有坂総一郎 2022/03/03 16:00

通信と交通

通信と交通

さて、丁度ウクライナ戦役で補給不足になって云々と話題になっているのだが、そら短期決戦で使う戦力及び兵站と長期戦で使うそれでは違うだろうさ。

巷で言われている通りに、ウクライナの善戦で長期化したのかは正直どうか解らんが、なにせウクライナや西側の大本営発表ばっかりで客観的なそれがないから判断のしようが無い。

ただ、確実なのはウクライナの善戦云々は抜きにしても短期決戦から長期戦にステージが変わったと言うことだ。そのステージが変わったことで補給兵站に支障が出始めたのは事実であろうということだけが信用出来るモノである。

そして本題、通信に関しては別に検証していた通りで、主人公サイドにアドバンテージを与えることになるが、次に重要なのは交通だ。

「現国」では、禁軍の土系魔法のそれを動員して土木工事にあたることで建機代わりに道路の拡張と道床の強化を行っていた。これは主として交通網の整備によって流通を強化、物品とくに食料品の流通コストの低下による市場価格適正化を狙ったものであり、作中でも触れられている。

史実において、道路行政を重視した戦国大名として有名なのは武田信玄が挙げられる。

棒道と称されるそれは甲斐本国から信濃へ向けての主要侵攻ルートとして整備がされていた。現在でも上の棒道、中の棒道、下の棒道の三筋が残されている。

まぁ、武田家の事情による部分も大きかっただろうが、その道路行政は非常に効果的であり、上杉謙信が苦労して山越えして川中島にたどり着くのに対して、距離が倍も離れている武田信玄はそれほど苦労せずに川中島に布陣出来ていたことからその効果がうかがえる。

そして史実の日本は馬車が存在しなかったが、欧州は馬車運用であった。馬車運用する上で道路行政は武田信玄以上に取り組まないといけないことになる。

定時性の確保や重量物輸送、高速運行を考えると舗装は必須になる。そしてそれを支えるためには道床の強化が必要になる。

また、製鉄が大規模化すれば、鉄道馬車が運行されるようになり、蒸気機関が実用化出来たら真っ先に蒸気機関車による鉄道運行とその後に続く発展のことも考えるとこれらは非常に重要な公共事業になる。

まして、不況により職にあぶれるというのが日常茶飯事のナーロッパ世界のご都合を考えると公共事業の重要性は史実を上回るだろう。それは文字通り景気回復、経済活性化の起爆剤になるからだ。

ここまで来たら国土が多少小さくとも産業ベースで優位に立てるから富国強兵は軌道に乗ったも同然だろう。

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