有坂総一郎 2021/07/21 20:55

活動報告<2>

皆さん、こんばんは。

有坂総一郎です。

さて、「ものがく」「このはと」は何れも作者である私の分身が時空を移動して世界を変えていく物語。

「ものがく」は1767年スタートの田沼時代全盛期を舞台にするもの。
「このはと」は1921年スタートの欧州大戦後から後の時代を舞台にするもの。

どちらも共通するのはいわゆる歴史上の悪役と言われる存在を主役に仕立てているということ。

そう、賄賂政治家こと田沼意次、そしてA級戦犯こと東條英機。

二人はある共通点がある。どちらも主君からの覚えめでたき能吏であること。そして無類の忠誠心によって与えられた職責を全うし、最後は失脚したと言うこと。

彼らに共通するのは敵を作りすぎたと言うことだろう。

ただ、その敵が多い二人ではあるが、色眼鏡で見なければ、多くの功績を残していることに気づけるはずだ。

田沼意次の場合、農本主義から資本主義・重商主義・貨幣経済への移行という経済・税制の大変革である。また、蝦夷地/樺太/千島の探索、貿易額の増大など多くの面で従来の江戸幕府のそれから脱却して近代国家への一歩を踏み出そうとしたソレであった。

東條英機の場合、開戦直前でありながら国策の白紙撤回と統帥権問題の解決という難題に取り組んだ。また、銘々勝手に戦争をする陸海軍だけでなく官僚たちを唯一統制出来た宰相であるというソレ。

どちらも日本史上において大きな変革を成し遂げようとした足跡を感じるものだ。彼らの苦悩やぶつかったものを描きたい。それが彼らを主役に持ってきた理由だ。

無論、それを活かしきれていないという問題が常に私を苛むのだが、それは結局はクリエイターとしては三流以下という話でしかないことは百も承知ではある。

だが、それでも彼らの生き様を描きたいという衝動には素直に従いたい。そして、彼らが最後に願った行く末を描けたらと思う。

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