鎌倉殿の13人 15話 の感想
見逃し・同時配信 - 鎌倉殿の13人 - NHK
【作】三谷幸喜
【音楽】エバン・コール
【出演】小栗旬、新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、片岡愛之助/坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行 ほか
(C)NHK
鎌倉殿の13人
足固めの儀式は、血固めの儀式
いやぁ… これは言葉が出ない、酷い。
なんて人の心を理解し、一つ一つ紐解いて見せつけて引き裂く残酷よ。
鬼!悪魔!! 三谷幸喜!!!(褒め言葉
前回の予告で、史実が気になっても我慢して調べませんでしたが、正解でした。
誰が死に死なず、罰され罰されないのか、ドキドキしながら見られました。
和田義盛、畠山重忠、比企能員の難の逃れ方は笑って見られたのですが…
愛しき上総広常
きっと大江広元の「取り除くべき鎌倉の障害」は、上総介だったのでしょうね。
初回から北条時政、三浦義澄と、無骨なおじさんの愛嬌可愛さを魅せる手腕を楽しんできましたが、ここで、ここまで真っ逆さまに落とされるとは…
最期、全部分かったのですよね。
でも恨まなかった。
受け入れた訳ではなくても、頼朝と義時の気持ちが分かったから、そのまま死ねた。
武衛武衛の響きに、何度心惹かれたことか。
頼りにされて喜び、頼りにされずふちゃむくれる姿に何度笑ったか。
汚い字と頑張る姿に、胸がときめいたか。
ああ、上総介…
残酷で峻烈な、心に傷となる素晴らしい死に様でした。
力と知恵と権力と寛容と残酷を見せつけた、罪と褒美を与えられた坂東武者たちは、あなたが奉らんとした鎌倉殿の支配を受け入れたよ。
鎌倉の国を生み、武家の時代の礎になったよ…
源頼朝という人
もはや死ぬばかりの上総介の前と後ろで、対峙する源頼朝と北条義時。
無音があまりにも重く、眼光が強くやりきれなく、憎悪と畏怖と残酷が支配する中。
下される頼朝の命、潰れるように跪く義時。
頼朝の残酷、酷薄さ憎く思ってしまいますが、めちゃくちゃ義時に優しいのですよね。
皆の前で許せられない線をはっきりと教え、頭を下げるのをただ、待つ。
謀反を企んだ御家人たちにも、とても甘い。
本性はきっと感情豊かで、人が大好きなのでは、そう感じました。
でも、それでも。
「父の仇を討つ」
その為に人を愛さず、愛しても故あらば犠牲にして、必ず平家をうち滅ぼす。
そう決めて、自分を縛っているように感じます。
性根が酷薄なら、不満溢れる義時の前で、自分に言い聞かせるように「あいつは謀反人じゃ」なんて言わない方が良いのですから。
私たちのよく知る、歴史上の人物像
優しく真面目で木訥な青年がどうやって歴史上の”北条義時" になるのか読めていませんでしたが、こんな源頼朝と大江広元を知って、"なっていく"のですね。
また、頼朝に侍りながらも武者たちの心を束ねていく”北条政子”の姿も眩しく。
必要だと、それが最善だと分かってしまうから。
時代が作られている様を、見ているような気持ちです。
仲間を騙し、約束を違え、慕う人を見殺し、主人に心焦がれながら絶望する中、授かった、可愛い可愛い子。
伊豆の安らぎそのものである八重さんとの、愛息子。
源頼朝の血族が危険な時、宗時の悲願、八重さん、愛息子・北条泰時のために、何を選び何を犠牲とするのか。
血塗られた覇道の道は、この時に始まったように思うのです。
他、ちょこちょこ。
善児ぇ…!
大江広元と梶原景時のオーベルシュタイン味がますます!
そう考えると義時がキルヒアイスか… 癖っ毛だな!
八重さんとりく、嫌な衝突はしないで欲しい!
義高君は正しいのだけど、その正しさは自分も滅ぼす正しさだよ…!
源氏兄弟強い!範頼普通に強いし全成生命力強い!