投稿記事

蓑笠凪の記事 (11)

whisp 2019/07/28 21:59

「7/26幽霊の日(凪)」「7/28日ノ本の私鉄の誕生日(ポーレット)」台本 (進行豹

こんばんわです! 進行豹です!

7/26は「幽霊の日」
7/28は「日ノ本初の私鉄が誕生した日」でございます!

それぞれを凪さまとポーちゃんが解説してくれる記念日動画のシナリオを執筆いたしました!


https://twitter.com/maitetsu_ps/status/1154753738789101568?s=20


https://twitter.com/maitetsu_ps/status/1155417561518899200?s=20

外国語圏のプレイヤーさんは、文字情報あれば機械翻訳とかに便利だろう思いますので以下に台本公開させていただきます!

お役立てお楽しみいただけましたらうれしいです!!!


////////////////
:7/26
【凪】
「ひゅ~ どろどろ~! 七月二十六日は幽霊の日。
お岩さんが出てくる『麹町怪談』が、大昔にはじめて
上演された日ってこととねー!」

【凪】
「凪さま、幽霊にはまだあったことなかけん、
幽霊寺、[永山寺'えいざんじ]の掛け軸は見たとよ!
幽霊さん、なかなか美人さんだったばい!」




///

;7/28
【ポーレット】
「七月二十八日。明智16年。1883年のこの日に、日ノ本鉄道が、その初の路線となる、[上埜'うえの]駅 - [熊ケ矢'くまがや]駅間を開業させました。
日ノ本初の私鉄の誕生、とされています」


【ポーレット】
「ただ、実質的には半民半官。国有地の無償での貸与を受けたり、施設の建設を国費で補助したりの手厚い優遇があったそうです。
当然、日ノ本鉄道は大成功し、続々と民間の資本が鉄道事業に参入してくるようになります。
『体裁だけでも私鉄とした』その狙いは、多分、そこにあったんですね」


*半民半官――政府と民間が共同で出資し、事業をすすめること

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

whisp 2019/07/01 22:41

2019/07/01 宝生稀咲お誕生日記念SS「初任給の使い方」(進行豹

「やったばーい! お給料ばーい!!! 凪さま派手につかうばーーーい!」
「おっと」
「!!? 稀咲ねーちゃん!?」
「……ふかみ君の懸念していたとおりのようだね」

ボクの言葉がよっぽど意外だったのだろうか、凪君が目を丸くする。

「??? ケネンってナニばい?」
「そこ!?」

懸念とは、気がかりのこと、心配のこと――
説明すればその途端、今度は大きく強いうなずき。

「ははーん、ふかみちゃん、
凪さまが初めてのお給料をムダヅカイしちゃわないかを、ケネンしたとね!」
「うん。そのとおり。
もし凪君が無駄遣いをしそうであればお金の使い方をレクチャーしてあげてほしい、と頼まれた」
「お金の使い方?」
「だね」

首が体ごと大きく傾ぐ。
今度こそ、よっぽど不思議なのだろう。

「お金使うのなんて、簡単でしょお」
「だね。それも一面の真実だ。
凪くんはその初任給を、何に使おうと考えているのか、もしよかったら教えてほしい」
「ふふーん! 凪さま、最近カードにハマっとるばい」
「カード?」
「『剣豪乱舞』いうカードばい!」

凪くんがウエストポーチから小さなファイルを取り出す。
中には美麗なイラストの――ははぁ、ここに描かれている美中年たちが、『剣豪』か。

「ふかみちゃんが読んでるマンガ貸してもらったら、凪さまもいっぺんで気に入ったとよ!
で、剣豪カードの、豪レアの『夏の滝修行・角目蔵人』がどうしてもほしかとばい!」
「ははぁ」


なるほど、それで合点がいった。
ふかみ君はつまり――凪君を思わぬ沼に引きずり込みかけた、その責任を感じているのか。

「角目蔵人は凪さまのお師匠さんのお師匠さんのお師匠さんの、ずーっと前のお師匠さんやけん!
凪さまが、引かなきゃならんとばい!!!」
「引く……というのは――
カードはつまり、欲しいものが確実に手に入る形式で販売されてはいない?」
「『増援袋』っていう15枚入のカードに、剣豪カードやら秘伝カードやら戦場カードやらがごっちゃになってはいっとるばい!
やけん、ほしいの引くのは、なかなかなかなか難しかと~」
「では、もし、そのお目当てのカードを引けなかったら」
「引くまで買うばい!!! そしたらいつかはあたるけんね!」
「なるほどなるほど」


凪君に椅子をすすめて、ボクも座る。
目線の高さが近くなる。
凪君の目をまっすぐ見つめる。

「凪君に新しい楽しみが増えたというのは、とても素敵なことだと思う」
「そ、そぎゃんおおげさまもんじゃなかとよ!
ただ、修行とか仕事の合間に、好きなカード使って遊ぶと、よか気分転換になるけんね」
「息抜きはとても大事なことだ。適度な娯楽はこころの疲れを癒やしてくれるし、次の仕事への活力ともなる」
「さすが稀咲ねーちゃん! よーわかっとるばい!!」
「けれど娯楽は、『適度』を過ぎると毒になる。
楽しかったはずの娯楽が、仕事への活力を奪いはじめる」
「???」

ボクの言葉がまったく通じていないのか、
また体ごと小首が傾ぐ。

だったら――そうだね。
うん。切り口を変えてみよう。

「ふかみくんが、お気に入りのマンガを買うのはいいことだよね?」
「そりゃそうばい! マンガとかご本読んでるときのふかみちゃんは、とってもとってもしあわせそうで、かわゆかけんね!」
「しかし、ふかみくんが――そうだね、古本道楽に耽溺してしまう。
昔々の貴重なマンガの揃い本を、10万円とか20万円出して買い集めはじめる」
「20万円!!!?」」
「稀覯本なら、もっと値がついてもおかしくはない。
集め始めれば、コレクションの欠けが気になり始める。
ふかみくんは収集に血道をあげはじめ、ついには手持ちの資金では足りなくなり、周囲への借金をはじめてしまう」
「そいば――そいばよくなかとばい!!!
そぎゃんになったらふかみちゃん、苦しかけん――
きっといつか、マンガのことば嫌いになっちゃうと!!!」
「おそらく、その可能性がとても高い」

なるほど。ふかみ君の言う通り、凪君はとても聡明だ。
そして――
『話がつたわらなかったら、わたしで例えてみてもらえたら、きっと、伝わると思います』
……そうと見事に看過していた、ふかみ君もまた、同様に。

「振り返って、凪くん。
『あたりを引くまで引き続ける』という君が示した基本姿勢も」
「っ!!!? 危なかとばい!!! もし引けないのがつづいちゃったら、凪さまきっと、カードば見るのもイヤになっちゃうばい!」
「そうとおりだね」
「けどけど凪さまどうしても! 『夏の滝修行・角目蔵人』がほしかとよ!」
「うん?」

切羽詰まった様子にあらためて尋ねれば、
そのカードはなんでも、『夏季限定増援袋』なる時限販売のパックにしか封入されないものらしい。

「……つまり、今、この機会に手に入れられなければ、
二度と手に入れられなくなってしまうわけか」
「そうばい!!!」
「けれど、ひき続ければ確実にひけるとも限らない。
お給料全てを費やし、あげくに手にも入れられないという最悪の結果も、十分ありうる」
「はうっ!」

押しつぶされたような悲鳴。
けれども、それも続く言葉がしぼりだされる。

「……そりゃ……そうばい。
けど、引かなくちゃ! 引かなかったら、絶対絶対ひけんばい!!」
「それもそうだ」

体を乗り出す。
頭半分――その距離だけを凪君へと寄せる。

「だから、ボクは。予算を定めることを薦める」
「予算」
「うん。『その月の収入の何%を娯楽費にあてていい』という風に予算組みをする。
何%にするかは、凪くんの自由だ。例えば100%でもかまわない。
そうしたら、凪くんはその月、他の何にもお金を使えなくなるけれど」
「んぐっ!? それは――それはさすがにイヤばい!」
「だったら、予算を定めよう。
凪くんは今月。娯楽費以外で、いくらくらいのお金を使いそうかな?」
「わおわお!!!! そいばかしこかとーーーー!!!」
「ふふっ」

ああ、凪くんは実に賢い。
ボクの言葉の全てを待たず、予算組み――その有用性に鮮やかな理解を示し始める。

「えっとまずふかみちゃんと遊びにいくお金ばぜったいいると。
あと、はじめてのお給料やけん、じいちゃんとばあちゃんと、
お父さんとお母さんとふかみちゃんにも、プレゼント買いたかと」

後者はともかく、一般的に前者は完全に娯楽費だ。
けれどもきっと凪君には、ふかみ君と過ごす時間は、そこに収まらぬものなのだろう。

「あとは、今よりもーちょっと重い木刀もそろそろ試したかとばい。
それと、お給料もらうようになったけん、新しかスニーカーも、自分のお金で買いたかとねー」

雛衣女史から紙と鉛筆をうけとって、凪くんはうんうん考え始める。

「……カードも絶対欲しかとばってん、他のどれも削れんけん……
やけん、最初から使えるお金ば決めて。そいば歯止めにせんといけんとね」

素晴らしい。
この素直さと聡明さとは、実に愛するべきものだ。

「そしたら……えと――、四割!
40%ば、凪さま娯楽費にあてたかとばい!」
「その40%を、30%の娯楽費と、10%の予備費にあてるのはどうだろう」
「予備費ってなにばい?」
「予算を全て使いきって、けれど、急になにか特別な用事――
例えば、そうだな、誰かが凪くんを映画に誘うなどあった場合」
「映画に凪様のこと誘うだなんて、ふかみちゃんくらいしか……
くらい、しか…………」

おや、凪君にも乙女心が芽生え初めているのかもしれない。
これは説明の都合がいい。

「そうした場合、お財布が空っぽなことを理由に誘いを断るのもつまらなくないかな?
そんなつまらなさを回避するための『いざというときのお金』が、予備費だ」
「予備費! とっても大事ばい!!! ならなら凪さま、10%を予備費にすると!!!
ばってん――誰も凪さまのこと誘わんかっったら、予備費、どぎゃんすればよかと?」
「次の収入があるまでに予備費を使い切らないですむなら、幸いなことだ。
余った予備費を次の収入にそのまま足して、さらに余裕を得た資金で、新しく予算を組めるのだからね」
「わおわお! したら、来月の娯楽費ばそのまま増やせちゃうとね!」
「もちろん、そうしてもかまわない」
「そしたらそしたら、この予算で凪さまいくばい!!!
30%分、カードばガンガンひいいていく――あ」

凪くんの目が丸くなる。
なにか、都合の悪いことでも思い出したのか、急にもじもじしはじめる。

「やっぱり凪さま……ええと――ええと――」

ふたたび鉛筆が走り出し、元気いっぱいの数字が踊る。

「やっぱり凪さま、娯楽品は23%にしとくばい!」
「うん? 残りの7%は」
「残りの7%は、凪さま、こいば買っちゃたけん!!!」

凪くんが、ボクの眼の前に小箱を差し出す。
爽やかな水色の包装紙と青いリボンと――
Happy Birthdayのシールが張られた――――っ!!!?

「凪君、これは――」
「見てわからんと? 稀咲ねーちゃんへのプレゼントばい!」

「いや……しかし――
とても――ものすごく嬉しいが、しかし」
「???」

なぜ受け取ってもらえないのか、
三度体ごと小首が傾ぐ。

いや、もちろん受け取る。
ありがたく、とてもありがたく受け取らせていただくのだけれど――

けれども、しかし――それにしたって――

「これは……凪くんが初任給で――
はじめて買ったものが、その――ボクへのプレゼントで」
「だって今日、稀咲ねーちゃんのお誕生日でしょお」

無論、頷く。全力で。

「なら! はいっ!!!」

受け取って――途端ぱあっと、凪君の顔に花が咲く。


「稀咲ねーちゃん! お誕生日おめでとお!!!」


;おしまい

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

whisp 2019/04/21 21:44

「ふかみちゃんと一年中!!」凪ちゃんミニボイスドラマ台本「また、あした」(進行豹

こんばんわです! 進行豹です!!

今日は凪ちゃん!
凪ちゃんがふかみちゃんの相手役となりますミニボイスドラマの台本をご紹介いたします!


抱き枕カバー連動センサー対応ボイスコンテンツ開発のためのクラウドファンディング!
「ふかみちゃんと一年中!!」


http://vigorball.com/project/s/project_id/31

の、ご支援御礼ミニボイスドラマの台本です!

いただきましたリクエストはこちら!

///
結婚前日に凪と二人でこれまでとこれからを語り合う。親友でありライバルでもある二人の微妙な心境だったり新たな決意だったりお互いへの想いだったりが聞きたいです。(一応ふかみちゃんの結婚相手は双鉄の想定です)
///

いただきまして、わたくしがかきあげた台本がこちらとなります!!!


/////

『ふかみちゃんと一年中!! 凪ちゃんのためのミニボイスドラマ 「また、あした」』
2019/04/19 進行豹

;セリフは全てふかみ

「……ごめんね凪ちゃん。ありがとう。
結婚式の準備、今日まで結局、ぜぇんぶつきあってもらっちゃって」

「川下りのお仕事、やっぱりギリギリまでやりたかったから――
ネイルもエステも、お式の前日にあわてて、なんて、ちょっとバタバタしすぎちゃったね」

「でも……うふふっ。凪ちゃんが一緒にいってくれたから、こころづよかったし、嬉しかった」

「……ね、凪ちゃん。見せて? 凪ちゃんのネイル」

「うふふっ、かわいい。うれしいな。
凪ちゃんがはじめてのネイルを、わたしの結婚式のおめかしのためにしてくれて――
凪ちゃんのはじめてのネイルが、わたしと色違いの、おそろいで」

「凪ちゃんのターコイズと、わたしの薄ピンク。
こうして、ふたりの手ならべると――
ふふふっ、ね? 綺麗だよね。
爪がキラキラ、宝石箱みたいな感じして、かわいい――わ!?」

「って、やだ! 恥ずかしがらないでよぉ、凪ちゃん。
かわいいって――だって、褒め言葉だよ?」

「いっつもの凪ちゃんは男の子みたいにしてるけど――
双鉄おにいさんと知り合うまえは、わたしも凪ちゃんのこと、ときどき、『男の子みたい』って、思ってたけど」

「凪ちゃん、すごく女の子だなぁって――
双鉄おにいさんと知り合ってから、いろんな意味で。
わたし、改めて思うようになって……って、いうか――」

「わたし、ね? 凪ちゃんが……
凪ちゃんも、恋してるって思っていたの。
双鉄おにいさんに」

「けど、凪ちゃんが
『にーさんのこと、よかにーさんって思うばってん、恋とかそういうんじゃ、全然なかとよー』って、笑い飛ばしてくれたから――」

「『そぎゃん質問してくるゆーことは、ふかみちゃん、もしかしてにーさんのこと好いとーと!?』って、背中を押してくれたから……」

「凪ちゃんがいてくれなかったら。
わたし、絶対、今日を迎えられてないと思う。
日々姫さんとかポーレットさんとか――
もしかしたなら、ハチロクちゃんとか、銀行の稀咲さんとか――」

「ライバル……たくさんいたって思うし。
あんなに素敵な人達と争うんだって考えちゃったら――
わたし絶対、自信なくって……最初からあきらめちゃてたかもって、思うし」

「でも、凪ちゃんがいてくれたから」

「……今思い返すとね?
双鉄おにいさんのこと、好きってわたし、自覚して――
双鉄おにいさんと、どんどん距離が縮まっていった、あの時期、とか……」

「……うん。自分でもかなり、不安定……っていうか、
言ってることもやってることも、おかしかったよね、って
、思うの」

「双鉄おにいさんが日々姫さんと歩いてるの見るだけで、
『やっぱりほんとはあの二人』とか思っちゃってたし、
ポーレットさんと会議室に入っていったら、
『あの中でいったいなにを!?』とか、ワタワタしてたし」

「けど、凪ちゃんがいちいち全部、まっすぐまっすぐ――双鉄おにいさんに聞いてくれたから。
わたし、すごく安心できたし、落ち着けた」

「それに、ね? 凪ちゃんが質問してくれて――
『ふかみちゃんが気にしとったけん!』って、
あっけらかんと言っちゃって……
そのときは『やめて凪ちゃん!』って思ってたけど」

「けど、ああいうのが――
双鉄おにいさんにわたしの気持ちを伝えてくれる、
一番大きな力になってたんじゃないかなって、今は思うの」

「だって、双鉄おにいさん。あの性格だから。
わたしがもしも勇気を出して、
『好きです』って告白したとしても――うん! そう!」

「『そうか。僕もふかみが好きだ』って。
恋愛一切からめないで受け取られちゃって!、
それから先に、きっと進めなくなっちゃってたよね!?」

「だから……凪ちゃんがいてくれたから――
凪ちゃんが……いつでも……わたしを……」

「((呼吸音)」

「……。凪ちゃん――あのね?
わたし、明日……双鉄おにいさんの奥さんになるけど。
右田ふかみになるけど――それでも。
わたしは、ふかみは、ふかみだから」

「竹やぶでの剣術修行、一人じゃあれ。危ないんだから、
絶対わたしに声をかけてね?」

「道房山の桜が見頃になったら、ね?
『見にいくばーい』って、一週間前から約束してたみたいな顔して、自転車でいきなり誘いにきてね?」

「凪ちゃんのお父さんが、珍しい味のおかしお土産で買ってきたら、ね? 『これふかみちゃんにあげるばい』って、いつもみたいに、わたしにも半分食べさせてね?」

「映画、映画も、アクションでもカンフーでもかまわないから。いくとき、ね? わたしもぜったい、誘ってね?」

「マンガも、貸し借り続けようね?
お弁当も、一緒にでかけるときにはやっぱり、わけっこしようね?」

「それから、それから、それから、それから――」

「……あの、ね? 凪ちゃん。
わたしが奥さんになっても――結婚、しても」

「ずっと、ずうっと――わたしの、お友達で――あっ!」

「うん! うん! うんっ! えへへっ! ありがと!
そうだよね! 『そんなん、あったりまえ』だよね!!」

「よかった! うれしい。ホッとした。
結婚、なにがどう変化しても、絶対絶対絶対に、双鉄おにいさんがなんとかしてくれるって――ううん、ふたりでなんとかできるって、そこは、確信してるけど」

「凪ちゃんとわたしのことは、凪ちゃんとわたしだけのことだから。
双鉄おにいさんにだって頼れない――
ううん、双鉄おにいさんにだってわたし、かかわってほしくない。
たったひとつの、わたしだけの。大事な、大事なことだから」

「だから……ああ。
あああ~! 本当によかったぁ~~――ぁ――ふぁ――ふぁぁあ」

「……あー。うん。だよねー。
結婚式の準備とか、リハーサルとか、
ばたばただったし、緊張たくさんしちゃってたし」

「安心したら……えへへ、ねむたくなっちゃった。
ね? 凪ちゃん、今夜も――え?」

「あ。そっか。うん。そうだよね。
確かにわたし――おかあさんとまだ、のんびりじっくり、話ししてない。
お礼とか、ちゃんと言えてない」

「――うん。わかった。ありがと凪ちゃん。そうするね?
今夜はわたし、おかあさんに――
一緒にねない? って、お願いしてみる」

「……凪ちゃんも、おうちでゆっくり、しっかり寝てね?
明日もきっと、わたし、すっごく凪ちゃんに、甘えちゃって、頼っちゃうって思うから」

「うふふ! ありがと、頼りにしてます!
しまくってます!」

「それじゃ、凪ちゃん。おやすみなさい。
また明日……っ!」

「あとね! 凪ちゃん。もうひとつ。
今日いっとかないと――言うタイミング、むつかしそうかなって思うから」

「あのね……ええと――
この先いつか、凪ちゃんに好きな人ができたら!
凪ちゃんが、恋したら」

「そのときはわたしに相談してね?
わたし、凪ちゃんを全力で応援するし、恩返ししまくっちゃうし、恋愛とか結婚のセンパイとして、できるアドバイス、全部するから」

「うん! えへへっ! まかせて!
そのときにはどーんとたよってね!」

「……なんだかぐずぐず引き止めちゃって、ごめんね?
もう大丈夫。
今度こそ、おやすみなさい」

「じゃあね、凪ちゃん」

「――また、あした」

;おしまい


/////


凪ちゃんとふかみちゃんとの貴重な時間を描かせてもらえるリクエスト、まことにありがとうございました!

ひきつづきまして、がんばります!!!!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

whisp 2019/01/07 22:31

2019年 蓑笠凪 誕生祝いショートストーリー 『春の七草』

こんばんわです! 進行豹です!!!
今日! 1月7日は全国的に凪誕!

「まいてつ」ヒロイン、蓑笠凪のお誕生日でございます!!!

ので! わたくし短くありますが、
凪さまの誕生日を寿ぐショートストーリー! 執筆させていただきました!!!

ぜひぜひ! 凪誕! お祝いのほどいただけましたらうれしいです!!!



        *



2019年 蓑笠凪 誕生祝いショートストーリー
『春の七草』

2019/01/07 進行豹


//////////


「……ごちそうさまば~い」

あう~!
せーっかくのお誕生日なのに、朝からテンションさがるとばい!
凪さま、なーんでお粥の日なんかに産まれちゃったとかねー。

どうせだったらクリスマスとかおひなさまとか、
ごちそうが食べられる日に産まれたかったと!!

「……そげなしぶか顔ばせんでも。夜には肉じゃろ。
御一夜鉄道でパーテーをしてくれるいう話じゃけんのう。
ありがたかことじゃ」

「そうだったばーい!!!」

じいちゃんがゆうてくれるまで、すーっかりわすれとったと!
今年は凪さま、御一夜鉄道の一員やけん!!
みんなにパーティー、してもらえるとばい!!

「思い出したら、凪さま元気百倍ばい!!
お仕事、がんばってくるとばーーい!」

「おー、気をつけていって来ぉ!」

「わかったとばーい! いってきまーーーーす!!!」


;SE 機関車走行音
;SE 投炭

(かぱっ! ざくっ! かぱっ! ざくっっ!)

「投炭よし! 水面計よし! 蒸気圧よし!!
へっへへー! 凪さま、絶好調ばい!!!」

「本当に今日の凪はよく集中できていますね。
この調子なら、正機関士も遠くはないかもしれません」

「わおわお! 凪さま正機関士になれそーと!?
日々ねーちゃんより早くなれたら、大手柄ばい!!」

「まぁ凪。機関士資格を競争の対象と考えるなどもっての他です。
『より安全に、より正確に。』
競争心は、そうした基本目標を見失いやすくさせてしまいますから」

「はうっ!? せっかくほめられたのに、
すぐ叱られちゃったばーい」

「しかし、凪はもとより剣士だからな。
競争心や闘争心があってこそ、より落ち着けることもあるかもしれん」

わおわお! にいさん、ナイスフォローばい!!

「……双鉄さまのお言葉ですが、
そのようなこと、果たしてございますのでしょうか?」

「あるよな? 凪」

「??? そぎゃんこつ、あると?」

あぶなかっ!
にーさんいま、運転中にもかかわらず、ずっこけそうになったばい!!

いけんばい!!
にーさんちょこーっと機関士の自覚、たりんかもしれんとね~!

「しっかりしてくれ、凪。
修行のときに、しばしば口にしているではないか。
静中――」

「!!!! 静中動あり! 動中静あり!
静中の静は真の静にあらず!
道中に静を得て、わずかにこれ性天の真境なり!!!」

「うむ! そのとおりだ」

「――いまのは、漢語……で、ございましょうか?
どのような意味合いのものですか?」

にーさんが、「わかるか? 凪」って感じの顔するばってん!
こんなん凪さま! らくしょーばい!!

「動いているもののなかにも静かなものがあって、
静かなもののなかにも動いてるものがあるとばい!
で! 静かな中で感じる静かは本当の静かじゃなくて、
動きのなかにある静かこそが、しょーしんしょーめーの『静か』とばい!!」

「おお――」

にーさんが目、ぱちくりさせよる。
へっへーん、凪さまのこと、見直しよったと?

「静止状態から動き出すものこそ、もっとも力のかかる箇所。
動いている物のなかにある動かぬ点こそ、まことに力がかかる箇所」

「!」

ハチロク、すごかと!!!
凪さまが剣術修行しまくって、なんとか最近わかりはじめたことば――

あ、ちがかとね?

動と静。
蒸気機関車もゆーたら、そんカタマリばい。

で、ハチロクば……凪さまの修行の何倍も、
そのカタマリと、ずーっとつきあってきとるけん!

「……で、あるならば理解できます。
凪が得る真なる静は、動中の静。
競争心に、対抗心に心を燃やし――
動輪を回し切るその中でこそ、安定を得るものなのかも。と」

「かっこよかばい! まっことばい!
凪さまそういう感じばーーーーい!」

「凪?」

「わっ!!? わわっつ!?」

いけんっ! お仕事っ! 凪さまのっ!!

;SE 短汽笛
(ポッ!)

「な、仲里第一踏切、通過とばい!!」

「……前言撤回でございます。
凪が真に、動中の静を見出すまでには、まだまだかかりそうですね」

「はううう~! 凪さままたやらかしちゃったとばい!」

ん? にーさん今……ふふってちっちゃく……笑ったと?


「誕生日パーティーのことなら心配無用だ。
ふかみがすっかり取り仕切っている」

「!!! ふかみちゃんが!!?」

「うむ。ポーレットがにこにこしながら聞かせてくれた。
あのふかみが、凪の誕生パーティの幹事に立候補してくれたのだと」

「立候補!? ふかみちゃんが!!!?」

「それだけ、大成功させたいのでしょうね。
御一夜鉄道ではじめてむかえる、凪のお誕生日のお祝いを」

「ふかみちゃぁ~ん」

やる気でるばい! 嬉しかとばい!!
凪さましっかり大成功で! 8620! 御一夜温泉駅に帰したげるばい!!

(かぱっ! ザクっ! かぱっ! ザクっ!!)

「――一気に集中が戻りましたね」

「うむ。感動の中に、どうやら静を見出したようだな」

「たいへん素敵なことですね」

「うむ! っと、僕らも僕らの仕事をだ!」

「はい。双鉄様!」

;SE 長汽笛
(ぽーーーーーーーーーーーっっ!!)


「手ブレーキ、よしっ!」

「御一夜温泉駅着。定刻通り。
お見事です。双鉄様、凪」

「ただいまばーい!
お誕生日パーティばい! ごちそうばーーい!!」

「あ、凪ちゃんっ!!」

「ふかみちゃん!! わざわざホームで待っとってくれたと!?」

「うん! だって一番にプレゼント渡したくって。
はい。これっ」

なにばい!? かわゆか袋ばい……って!!!!

「手袋ばーい! 手編みばい!!!
動輪マーク! はいっとるばい!!!!」

「凪ちゃん、もうすぐ機関士さんになるんでしょう?
だから、ぴったりかなって思って」

「ありがとばい! 凪さま最高にうれしいばい!!」

「よかったぁ」

「僕からのプレゼントも、ささやかながらパーティ会場に用意してある」

「わたくしも同じにございます。本当にささやかですので、期待は控えめにおねがいしますね?」

にーさんとハチロクもにこにこばい!
たのしか気持ち!もっともーっとふくらむとばい!!

「控えめにしたってうれしかとばーい!!
御一夜鉄道最高ばい!
じーちゃんたちのお誕生日パーティーより!
ずっとずっと、ずーっとよかばい!!」

「む? それは聞き捨てならんな。
蓑笠さんたちのお誕生日パーティに、なにか問題でもあったのか?」

あうっ……今の、ちょっと言い過ぎたばい……
ばってん……いっつも――

「問題、とかはなかとよ?
ただ……ごちそうが、年寄り臭くて地味すぎばい」

「ふむ?」

にーさんがなんでか食いついてきよったけん、話すばってん……
凪さま、なんだかはずかしかとよ~

一番派手なところでお刺身――
あとはもう、お野菜の炊合せとか、和え物とか酢の物とか、炊き込みご飯の話だなんて……

「ふむ。凪。
お前は恐らく、大きな勘違いをしてしまっている」

「勘違いって、何がばい?」

「お誕生日の、蓑笠さんたちのごちそうについてだ。
蓑笠さんたちのごちそうは、恐らく全て、胃腸に優しい」

「???」

「わからんか? では、質問をひとつしよう。
今日食べることが、縁起がいいとされているものは――」

「そりゃ知っとるばい! 七草がゆばい!」

「うむ。
七草がゆは、本来、正月のごちそうで疲れ切った胃腸を休め、
一年の無病息災を願う――という性質のものだ」

「まぁ、うふふっ。無病息災。
まさに、凪はその申し子ですね」

「あっ!」

ふかみちゃん――ハチロク――にいさん。
みたらすぐ、みんなコクって、うなずいてくれる。

やったら、凪さま――
凪さま、いままで……

「あのね? 凪ちゃん。わたし、凪ちゃんのおじいちゃんたちに――
今日のごちそう、ひとつおねがいされてるの」

「なにを……ばい?」

「凪はお肉が好きだから、お肉のごちそうにしてあげてほしい。
だけど、食べ過ぎるとお腹を壊しやすいから、
できるだけ、脂身は減らしてあげてほしい――って」

「……じいちゃんと、ばぁちゃんが」

「だから、しゃぶしゃぶ。
お誕生日のごちそうなんだけど――どうかなぁ?」

「そんなの、そんなの――最高ばいっ!!!!!!!」

最高すぎで、うれしくて。
やけん――やけん! 凪さま、凪さまっ!!


「あのっ、えとっ!!!
ふかみちゃん、にーさん、ハチロク。
うち、そのっ――」

「ひょっとして、誰か招待したいお客様でもいるのか?」

「うんっ!!!」

「うふふっ、安心して、凪ちゃん!
幹事特権で、ちゃあんと予備席、ふたつ用意してあるから」

「!!!!! ありがとばーい!!!」

やったら! やったら! すぐ電話ばいっ!!!
じーちゃんまだかな、早く出んかな、まだかなぁ――あっ!!!

「もしもし!! じーちゃんっ!! 凪さまばいっ!!!」


;おしまい

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

whisp 2018/10/19 23:02

2016/11 キャララ朗読劇台本 「凪とふかみのお買い物」(進行豹

こんばんわです! 進行豹です!
今日は「キャララ!」でございました。

声優の野々原まどかさんをゲストにトークショーやってまいりまして、
『ふかみちゃんと一年中』のコンテンツ紹介をしてまいりました。

とはいえまさか、ふかみちゃんのものまねをやっていただくわけにはまいりませんので、
早瀬ふかみちゃんの、いわばカウンターキャラ

「川下りではなく山登りをお仕事にしていて」
「大人の女の人なのにイマイチお色気に欠ける」

『遅峰あさみ』ちゃんをキャラメイクして、あさみちゃんによって

親密度
『ドキドキ』(付き合いはじめ
『イチャイチャ』(ラブラブ恋人同士
『家族』(ゴールインして、暖かな家族関係

それぞれのステージでの「お腹にタッチしたときの台詞」をお演じいただきました!

それが果たしてどのようなステージになったか――につきましては、
ご来場くださったみなさまのご感想など、是非チェックいただけましたらうれしいです!


で。
せっかくのキャララでございましたので、ci-en記事も、キャララ台本の過去のものをご紹介しようと思います!

2016/11月キャララで一度限りの上演をさせちえただきました!

『凪とふかみのお買い物』です!

伝説の凪ふかデュエットがございました会!

無料会員登録だけでどなたにもご覧いただけるコンテンツとして台本おいておきますので、ぜひぜひご笑覧いただけましたらうれしいです!!

フォロワー以上限定無料

毎月whisp作品50%OFFクーポンを受け取ることができます。

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

1 2 3

月別アーカイブ

記事を検索