有坂総一郎 2023/05/14 12:30

対空火器への理解に対する正誤

対空火器への理解に対する正誤

結局思うのだけれども、日米以外にまともに艦隊防空戦闘を経験した海軍は存在しないんだよなぁと。

そうなるとサンプルが日米の二つしかなく、本当の意味でアメリカの防空システムが適当な代物だったかはわからないというのが実態なんだと思う。

VT信管にしてもそうだけれど、過剰に持ち上げられる傾向があるけれど、実際にはあの米帝でさえも100%配備していたわけでもないし、対空砲火だけで100%撃墜しているわけでもない。

砲単体で言えば、38口径5インチ砲MK.12が八九式十二糎七高角砲と比べて極端に性能が良いわけでもなく、どちらも概ね1分間に12発程度であるし、射程も殆ど同じだ。ボーフォース40mmや九六式二十五粍機銃だとて同じだ。ボーフォースが無敵であるわけでも万能であるわけでもない。

そこにあった違いは電探を活用した早期警戒や射撃管制による適切な対応という部分である。

では、日本側がそこで無能かと言えばそういうわけでもなく、機械的に実現出来ない部分を人的に解決を図っていたりして効果を出している。それは操艦であったり、射撃管制であったりと多岐にわたる。

よって、そこにあるのは正解ではなく、それぞれがどう対処したかという結果だけで、数学的に言えば証明が為されたものであるわけではない。

英帝も艦隊防空を経験していないわけでもないが、日米みたいに数ヶ月に1回ペースでやらかしているわけでもないから、米帝からのフィードバックはあったにしても経験的に言えば日米には劣るだろう。

そう考えたとき、「このはと」世界みたいに世界線が完全に分岐してしまった世界で米帝式のそれが有効に機能するかどうかは未知数だと言えるだろう。

そもそも論として、超重爆による長距離爆撃や艦隊攻撃という可能性を考えたとき、必要なのは20-40mmの豆鉄砲ではなく、5-6インチ級の高角砲/高射砲であるのは明白。

しかも、日本は兎も角、英米には電探が存在しない状態では史実ベースの早期警戒、射撃管制は前提条件が成立しないわけで、そうなると果てしなく史実日本に近いそれになっていく。

まぁ、上空警戒の直掩機や場合によっては早期警戒機という話もあるだろうけれども、結局は有視界における目視が基本になるんじゃなかろうか?

だが、有視界による警戒と迎撃となるなら、対空噴進弾による弾幕形成という可能性もあるか。その場合、ロケットランチャーを多数装備ということになるのか。

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