「このはと」世界の空母艦載機の構成と基本的な考え方
「このはと」世界の空母艦載機の構成と基本的な考え方
「このはと」世界において空母の運用は艦隊決戦よりもエアシーバトルよりのそれであり、対艦装備よりも重視するのはどちらかと言えば対地装備になっている。
史実では急降下爆撃機という分野では米帝が一歩リードしてそれに日独が追随するという格好だった。
「このはと」世界でもそれは同じであるが、空母の絶対数そのものが少ないこともあって史実みたいにドンドン新型機が出てくるとかそういう話でもないが、それが故に艦載機の構成や性格は変わってくるのは間違いなく、それは日米英ともに影響を受けると考えている。
そもそも、「このはと」世界で20世紀後半-21世紀型のエアシーバトルに近い空母運用はバルカン戦役で発生したものであり、日本はそれに沿った運用と戦訓を得たことになる。米帝は戦艦優先に突っ走った結果空母の保有を実質的に断念することになったが、それが故に2隻しかない空母の使い道として結果論的に海兵隊での対地支援運用に回された。
よって、どちらも経緯は異なっているが急降下爆撃機という分野を足を突っ込む状況が発生したこととなる。
では、攻撃機が不要になったかと言えば、そうでもないと言えるだろう。
史実において、カタログスペックだけを考えたとき、防弾装備を抜きで語るならば、艦上爆撃機の分野では米帝に軍配、艦上攻撃機の分野では日本に軍配が上がると言っても良いだろう。無論、異論はあると思うが、ソフトの面ではなくハードとしての性能だけで言えばという話だ。
まぁ、このカタログスペックは結局は運用思想というソフトによって成り立つわけだが。
なんにしても、37年という時期を考えると、九七式艦上攻撃機とTBDデバステーターが採用された時期でもある。
九七式艦上攻撃機も九六式陸上攻撃機と同様に漸減作戦において敵艦隊を遠方で始末するべく開発されたものであるが、「このはと」日本で漸減作戦のそれが消滅したかと言えばそうでもない。よって、多少の紆余曲折があるとしても、史実に沿った設計基準で開発が行われることとなるだろう。
けれども、艦隊決戦向きでない空母運用と言うことになると艦上攻撃機の役割は相対的に低下する。対地近接支援と言うことを考えると、急降下爆撃と水平爆撃では雲泥の差が出てくる。
水平爆撃は基本的に面制圧が主たる役割であり、これを行うことを前提にするならば、それはより多数の爆弾を搭載出来る双発重爆撃機や四発重爆撃機の方が適当であろう。
急降下爆撃は高い命中率で個々の撃破を狙うのに適している。しかし、その点急降下に耐えられる頑丈さを求められる。よって、対地近接支援という役割を求められるエアシーバトル運用では九七式艦上攻撃機などはあまり適合した機体とは言い難い。
ただし、漸減作戦の運用基準である長大な航続性能という点では敵地奥地まで侵攻空爆出来るという利点がある。よって、爆装が弱いという点を除けば双発重爆撃機的な運用が可能という利点がある。
そして、米帝のデバステーターだが、これはいけない。
航続性能、爆装、速度性能、どれをとっても九七式艦上攻撃機に及ばない。九七式艦上攻撃機がいくらかの欠点に目を瞑って重爆撃機的な運用を行えるが、デバステーターはそれが出来ないのだ。
よって、デバステーターは制式化が仮にされたとしても量産されずに世代交代する運命にあると結論づけるしかないだろう。AD-1スカイレーダーな存在が前倒しで登場する可能性はあるけれども、それだとて今すぐではなく、最低でも40年代に入ってからだろうと思う。
また、艦上戦闘機についても、その性格上、小型爆弾ないし対地ロケットを複数装備出来る程度の対地装備が追加され爆戦化するのではないかと思われる。
これについては米帝の場合、それほど気に掛ける必要はない。F4Fの時点で45kg爆弾を最低でも2個搭載可能である。これはもう少し搭載出来るんじゃないかと思うが、1200馬力程度の発動機だからそこまで無理は出来ないだろうけれど、発動機換装していた場合いくらか余裕が出来るから最大で250kg程度まで対応出来るんじゃないかな?
そういう基準で考えていくと、米帝の空母艦載機は戦闘機40-50機、爆撃機50-60機という構成になるのではないかと思う。日本の空母艦載機は戦闘機27-36機、爆撃機27-36機、攻撃機27-36機の平均型になるのではないだろうか。
ちょっとこの辺はもう少し研究してみる必要はあるのだが、どうだろうか?