投稿記事

うんすじの記事 (18)

おかず味噌 2021/03/14 16:00

クソクエ 勇者編「排泄の黎明 ~女戦士の野外脱糞目撃~」

(前話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/408090

(女戦士編はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/311247

(女僧侶編はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/357380


 勇者が故郷の「救援」へと駆けつけ、村人からの「歓迎」を受けることとなった翌日。彼はもう一日だけそこに留まり、微力ながらも「村の復興」を手伝うことにした。

 まずは、村中に打ち捨てられた「ゴブリンの死体」を片づけるところから始める――。
 彼自身の手で倒した数体をナナリーの部屋から運び出し「広場」に並べる。最も多くの亡骸が置き去りにされていたのも、そこだった。数十体にも及ぶゴブリン達が、ある者は切り刻まれ、ある者は魔術によって爆散されているのだった。
 恐らく、あの「女魔法戦士」の仕業だろう。これほどの多勢に囲まれながらも、けれど決して怯むことなく。魔物を一網打尽にしたのであろう彼女の「仕事ぶり」は、まさしく「上級職」に相応しいものだった。
 自分もそんな風に強くなれるだろうか?冒険者としての「先輩」に憧れを抱きつつも。やがては自らもそこに至りたいと、確かな「決意」を彼は新たにするのだった。

 集めた屍に火を放ち、それらが葬られる様をしばらく眺めた後。次に彼はゴブリン達によって無残にも破壊された「家屋の修繕」に取り掛かった。
 とはいえ、それは「短日」にして成るものではなく。あくまで膨大な作業量における、ほんの「一助」に過ぎないものではあったが。それでも村人は、相変わらず非力ながらも「村の一員」として復興を手伝う彼に感謝するのだった。
 村の「風景」は未だに変わり果ててはいるものの。そこにはわずかずつだが「日常」が戻りつつあり、村人の表情もいくらか活気づき始めた――、その日の夜。

 決して盛大とはいかず、簡素的ではありながらも「祝宴」が催された。それはもちろん「勇者の帰郷」を祝うものだった。

 村人は今となっては貴重な「食糧」を持ち寄り、彼のためにそのような場を設けてくれた。これまで彼らに見向きもされず、どちらかといえば「隅っこ」の方で膝を抱えるばかりだった彼も――、今宵は主賓席に座り、まさに「人々の中心」に居るのだった。
 誰もがこぞって彼の「英雄譚」を聞きたいとせがみ、未だ「駆け出し」である勇者はそれにやや辟易させられながらも。故郷で過ごす久方ぶりのひと時に、やはり「懐かしさ」と「幸福さ」を噛み締めていた。
 宴会の最中、彼の傍らには終始「ナナリー」の姿があった。村人が彼のことを「勇者」としてもてなす中、けれど彼女だけが今までと変わらぬ態度で接してくれた。
 此度の働きによって、少しはナナリーも自分を「見直してくれたかも」と思っていた彼は、そんな彼女の「変化のなさ」をやや残念に感じつつも。あくまで変わることのない「二人の関係性」に、どこか遠く記憶の彼方に「置き去り」にされたと思われていた日々を取り戻すのだった。

 ナナリーの捲れ上がった「スカート」の内側から、露わにされた「下穿き」から、溢れ出した「液体」。その「光景」は彼の網膜に焼き付き、決して消えることはなかった。
 ナナリーが「粗相」をしてしまったという事実は彼の脳裏に刻み付けられ、やがて胸の奥に微かな「キズ」となって半ば永久的に残り続けることとなった。
 今はあえて気丈に、どこか強気に振舞っている彼女の晒した「醜態」。そのあまりの「ギャップ」に対して、果たしてそれをどのように扱っていいのかも分からず。同時に彼女の見せた「羞恥」に満ちた表情を思い浮かべるだけで――、彼の「股間」に携えられた「聖剣」は何やら熱を帯び、得体の知らない力が込められるのだった。
 今も隣に居る彼女に。自らの内から湧き上がる「変化」を、その「衝動」を悟られることを怖れた彼は――、いつも以上に「いつも通り」に振舞おうとすればするほど、かえってぎこちなくなってしまうのだった。

 宴会は「夜更け」まで続けられ、一人また一人と村人が「帰宅」もしくは「寝落ち」していく中。けれど幾人かの酒好きとナナリーだけはいつまでも勇者を取り囲み、あくまで彼を寝かしてくれるつもりはないようだった。
 町では決して眺めることの叶わない「無数の星々」に夜空が彩られ、昼の光を浴びた「衛星」が沈むのに合わせて、それらはやがて「疎ら」になってゆく。人々の歓声も次第に消えてゆき、ついにはナナリーの瞼も少しずつ重くなり始め、

 そして「夜」が明けた――。

「未明」に、彼は村を発つことにした。
 あるいはこのまま一眠りし、昼過ぎに起きることで、改めて村人からの激励と共に送り出されることは容易であったが。彼はそれを何だか気恥ずかしく思い遠慮したのだった。
 人々がすっかり寝静まる中、皆を起こさないように音をさせずに立ち上がる。彼が最も気を遣わなければならなかったのは、やはり「ナナリー」だった。
 いつの間にか眠りこけていた彼女は彼の肩にもたれ掛かり、その「寝顔」は幸福そうな夢を見ているみたいだった。あくまで慎重に肩に乗った頭を動かすと、彼女は「うわ言」のように「彼の名」を呟いた。

「〇〇、ダメだよ…。そんなことしちゃ…」

 まるで彼の人知れぬ「出奔」を咎めるようなその言葉に。あるいは「悩ましげ」なその声に。彼は一瞬逡巡しそうになりながらも、何とか「迷い」を断ち切るのだった。
「別れの挨拶」とばかりに――、彼はやはり悩み迷いながらもナナリーにそっと「キス」をした。彼女の柔らかい唇の感触。自らの唇に残ったその「余韻」に頬を紅潮させながら、彼は再び「勇者としての日々」に戻っていくのだった。

「もう行くのか?」

 ふと「低い声」に呼び止められる。彼は思わず萎縮しつつも、声のした方を見ると――、そこには村長の「カルロスさん」の姿があった。
 暗闇の中で、彼の「鋭い眼光」だけが輝いている。それを窺い知るや否や、勇者はより一層「狼狽」してしまうのだった。
 彼は村長であると同時に、ナナリーの「父親」でもあるのだ。その「娘」に対して勇者の犯したあらぬ「狼藉」を、あるいは見られてしまったのではあるまいか?
 厳しい「叱責」を浴びせられることを怖れた勇者は身構える。だが彼の予想に反して、その声はあくまで穏やかなままだった。

「君にはこれから『世界を救う』という『使命』がある」

 彼は勇者のことをあえて「君」と呼称した。あくまでも「村の一員」として扱うつもりだというように。

「それは君にしか出来ないことだ」

 勇者は「決意」を込めて頷く。

「だがもしも、世界に『平和』が訪れたのなら――」

 彼は村人はおろか、未だかつて世界の誰もが口にすることのなかった勇者の「その後」について言及する。

「その時はどうか、この村に帰って来て欲しい」

 それはやはり「村長」としての言葉なのだろうか。それとも――。

「そして、娘のことを『幸せ』にしてやってもらえないだろうか?」

 どこか言いづらそうにしながらも、はっきりと「願望」を口にする。

「これは村長としてではなく。私一個人として、『父親』としての『依頼』だ」

 厳格な彼にしては珍しく、冗談めかしてそう言うのだった。

「『アレ』はどうも勝気というか、男勝りというか――、危なっかしいところがある」

 照れたような表情が、声からも伝わってきた。娘のことを「指示語」でそう呼んだことからもそれは窺える。

「だから、どうか君が『守って』やってほしい…」

 あくまで「勇者」としてではなく「幼馴染」として、彼は恐縮しつつも頷いた。
 そうして、彼にはまたしても「無二の肩書」が刻まれることとなった。ギルドの名簿に載ることのないその「称号」は――、「ナナリーの婚約者」と。


 すっかり「陽」が昇りきった頃になって、ようやく「町」へと辿り着いた勇者。
 いかに「依頼」のためであるとはいえ。村一つを、多くの人命を救ったその「働き」は紛うことなきものであり。にも関わらず、そんな彼の「凱旋」はあまりに「ひっそり」としたものだった。
 本来ならば、今回の彼の「功績」は「パーティ」(「即席」ではありつつも…)によってこそもたらせられたものであり。故にその「凱旋」もまた、「仲間たち」と共にあってこそ然るべきなのだったが――。

 村人の「無事」を見届け、「感動の再会」を果たしたその直後。
 勇者はその存在を半ば忘却し、すっかり「置き去り」にしてしまっていた「パーティ」と合流した。

「すまないが…、俺たちは一足先に町に帰らせてもらうことにするよ」

 その「提案」は、まさかの「サンソン」の口から発せられたのだった。
 これまで何かと勇者のことを気に掛けてくれて。今はまだ「名」ばかりの――、彼らのような「熟練者」に比べれば、ほんの「駆け出し」に過ぎない勇者を。決して侮るわけでも蔑ろにするでもなく。あくまで「平等」に「仲間」として扱ってくれていた、他ならぬ彼自身からのその申し出に、

「えっ!?あ、はい…」

 勇者はやや戸惑いながらも、了承するしかなかった。

 サンソンの傍らには「ナディア」の姿があった。遡ること、つい数刻前――。
 散々「悪態」をつきつつも、共に村を目指していた頃と「今の彼女」とでは、もはや「別人」とさえ思えるほどに纏う「雰囲気」が異なっていた。
「女魔法戦士」はサンソンに肩を貸され、その腕に支えられることでかろうじて立ててはいるものの――、今にも倒れそうなほど、ひどく「憔悴」している様子だった。

 激しい戦闘によって、「魔力」を「消耗」したのだろうか?
 周囲には、無数ともいえるほどの「戦果」が転がっている。思えば――、ほんの些細な「諍い」の末、一足先に村へと辿り着いたのは彼女なのだった。
 勇者はてっきり「パーティ」とは形ばかりの「馴れ合い」に我慢がいかず、彼女が逃げたものとばかり思っていた。だが、そんな考えが一瞬でも脳裏を掠めてしまったことすら不敬に感じられるほど、彼女は律儀にも自らの「仕事」を全うしていたのである。

 もし、彼女が居なかったら――。此度の「戦況」は、村民の置かれた「状況」は、あるいは今とは違うものになっていたかもしれない。そして彼が最も恐れ、だが強引にも覚悟を迫られることとなった、「犠牲者」だって出ていたかもしれないのだ。

 そういった意味では、やはり彼は(彼女の仕事に臨む「姿勢」がどうであれ)あくまでその「働き」については感謝すべきであったし。実際、今まさに彼はそれを言葉にしようと、声を発し掛けたところだった。

 だが。彼女のあまりの「変貌ぶり」に、彼は思わず口をつぐんでしまう。
「雰囲気」のみならず、むしろより「視覚的」に。彼女の「身に纏う」もの――、かつて「清廉」に「洗練」されていた「衣服」は、すっかり変わり果ててしまっており。それは今や「ボロ布」のように所々に穴が開き、あるいは「薄汚れて」いるのだった。

「どうして、『この私』がこんな目に…!!」

 彼女はまたしても「悪態」をつく。だがそれは、これまでのような「軽口」では決してなく。より深い場所から届けられる、「呪詛」の如く重たい響きを醸していた。
 その瞳に灯された、いつかの「鋭い眼光」もまた影を潜め――、彼女の「視線」は勇者を捉えることもなく、もはや何にも向けられてはいないようだった。
 どこか翳りのある「表情」。彼はそんな彼女の「横顔」と相対し、とてもじゃないが「礼」を言えるような雰囲気ではなかった。

 ふと。「異臭」が勇者の鼻に漂ってきた。それは紛れもなく「女魔法戦士」の方向からもたらせられる「芳香」。
 ゴブリンの「返り血」を浴びたことによるものなのだろうか。あるいは、何かしらの「魔物の体液」だろうか。それにしてはどこか「懐かしい」感じのする香りに、予期せず彼は「村での日々」を思い出す。

「農村」においては、ごく頻繁に嗅ぐこととなる「臭い」。
 やはり「悪臭」であることに違いはないものの――、「家畜」のそれは「肥料」として「作物の成長」にも役立てられる。
 ナディアから放たれる「ニオイ」、それはまるで「肥溜め」のような――。

 彼女から「数歩」離れた場所にいる勇者にさえ届くのである。ましてや、すぐ隣に居るサンソンが気づかぬはずはない。だが、彼はそれについて言及することなく、

「皆とも話し合ったんだが――」

 後方の「仲間たち」を一瞥し、

「今回の『報酬』について、俺たちは辞退させてもらうことにするよ」

 落ち着き払った様子で、きっぱりとそう言った。勇者はそれを聞き、けれど少しも意外に思うことはなかった。むしろ、当然とばかりに納得するのだった。

 今回の「クエスト」における「報酬」について。彼は「依頼書」によってではなく、ナナリーから伝え聞かされたことでその「内容」を知った。
 それを知っているからこそ、彼は「赤面」してしまう。いくら自分のことではないとはいえ――、「同郷」の村人、それもあろうことか「身内」による「醜聞」に。彼は思わず「羞恥」を感じずにはいられなかった。

 そのあまりに児戯じみた「報酬内容」について。彼は「仲間」に詫びようと思った。あるいは「村民」に代わって、自分がその「対価」を支払おうとさえ考えていた。だが彼が意思を告げようとする、その前に――、

「まあ、報酬が『アレ』じゃあねぇ…」

 それまで黙り込んでいた後方の「賢者」があからさまに侮蔑し、見下したように口元を歪めたのだった。

――どうして、そんなにも「馬鹿」にされなければいけないのか…?

 現に彼自身もそう思ったように、「報酬」とは本来「金銭」であって然るべきなのだ。だがそれにしたって、村で獲れた「作物」は町において「商品」として普通に「売買」されるものであるし。であるならば、それは「金品」と呼んだって差し支えないだろう。
 それに。何よりそれは「直接的」に、お腹を満たすことの出来るものなのだ。いかに「高価」であろうとも「硬貨」でお腹は膨れない。つまりは「間接的」な「価値」を有しているに過ぎないのである。

 にも関わらず。その「報酬」は彼らにとって、やはり「無価値」なものなのだろうか。
 もはや議論の余地さえなく(サンソンはそう言ったものの、彼らの間で報酬を受け取るか否かについて、真剣な「話し合い」がなされたとは到底思えなかった)、あっさりと「拒否」してしまえるほど。さらには、そこに何らかの「皮肉」を付け加えなければ気が済まないと思わせるほどに――。

 彼は「頬」のみならず、「全身」に熱が灯るのを感じた。あくまで自分に対するものではなく、「大切な人たち」に向けられたその「嘲り」に。「羞恥」よりもむしろ「怒り」がこみ上げてくるのだった。
 勇者は何か言い返そうと、「反論」を試みようとした。だがそれも、やはりサンソンの「反応」に先を越されてしまう。彼は睨みつけるようにして仲間を「制止」した後、

「確かに。今回の報酬は、あまりに『莫大』なものだ」

「定量的」に述べつつも、そこに「定性的」な「価値」を見出すのだった。

「だからこそ、君が受け取るにこそ相応しい!!」

 彼は言った。あるいはその言葉自体、紛れもない「方便」であり。勇者や依頼者に対する、彼なりの「気遣い」でもあったのだろうが――。
 兎にも角にも。彼は最後の最期まで他者に向けての「配慮」を欠かすことなく、その「姿勢」を崩すことはなかった。

 と、そこまで言い終えたところで。サンソンは「隣の同胞」を気遣いながらも体の向きを反転させ、勇者に「背」を向けて立ち去るのだった。
 その颯爽たる彼の「後ろ姿」に比して――。肩に腕を回され、まるで「引きずられる」ようにして歩くナディア。その「背中」は、やはり幾分か「小さく」感じられた。彼女の「マント」は下半分ほどが無残にも引き千切られており、「白いブラウス」はすっかり「土埃」にまみれていて、そして――。

 辺りはすでに「昏い」ものの、彼女の「スカート」に盛大に浮かび上がった「染み」を勇者は決して見逃さなかった。

 あたかも濡れた地面に「尻もち」をついてしまったかのような、「臀部」を中心にして広がるその「痕跡」。彼女はそこを手で「隠そう」としているものの、だがその全てを「覆う」ことは出来ずに半ば諦め掛けているのだった。
 その「仕草」と、あくまで衣服の「形状」は違えど、同じく描き出された「紋様」に。ふいに勇者は、強い「既視感」を覚えるのであった。

 ナナリーの晒した「醜態」。「恐怖」のため、「理性」を「本能」が上回ってしまったことによる「痴態」。それについては致し方ないだろう。何しろ彼女は「村娘」であり、ついこの間まで「戦い」とは無縁の日々を送っていたのだから――。
 だが、ナディアに関しては違う。彼女にとっては、まさにそれこそが「本業」であり。「戦い」こそが「日常」なのだから――。
 あるいは「死」に対する「恐怖」が全くないかといえば、さすがにそんなことはないだろうが。まさか「彼女に限って」、そのような「失態」を○すとは考えられなかった。

 だからこそ、ふいに浮かんだあり得ぬ「発想」を勇者はすぐさま打ち消した。そして、代わりに勇者はまたしても「想像」する。彼が実際に目にした、ナナリーの「粗相」を。

「さてさて、我々もそろそろ――」

「賢者」が声を発したことで、「回想」は打ち切られる。彼は「半笑い」を浮かべつつ、「目配せ」をした。それは、とても「嫌な感じ」のする「笑み」だった。

「ナディア様の『雄姿』を皆に周知する、という『重大な使命』がありますので!」

 あえて「大仰」に言う賢者。その畏まった「物言い」に、それまで「無反応」だった「モブ達」さえもついに堪えきれず笑い出してしまう。
 周囲を憚ることなく、鳴り響く「嘲笑」。その「罵声」は、あるいはナディアの耳にも届いていたのかもしれないが。それでも、彼女が振り返ることは決してなかった。

 ナディアの「うんちお漏らし」。
 彼女にとって、耐え難き「羞恥」でありながらも。あくまでも「仲間内」のみ、その「下穿きの内」だけで収められるべき「秘密」を「吹聴」して回ったのは――、他ならぬ「彼ら」なのだった。
 あるいは「女魔法戦士」に相手にされなかったことに対する「当てつけ」か、はたまた他者を蹴落とすことで成り上がろうとする彼らの「卑しい性分」か。
 いずれにせよ「ゴブリン如き」に恐れおののき、あろうことか「糞尿」までもまき散らしてしまった彼女に対して。「劣情」を主成分とした彼らの「憧憬」は、もはや見る影もなく失われていたのだった。

 もし仮に、勇者の耳にもそのような「噂」が届いていたとしたら――。それも全ては「自分のせい」だと彼女に対する「申し訳なさ」と、いくらか「同情」を禁じ得なかったであろうが。(それもまた彼にとっては「目覚め」の契機となり得たかもしれないが…)
 その後、すぐに町を後にすることになる彼は知るべくもなかった。

 何はともあれ、サンソンの「号令」をもって「急造パーティ」は「現地解散」となり。またしても「一人きり」となった勇者は町へと帰還し、その足で「ギルド」に向かったのだった――。


「おはようございます、勇者様」

 すでに「昼前」だというのに、未だ人の疎らな「ギルド」において。
 やはり真っ先に声を掛けてきたのは、あの「エルフ」だった。今回のクエストの受注にあたって自ら「便宜」を図ったというのに。パーティ招集のため、あれほど「尽力」したというのにも関わらず。けれど彼女はあくまで、それについては何も言って来なかった。ただ、普段通りの「挨拶」を彼に向けてくるのだった。

 早速、彼は「報告」する。依頼を「達成」したこと、村の皆が「無事」であったこと、数匹のゴブリンを彼の手で「打倒」したこと。それらを出来るだけ「簡潔」にまとめようと心掛けてはいたものの、それなりに「饒舌」になってしまうことは否めなかった。

「お疲れ様でございました」

「全て」を聞き届け、それでも尚彼女は冷静なまま「定型句」を述べるのだった。
 その表情こそ紛れもない「笑顔」ではあるものの、それは「建前」として他の冒険者に向けられるのと「同じもの」であり。あくまでギルドの受付として、彼女に「標準装備」されているものに違いなかった。

「では早速、『報酬受け渡し』の手続きに移らせて頂きます」

「業務的」にそう言い終えると。彼女は手元にあった「帳簿」を、ページを捲ることなく「一発」で開き当て、それを彼に向けて差し出したのだった。

「こちらに『サイン』をお願い致します」

 彼女は指で箇所を示しながら、やはり起伏なく言う。「羽ペン」を受け取りつつ、彼女に言われるまま「署名」を終えながらも――、彼は何だか「拍子抜け」するような、妙に「がっかり」したような気がするのだった。

 別に「褒めて」欲しかったわけではない。「認めて」貰いたかったというのとも違う。彼が今回受けた「依頼」というのは、あくまで「低級」のものであり。「志願者」が現れなかったのも、その「報酬の低さ」こそが理由であり。決して「誰にも成し得なかった」という類のものではなく、むしろ「駆け出し」であっても丁度いいくらいの「低難易度」に過ぎないのだった。
 何しろ相手は「ゴブリン」なのだ。「低級の魔物」、「冒険者」がまず最初に「狩る」に相応しい「敵」であり。あるいはその「経験」を経ることによって、初めて「半人前」だとかろうじて認められるくらいの、いわば「試金石」なのである。
 たとえそれが「軍勢」であろうとも――、いくらか「難易度」の「加算」は認められるものの、やはりそれは「低級の範囲」に充分収まるだけのものなのだった。

「エルフ」は彼のことを「心配」すらしていないようだった。紛れもない「彼の故郷」が「戦火」に見舞われたというのに。いかに「低級」であろうと、まさに「魔物」と戦ってきたというのに。彼女は勇者の「生還」を祝うどころか、体中に受けた「名誉の負傷」を眺めても尚、彼が「無事」であったことに対する言葉はないのだった。
 あるいはそれこそが「信頼」と呼ぶべきものなのかもしれない。彼女は彼が無事に戻ると信じていた。きっと大丈夫だろう、と。余裕をもって、そう構えていた。だからこその「無言」なのかもしれない。(それとも、彼女が集めた「上級職」に対する「信頼」なのだろうか…?)

「ありがとうございます。それでは――」

 彼女は「署名」を確認し、上から「受領印」を押す。そして帳簿を「パタン」と閉じてから仕舞うと、代わりに何やら「薄汚れた小袋」を取り出した。

「お渡しするのが遅れてしまいましたが…、こちらが『依頼』の『前金』です」

 彼はその「小袋」に見覚えがあった。(確かこれは村の大人たちが「買い出し」のため、町に出掛ける際に用いるものだったはず…)

「どうぞ、ご確認下さい」

 確認するまでもなく、すでに「中身」については知っている。村人が彼のために持ち寄った「果実の種」だろう。それもやはり、彼以外にとっては「無価値」に過ぎないもの。
 だがしかし。彼が一応とばかりに袋を開け、改めたその「中身」は――、

 数枚の「銀貨」であった。

 彼の育った村においては「大金」とさえ呼べる額である。 

「そして、こちらが今回の依頼の『達成報酬』です…」

 彼女はどこか言いづらそうに、

「村で獲れた作物、『一生分』でございます…」

「依頼書」に書かれた通りの、そのあまりに途方もない「内容」をそのまま口にする。

「尚、『報酬の多寡』について、当ギルドは一切関知しておりませんので――」
「万が一『支払い』がなされない場合は、ご自身で『回収の依頼』をお願い致します」
「我々ギルドは、『依頼者様』と『冒険者様』との『信頼』で成り立っております」

 それを言うことが、「規則」で決められているのだろう。「スラスラ」とした口調で、澱みなく「条文」を言い終えたところで。

「いりません…」

 彼は「明確な意思」を言葉にする。

「えっ?」

 そこで初めて、彼女は「個人的」な戸惑いを露わにした。

「報酬はいらないです。これも依頼者の――、『おじいちゃん』に返しておいて下さい」

 勇者はやや迷った挙句、あくまで彼にとっての「呼び名」でそう言った。

「かしこまりました。では、責任もって私から依頼者様に『お返し』しておきます」

 無論それは「業務外」であったのだが、エルフは「快諾」した。
 そうすることで、少なからず村の「復興」に役立てられるのなら。それによって、わずかばかりでも彼の「助け」となれるのなら。彼女は「ギルドの受付」としてではなく、「一人の女性」として。今一度、彼のために一肌脱ごうと決意するのだった。

「以上で、全ての『手続き』を終えさせて頂きます。何かご不明な点はございますか?」

 最後にそう問われ、勇者は顔を上げる。「正面」からしっかりとエルフの顔を見据え、そして――。

「色々とありがとうございました!!お陰で、村の皆を助けることが出来ました」

 はっきりと彼は言った。「不器用」ながらも、精一杯の気持ちが込められた彼の言葉。けれど、当のエルフは――、

「一体何のことでしょう?」

 わざとらしく首を傾げ、あくまで「とぼけて」見せるのだった。

「いえ、何でもないです…」

 彼のなけなしの「勇気」もそこまでだった。「気恥ずかしさ」を堪えつつも放った言葉はけれど――、彼女によって見事に躱されたことで、後にはただ「居たたまれなさ」のみが残るのだった。
 再び、彼は下を向いてしまう。もはやその場に留まり続けることすら「羞恥」に感じ。彼は踵を返し、立ち去ろうとしたところで。

「必ず帰ってくるって信じてましたよ!」

 その「声」に振り返り、今一度彼は「エルフ」を見る。
 その「表情」は、やはり「いつも通り」のものでありつつも――、瞳を潤ませながらの「笑顔」は、紛れもなく「彼だけに」向けられたものだった。


 ある者は去り、またある者が訪れる。「町の日常」はあまりにも忙しない。そうした日々の中で、ようやく彼にも「仲間」が出来た。

「アンタ、『勇者』なんだって?」

 最初に声を掛けてきたのは、一人の「女戦士」であった。
「肉体」に縦横無尽に走る「傷」は、まさに「歴戦の猛者」であることの「証」だった。

「アタシと『一戦』交えちゃくれないかい?」

 彼女からもたらせられた提案は「勧誘」ではなく、まさかの「試合の申し出」だった。

――ヒュン!
――ガキィィン!!
――ズバッ!
――ドシャ!!

 幾閃かの「剣戟」を重ねた末、あまりにあっけなく彼は膝をついてしまう。
 彼のこれまで積み上げた「研鑽」は、彼女の「剣技」の前では全く歯が立たず。彼が「勇者」となって以来、一日たりとも欠かすことの無かった「鍛錬」も――、彼女の長年のそれに比べればほんの「付焼刃」に過ぎず。彼は彼女に対して、少しも敵わなかった。
 だが、それでも。「試し合い」の後、蹲る彼に差し出された手。

「アンタの『太刀筋』気に入ったよ!まだまだ、アタシには遠く及ばないけどね!」

 彼のことを認めながらも。けれど自らを決して「卑下」することなく、むしろ盛大に「誇示」しつつも「豪快」に笑う彼女の手を――、彼は掴むのだった。

「アタシの名は『ヒルダ』」

 彼女は「名」を告げた上で、 

「今はまだ『戦士』だけど、これでも『世界一』の『バトルマスター』を目指してる!」

「不遜」ともいえるくらいの「名乗り」を上げる。

「アンタは?」

 そう問われたことで、彼は自らの「氏名」とそれから――。あるいは自らの「使命」と呼ぶに相応しき「職業」を、やはり「自信なさげ」に答える。

「――か。いい『名』だね!」

 ナナリー以外から「名前」で呼ばれるのは、随分と久しぶりな気がした。けれど彼女はあえて「その名」を繰り返すことなく――。

「決めた!これから先、アンタのことは『勇者サマ』って呼ぶことにするよ!」

――自分が「勇者」だって、アンタが堂々と胸を張って言えるようになるまで。

 そうして、またしても彼女は「豪快」に歯を見せるのだった。
 当初は「次の町まで」という約束だったが、いつの間にかそれは「反故」にされ――、彼女はパーティにおける「最古参」として、「最後まで」彼と共にあり続けるのだった。

「新天地」を求めるべく、「彼ら」が町を出ようとした時。
 また一人、声を掛けてくる者の姿があった。

「あの、えっと…。ワタクシも『お仲間』に加えては頂けないでしょうか?」

 あまりに唐突な「出願」に、「二人」は顔を見合わせる。女戦士の方はやや「苦い顔」をしているようにも思われたが、あくまでも「合否」は彼に委ねるつもりのようだった。

「ぜひ、お願いします!!」

 むしろ彼の方から「願い」を口にし、あっさりと「了承」を示すと、

「やった!!めっちゃ嬉しいで――あ、その…、ございます」

「女僧侶」はなんだか妙な「言葉遣い」になりつつも――、だがそれによって、彼女の「真っ直ぐな思い」がより率直に伝わってくるのだった。

「経験的」にも「年齢的」にも、彼にとって「先輩」である「両名」を加えて。ついに、彼は念願の「パーティ」を組むことと相成った。だがしかし――。

 それからの勇者の日々は、これまで以上に「危険」に満ち溢れたものだった。

フォロワー以上限定無料

無料プラン限定特典を受け取ることができます

無料

【 この後の展開が気になる方 】プラン以上限定 支援額:500円

このバックナンバーを購入すると、このプランの2021/03に投稿された限定特典を閲覧できます。 バックナンバーとは?

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2021/02/04 16:00

能力者たちの饗宴<時間停止能力> 「ギャルに教育的指導」

 前から歩いてきた「二人組のギャル」(その言葉自体、もはや死語なのだろうか?)が私を見るなり、あからさまに嫌な顔をした。
 一人分にしては十分過ぎるほど大袈裟に身を躱し、しばし無言のまますれ違うや否や。

「ヤバくない…?」
「マヂ、ヤバイ!!」

 若者特有の、あまりに語彙力に乏しい感想を述べ合う。
 果たして、私の何がそんなにヤバイというのだろう?見るからに中年である私の、あるいは「勃起の持続力」についてだろうか。はたまた彼女たちは一目で私の「能力」を見抜いたとでもいうのだろうか。

「ねぇ、あんなハゲが父親だったらどうする?」
「ムリムリムリ!!!」

 黒い方が予期せぬ仮定を問い、白い方が「擬音」でそれに答える。
 分かりきっていたことだ。彼女らはあくまで私の容姿についてそう言及し、そこに透けて見える私の人生に対して、身勝手にも「ヤバイ」と一言で片づけたのである。
 あたかも私という存在の、その全てが「間違い」であると断定するように――。

「てか、聞こえるよ…?」

「白」がやや冷静になって言う。だがその声すらも私の耳には届いていたし。何より彼女たち自身、私に聞かれたところでそれを何ら不都合にも感じていないらしかった。その証拠に。

「なんか、めっちゃ性欲強そう…」

 一度は友人を咎めたその口で、やはり私の「外見」についてそう呟く。
 彼女の私に対する「予見」は、ある意味では当たっている。確かに私は同年代と比べて、どちらかといえば性欲に従順な方である。だがそれも、彼女たちのように男を「とっかえひっかえ」するのではなく。あくまで、唯一無二の恋人である「右手」に執着し続けるのであったが。

「わかる!!」

「黒」が同調を示す。そうすることが彼女たちにとって、数少ないコミュニケーションの手段であるというように。
 友人に乗せられたことで、「白」はさらに増長する。そしてついに許容の一線を、私の琴線に触れる一言を放ってしまう。

「ホント、何が楽しくて生きてるんだろうね~」

 その発言はつまり、私に「死ね」と言っているのと同義だ。もはや「生きる価値なし」と、私の生命さえも否定するに等しい言葉なのである。

 彼女たちにしてみれば、あくまで私の命など取るに足らないものなのかもしれない。
 ただ道ですれ違うだけの存在。彼女たちの人生において、普通に暮らしていれば巡り合うことのない人種。仮にも同じ世界に生きているとはいえ、我々の世界線が交わることなど決してなく。
 それ故に彼女たちは私に対して傲慢に、後々の関係性を気にすることなく不遜に振舞えるのだろう。もう二度と、あるいは一度たりとも関わることがないからこそ。

 だが、たとえそうだったとしても。私の年齢のおよそ半分にも満たない小娘なんかに、なぜこうも好き勝手に罵詈雑言を浴びせられなくてはならないのか?
 ただ彼女たちの視界に入った、というだけの理由で、あたかもそれ自体が何らかの罪であるかのように。あからさまな嫌悪を抱かれなくてはならないのか?
 あるいは、これがもし逆の立場だったなら。見ず知らずの他人にすれ違いざまに暴言を吐く、頭のおかしな人物として。明らかな不審者として通報され、逮捕されるまである。

 若いというだけで、「女性」というだけの理由で。あくまで被害者はあちら側であると当然にように推定され、社会的に優遇される。
 そうした世間の不平等に、私は憤りを感じずにはいられなかった。普段はむしろ「自分たちこそ強者である」と尊大にしておきながら、都合の良い時だけ「弱者」としての武器を盛大に振りかざす彼女らに対して。
「ついカッとなって、頭に血が上った――」のではなく。意思とは裏腹に、私の血液は「別の箇所」へと運び込まれる。
 そして。私の股間は逃げ場を失ったズボンの中で、固く「勃起」していた。

 その瞬間、世界は時を止める。

フォロワー以上限定無料

無料プラン限定特典を受け取ることができます

無料

【 この後の展開が気になる方 】プラン以上限定 支援額:500円

このバックナンバーを購入すると、このプランの2021/02に投稿された限定特典を閲覧できます。 バックナンバーとは?

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2020/10/19 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十五話「私の視点 ~因果と応報~(4)」

(第二十四話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/381523


「昼前」に起きて、「支度」を始める――。

「休日」といえども、いつもなら「九時前」には起きるようにしているのだが――、今朝はどうしても目を覚ますことが出来なかった。きっと「夜更かし」のせいだろう。
 昨夜はなかなか「寝付け」なかった。「ベッド」に入ったのがそもそも遅かったせいもある。彼との「やり取り」を終えて、「二度目」の「おやすみなさい」を返した頃には「深夜三時」を回っていた。

――こんな事なら、いっそ「電話」にしておけば良かったな…。

 彼からの「返信」は早かったが、それでも。「文字を打つ」時間を考えれば、やはり「直接」話していた方がいくらかの「短縮」にはなっただろう。
 いやむしろ、昨夜の「目的」とは、一体何だったのか?ただ今日の「予定」を話し合うだけならば、別に「メッセージ」だけでも良かったはずだ。早々に「切り上げて」、明日に「備えて」ゆっくり「眠る」ことだって出来たはずなのだ――。

「寝惚け」た目をこすりながら「辺り」を探り、手繰り寄せた「スマホ」を開く。その中には昨夜の「やり取り」が「そのまま」残されている。「寝起き」の頭にその「内容」は少々「刺激」が強すぎた。

 恐る恐る「見返して」みると――。彼からの「返信」は「一夜」明けた「今」となっても、「赤面」したくなるものばかりだった。そして問題は、私の「送信」だった。
 あくまで彼の「期待」に応えるためとはいえ――、私の送った「文章」は、あまりに「馬鹿げている」というか、「羞恥」にまみれたものだった。
 その上私は、あろうことか「自撮り」を――しかもただの「自撮り」ではなく、いわゆる「エロ写メ」を――彼に送り付けたのだ。
「メッセージ」を閉じて、今度は「画像フォルダ」を開く。そこには「昨夜の私」が自ら「撮影」し「保存」し「送信」した「画像」が残っている。「一枚目」は「ショーツ」の上からの「陰部」、「二枚目」は「ショーツ」をずらした「お尻」。そして「三枚目」はというと――、自らの手で「尻肉」を拡げ、晒した「アナル」が写っている。
 主に「空」や「風景」や「食事」からなる「フォルダ」の中で、その「三枚」だけ一際「異彩」を放っている。幸い「顔」が写り込んでない「匿名」の「画像」は、紛れもなく私の「一部」であるはずなのに、どこか自分と「切り離された」ものであるように感じられて、あるいは「ネット」から拾った「赤の他人」の「エロ写真」のようにも思えた。

――昨夜の私はどこか「オカシかった」のだ…。

 少々「調子」に乗り過ぎたことを「反省」しつつ――。「画像」を「拡大」することなく「選択」し、「自戒」を込めてまとめて「削除」する。だがすでに「送信済み」のものについては、どうしようもなかった。
「会話」自体を「消去」することは出来る。だがそれでもあくまで私の「スマホ」からは「見れなくなる」というだけで、昨夜の「やり取り」そのものが「無かったことになる」わけではなく。相変わらず、彼の「スマホ」に「履歴」は残ったままなのだ。
 彼もそれを「見返した」りしているのだろうか。あくまで彼に「乗せられる」ことで、すっかり「その気」になってしまった私。「羞恥」と「エロ」にまみれた、その「発言」一つ一つを切り取り。あるいは昨夜の「興奮」そのままに、「臨場感」たっぷりに、何度だって「反芻」しているのだろうか。
 彼は私の送った「写メ」を「保存」したのだろうか。そうだとしたら、その「画像」はやはり彼の「フォルダ」の中でも「異質」なものとなりながらも。彼にとって「定番」の「オカズ」になり得たのだろうか。彼は「あの後」も、何度か私で「ヌいた」りしたのだろうか――。
「想像」しただけで、また顔が「熱く」なってくる。私を「慰みモノ」にして、それを「滋養」に変えつつ、「おちんちん」を「しごく」彼。「嬉しい」ような「恥ずかしい」ような、「複雑な気分」だった。

 だが、あくまで「ヌキ過ぎ」には「注意」。彼にはちゃんと、「今日の分」の「精子」は残しておいてもらわなければ――。
 もし今日会った時。「僧侶」のように「落ち着き」払い、「賢者」のようにすっかり「為し終えた」彼だったら――、私はこの「感情」を一体どこに持っていき、誰にぶつければいいのだろう。

 そう私は「今日こそ」――、「処女」を「捨てる」のだ。
 相変わらず彼の前で「お漏らし」をして、その「羞恥」に身を焦がし、その「興奮」の冷めやらぬまま――、その「体のまま」で、彼に「抱かれる」のだ。
「今度こそ」は――、「非正規」ではなく「正規」の穴で。「肛門」ではなく「性器」を「姦通」されるのだ。

 私は「ベッド」からようやく起き上がり、「彼に会う」べく「準備」を始めた――。

 まずは「洗面所」に行き、「顔」を洗い「歯」を磨く。「休日」であり、もう「昼前」だというのに、「家の中」は「静か」だった。

「そういえば――」と。昨晩「夕食」の時、「両親」が「明日は朝が早いから」と言っていたことを思い出す。どうやら「父親」の「部下」の「結婚式」らしい。
「父親」だけならまだしも――、あくまで「他人の結婚式」に、わざわざ「夫婦」揃って「出席」する必要があるのか、と少し「疑問」に思った。だが聞くところによると――、「新郎」は「社長の息子」らしく、「新婦」は「重要な取引先」の「専務の娘」らしい。
 だからそこには色々と「付き合い」なんかもあるのだろう、と。「事情」は分からないまでも、私は「察する」のだった――。

 それにしても。若い「カップル」が「門出を迎える」という「記念」すべきこの日に。私はといえば――、「恋人」ですらない「相手」と「逢瀬」を重ね、あまつさえ「処女」を「捧げよう」としているのだ。なんだか「不思議」な気分だった。
 彼らにとっての「結婚」がそうであるように、私にとっての「それ」もいわば「儀式」であることに違いはないのかもしれない。だが、「あちら」は「大勢」に「祝福」されるのに対して――、「私の方」はあくまで「二人だけ」で「ひっそり」と執り行われるものであり、果たしてそこに「福音」があるのかさえ「不明」である。
「両者」のあまりに異なる「通過儀礼」に思いを馳せたとき。私はなんだか自分がひどく「穢れて」しまったような――、もはや「正常」には「戻れない」ような――、決して「普通」に「帰れない」ような――、ある種の「怖さ」のようなものを抱くのだった。

 幸いなことに、私に「お呼び」は掛からなかった。(「誘われた」ところで「断る」つもりだったのだが…)
「純君」も家で「お留守番」のはずだ。まだ寝ているのだろうか。「ママ」が居ないのをいいことに、きっと思う存分「惰眠」を貪るつもりなのだろう。ここは「姉」として「弟」にビシッと言ってやらなくては、と思いつつも――。正直、今は彼が「眠った」ままでいてくれる方が都合が良かった。

 そういえば昨夜、純君は「ママも行くのよ」と言った「母」に対して、
「ママとも『知り合い』なの?」
 と、「無邪気な質問」をしていた。「中学生」の彼には、「大人の事情」というものが分からないのだろう。「『付き合い』よ」と母は苦笑しつつ答え、会話を聞いていた私は思わず「吹き出して」しまった。彼の「発言」に私が「リアクション」するのは、随分と「久しぶり」な気がした。
――そうだ、純君はまだ「そんなこと」知らなくて良いのだ。
 未だ「無知」な彼を――、そんな「純粋」な「弟」を――、私は「愛しく」思った。

 ひと通りの「作業」を済ませ「洗面所」を後にし、次に「メイク」に取り掛かるべく「部屋」に戻る――。
 その「途中」、私はふと「廊下」で足を止める。眼前には「トイレ」のドアがあった。

 それもまた私の「モーニングルーティン」に含まれている重要な「儀式」だ。あるいは「動画」にする時なんかは「省かれる」のだろうが――、紛れもなくそれは私にとって「日常」の「一部」となり、もはや「習慣」と化している。

 私は「毎朝」、「用を足す」ことにしている――。

 これまで「意識」したことなどなかったが。思えば――、「顔を洗う」→「歯を磨く」→「用を足す」という「一連」の「流れ」が、すっかり「自然」のものとなっている。
 本来ならば「朝食後」に「出した」方が「効率が良い」のだろうが。私の「健康な体」は「夜」の内に存分に「消化」を進め、「起きた」頃にはすでに「腸内」に「それ」が「蓄積」され、「食べる」よりもまず「催して」しまうのだった。
 そして「今朝」も――。

 私は「ドア」の前で「逡巡」する。
――果たして、「出して」しまっていいのだろうか…?
「便意」はある。「尿意」についても「そこそこ」に。あるにはあるのだが、そこで私は彼との「約束」を思い出す――。

「じゃあ、今から『トイレ禁止』ね!」

「無邪気」な、彼の「命令」。だがその「無邪気さ」は純君の「純粋さ」とはかけ離れたものだ。彼は「何も知らない」で言っているのではなく、「全てを分かった」上で言ったのだ。その後に待ち受ける、彼の「願い」を――、私の「望み」を――、二人の「願望」を――、あくまで「熟知」した上での、多分に「邪気」の含まれたものなのだ。

 私は今日、彼の前でまた「お漏らし」をする――。

「我慢」に「我慢」を重ねた上での「失禁」。「耐え」に「耐えた」末の「解放」。
 だからこそ、私は「溜めて」おかなければならないのだ。「おしっこ」を――、そして「尿意」を――。もはや自分の「意思」では「抗えなく」なるほどに、「堪えきれなく」なるくらいに――。
 いわば、この「忍耐」もまた「プレイの一環」なのかもしれない。全てはある「瞬間」のために――、「私の」あるいは「二人の」、「未来」のために――。

 あるいはそれが「尿意」だけであったなら――。私は彼の「指令」に「従って」いただろう。彼に言われた通り、きちんと「トイレに行かず」に、その場から歩き去っていたことだろう。

 私は「ドア」を開けた――。
「カギ」を掛け、それから「下着」を下ろし、「便座」に腰かける。

――そう、「したい」のが「おしっこ」だけだったなら…。
 私は「お腹」に「力」を込める。

――プスゥ~。

 と、まずは「出口付近」の「ガス」が「放出」される。そして――、

――メチチチチ…。

「お尻の穴」が拡がり、そこから「物体」が生み出される。「太く」「固い」ながらも、私の「意思」のままに「押し出される」それは――、「うんち」だった。

――ボチョン!!

 まるで「しっぽ」みたいに――。私の「お尻」から伸びた「それ」はやがて「重力」に「耐えきれず」に「切れて」、「便器内」に「産み落とされる」
 跳ね返った「水」が「お尻」に当たる。思わぬ「冷たい感触」に思わず声を出しそうになりつつも堪え、それから「深い息」を吐く。

――「うんち」、気持ちいい~!!

「快感」の「歓声」は上げずとも、「達成感」が込み上げてくる。

――まだ、出そう…。

「巨大」な「一本」を「ひり出し」ながらも、「便意」は未だ収まることなく――。
「注意深く」力を込めて、「次々と」生み出してゆく――。

――ブチッ!!
――メリメリメリ…。
――ピチョン!

「初発」には及ばないまでも、それなりの「塊」が「落下」する。
 ようやく「便意」が鎮まりつつも、だがまだ「半分」といったところだった。「股間」に「ムズムズ」とした「気配」がある。

 私はやや「迷い」ながらも、やがて「そちら」さえも「解放」してしまう――。

――ショロ…。シュイィィィ!!

「勢い」よく「放たれた」のは――、「おしっこ」だった。昨晩から「溜め込まれ」、「満タン」となった私の「尿」だった。

――やってしまった…。

 これにて、彼との「約束」を完全に「破って」しまったことになる。彼から与えられた「命令」を、私は「守る」ことが出来なかったのだ。
 出続ける「放尿」の「感触」を得ながらも――。あるいはこれが「便器」にではなく「ショーツの中」に「放たれて」いたなら、と想像する。
 きっとすぐさま「ショーツ」を突き破り、脚を「伝う」ことさえなく、「直接」足元に「水溜まり」を形成していたことだろう。それを「眺める」彼の「視線」を思う――。私に「与えられる」限りない「羞恥」を想う――。

 だが「後悔」はそれほどなかった。「安直」に私は考える。
――きっと、すぐにまた「したくなる」だろう…。
 と。「時間」が経てば――、それなりに「水分」を摂取すれば――。また何度だって「自然」に「催す」に違いない。それこそが「生理現象」というものなのだから。
 だから私はあくまで「スッキリ」としたまま、「排泄」を「終えた」のだった――。

 最後まで「出し切った」ことを「確認」しつつ、「ペーパー」に手を伸ばす。
「カラカラ」と手でそれを「巻き取り」、そして「お尻」にあてがう。

「一回目」は――、当然の如く「べっとり」と「付く」。「ペーパー」が「うんち」で「茶色」く染め上げられる。それを「便器」に捨てる。
「二回目」も――、やはり「それなり」に「付く」。「うんち」で「汚れた」ペーパー。少しばかり「マシ」になりつつも、まだ「拭い」きれていないことを報せる。
 そして「三回目」――、「微か」だが「付く」。私の「肛門」はまだ「汚れて」いる。
 さらに「四回目」――、ここにきてようやく「ほとんど」付かなくなった。とはいえ、「ペーパー」には「わずか」ながらも「痕跡」が刻まれている。薄く、茶色い「線」。

 さすがに、これ以上「消費」するのは「もったいない」という「節約心」が、私の中に生じる。「もういいだろう」と半ば「妥協」気味に「諦め」つつ「ショーツ」を上げる。だが――。

――ヌチャ…。

 確かな「感触」が与えられる。微かな「予感」が「的中」する。
 慌ててもう一度「ショーツ」を脱ぎ、確かめてみる。よく見てみないと分からないが、そこにはやはり「ウンスジ」が付いていた。ちゃんと「拭いた」にも関わらず。あれほど入念に「気を付けていた」というのに――。
「ショーツ」に刻まれた「排泄の痕跡」。「尻の部分」に――、その「中央」に描かれた「形跡」に鼻を近づけ、「匂い」を「嗅いで」みた。

「案の定」というか、やっぱり「クサい」。「ショーツ」から紛れもなく「うんち」の「ニオイ」がした。「清浄」であるはずの「乙女」とは、あまりに「かけ離れた臭い」。
 またしても私は「ショーツ」を「ウンスジ」によって「汚して」しまったのだった。

――どうして…。

「疑念」と「憤慨」を抱きつつ、けれど私には「心当たり」があった。
 それもまた、きっと「彼のせい」だ。彼が私の「お尻の穴」を「弄ったり」するから――、指を「突っ込んだり」、ペニスで「犯したり」するから――。だから私の「穴」は、すっかり「拡げられて」しまったのだ。
 もはやきちんと「閉じられなく」なるほどに、拭いても拭いても「拭き残して」ほどに――。だから「ショーツ」に「うんち」が「付いてしまう」のだ。

 私は「嘆息」しつつ、レバーを「大」の方に向かって捻る。「便器」の中の「モノ」が「水流」によって押し流されてゆく。それで「便器内」はすっかり「キレイ」になった。だが私の「肛門」はそうはいかなかった――。

「トイレ」を出て一度「部屋」に立ち寄り、「着替え」を持って「浴室」に向かう。
 汚れた「お尻」を「シャワー」で洗い流す。「指」には、未だに「ヌルヌル」とした「感触」があった。しつこいそれを何度も指で「拭い」「確かめて」、ようやく「感触」が無くなったところで水を止め、「清浄」な下着に穿き替えて、「浴室」を出る。

 そこで「純君」と鉢合わせた――。

 私は「驚き」のあまり、一瞬「声」を失う。彼は一体いつからそこに居たのだろう。
 私の――「姉」の再びの「失態」を、その「一連」を、「目撃」していたのだろうか。
 あるいは彼はまたしても「姉の下着」を「拝借」しようと企てていたのだろうか。ついさっき私が脱いだ「下着」を、またも「ウンスジ」の刻まれた「下着」を――。

「純君、起きたの?」

「疑い」を抱きつつ、彼の「真意」を探りつつ、私は「平静」を装って訊ねる。

「うん、さっき起きたところ…」

 純君は答える。「さっき」とは果たして「いつ」なのだろう。

「てか、お姉ちゃんどうしたの?」

 今度は純君に訊ねられる。「どうして、シャワーなんか浴びてるの?」と、確かに彼の「疑問」はもっともだった。

「いや、なんか『汗』かいちゃって。昨日の夜、ちょっと『暑く』なかった?」

 とっさに思いついた「返答」だった。あまりに苦しい「言い訳」。実際、昨夜はむしろ「肌寒い」くらいだった。「汗をかく」なんてことは全くない。
 それに第一、私は「服」を「着たまま」なのである。「下」はもちろん「脱いだまま」だが(「ショーツ」だけは穿いている)、「上」は「着たまま」だった。

――と。そこで私は自分の「下半身」が「下着姿」であることを思い出す。

「!!!」

 慌てて、手で「下」を隠す。「パジャマ」の裾を引っ張り、露わになった「ショーツ」を隠そうと試みる。だけど「無駄」だった。全てを「覆う」には、「両手」と「裾」だけではやや「物足りず」、あまりに「心許なかった」。
 私は純君に、穿いている「下着」を――、「ショーツの色」を知られてしまう。

「穿き替えた」私の下着は「水色」だった。「引き出し」から「選ぶ」とき、どうせなら「汚れ」の目立たない「黒」にしようかとも考えたが、それだと「お漏らし」の「染み」まで埋もれてしまう。それはなんだか「もったいない」ように思えた。
 あるいは今日は「デート」なのだから――、とせっかくなら「勝負下着」にでも穿き替えたいところだったが。あいにく私は「そんなもの」は持っておらず、「形」については「一定」のものばかりで、せいぜい「色」を選ぶくらいが関の山だった。
「Tバック」でも持っていたなら――、と思ってもみたが。ただでさえ「ウンスジ」を付けてしまう私が、そんな「お尻に食い込む」ような下着を穿こうものなら――、もっと「悲惨」なことになるのは目に見えていた。
 だからこそ私は、持ち得る「選択肢」の中で――。なるべく「淡い色」の、出来るだけ「可愛らしい」ものを選ぶことにしたのだった。

 私が「慌てた」様子を見て取って、純君も少しばかり「動揺」したらしかった。私から目を背け、「見ないように」と「視線」を逸らす。

「あっ、ごめん…!!」
「ごめんなさい…!!」

「謝罪」の言葉がぶつかりつつも、私は純君の横をすり抜けて自分の部屋へと向かう。
「後ろ」に純君がいることを感じながら、彼は果たして私の「後ろ姿」を目で追っているのだろうか。未だに「パンツ剥き出し」のままの私の「お尻」を――。

――お姉ちゃん、純君の言ってた通り。また「パンツ」を「汚し」ちゃったよ…。
――でも、これは「お漏らし」とは違うんだからね!!
――「ウンスジ」が付いちゃっただけなの!!

「ツンデレ」かどうかも分からない、あるいは「告白」とも取れる「台詞」を「心中」で発する。またしても私の新たな「秘密」を彼に「知られていない」ことを願いつつ――。

 ようやくパジャマの「下」を穿き終えた私は、再び「洗面所」に戻る。純君はまだそこにいた。どうやら顔を洗っているらしい。

「今日は『パパ』と『ママ』、居ないみたいだね」

 分かりきったことを、純君の「背中」に向かって語り掛ける。ついさっきの「出来事」をまるで「無かったこと」にするみたいに――。

「うん。『結婚式』って言ってたよね」

 純君は答える。水を止めて、私の方を振り向いた。

「純君、今日は何するの?」

 それもまた「普通」の「質問」。だけど彼は少しばかり「身構えた」らしく――。

「べ、別に…!!『ゲーム』でもしようかなって…」

 そっか。あるいは私が彼の「犯行」を悟ったとでも思っているらしい。そんなつもりはなかったのだが、そこまで「動揺」されると逆に怪しい。彼はまたも私の居ない間に、「洗濯機」を「漁る」つもりなのだろうか。
 彼のすぐ横には「それ」がある。そして「中」には、私の「脱ぎたてホカホカ」の、「汚したてホヤホヤ」の「うんすじショーツ」が入っている。彼にそれを見られてしまうことに「抵抗」を覚えつつも、どこか彼を「信じたい」気持ちがわずかに上回り、私はそれを「そのまま」にしておくことにした。(というか、一度脱いだ下着を再び「回収」するのはどう考えても不可解で、それではまるで彼を「疑って」いるみたいだった)
――きっと「大丈夫」だ。
 それは「汚れ」についてではなく、あくまで「純君」についてだった。彼は「あの晩」ちゃんと「約束」してくれたのだ。「もうしない」と――。「返事」はやや曖昧だったが、「彼との約束」を「守れなかった」私と違って、「純粋」で「真面目」な彼はきっと「姉との約束」を「守って」くれるはずだろう。

「そっか。ちゃんと『勉強』もしなくちゃダメだよ?」

 全ての「期待」と「信頼」を込めて、私は言う。

「お姉ちゃんは、今日も『アルバイト』?」

 今度は私の「予定」について、純君に訊ねられる。

「うん…、そうだよ」

 私は「嘘」をつく。本当は「デート」なのだが。
「お姉ちゃん」も「年頃」なのだから、それくらい別に「普通」なのだろうし、あえて「隠す」必要もなかったのかもしれないが、それでも。純君の「嫉妬」と、今日私がしようとしていることを思えば――、どうしても「正直」に答えることは出来なかった。

――今日、お姉ちゃんはまた「お漏らし」をしちゃうんだよ…。
――男の人の「前」で。自分の「意思」で。
――「わざと」お漏らしをして、その「姿」を見られちゃうんだよ…。
――しかも今日は、ついに「外で」お漏らしをしちゃうの!!
――きっと、すごく「恥ずかしい」だろうな。

 そんなこと言えるはずもない。そして――。

――お姉ちゃんは今日、やっと「処女」を奪われちゃいます!!
――純君はきっとまだ「童貞」だよね?
――分かるよ。ツラいよね?苦しいよね?
――本当は純君も、「女の人」の「中」に「入りたい」んだよね?
――でも、まだ「我慢」だよ。
――きっと、いつか純君にも「そういう相手」が現れるから。

「一足先」に、と。私は自分だけが間もなくそれを「終える」ことを思う。「姉弟」であることと「年齢」を考えればまさしく「順当」なのだが、なんだか少し「申し訳ない」気持ちになる。

――もし、純君が「したい」と思って…。
――それでも、「相手」を見つけられなくて…。
――もしも、純君がどうしてもって「望む」なら。
――「その時」は…。

――「お姉ちゃん」が「相手」になってあげる!!

 なんて、そんなことを言えるはずもない。それこそ彼に消えない「トラウマ」を植え付けてしまうことだろう。「初めて」を「お姉ちゃん」と「してしまった」という、決して癒せぬ「瑕」を与えてしまうだろう。それでも、いざとなったら私は――。

「遅くなるかもしれないから、『晩ごはん』一人で食べられる?」

 私はあくまで「面倒見の良い姉」として、純君に訊く。

「ママは『そんなに遅くはならないから』って言ってたよ」

 確かに、わざわざ「他人の結婚式」でまさか「二次会」に参加したりはしないだろう。「式場」はやや遠方にあるらしいが、それでも「夕方」くらいには帰ってくるはずだ。

「ちょっと待ってて」

 私は今一度部屋に戻って、「財布」を持ってくる。

「はい、これ!」

「千円札」を取り出し、純君に渡す。

「いいよ。ママに貰ったから」

 純君は「遠慮」する。

「いいから、もし使わなかったら『漫画』でも買いなさい」

 私は半ば強引に、純君に「お小遣い」を託す。それが「姉」として私に出来る、せめてもの「償い」のつもりだった。

 純君は知らない。私が「バイト」ではなく、本当は「デート」に行くことを――。
 今日また「新たな経験」をすることになるだろうことを――。帰ってくる頃には、あるいは「違う私」になっているかもしれないことを――。
 いや、彼は「知る必要」などないのだ。

「ありがとう…」

 そう言って、渋々純君は「お金」を受け取る。私は「笑顔」で頷きそれに応え、少しばかり「満たされた」ような気持ちになる。わずかばかり「罪悪感」が拭えたような、そんな気がした。

 純君との「会話」を終えて。早速、私は「準備」の「続き」に取り掛かる。「メイク」を済ませ、「髪」をセットし、「服」を着替えて、それからほぼ「予定通り」に家を出たのだった――。


続く――。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2020/10/10 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十二話「私の視点 ~因果と応報~(1)」

(第二十一話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/374094


 新たな「刺激」を、私は求めていた――。

「この期に及んで」と思われるだろうが、まさに「その通り」である。
 ここ「数か月」――、ぎゅっと凝縮すれば、ほんの「数日」のこと。私が「経験」したことはあまりに「不真面目」というか――、「悪いこと」の連続だった。

 全ては「あの夜」から始まった――。
 そう言えば、いくらか「聴こえ」は良いかもしれないが。要は「初めて」「お漏らし」をしたというだけの話である。
 だがその「体験」は、「退屈」だった私の「人生」に、新たな「彩り」をもたらせた。
 主に「羞恥」からなる「一度目」の「失態」は、私から多くのものを「奪い去り」、「失わせ」つつも、同時に何かを「与えた」のだった――。

 それから「二度目」の「失禁」。直後「アナル」による「性行為」。そして、ついには「弟」である「純君」とも――。「姉弟」として「あるまじき行為」。「不可侵」であるべき互いの「性器」を慰め合い、「秘密」の「告白」と「共有」により、あまつさえ彼を「射精」へと導いてしまった。と、同時に私自身も「絶頂」を迎え、彼の顔の上で――、彼の顔めがけて「放尿」するという、さらなる「醜態」を晒したのである。

 あれ以来、純君と「会話」と呼べるようなものはしていない。「同じ家」に暮らしている都合上、最低限の「言葉」を交わす必要はあるが。それでもやはり「仲の良い姉弟」という、これまで通りの「関係性」を保つにはいささか無理があり。「気まずさ」を抱えたままお互いに「避け合う」ことがむしろ、「男女」をより「意識」させるのだった――。

 全ては私が「イケない」のだ。純君の「せい」ではない。確かに彼のしたことは――、抱えていた「秘密」は――、「褒められる」ものでは決してなく、むしろ「責められる」べきものであり。あくまで「たまたま」「あの夜」が「不覚」となっただけで、もし彼が「懲りず」に「繰り返して」いたならば――、やがていつかは「発覚」したことだろう。
 それにしたって。私はもっと「上手く」やることだって出来たはずだ。きちんと優しく「間違い」を「諭す」ことで、「弟」である純君を「正しく」「導いて」やることこそが「姉としての責務」だったのだ。けれど私は――。

「姉の下着」に、「姉の体」に、「姉のお漏らし」に興味を抱き、興奮を覚えること。
 果たしてそれが「正常」であるかは分からない。「男の子」における「思春期」とは、あるいは「そういうもの」なのかもしれないが。やはり「最後」に至っては「異常」だと言わざるを得ないのだろう。
 それは「性的興味」と呼ぶには、あまりに「回りくどい」「屈折」したものなのだ。「恥じらい」といえば確かに――、「異性間」における、あらゆる「行為」に付随する「感情」という見方も出来るのだろうが。問題はその「原因」となる「行為」なのだ。
「排泄行為」。「人」として、「動物」として当然の「行為」。「生理現象」の一つ。
 あるいは「動物」であれば、まさしく「人目」を憚らずする「行い」なのだろうが。「人」であれば、そこに「恥じらい」が生まれ、だからこそ「隠そう」とする。その本来「秘めたる」べきものを「見たい」「させたい」と願い、さらにはあくまで「人」としての「羞恥」を保たせたまま、それを「冒したい」と思うその「感情」は。もはや相手の「体」ではなく「魂」を穢し、「尊厳」を弄び、「○す」という意味では、「レ○プ」に近いものなのかもしれない。

 どうして純君が――、まだ「中学生」であり、ほんのつい「最近」までは私の後ろを「付いて回っていた」、愛しい「弟」であるはずの彼が。私がちょっと「目を離した隙」に、「正常」たる「成長」の道から外れ、「異常」なる「性癖」を「獲得」するに至ったのだろうか。あるいはそれも、私の「せい」なのだろう――。

 そもそも、その「前段階」ですでに私は「過ち」を犯していた。いや、「悪意」はなく「善意」もない、「故意」ではないそれは――、「過失」と呼ぶべきなのかもしれない。だがそこに――「故意」と「過失」に――果たして、どんな「違い」があるというのだろう。どちらにせよ、私は彼に「きっかけ」を与えてしまったのだ――。

「深夜」の「洗面所」で私は「下着」を「洗って」いた。人に見られたくない、誰にも知られたくない姿。純君はそれを「目撃」し、私の「秘密」を知ってしまったのだという。
 あくまで、その時点では「傍観者」でありながらも。その「事件」は、彼を「目覚め」させるのに十分なものだったのだ。

「姉の下着」に――。「姉のお漏らし」に――。

 私は純君がまだ「小学生」の頃から「気を付けている」ことがあった。それは、彼の前で不用意に「下着姿」になったり、「着替え」を見せたりしないことだ。
「低学年」の頃までは、一緒に「お風呂」に入っていたこともあったが。「高学年」ともなるとそれも無くなり。それからは彼の前で「裸」になることはおろか、「下着」になることさえもなるべく控えていたつもりだ。
 いくら「家族」であっても「男女」である。たとえそこに「劣情」の介在する「余地」がなくとも、むしろ「無いからこそ」、余計な「不快感」を与えてしまう。
 いくら「姉」であっても「女」である。「母親」を含めて「二番目」に――、「母親」除けば「初めて」――、彼が接する「女性」が私なのだ。
 もしそこで私が、最低限の「恥じらい」もなく暮らしていれば――、純君がその「姿」を見て、それに「慣れて」しまったとしたら――。私は彼に誤った「女性認識」を与えてしまうかもしれない。
 すなわち――、「女性」というものは「だらしない」ものなのだと。「憧れ」には遠く及ばず、むしろ「軽蔑」の対象なのだと。
 過度な「神聖視」はそれはそれで問題だが。かといって「軽視」もまた問題である。
 だから私は、純君の「情操教育」のため――。なるべく「羞恥」と「慎み」をもって、努めてきたつもりだ。

 けれど、あるいはそれが「良くなかった」のかもしれない――。

 彼は私の「ショーツ」を「盗んだ」のだという。「枕の下」から出てきたものが――、まさしく「それ」だった。だが私はそこで、ある「違和感」を覚えたのだ。
 私はてっきり、彼が「洗濯機」から下着を「拝借」したものだと思っていた。
 もし彼が単なる「姉の下着」にではなく、そこに含まれる「情報」に、あくまで「私」が「穿いた」という「事実」に興味を抱いているのだとすれば――、その「犯行」こそ、より自然のものだといえる。実際、彼自身もそう「表現」していた。「おチビりパンツ」「お漏らしパンツ」と――。

 だが。「行為」の後で私が「没収」した下着は、「真っ新」な「洗い立て」のものだった。そこには危惧すべき「染み」も、忌避すべき「汚れ」も付いてはいなかったのだ。
――にも関わらず、彼は「熱」に浮かされ興奮のままに「告白」した。私が「ショーツ」に付けた「小便染み」も「ウンスジ」も彼は知っていたのだ。それこそまさに「連続犯」としての「自供」、「確信犯」たる確固たる「証拠」だった。

 彼の「初犯」がいつ行われたのかは定かではない。というか、それについてはあまり「知りたくなかった」。やがていつ、「再犯」に至ったのかも――。
 それでも。彼は少なくとも「二度」以上は「犯行」を重ねていたことになる。そして、最低でも「一度」は――、私の「穿いて」「脱いだ」下着を見たのだろう。
 その時の私の「下着」は、果たしてどれだけ「汚れて」いたのだろう。私は「あの夜」以来――「洗面所」でまじまじと「観察」してからというもの――自分の下着には最大限「配慮」し、その「汚れ」に「デリケート」になっていたつもりだ。 
 それでもやはり「汚して」しまう。「ショーツ」に「ウンスジ」を付けてしまう。何度「拭いて」も――、きちんと「拭けた」と思っていても――。
 トイレに行った時、お風呂の前、ほぼ毎回、必ずといっていいほど「チェック」する。
「白」「ピンク」「黒」と、下着の色は様々だけれど。そこには紛れもなく、「茶色」が描かれている。私の「お尻の穴」は、そんなに「緩い」のだろうか?

 だからきっと「その時」も――。彼が「くすねた」私の「ショーツ」は「汚れていた」に違いない。「クロッチ」の部分に染み込んだ「ションベンジミ」も、「お尻」の部分にこびりついた「ウンスジ」も、見られてしまったに違いない。だとしたら、果たして彼はそこにどんな「想像」を描いたのだろう――。

 もはや姉としての「威厳」も、女性としての「尊厳」もなく。「シミ」と「スジ」の「創造主」たる私。つまりは「お漏らし姉ちゃん」なのである。
 そんな私を、純君はどう思っているのだろう。さらに「羞恥」はそれだけに留まらず。
 私は彼に「尻」と「性器」さえも晒し、「おなら」までもかましてしまった。「挿入」こそなかったものの、結局は「最後まで」してしまったのだ――。
「あの晩」の私は「どこかオカシかった」のだと、あくまで「一時」の言い訳にしてみたところで、もはや決して「弁解」できないほど――、「取り返しがつかない」ほど――、私は「狂って」いたし。その「結果」こそが、今の私と彼との「現状」であり、気まずい「関係性」であった。

 彼の「射精後」、私の「放尿後」。彼と私は「ベッド」に並んで横になった。互いに「裸」であることを除けば、何とも「懐かしい」風景である。一体いつぶりだろう?純君とこうして「一緒」に緩やかな「時の流れ」に身を任せるのは。ずいぶん「久しぶり」である気がした。それは「遥か遠く」に「置き去り」にされた「記憶」であり。彼と私が、とっくの「昔」に「失って」しまった「過去」だった。
 私の「掌」と彼の「掌」とを「重ね」ながら――、昔に比べて、もう随分と「大きく」なったな、と思った。少し「ゴツゴツ」とした彼の「指」と、今や「長さ」で追いつかれつつある私の「指」とを「絡めて」。それから私は純君を「抱き寄せた」。

――私の「たった一人」の、愛しい「弟」…。
 純君の「髪」は「シャンプー」の「香り」がした。それは「家族共有」のものであり、だから私の「髪」からもきっと、同じ「匂い」がするのだろう。でもそれ以外の「部分」はもう――、私は「穢れて」しまっているに違いない。
「成長した」としても、未だ「幼い」純君の体を抱きながら――。願わくば「この時」が「ずっと続けばいい」と、儚い「想い」を私は抱き続けていた――。

 だがそれもあくまで「一時」のものであり。やがて彼が「身を起こした」のと同時に、やがて「姉弟」の「団欒」は失われた。
「これ、どうしよう…」
 純君は自分の「ベッド」を見て「困り果てた」ようにそう言った。「シーツ」は当然、私の「おしっこ」で濡れている。もはや「世界地図」とさえ「比喩」し難い、あるいは「パンゲア」とも呼ぶべき「超大陸」が出来上がっている。
 今夜、彼は「このベッド」で寝るのだ。私の「温もり」に包まれながら――、私自身の「匂い」に抱かれながら――。「拡張」された、あるいは私の「一部分」と「一夜」を共にし「眠る」のだ。
「問題」は「翌朝」である。果たして彼はこの「染み」を、どう「言い訳」するつもりなのか。まさか「お姉ちゃんが来て『おしっこ』をした」なんて言えるはずもない。かといって「『おねしょ』をした」なんて、彼の「年齢」にしてはあまりに恥ずかし過ぎる。
 だけどあくまで「問題」は「先送り」にして――というよりそれは、彼が越えるべき「試練」であり、私自身のものではない――私はベッドから立ち上がり、服を着直す。

「今日のことは誰にも『内緒』だからね」
 純君の部屋を出る間際、私は彼に「釘を刺す」。またしても、私に「秘密」が生まれ、それは彼と「共有」するべきものだった。
 ドアのところで振り返り、「思い出した」ように再び彼の元に行き、床に落ちたままの「ショーツ」を「回収」する。純君が「盗んだ」ものだ。全ての「元凶」。彼はそれを、「今晩のおかず」にするつもりだったのだろうか。だが彼にとっては「思いも寄らぬ」、「ご馳走」にありつけたらしい。

「もうこんな事、しちゃダメだよ…?」
「ショーツ」を取り上げながら「最後」に、「今更ながら」私は問う。ここに来て、私は「姉としての責務」をわずかに取り戻したのだった。だが果たして、その「説教」が今や「何を」差し、「誰に」向かって言っているのか、それは私自身にも分からなかった。
「うん、わかった…」
 と、純君は「渋々」というか、「一応」ながらも「返事」をしてくれた。「今夜限り」「改心」するつもりなのかは分からないが、それでも私はあくまで「姉」として「弟」に「微笑み」掛けたのだった。それは実に「姉らしい」、「弟」に向けるべき「微笑み」に違いなかった。

 だが。とっくに私は「姉失格」なのである――。


 大学の「キャンパス」で「同年代」達とすれ違いながら――。
「彼達」ないし「彼女達」がしてきたであろう、「経験」について「想像」する。
 皆が「十代」ないし「二十代」であることを思えば――、「未熟」もしくは「途上」であろうとも、きっとそれなりの「体験」を経てきたに違いないだろう。そこには当然、「性体験」も含まれる。「能動的」あるいは「受動的」、そのどちらにしたって「行為」に違いはなく。果たして、その内の「幾人」がすでにそれを「終えて」いるのだろう。

――私は未だに「処女」のままだった。

「彼」が「犯した」のは、私の「ヴァギナ」ではなく「アナル」だった。「どうして?」「なんで?」と疑問符ばかりがいくつも浮かぶ。一体どこに、「初めて」を「そっち」で「済ませた」者がいるというのか。
 そういう意味では、私はもう「処女」ではないのかもしれない。「姦通」においては「まだ」でも、「貫通」についてはすでに終えている。あるいは「広義」の範囲でいえばそれもまた「性行為」なのかもしれない。

 だが、それを一体誰に「話せる」というのか。

 そもそも、私が「早く『処女』を捨てたい」と願ったのは――。「大学生にもなって」未だに「『処女』である」という現実に「後ろめたさ」を感じ、その事実を「隠蔽」するという「沈黙」に耐え兼ねたからだ。あるいはそれが「よくある事」だったとしても、それくらい「普通」であったとしても。まるで自分だけが「遅れている」ような、周囲から「取り残されている」ような「孤独」を味わったからだ。
 ところが、今の私は――。「予期せぬ形で『処女』を終える」ことによって。さらなる「秘密」を抱える事となった。決して人に言えず、打ち明けることのできない「性体験」は新たなる「沈黙」を私に与えたのだった。

 こんなことなら、あの夜「強引」にでも「○○さん」に「抱かれて」いれば良かった。そこに彼の「意思」などなくとも、あくまで私の「事情」で「正当なる行為」を済ませておけば良かった。
 あるいは「純君」でも良かったのだ。いや、それはダメだ。「初めて」の相手が「弟」など――、それこそ「初体験」について、「生涯」誰にも話せなくなる。

 とにかく、早く「『処女』を捨てなければ」――。
 そう思いながら、「今度こそ」と願い、私は○○さんとの「逢瀬」を重ねる。たとえ「初めて」が「羞恥」にまみれたものであれ「二度目」を、本来の意味での「初めて」を重ねることで「上書き」出来る。そうすることで、私は晴れて「正常の身」となることが叶うのだ。
 だが、もはやそれ自体「正常」とは言い難かった。彼と「逢う」時、私が決まってする「行為」――、今や「当然」のものとさえなりつつある「習慣」――、「お漏らし」。
 彼はそれを「期待」し、私自身もどこかでそれを「望んで」いる。まさに「異常」なる「性癖」。彼と逢い続けることは――、彼の元に通い詰めることは――、そうした私自身の「異常性」を「告白」することに他ならず。それこそ「恥の上塗り」に違いなかった。

 それでも。まるで「転げ落ちる」ように、「坩堝」に飲み込まれるように――。
 私は、今やすっかり「羞恥」と「興奮」の「虜囚」となっていた。もはや「正常」では飽き足らず、さらなる「異常」へと足を踏み外し。新たなる「刺激」にこそ身を焦がし、「焼かれる」ことでしか今の私は「満足」を感じることが――、「快楽」を得ることさえ出来なくなっていたのだ。
 とはいえ、真の意味での「快楽」。私は「まだ」それを知らないのである――。


続く――。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2020/09/29 16:00

ちょっと悪いこと… 第二十一話「彼の視点 ~追憶と願望~(3)」

(第二十話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/371744


 まるで「ブラックホール」のように――。結衣の「そこ」は強力な「重力」を持っていた。「理性」と「自制」をもってしても決して抗えない、まるで「磁性」を帯びているかのように。強烈な「引力」をもって、僕を「引き寄せ」「惹き付ける」のだった――。

 もういいだろう。さすがに「限界」だ。「焦らし」もここに極まれり、である。
 そして、僕は「挿入」した。結衣の「アナル」に。本来ではない「非正規の穴」に。

――ヌポッ!!!

 少しの「抵抗」を感じつつも、僕のペニスは「するり」と穴に飲み込まれた。といっても、まだ「三分の一」ほどである。
 さすがに結衣も気づいたらしい。というより、気づかないはずがないだろう。
 いつもと違う「感触」に、まだ見ぬ「感覚」に、彼女は「驚き」「戸惑って」いるらしかった。

 つまりは、女子の大好きな「サプライズ」である――。

 しばらくそのまま、その状態で「留まる」ことにする。すぐに「動かす」のは、さすがに無理があるだろう。というより、僕のペニスは彼女のアナルに「固定」されたまま、微動だにしなかった。彼女自身も、やはり「痛み」からか「困惑」からか、「硬直」したままだった。

 やがて、ゆっくりと「運動」を開始する――。

 まずは「引き抜く」。「挿入」と逆の動きである。
 結衣の「尻穴」から、少しずつ僕のペニスが現れる。それはまさに「排泄」のように。彼女の「うんち」ではなく僕のペニスが今や、その「代わり」をしていた。けれど彼女の「気張り」に違いはなかった。

「そっちじゃないです!」

 一度抜かれたことで、ようやく少しばかり「平静」を取り戻したのだろうか。あるいは今さら「冷静」になったとでも言うのだろうか。結衣は僕に「間違い」を指摘する。
 まるで「やり方」を知らない「童貞」に「レクチャー」するみたいに。「優しく」ではなく、むしろ「厳しめ」に。もはや少しの「余裕」もなく、「切羽詰まった」ように――。

 だが僕は再び、あくまで「違う穴」へと挿入する。一度拡がったそこは、より「奥深く」僕を迎え入れる――。そしてまたゆっくりと引き抜く。
「三度目」にして、ついに僕のペニス「全体」が結衣の「中」に「すっぽり」と飲み込まれた。それでも尚、彼女は――。

「こっちです!こっちに挿入れてください!」

 僕に「正解」を指し示す。自ら「何も入っていない穴」を弄り、指で拡げて見せる。
 けれど「今さら」だ。もはや僕は止まらない。あくまで僕にとっては「そちら」こそが「正解」である。たとえ「間違って」いたとしても――。

「そっちじゃないんです!オマンコ!オマンコに入れてください」

 ついに。結衣は「指示代名詞」ではなく「固有名詞」で、指示する。より「具体的」な、普段決して言わないであろう「卑猥な言葉」を用いて、自らの「具」を連呼する。
 だが、それでも。僕の「追撃」が止むことはない。あくまで「ピストン」を続ける。

 入れる時は「激しく」――。「突かれる」ことによって、「打ち付けられた」結衣の体が「揺さぶられる」のを、彼女の「腰」を掴んで支える。
 抜く時は「穏やか」に――。あくまで「ゆっくり」と。あるいは「疑似的排泄感」を与えるかの如く、「排便」と同じ「スピード」を意識する。

 入れる時、結衣は――、

「はうんっ!!!」

 と「謎の声」を上げる。きっと苦しいのだろう。それは彼女にとって、「未知の感覚」に違いない。そして「出す」時、彼女は――、

「んんっ…!!!」

 と、どこか「安堵」したような声を出す。むしろそちらの時にこそ、より「快感」が伴うのかもしれない。それは彼女にとって、「既知の感覚」なのだろう。まさしく、日々の「排泄」によく似た、「錯覚」を思わせるものなのだろう。

 僕はふと、結衣の顔を見てみたくなった。きっとその「表情」は「あの時」と同じ――、まさしく彼女が「うんちをしている時」の顔に違いなかった。
「苦難」の果てにある「達成」。「苦痛」に歪めつつも、どこか「スッキリ」とした――、結衣の「ひり出す」時の顔。あくまで「疑似的」であろうと、構わない。そこから出るモノが「茶色い塊」ではなく――「黒光り」するものではないにせよ――「肌色」の「肉棒」だったとしても。

 だが、生憎それは叶いそうになかった。「後ろから突く」体勢のままでは「正面から」の結衣を「観察」することは出来なかった。それに――。彼女は「枕」に顔を埋め、突っ伏していた。「苦しさ」と「気持ちよさ」、もはや「一緒くた」となった「衝動」を堪えるためか。それとも「顔を見られたくない」という、単なる「羞恥」のためだろうか。

 僕自身の「衝動」も、もはや「限界」だった。結衣の「肛門」の「締め付ける力」と、何より「行為」の「実感」によって。「臨界」まで高められた僕の「ペニス」は、もう「暴発寸前」だった。まるで「溶ける」ような――、「蕩ける」ような――、「メルトダウン」に至るまで「秒読み」だった。

「もう出そう!」

 僕は「宣言」した。いわば「降伏」の「白旗」であり、「幸福」の「告白」である。
 ここにきて――、「トドメ」とばかりに僕の腰は「加速」する。結衣の全身が「揺さぶられる」のも厭わずに、彼女の「尻」へと激しく「打ち付ける」。もはや少しの「遠慮」もなく、「リズム」の「キープ」すらも忘れ、ただ「本能」の赴くままに「出し入れ」を繰り返す――。

 僕の「宣告」を聞いたゆえだろうか、結衣はようやく枕から顔を上げる。そして――、「振動」させられながらも、「呼吸」をわずかに整え、やがて「声」を発する。

「そのまま『中』に出してください!大丈夫だから」

 ついに、結衣自身もその「行為」を――「アナル」による「セックス」を受け止めることにしたらしい。というより、そうする他なかったのだろう。
 決して「普通」とは呼べない「プレイ」。紛れもない「変態的行為」。「性器」ではなく「非正規の穴」によって行われる「性交」は、彼女にとって「未知」のものでありつつも、そこには慣れ親しんだ「既知」の感覚が伴う。あとはそれを「受け入れる」かどうかなのだ。
 そして。どうせ「逃れられない運命」にあるのなら――。間もなく「終えられる宿命」であるのならば――。いっそ、「望み」「求め」た方が良いに決まっている。

「私も!私もイっちゃいそうです!」

 結衣もまた「宣言」する。僕に「合わせる」ように。「快感」を「共有」するように。
 果たして「本当」なのだろうか。あるいは、そう言った方が僕が「喜ぶ」と思って、「演技」をしているのかもしれない。

「私、『お尻の穴』でイっちゃいます!」

 繰り返し、結衣は「宣言」する。やはり「本当」らしい。「排泄器官」で「イク」ことを――、「排泄感」による「快感」を――、「実況」する。

「初めてなのに。初めてのエッチを『アナル』でしちゃってます!」

 結衣は「よく分からない」ことを言う。「初めて?」、それは一体どういう「意味」だろうか。だが、一旦立ち止まって「考える」にはもう僕に「余裕」はなく、「猶予」は残されていなかった。

――結衣の「肛門」を突いている!!
――結衣の「アナル」を犯している!!
――結衣の「うんち穴」でヤッている!!

――結衣の付けた「ウンスジ」!!
――結衣の汚した「うんち穴」!!
――結衣のひり出す「うんち」!!

「見たい」と思った。「嗅ぎたい」と思った。「舐めたい」と思った。
「キレイ」だった。「クサ」かった。「ヌルヌル」とした。

 普段の彼女からは「想像」がつかない――、あるいは「想定」が及ばない――、結衣の「『うんち』する姿」。「小」ではなく「大」を。「おしっこ」ではなく「うんち」を「『ひり出す』姿」。出来ることなら、「便器」にではなく「パンティ」の中に「糞」を
「『漏らす』姿」。次なる「お漏らし」こそは――、それを「見てみたい」と思った。

 そして、僕は「射精」した。

――ドクン、ドクン…。

「ペニス」の「脈動」を、その「律動」を全身で体感する。
 僕は「精液」を、「スペルマ」を、熱い「欲望の塊」を。その「全て」を、結衣の「腸内」に「ぶちまけた」のである。

 射精の瞬間。結衣は「あ…」と声にならない「吐息」を上げた。果たして「感覚」はあるのだろうか。「ブツ」よりも遥かに少量の「粘液」に――。あるいは「浣腸液」にでも似た「感触」を味わっているのかもしれない。
 結衣の「腸内」に、僕の「出したモノ」が注ぎ込まれてゆくのが分かった。「初発」は「衝動」と「勢い」のままに。それから彼女の「肛門」が締め付けることにより――、「しっぽり」と「搾り取って」ゆく。「貪る」ように、「吸い取る」ように。あるいは、最後の「一滴」すらも決して「残すまい」とするように――。

「発射」を終えて、ペニスをゆっくりと引き抜く。

――ヌチュ…!!

 と。最初に「入れた」時とはまた異なる「趣」のある音を立てて、結衣の「アナル」に「別れ」を告げる――。

 後に残ったのは――、「ぽっかり」と開いた結衣の「尻穴」だった。「時間差」で僕の「精子」が溢れ出し、零れ落ちてくる。結衣は肛門を「締めよう」としているのだろう。「括約筋」に力を込めようとしているのが見て取れる。だが、そこは「痙攣」を繰り返すばかりで、少しも閉じようとはしなかった。

 結衣が再び「お漏らし」をしてしまっているのに気づいたのは、その時だった。すっかり「ベッド」の上には「水溜まり」が広がり、「悲惨」な「世界地図」が描かれていた。

 だがそれを見ても、僕は何も思わなかった。
 すでに「射精」を終えて、あるいは「人類愛」について考えていたせいもあるだろう。(「聖者」になったつもりは全くないのだが…)
 だが決して、「それだけ」が理由ではなかった。

 僕にとってそれは――結衣の「小・お漏らし」は、もはや「当たり前」のものに成り下がっていたのだ。そこに「感動」も「感慨」もありはしない。「執着」は失われ、すっかり「飽いて」いたのだ。
 それよりもっと。僕の「興味」は今や別のところにあった。相変わらずの「暗がり」の中、僕は引き抜いた自分の「ペニス」を確かめる。そこに「付着物」があるのを期待して――。

 だが、僕の「モノ」に結衣の「モノ」は付いていなかった。何も「お土産」にすることなく、「未練」を思わせることなく、ただ「元通り」になっているだけだった。
 あれほどまでに「肛門付近」に、あるいは「パンティ」にまで付着していた「モノ」は果たして――。

――「うんち」はどこへ消えた?

 それは誰にも――、僕にも、彼女にも、分からなかった。


「駅」に着くと、結衣はもうそこにいた。
「待ち合わせ時間」の「十五分前」。やはり彼女は「真面目」な性格らしい。唯一、これから「させられること」を除いては――。

 今日の結衣の「服装」は――、「白」の「ブラウス」に「ベージュ」のふんわりとした足首丈の「プリーツスカート」だった。彼女らしい「清楚」でやや「控えめ」な格好だ。
 遠目にそれを眺めて僕が抱いた「感想」はけれど――、「可愛い」とか「よく似合っている」などといった「ありきたり」なものではなかった。
 ただ純粋に――「良かった」と思っただけだ。

 今日も結衣は「お漏らし」をするのだろう。「おしっこ」によって「下着」を濡らしてしまうのだろう。
 昨晩の彼女との「やり取り」の中で、今日の「新たな目的」についてはすでに決まっていた。すなわち――、「タイトル」にするならば「外でのお漏らし」である。
 それはもはや「既定事項」なのだ。何たって、彼女の方から「提案」してきたことなのだから。僕の方からも「別の提案」をしてみたが、「そちら」については「却下」されてしまった。だが「それはそれ」。きっと「いつか」――、いやこれはまだ言うまい。

 結衣が「パンティ」の「替え」を持ってきているのかまでは分からないが。さすがに「着替え」までは持っていないだろう。つまり、「衣服」にまでその「被害」が及んでしまったなら――、彼女は「そのまま」で街を歩くことになる。
 あるいは「ノーパン」になるとしても構わないかもしれない。だが「ズボン」に至ってはそうはいかない。そして、「スカート」であれば少なくとも、ちょっと「気を付ければ」被害を免れることが出来るかもしれない。
 そうした「諸々の事情」を踏まえて、僕は結衣の「判断」を「正しい」と認めたのである。あるいは彼女自身もそれを「分かった」上で、その「選択」をしたのかもしれない。
(ちなみに今日、「黒タイツ」は穿いていなかった。「夏」が近づき、ここ最近「暑く」なってきたからだろう。僕としてはやや「残念」だったが、それもやはり「正しい選択」だといえるかもしれない)

「小走り」で結衣の元へと駆け寄る――。彼女は僕に気づき、「笑顔」を浮かべた。それは「愛しさ」ゆえのものだろうか、それとも単に「期待」を滲ませたものなのだろうか。

「ごめん、待った?」
「いえ、今来たところです」

「ありがち」な挨拶を交わして、僕たちは並んで歩き出す――。

 あくまで「差し障りのない」会話をする中で。けれど僕の脳内は「想像」でいっぱいだった。

――結衣は今日はどんな「下着」を付けているのだろうか?
――本日はどんなのを「お漏らしパンティ」に選んだのだろうか?

「暗雲」立ち込める――、結衣に「指名」され、「使命」を帯びた「下着」の「末路」に。その「宿命」に「同情」する。あるいはすでに「汚れて」しまっているのかもしれない。

――結衣は今日も「パンティ」に「ウンスジ」を付けているのだろうか?

「拭き残し」によって。予期せぬ「緩み」によって。「うんち」を刻み付けているのかもしれない。
 まるでそうした「穢れ」から――、あくまで「そちら」の「排泄」についてはあたかも「無縁」であるという、「素知らぬ顔」をしておきながら。実は「ちゃっかり」と「やることはやった」上で「すべきこと」を怠っている――。「処理」の「甘さ」を「露呈」しつつも、あくまで「当人」はそれに「気づかず」、あるいは「知った」上で「バレる」ことはないと高を括っているのかもしれない――。

 だが僕は「知っている」のだ。結衣の隠された「秘密」に「気づいて」しまったのだ。そして「昨夜」、ついに彼女自身もそれを「認めた」のだ。
 もはやその「事実」は、「二人」の間で「既知」のものとなりつつあった――。

 駅の「階段」で。僕はあえて「数歩」下がり、結衣を先に行かせる。僕の前には、「スカート越し」の彼女の「尻」がぶら下げられる。
 その「内側」に、僕は「想像」を膨らませる。「割れ目」に、さらにその奥の「穴」に思いを馳せる。すでに一度「見知り」「嗅ぎ知った」、「知覚」を取り戻す――。

――きっと、そこは「素敵な香り」がするに違いない。

 若干の「湿り気」を帯びた結衣の「肛門」。その周囲の「ウンカス」。紛れもない「うんち臭」――。

 出来ることなら今すぐにでも「衣服」もろとも「下着」を剥ぎ取り、「揉み」「嗅ぎ」「舐め」「拡げたい」という衝動に襲われる。

 さらに僕の「妄想」は広げられる――。

 ついには、結衣の尻のその「中身」にまで。もはや留まるところを知らないように。
 やがて「幻想」すらももたらせられる――。
 結衣の「着衣脱糞」。「トイレ」ではなく僕の「目の前」で。「穿いた」まま、彼女が「漏らす」姿を「夢想」する――。

 それこそ、僕が「提案」しながらも、あえなく彼女に「却下」されたものだった――。


――ブチィィ…!!!

 盛大な「破裂音」の後。みるみる内に、結衣の「パンティ」が盛り上がり、「尻」が膨らんでゆく。それを「持ち上げる」のは、結衣の「うんち」だ。
「おしっこ」のように、「重力任せ」ですぐに「流れ落ちる」のではなく。「茶色い塊」はしばらくそこに留まったままだ。
 そこで僕は結衣のスカートを「捲り上げる」。いや、「漏らす前」の段階でそうしていた方がいいのか。そうすれば「瞬間」を目に焼き付けることができる。
 パンティの色が「白」であったなら尚更いい、と思う。そうすれば、結衣の「うんちの色」まで知ることができる。あるいは「健康状態」に至るまで。
「健康便」か、もしくは「下痢便」だろうか。「コロコロうんち」か「極太うんち」だろうか。どちらにせよ、当然にそれは結衣の「尻」を、「下着」を「汚す」こととなる。

 無様に尻を膨らませ、やがて「激臭」を放つことになる。「拭き残し」など比にならないほどの、「直接的」な「芳香」である。
 垂れた「ウン汁」は結衣の細くて綺麗な「脚」にも描かれることになるだろう。「太い線」にやや「細い線」。それらは巧みに折り重なって、ある種の「芸術的」な「作品」を思わせるだろう。
 わずかに尻に「食い込む」ことで――それこそが「ウンスジ」の原因なのかもしれない――結衣の「形」を浮かび上がらせていた「パンティ」は。けれど今や「割れ目」の場所を教えることもなく、逆に「モッコリ」とすることで「脱糞の証」を示している。

 僕はそこに――そこ「目がけて」、自らの勃起した「ペニス」を押し当てる。

――ヌチャ…。

 と。得も言われぬ「弾力性」。結衣の「うんち」の「感触」が「パンティ越し」に伝わってくる。今度こそ、僕のペニスには「うんち」が付くことになるだろうが、それすらも厭わない。

 そして――。まるで「白濁のソース」をかけるみたいに、あえなく僕は「射精」する。
 もはやそれは「自慰行為」に他ならない。だがあるいは「性行為」と呼ぶことだって出来るかもしれない。

 すなわち、「うんち」との「セックス」だ――。
 結衣の「うんち」と僕の「ザーメン」との豪華な「コラボレーション」。彼女と僕との「愛の結晶」。「先鋭的」な「共同作業」による、「前衛的」な「合同作品」である。


「ホーム」で電車を待つ間――。今日の「デート」の「過程」について考えながら――。
もはや「予定調和」となった「お漏らし」ではなく。

 僕は密かに、もう一方の「お漏らし」に思いを馳せていた――。


続く――。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2 3 4

月別アーカイブ

記事を検索