有坂総一郎 2021/12/06 18:00

新型陸軍戦闘機の仕様が決まる

この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》

どこに落とし所を持ってこようかと思っていた陸軍の新型戦闘機だけれど、自分の中で満足出来る部分がこの辺だろうというところで手を打つことが出来た。

陸軍機の場合、基本的に三菱の発動機を使うことがそもそも少なく、その殆どが中島製の発動機。

一〇〇式司偵の瑞星と金星
五式戦の金星
四式重爆のハ42
二式複戦の瑞星
九七式重爆の火星

この辺だろうか有名なのは。細かく見ればまだあるけれど、生産機数上位から見ていくとそんなものだ。

で、キ27:九七式戦闘機の史実原型機の数値から最適解を出すと金星になるんだよね。これは発動機サイズという制約が第一の理由。

ハ1(寿):610馬力
ボア×ストローク:146×160
排気量:24.1リッター
直径:1280mm
重量:350kg

ハ5:950馬力
ボア×ストローク:146×160
排気量:37.5リッター
直径:1255mm
重量:625kg

金星:1100馬力
ボア×ストローク:140×150
排気量:32.3リッター
直径:1218mm
重量:560kg

瑞星:1000馬力
ボア×ストローク:140×130
排気量:28リッター
直径:1118mm
重量:565kg

作中の35年当時で使える三菱及び中島の発動機は上記4つ。

直径だけ言えば、どれをとっても元のハ1よりも小さくなるから、それは良いけれども。問題は馬力と重量と排気量だ。

設計段階で速度重視が打ち出されていることで、馬力が重視されることは明白。そうなるとハ5か金星が候補に挙がる。でも、問題は重量。ハ5の方が60kg重く、150馬力も小さい。瑞星は重量面では金星と大差ないが、排気量の小ささから馬力アップの可能性は低い。

そうなると今後の機体改修などの影響を考える限り、排気量で余裕のあるハ5にするか、原稿で十分に馬力もあり排気量もそこそこある金星かという話になる。

ハ5の発展型であるハ34-1:1250馬力、ハ34-11:1500馬力が登場していれば、多少の重量もハンディのウチに入らないが、この時点では開発出来ていない為、重量はそのまま性能低下の要因になる。

となると、150馬力優勢の金星を当面は採用し、ハ34-1が登場した時点でそちらに転換、もしくは金星改良型である50型:1300馬力が出た時点で換装するというのはアリだろう。

だが、ここで金星50型とハ34-1で逆転現象が起きる。

金星50型は重量642kg:1300馬力に対してハ34-1は630kg:1250馬力となるのだ。

架空機の速度を計算してみよう! ~ 『飛行機の主要諸元を決定する一簡易法』を利用した最高速度の計算

ここの計算式を用いて(一部加減を施している)計算したところ、以下のような数値が出て来た。

ハ1→ハ5:470km→515km
ハ5→ハ341-1:515km→560km

ハ1→金星40型:470km→547km
金星40型→金星50型:547km→567km

となると、より小さく軽い金星を使う方が当面は有利になると判明しているわけだから金星を選択し、また、生産初期であるという按分をして金星を1000馬力と算定、推力排気として多少の性能アップと仮定した。

そうすると金星40型搭載で530km、ロケット効果でプラス10kmの合計540kmと算定した。

やべぇな、それでも零戦21型の533kmを超えてしまった。なんだろう、恐ろしい怪物を生み出してしまった気がする。これでも7%の重量増という下駄を履かせたんだぜ?

スピットファイアの初期型とも互角の速度性能で、ハリケーン相手にも優速である。

36年当時でこの性能なら十分すぎるだろう。なんせ、格闘戦性能一切削ぎ落としていないのに速度が60km以上上がっているんだからね。

ビックリしたよ。

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