくしたおはなし」
・れいな 「炭鉱の白犬」
・ふかみ 「うさぎのもちつき」
・凪 「清柾公(せいしょこ)さんの虎退治」
・真闇 「ネコ岳の猫」
・稀咲 「きつねのみそしる」


これらどれも「読み聞かせ」いただいて大きな価値が生じるもの&すべて民話ベースのお話でございますので!
特典GETご検討の材料にしていただきたく、本日から1作品ずつ、その台本をまるっと公開していきたく思います!!!



「けど、全18作品コンプなんていくらかかるのか――」とご心配になる向きもあるかと存じますので、
わたくし、そちら計算してみます!!

【初手】
あやかし郷愁譚 ヤマネコ やこを購入し、「まとめ買い80%オフクーポンをゲットする」 →968円
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【2手目】
あやかし郷愁譚、他のシリーズ作品17本を全部カートにぶっこんで 「まとめ買い80%オフクーポン」を適用して購入する→ 12496*(1-0.8)=2499


つまり! 968+2499=3467円で全18本が! いまならそろい!!

その上でこちらの
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全特典がゲットできてしまうのです!!!

めちゃくちゃお得!!!!!!!!!

各種クーポンの発給がされてる方は、さらにお得にゲットできるかと思いますので、どぞどぞ、ご検討くださいましです!!!



というわけで、台本紹介まいりましょう!!!


本日のご紹介は! 日々姫! 『長靴をはいたネコ』でございます!!!


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;以下、セリフは全て日々姫
;タイトルコール

「右田日々姫、白猫ランジェリー抱きまくら特典ボイスドラマ
『日々姫の読み聞かせ「長靴をはいたネコ」』」


;本編

「にぃに、もって来た。
これこれ、この本」

「えへへー、懐かしいでしょ?
にぃににも、読んでもらったことあるもんね」

「やけん、わたしとっても嬉しかと。
にぃにに、読み聞かせば、おねだりしてもらえて」

「『やっとにぃにに恩返しできる!』って、
そういうふうにも、感じ取るけん」

「やけん、ね? この本しか思いつかんかったと。
『長靴をはいたネコ』」

「にぃにぃに読み聞かせばするけんね。
絶対、失敗できんけん――
私、こいば、もう一回読み返したんよ」

「そうしたら、この本。
結構、難しい感じとかもたくさんあって――
あのころのちいちゃか私ひとりじゃ、
絶対に読めんかった本って、思って」

「それでも、にぃにぃに、ねぇねぇに、
おねだりをしても読んでもらったの――
今読むと、理由が、すごくわかる気がして」

「やけん、結構はずかしいけど。
ばってん、にぃにには、私のこと、
もっともっと、知ってほしかけん」

「今の私も、あのころの私も――
にぃにぃと出会う前の、
とってもとっても寂しかこだった、私のことも」

「やけん、読むね?
へたっぴいかもしれんけど――」

「にぃにぃのために。
寂しかこだった私のために、私、読むけん」


「――『長靴をはいたネコ』」


;以下の『』で始まる部分は、読み聞かせ
;「」ではじまる部分は、その間の会話です


『貧しい粉屋が、貧乏なまま、死にました』

『残されたのは、三人の息子と、
粉をひくための水車小屋と、
引いた粉を運ぶためのロバと、
粉を狙うネズミを退治するためのネコだけでした』


『長男は、水車小屋をもらいました。
次男は、ロバをもらいました。
末っ子には、ネコしか残りませんでした』

『長男は水車小屋で粉をひき、毎日のパンを稼ぎました。
しかし自分の分だけで精一杯。
末っ子は、一人でいきていくようにと追い払われてしまいました』


『次男はロバで荷物を運び、毎日のパンを稼ぎました。
しかし自分の分だけで精一杯。
末っ子は、一人でいきていくようにと追い払われてしまいました』

『兄さんたちから追い払われた末っ子は、とほうにくれてしまいました。
「ネコをもらってもパンも買えない。僕はどうやって食べていこう」』

『末っ子が思い悩んでいると、
ネコがひょこひょこやってきました。
「ご主人様にはわたしの他に、何も財産がないのですか?」』

『「着ている服と、冬の服。
はいている靴と、長靴ひとつ。
それから袋。ちいさいのと大きいのがひとつずつ」』

『「長靴だったらちょうどいい。私に譲ってくださいな。
おまけに袋もつけてくれたら、
このネコがなかなか役にたつところ、きっとご覧にいれましょう」』

『「どのみちこのままじゃ餓え死にだ。
長靴と袋をネコにあげるよ。
大きな袋と小さな袋、どっちが欲しい?」』

『「私が入れる大きさがあれば十分です」
「それなら小さな袋でいいね。
僕は餓え死しないよう、なにか仕事を探してくるよ」』

『「パン屋が人手を探しています。
餓え死にしないですんだなら、
来週の今日の[月'つき]の[出'で]に、またこの小屋の前であいましょう」』

『末っ子と別れたネコは、長靴をカポカポ鳴らして、
大きな野原までやってきます』

『「今日はすばらしいお天気だ。
うかれたウサギが、遊びに出るにちがいない」』

『ネコはふくろを大きく広げて、
オオバコとハハコグサ、それからアザミのやわらかいところを、
摘んで中へといれました』

『ネコはそのまま姿を隠し、
のんびり待っておりますと、
クンクン鼻を鳴らしたうさぎが、袋の中に入ります』

『「はい、ご苦労さん」
袋の口をしめて捕まえ、
ネコはウサギの入った袋をかつぎます』

『「ウサギだったらちょうどいい」
ネコは長靴をカポカポ鳴らして、
大通りをまっすぐまっすぐ、王様のお城までやってきます』

『「[衛兵'えいへい]、衛兵、王様に取次を願い出る。
私は長靴をはいたネコ。カラバ[公爵'こうしゃく]様のお使いだ」』

『衛兵は困ってしまいます。
ただのネコなら追い払いますが、
長靴をはいたネコの相手をするのは初めてです』

『公爵様のお使いということですし、
衛兵は、王様にどうするべきかをお尋ねしました』

『「長靴をはいたネコとは珍しい。
カラバ公爵なる人物は、面白い使者を仕立てたものだ」
面会を許してもらえたネコは、王様の前でかしこまります』。

『「王様、初めてお目にかかります。
私は長靴をはいたネコ。
こちらは、カラバ公爵様からの贈り物です」』

『「やわらかそうな野ウサギだ。受け取ろう。
カラバ公爵殿に、御礼申し伝えてくれ」
「必ずお伝え申し上げます」』

『次の日にはうずらを掴まえ、
その次の日にはつぐみを捕まえ、
次の次の次の日にはまた野ウサギを捕まえて、
一週間、毎日毎日、ネコは王様に贈り物をしました。』

『「野生の美味を、生け捕りにしてお贈りくださる。
カラバ公爵殿は、狩猟を得意とされているのか?」』

『「カラバ公爵様のご領地は、見回りに一週間かかります。
そのあいだの食べ物をまかなうために、狩りもお上手になりました」』

『「なんと、それほどに広い領地を持つのか。
カラバ公爵にお会いしたい。ご都合はいつがよろしいか」』

『「今はご領地の見回り中です。
戻られましたら、必ずお伝えいたします」』



「――ここね、ここ。
私、ここ、すっごく覚えとったし、勉強になったと」

「プレゼント、お誕生日とか、クリスマスとか、
そういうときだけじゃ、きっとあんまり意味がないって――
ちっちゃいながらに、私、すっごく思ったとよ」

「思ったっていうか……感動した?
そのころは、言葉にはならなかったけど――
『目からウロコが落ちた』って感じで」

「やけん。わたしもしようって思って――
にぃにが覚えとるかしれえんけど――
実際、そぎゃんとしとったと」

「こどもやったけん、もののプレゼントはできんかったから――
まいにち、『いいこと』のプレゼント」

「唐揚げばおいしかときは、
わたしも食べたかったばってん、
『おなかいっぱいでもうはいらんけん』って、
にぃにに食べてもらったり」

「にぃにぃがおめめ、パシパシってしとるときには、
『目ば閉じて?』って、ねぇねぇのお手伝いしとったとおりに、
まぶたの上を、あったかーくしてやさしくおしたり」」

「あげられるものも、お手伝いできることもなかときは、
その日のにぃにぃのいっとう素敵だったとこ、お絵描きしたり」

「そういういいこと、一日にたった一つでも――
毎日毎日、こっそり、私つづけとったと」

「ふふっ、今こうして、にぃにぃのとなりで寝とるけん!
毎日毎日プレゼントの効果、きっと、絶大だったとねー」

「この読み聞かせも、いうたらにぃにへのプレゼント、かな?
続きも、大事に読むけんね」



『王様とわかれお城を出ると、ネコは末っ子に会いにいきました。
末っ子は、パン屋の仕事になじみ始めているようでした』

『「ご主人様ご主人様。
あなたはパン屋と公爵と、どちらの仕事をやりたいですか?」』

『「やれるのだったら公爵がいい。
僕にできるかわからないけど」』

『「それはやってみてから考えましょう。
パン屋のしごとの、次のおやすみはいつですか?」
「あしただけれど」』

『「さて忙しい!」
末っ子の返事をきいて、
ネコはふたたび、外へ飛び出していきました』

『お城とは反対の方角へ、長靴カポカポ歩いて歩いて、
知らないところまでやってきます。
そこでは痩せた農民が、麦をつくっておりました』

『「私は長靴をはいたネコ。カラバ公爵様のお使いだ。
このあたりを今おさめているのはいったい誰だ?」』

『公爵様のお使いに、失礼な返事はできません。農民は、頭を下げて答えます。
「このあたりを今おさめているのは、人食いのオーガにございます」』

『「それでは聞くが、カラバ公爵様と人食いオーガ、
どちらにここをおさめて欲しい?」
「人食いオーガはごめんです。カラバ公爵ならありがたい」
「人食いオーガがごめんなら、なぜ追い払ってしまわない?」』

『「人食いオーガは、変身の術が自慢です。
熊になったり、ライオンになったり。あれには誰もかなわない」』

『「カラバ公爵様ならかなう。
だから、これよりここはカラバ公爵様のご領地だ。
誰かに尋ねられたのならば、そう答えなさい」
「わかりました。これからここは、カラバ公爵様のご領地です」』


『行く先行く先で、人に合うたびそのやりとりを繰り返し、
やがてネコは、古いお城につきました』

『「どうやらここが、人食いオーガのお城だな。
衛兵のひとりもいやしない。きっと端から食べたんだろうな」』

『ネコは勝手にお城に入り、大声で人食いオーガを呼び出します。
「私は長靴をはいたネコ。カラバ公爵様のお使いだ」』

『人食いオーガが中からのっそり出てきます。
ぎょろりとした目に鋭い牙。大口をあけて答えます。
「長靴をはいたネコがなんの用だ」』

『「カラバ公爵様のご用だ。
お前のものだった領地はすでに、カラバ公爵様のものとなった。
逃げ出すことをゆるすから、荷物をまとめて出ていくがいい」』

『「なにをぬかすかこのネコめ!!」
怒り狂ったった人食いオーガは、立派なライオンに化けました。
「長靴ごとぺろりと食べてやる」』

『怖がるどころか、ネコは安心した様子。
「ごじまんの変身の術がその程度ならちょうどいい。
象に化けるカラバ公爵の相手ではない」』

『「象だと?」
ライオンでは象にかないません。
人食いオーガは困ってしまい、ぴたりと動きを止めました』


『オーガを気にするふうもなく、ネコは安心しきっています。
「小さなものに化けられたなら怖かった。
この袋に入る生き物よりも小さなものには、カラバ公爵様は化けられないから」』

『「勝ったぞ! オレはもっと小さく化けられる」
人食いオーガは喜びいさんでハツカネズミに化けました。
「はい、ご苦労さん」』

『ハツカネズミを頭から食べ、ネコは長靴カポカポいわせ、
いま来た道を戻ります』

『「人食いオーガはカラバ公爵様がやっつけた。
お城にいって確かめてこい。
確かめてきたら明日のお昼に、お祝いの[宴'うたげ]を開くのだ」』

『来た道々で、会う人会う人にそういいつけて、
ネコはようやく、末っ子のもとに戻ります』

『「ここから西にいったところに橋があります。
明日のお昼に、その橋を、王様の馬車がわたります」』

『「王様の馬車のひづめの音が聞こえたら、
失礼することがないように、
橋の下で、川の水で、体を洗ってくれませんか?」』

『「どうしてだい?」
「カラバ公爵になりたかったら、そうしてください。
パン屋でくらしていたいのならば、しなくていいです」
「ネコがいうなら、そうするよ」』


『次の日です。朝からネコはお城に行きます。
王様の馬車の先頭にたって、案内します』

『知らない土地に来た王様は、
「この当たりは誰の領地か」と訪ねます。
会う人会う人「カラバ公爵のご領地です」と答えます』

『「なるほどカラバ公爵殿は、
これほどのご領地をもっておるのか」』」

『感心しきりの王様を、ネコは橋へと案内し、
ついた途端に、しっぽをぴいんと逆立てます。
「なにかおかしい。私が様子を見てきます」』

『橋の下、川では約束したとおり、末っ子が水浴びをしています。
ネコは早口で訪ねます』

『「ご主人ご主人、服を失くして領地を得るのと、
服はそのまま、領地もなしと、いったいどちらがいいですか」』

『「服は失くしても領地が欲しい」
「それならあと少しの我慢です」』

『そういって、ネコは末っ子の服を川に沈めてしまいます。
驚いた末っ子が声をあげると、ネコも大声で叫びます』

『「大変だ! カラバ公爵様が族に襲われてしまったようだ!
服も馬車も、なにもかもを持って行かれてしまったぞ!!』

『声を聞きつけた王様は、おつきのものに命令し、
上等の服と気付けの酒とを届けさせました』

『驚く末っ子に、ネコはこっそりささやきかけます。
「おめでとうございます。
これでご主人は、カラバ公爵になれました」』

『ネコの言うままに服をきて、
馬車に乗り込み、お城につけば、大歓迎の宴です』

『大喜びの王様を、王様のお城に送り届けて、
カラバ公爵になった末っ子は、ネコを撫で撫で、聞きました』

『「僕はお前の主人になって、カラバ公爵になった。
父さんもお前の主人だったのに、どうして公爵にならなかったの?』

『「とても簡単なことです、ご主人」
前足を舐め、顔を洗って、ネコはのんびり、答えます』

『「前のご主人は、私に長靴をくれなかったんです」』


「――おしまい!」

「あーーー、長かお話!
読むの、結構緊張したけん、
なんかどーっと、力ば抜ける感じするぅ」

「あー……だらーっとしてにぃににぺっとりくっつくの、
しあわせよねー、気持ちよかとねー」

「こんなしあわせば味わえるのも、
『長靴をはいたネコ』のおかげと」

「……ちっちゃかったころは、さみしかったけん。
こんおはなし――
わたし、自分が末っ子のつもりで、きいとったと」

「一番最初にこんおはなしを読んでくれたんは
ねぇねぇだったけん――もしかしたら、
ねぇねぇもそのつもりだったのかも」

「『ひーちゃん、がんばれ』って。
『自分のお城ば手に入れて、きっと幸せになれるから』って」

「――ねぇねぇは、一番上のこやけんね。
水車小屋……右田の蔵とずっと一緒にいる他、ないけん」

「そう考えたら、水車小屋ばもらった一番目のおにいさんも、
ロバばもらった二番目のおにいさんも、
逆に……縛られてしまったんかも」

「あー、今気づいた。
そっか、長靴をはいたネコって――
ネコって、自由の象徴とね、きっと」

「自由があっても、そこから動かなきゃ飢えて死ぬだけ。
やけん、ネコには長靴ばはかせてあげねば、いけん」

「こぎゃんとハッキリ言葉になっとったわけじゃないけど、
こぎゃんふうには、ほんとにいま、考え、まとまった感じとやけど」

「ばってん――ちいちゃかころの私も、
なーんとなくは、そこんところば、わかっとったとよ。たぶん」

「だって私、『おえかきちょうがわたしのネコさん』って、
それはハッキリ、思うとったもん」

「『ネコさんにはながぐつあげなきゃ、きっとダメ』って、
おさないなりに、強く思って」

「やけん、長靴。失くさんように――描き続けたと」

「一枚お絵描きするごとに、きっと私のネコさんは、
長靴をはいた一歩を、歩いてくれるってふうに思って」

「そぎゃんとしたらネコさんが、
きっと私を、カラバ公爵にしてくれるって、思って」

「そうしたら、ふふっ。
ネコさん、私には王子様ばつれてきてくれたと!」

「だいすき。にぃに。王子様。
にぃにが、私の王子様」

「嬉しかったと。にぃにが私の絵ば褒めてくれたとき。
あの日の夜には、くまくまとずーっとおしゃべりばして」

「それで、ネコさん――お絵描きちょうにも、
一生懸命、にぃにぃの、王子様の絵ば、がんばって描いて」

「描いて、描いて。わたしのネコさん、
本当にすごかネコさんだったとねー」

「だって……今の私、まがりなりにも市長さんでしょお。
いうたら、オヒトヨ公爵様やけん」

「あー、でも。そしたら、ちょっと、不安かも」

「だって、こんお話――
このご本に書いてあるバージョンの、
『長靴をはいたネコ』」

「『それからみんなは、ずっと幸せに暮らしました』
って、そぎゃんたぐいのこと、まるっきり書いてないでしょう」

「ネコが、『長靴をはかせてくれなかったから』っていうだけで
――あ」

「そっか、うん。だからなんだ。」
だから、『ずっと幸せに』は、暮らさないんだ」

「……翻訳、これ、正確なのかなぁ。
原書だと、どぎゃんふうに、お話ば終わるのかなぁ」

「少しだけ気になるばってん――
別に、知らんままでも、かまわんと」

「だって、私の『長靴をはいたネコ』はこれだから」

「ねぇねぇが私に読み聞かせてくれて、
にぃにぃが私に読み聞かせてくれて」

「それでいま、私がにぃにぃに読み聞かせてる、これだから」

「お話が終わりになったって、長靴を脱がないネコが、
『ずっと幸せに』はならないみんなが、出て来るお話だから」

「やけん。私も、私のネコもずうっと、
これから先も、長靴ばはいて、歩くとよ」

「ばってん、一人旅じゃなかとよ?
にぃにの隣で、にぃにと一緒に歩くけん!」

;隣で、以降、大あくび
「ずっと、ずうっと、旅のおわりまで、にぃにの隣で――
ふ……あ……ふぁあ~~っ」

「あー、いっつもよりたくさんおしゃべりしたとね。
ちょっとつかれて――すっごく眠かと」

「あかりとか、わたし落とすけん。
にぃには先に、目、閉じちゃってよかとよー」

「…………」

;リップ音
「(ちゅっ!)」

「えへへっ、おやすみのキス。
読み聞かせの終わりにしたら、なんか、よかかなぁって、思って」

「そしたらにぃに! おやすみなさい。
ゆっくり眠って、元気に起きて!」


「明日も一緒に、歩こうね!」



;終


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ひーちゃんかわいい!!!

これがボイスで読み聞かせ! でございますので、破壊力、ご想像いただけるかと存じます!

もしよろしければぜひぜひです!!!!

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