whisp 2020/05/26 23:29

【収録台本】まいてつ:ふかみ読み聞かせ『うさぎのもちつき』(進行豹

こんばんわです! 進行豹でございます!!!

あやかし郷愁譚の購入特典で
https://www.dlsite.com/maniax/promo/ayakashinostalgia

『まいてつ読み聞かせボイスドラマ』 全7話

が、18作品コンプリート特典としてついてくることになりました!!!

内訳は以下の通りです!

・日々姫 「長靴をはいたネコ」
・ポーレット 「犬が言葉をなくしたおはなし」
・れいな 「炭鉱の白犬」
・ふかみ 「うさぎのもちつき」
・凪 「清柾公(せいしょこ)さんの虎退治」
・真闇 「ネコ岳の猫」
・稀咲 「きつねのみそしる」



というわけで、本日も台本紹介まいりましょう!!!

前回は大天使れいなちゃんによる『炭鉱の白犬』をご紹介いたしました!!
本日のご紹介はふかみちゃん! 『うさぎのもちつき』になります!

うさぎは好色、そのうえふかみちゃんもむっつりではございますが、大変健全な童話の読み聞かせ台本となります!
もしよろしければぜひぜひ! ご一読いただけますと幸いです!!!


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;ふかみ、うさぎランジェリー特典ボイスドラマ
;『ふかみの読み聞かせ「うさぎのもちつき」』
;進行豹 v100_2016/12/19_v210_161220


;以下、セリフは全てふかみ
;タイトルコール

「早瀬ふかみうさぎランジェリー抱きまくら特典ボイスドラマ
『ふかみの読み聞かせ「うさぎのもちつき』」

;本編


「あったかい。です。
すごく安心――いいにおい」

「おひさまに干したおふとんと、
おにいさんの、体のにおい。
しあわせだな、って、思います。です」

「ええと、それじゃあ、おはなし、ですね」

「ちっちゃいときからずっと読んでた――
ううん、読み聞かせてもらってた、むかしばなしです」

「おかあさんとか、おじいちゃんとか――
ほんとにときどきは、おとうさんとかに」

「『うさぎのもちつき』っていうお話です。
それじゃあ、わたし、読みます。です」

「読み聞かせってはじめてだから……
つっかかったり、ヘンだったりしたら、ごめんなさい、です」

「もしも途中で眠くなったら、
そのまま眠っちゃってください。です」

「わたし、おにーさんの寝顔。みたい、です。から」

「はわわ、何言ってるんだろう。わたし。
それじゃあ、読みます。
『うさぎのもちつき』」



;以下の『』で始まる部分は、読み聞かせ
;「」ではじまる部分は、その間の会話です



『むかしむかし、クマの山奥にきこりのおじいさんがおりました』

『ある冬のこと。おばあさんがおじいさんに言いました。
「今年はおじいさんが としおとこ。神社におさめるおもちも[入用'いりよう]になりますね」』

『おじいさんはおばあさんに言いました。
「それならたぁんと木を切ろう。
今日はおにぎり、みっつこしらえてもたせておくれ」』

『おにぎりみっつを腰にさげ。
えっちらおっちら、お山にのぼり、おじいさんは木を切りたおします」

『「こんこんこらしょ、よいこらしょ」
 「もひとつこらしょ、よいこらしょ」
おじいさんはがんばりすぎて、おなかがぺこぺこになりました』

『「遅くなったがお昼にしよう」
おむすびの包みをほどき、おじいさんは切り株に腰をかけました』

『塩のおむすび ごろりんと。ひとぉつ、ふたぁつ、みっつです。
おじいさんは、いちばん大きいのにかじりつきます』

『するとガサガサ、草がなります。
 草の向こうに、ひょっこり赤いおめめです』

『ふたつならんだ赤いおめめがのとなりもガサガサ。
ならんだおめめがよっつになります」』

『おにぎりむしゃむしゃ見ていると、
おめめがふたつ、すこぉしこちらに近づいてきます』

『おにぎりむしゃむしゃ見ていると、
おいてけぼりのおめめもふたつ、すこぉしこちらに近づいてきます』

『しろのうさぎと、こがねのうさぎ。
おはなをくんくんさせています』



「……このお話、初めてきいたとき、
わたし、うそだぁって思っちゃった。です。
ウサギさんなんて、草むらから出てきたりしないって」

「でも、ですね? 本当にでてきたんです。ついこないだ、学園で。
野生のか、ペットのが逃げ出したのかわからないけど、ウサギさん」

「そしたら、体育の先生がおもしろがって、
『ウサギをつかまえたら5をあげる』っていって――
凪ちゃん、おおはりきりで」

「うふふ、凪ちゃん、ウサギさんのこと捕まえなくても
いっつも体育は5なのに」

「だけど、さすがの凪ちゃんでも、
ウサギさんのことは捕まえられなくて」

「凪ちゃん、すっごく悔しがって。
だからわたし、『一緒に巣穴を探そう?』っていってみたんです」

「ふたりで日暮れまで探しても、巣穴は見つからなかったんですけど――
でも、もし見つけててたら、このお話みたいに――あ!」

「ごめんなさい。おはなしの途中でした。です。
ええと――つづき――読みますね? ――ん。」」



『しろのうさぎと、こがねのうさぎ。
おはなをくんくんさせています』

『「おンや、ウサギもおにぎり喰うか」
おじいさんは、おにぎりひとつ、笑って投げてやりました』

『するとおむすびはころころと、ころげて穴に落っこちます。
しろのウサギとこがねのウサギもぴょんぴょんおにぎり追いかけて、
ぴょこぴょこ穴に飛びこみます』

;♪がついてる部分は、歌うように読んでいただけましたら幸いです

『とたんに、にぎやかな歌い声。
♪“おむすびころころ ころりん すっとんとん!”』

『おじいさんはおどろいたやら、おもしろいやら。
“それ、もうひとつ投げてみよう”』

『すると、ふたつのめのおにぎりも、
ころころ転げて、ウサギの穴に落っこちます』

『♪“おむすびころころ もひとつ すっとんとん!”』
またにぎやなな歌い声。おじいさんも、ますます楽しい気持ちになります』

『♪“おむすびころころ もひとつ すっとんとん!”
自分でもにぎやかに歌い出し、おじいさんは手拍子、足拍子』

『手拍子足拍子とんとことん おまけにお腹もぐうぐうぐう。
おじいさんは、はらぺこを思い出しました』

『「うさぎの歌をおかずにすれば さぞやおにぎりおいしかろ」
おじいさん、あんぐりおおきく おにぎりがぶり!』

『ところが、歌がとまります。
がぶりとしたままじいっとまっても、歌はすんとも聞こえません』

『「おンや おむすび もっと欲しいか」
はらぺこはがまんできますし、
家にかえれば、おばあさんがまた作ってくれます』

『「そンならやろう。ほぉれ、おにぎりたんと食え」
最後のおにぎりころころと、ウサギの穴におっこちます』

『♪“おむすびころころ みっつも すっとんとん!”
すぐに聞こえてきた歌に、おじいさんはまた嬉しくなって、
やれ手拍子の足拍子』

『♪“やれほれころころ ころりん すっとんとん!”
おじいさんも歌いだします』

『しばらくすると、しぃんと、しずまり返ります。
ウサギの歌がきこえません。
だけれど、残念。もうおにぎりはありません』



「……ここでわたし、クイズ出されたんです。
おかあさんも、おじいちゃんたちも、はじめてのとき、
みぃんな、聞いてきたんです、わたしに」

「うふふっ。だけど――ほんとのはじめては一回だけ。
おかあさんが読んでくれたとき。
そのときは、わたし、一生懸命考えました、です」

「一生懸命だったから、すっごくはっきり覚えてて――
だからわたし、おじいちゃんたちが、
『ふかみだったら どうするね?』って聞いてくれたとき、こまっちゃって」

「『答えしってる!』っていったら、おじいちゃんたち、
きっとがっかりさせちゃうし」

「だけど、しらないふりしてこたえるのも、
なんか、ズルしてるみたいで――いやだった。です」

「だから、わたし『わかんない』って、
それだけいって、お話のつづき、じいって、待って」

「そうしたら、おじいちゃんたち――
うふふ、わたしが知ってるの、わかってくれたんだと思います」

「ぽんぽんぽんって頭を撫でて――
おはなしの続き……やさしく、聞かせてくれたんです」



『しばらくすると、しぃんと、しずまり返ります。
ウサギの歌がきこえません。
だけれど、残念。もうおにぎりはありません』

『「こめつぶあつめて ちいさなおにぎり ひとつつくるか」
おじいさんは重箱をひっくり返して――つるり、手をすべらせてしまいます』

『重箱もころころころげて、ウサギの穴へ。
♪“重箱ころころ ころげて すっとんとん!”
こんどの歌は、びっくりしたのか早口です』

『「やれ面白い。重箱 ころげて すっとんとん!」
おじいさんも真似して早口。
早口な分、ウサギの歌はすぐに終わってしまいました』

『「これはこまった、もう投げられるものがない」
おじいさんは、あたりをあちこち見回します』

『けれどもなんにもありません。ウサギの歌も もう聞こえません。
おじいさんは、なんだかさみしくなりました』

『「ウサギよウサギ。どうしたらもっと歌ってくれるか」
おじいさんはそうたずねながら、ウサギの穴へ近寄ります』

『「あっ!」 足元がつるりすべります。
どってんごろごろ おじいさん、ウサギの穴へおっこちます」』

『♪“おじいさん ころころ ころりん すっとんとん!”
穴の中では、ウサギたちがおおよろこびです』

『「こりゃあたまげた」おじいさんの口がぽかあんと空きます。
ウサギの穴のひろいこと。まるで ごてんの 大広間です』

『♪”ぺったんぺったん おもちを ぺってんとん”
ウサギたちは、にぎやかにおもちをついています』

『ぴょんぴょこと、にひきのウサギがちかづいてきます。
しろいうさぎと、こがねのウサギ。そろって、ぴょっこり お耳を下げます』

『「おじいさん きょうはおにぎり たくさんたくさん ありがとう」
 「おかげで きょうのおもちつき おなかも すかずに すみました」』

『「おれいに おもちをつきましょう おじいさんちの しょうがつの」
 「ぺったんぺったん うさぎのおもち おじいさんちの おもちつき」』

『白とこがねのウサギにあわせ、ぴょんぴょこ たくさんのウサギたち。
 やれキネをもち、やれウスをだき ぺったんぺったん、はじめます』

『♪”おむすび ころころ ころりん すってんとん”
 ♪”じゅうばこ ころころ ころりん すってんとん”
 ♪”おじいさん ころころ ころりん すってんとん”』

『ぺったんぺったん。
 ウサギのおもちがつきあがるたび うたもころころ変わります』

『”♪おじいさんのおもち ぺったんとん
  ♪ウサギがもちつき ぺってんとん
  ♪まあるいおもちを ぺったんとん
  ♪ウサギのもちつき ぺってんとん!”』

『“♪くさのおもちは あんころころりん
  ♪しろいおもちは きなこをころりん
  ♪おさとうたっぷり ころころりん
  ♪さぁさぁおあじみ ぺってんとん!”』



;ツバを飲む音
「(ごくっ)」

「あ、ごめんなさい。
やだ、わたし――はずかしい」

「ここ、読み聞かせてもらってたときも、
いっつもだったんです。
『食べたいなぁ』って、すごく、すっごく思っちゃう、です」

「♪くさのおもちは あんころころりん。
 ♪しろいおもちは きなこをころりん。
もう、おいしそうでおいしそうで」

「……おもちつき、うちはするんです。
キネとウスで、[船'ふな]びらきのとき」

「むかしは、船頭さんたちがたくさんで。
一番客さんたちにもおふるまいして、にぎやかで、ほんと、お祭りみたいで」

「そのおもちも、もちろん最高においしいんですけど。
お正月までなんて――だって、まちきれない! です」

「だから、四角いおもちを買ってもらって、
オーブントースターで焼いて食べて……
それももちろんおいしくて、でも、やっぱり物足りなくって」

「だから、お正月。何倍も何倍もうれしくなる、です。
『これがウサギのおもちなんだなー』って」

「つきたてのあっつあっつのやわらかなの、
あんこで、きなこでいっぱいにして」

「今度のお正月は、おにいさんもいっしょですね。
いっしょに、おもちつきして。
あんこのおもちも、きなこのおもちも、たくさん食べて」

「うふふふ、お正月の楽しみ、
もっと増えちゃいました、です」

「……続き。あとちょっとになっちゃいました。
読み終わるのが、さみしいな。
少しだけ、ゆっくり読みます。です」


『“♪くさのおもちは あんころころりん
  ♪しろいおもちは きなこをころりん
  ♪おさとうたっぷり ころころりん
  ♪さぁさぁおあじみ ぺってんとん!”』

『うさぎのおもちで おなかぱんぱん ほっぺぽんぽん。 
 おじいさんも、ごきげんになって また歌います
♪“ほっぺが ぽろりん ころりん すってんとん!” 』

『しろいうさぎと こがねのうさぎが、重箱もたせてくれました。
「おもちをぎゅうぎゅう つめてあります」
「おうちにかえって あけてください とちゅうであけたらこまります」』

『穴の外までおくってもらって、山からおりて。
おうちに帰ったおじいさん どおれと重箱ひらきます』

『なかにはみっちり うさぎのおもち。
ひとつつまめば もひとつおもち むにゅんむにゅんと出てきます』

『おみやげどっさり ウサギのおもち。
 横で見ていたおばあさん びっくりぎょうてんしてしまいます。
「おじょうがつのおもちに、餅まきのおもちに、もっとたくさんありますねぇ」』

『おじいさんは にこにこ顔で おもちのウサギの話をします。
 おばあさんも にこにこ顔で ウサギのおもちの話をききます』

『「それなら、お礼をしましょうねえ」
 「お礼はなにが いいだろか」
 「お庭のダイダイ、どうでしょう」』


『いい考えだとおじいさん、 黄色くこぶりなダイダイもいで、
 えっちらおっちら、もいちどお山を登ります』


『「ウサギのおもちのお鏡に どうぞお礼に飾っておくれ」
 ♪“ダイダイ ころころ ころりん すってんとん!”』

『そりばっかり!』



「『そりばっかり』……うふふ、本当に、
『そりばっかり』なお話ですね」」

「『それで全部』。『お話はもうおしまい』。
すごく、すとーんって終わるお話」

「……そっか、わたし。
だから、このお話、大好きなのかも、です」

「……おはなしって、たいてい、
退治したりとか、よかったりわるかったりがありますよね」

「わたし、あれ、ちょっとだけ、苦手かも、です。
いなばのシロウサギさんは、皮、むかれちゃうですし」

「確かに、だましたり、悪いことしたりでおしおきされるの――
教育上? とか、そういうの、あるんだってわかるです。けど」

「でもやっぱり、せっかくお話しなんだから――、
あんまりそういうの、ききたくないっていうか……なんです」

「だからかな、って。思うです。
わたしが、このお話が大好きな理由」

「おじいさんがおにぎりあげて、
歌がきこえてたのしくて」

「ウサギさんもおにぎりで満腹になって、
おもちつきをがんばれて、それがうれしくてお礼して」

「おじいさんも、やっぱりうれしくて、
ウサギさんのあなにダイダイころがして、お礼して」

「だぁれもひとつもイヤなおもいなんてしないで。
出会ったみんなが、出会う前より、
もっと幸せなお正月をむかえられる、です」

「うふふふふふ、お正月にぴったりのお話ですよね。
ほんとにこれが『ハッピーニューイヤー!』」

「ウサギさんだし、二重にぴったり、かもです。
おみみのイヤーも、ぴょこぴょこハッピーニューイヤー」

「なぁんて、うふふ。ダジャレ、いっちゃいました。です。
わたし、やっぱりおじいちゃんたちの孫なんだなぁ――って――」

「あ――あともうひとつ。
このお話が好きな理由、ありました」


『♪“おむすびころころ ころりん すっとんとん!”』


「……おかあさんがこういう風に、
うたうみたいに読んでくれたんです」

「おかあさんだけじゃなくて、おじいちゃんたちもみんな。
だからわたし――思う、です」

「きっと、おじいちゃんのおかあさん――
わたしのひいおばあちゃんが、
うたってくれた、しらべが、ずっと」

「わたしまでずっと、伝わってきて――
それで、だから……ええ、と」

「わたしと、おにいさん――結婚して、
赤ちゃんできたら、そのこにも、おんなじふうに」

「――あは、わたし、夢見ちゃってますね。
まだ、起きてるのに」

「それとも……ふぁ――あ。
ほんとはもう、寝ちゃってるのかな?」

「ぬくぬくで、いいにおいがして。
おにいさんのとなり、しあわせで」

「あったかい――きもち……いい……ふぁ――――あ……」

「起きたら、夢だったら、さみしすぎ。です。
起きてもやっぱり、おにいさんのとなりにいられますように」

「おいのりをして、おやすみなさい。
ふかみうさぎは、眠りのあなに、おっこちちゃいます」

「おしまい――じゃなくて。うふふっ。
『そいばっかり!』」


;終

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読書家のふかみちゃん、やはり読むときは読みに集中! なのですね!!


と、いうわけで次回は凪さま!
ご紹介できればと思います!

ご期待ください!!!

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